世界経済の未来ストーリー1
清家彰敏
1.1990年代、共産圏が崩壊し、資産家である共産圏などの高級移民が欧米へ移民した。
2.資産家高級移民は衣食住、家電、自動車を必要とし、欧米の不動産業、製造業は繁栄した。
3.不動産業、製造業の1度目の大儲け。
4.次に中級移民が欧米へ移民した。
5.中級移民は衣食住、家電、自動車を必要としたが、資産、所得が高級移民より低いので、欧米の製造業の高価格の衣服、家電は購入が難しかった。
6.欧米製造業は中国へ工場を移転し、低価格の衣服、家電を欧米へ輸出し、中級移民、一般庶民が購入した。
7.高級移民に対するビジネスモデルを中級移民へ応用し成功した。
8.2度目の大儲け、中級移民、一般庶民は数が多いので、儲けはさらに膨らんだ。金融業がビジネスモデルに参加。
9.中国など旧共産圏諸国などが豊かになったので、資産の無い低所得の下級移民が欧米へ移民した。この低級移民と欧米の貧困層が対象なった。
10.貧困層、低級移民などは購買力が無いので、不動産は買えない。家が買えないと衣食住、家電、自動車も売れない。ここでビジネスモデルの主役は金融になった。
11.サブプライムローンによって、貧困層、低級移民に不動産を買わせた。
12.貧困層、低級移民は家ができたので、無理して、衣食住、家電、自動車を購入した。
13.高級移民で成功したビジネスモデルを貧困層、低級移民にも応用して、3度目の成功を収めた。
14.3度目の大儲け、貧困層、低級移民はさらに数が多いのでさらに大儲けが出来た。
15.サブプライムローンの破綻。(ネズミ講的ビジネスの失敗)。
16.多くの失敗者は出たが、リーマンショック時には160兆ドルまで富は膨らんだ。
17.その後半減したが、2013年現在では再度増加し200兆ドルの資金が世界でだぶつく。世界のGDPの3倍の規模である。
18.欧米の経済低迷。
19.しかし、この同じビジネスモデルで3度美味しいビジネスで感じた体験は欧米の投資家にとって忘れられない。次はもっとうまくやりたい。
20.欧米では法的にも再度サブプライムはもう無理だが、もう一度あの美味を味わいたい。
21.どこかで出来ないか。欧米よりも大きな市場でやれれば、さらに美味しい。
22.中国。欧米の人口の2倍。その上、中国の政治家も官僚も市場経済の体験が少ない。グローバル経済、特にビジネスモデル、金融商品、金融政策などについては慣れていない。
23.中国の経済成長の歴史は「貿易拡大による成長」と「公共投資牽引の成長」の繰り返しであった。
24.貿易はGDPの6割を占める。貿易額の半分強は外資系企業。
25.しかし、中国の輸出は、欧米経済が低成長で、今後期待できない。
26.中国の輸出で伸びているのは途上国。特に、かつて中国が10年以上資源・エネルギーを購入したために、中国以上の成長をしたアフリカなどの資源国。
27.しかし、中国は今後資源・エネルギーをかつてほど必要としない。資源国の10年間で貯蓄した富は5年以内に尽きてしまう。
28.今後中国の輸出は伸びない。
29.今後中国の成長は、公共投資と輸入の2本柱。
30.貿易の伸びがGDPの伸びを牽引するなら輸入増でも同じ効果がでる。
31.外資と中国人経営者は、輸出で儲けても、輸入で儲けても得られる利益、利権は同じである。
32.外資、国有企業、民営企業は、工場を低賃金国へ移転させ、中国へ製品を輸入するビジネスモデルへ転換する。
33.習政権は綱紀粛正を言っており、2013年2月現在4000名の党幹部、国有企業幹部の海外渡航を禁じ、腐敗調査に入った。
34.中国でのインターネットでのタレこみ記事のすごさは、かつての紅衛兵の悪夢を連想させる。この上吊るし上げが出てくると、悪夢は現実になる。
35.(インターネット紅衛兵)
36.国内の企業資産は政府の政策などによって、国内での移転ないしは国有化される可能性がある。
37.海外の企業資産である工場、鉱山、買収企業は、国内の企業資産より経営者の裁量、自由度が大きい。政府の干渉を嫌うのは経営者の本能でもある。
38.海外工場が成功するための条件はFTAである。国家を越えることは利益を減らす。
39.世界的なFTAの普及は、TPPも含めて、中国国内の工場を海外へ出しやすくするための仕掛けとなる。
40.ますます海外工場は増加。海外工場からの衣、食、住器具、家電、自動車などの輸入は急増し、中国企業と欧米資本は大きな利益を上げる。
41.中国は2013年現在、財政黒字、膨大な外貨準備があるので、習内閣10年間は輸入による成長に耐えられる。輸入に公共投資が加わる。
42.中国は、世界史上類例のない大規模輸入の経済となる。
43.中国政府は元を大幅切り上げる。
44.欧米への輸出品の価格は上昇し、米国は中国からの輸入品の脅威が低下、経済運営が楽になり、欧米の中国輸出が増加する。
45.中国は、輸入品、海外工場からの衣、食、住器具、家電、自動車などは安くなる。
46.輸入製品、食料、資源・エネルギーは安くなる。
47.中国から脱出し、途上国、バングラデシュなどから中国に輸入を行う外資企業、中国企業は、バングラデシュ通貨など現地通貨での利益が増加する。
48.中国政府、国有企業は元高を利用して、海外企業、特にスマイルカーブの上下流(企画、研究開発、販売、サービス)の企業の買収が容易になる。
49.中国企業は世界の工場を脱し、世界の技術を主導し、ブランドを獲得することが可能になる。
50.中国はシェールガスの開発が進む。
51.ここで、欧米は、かつて移民で成功した3度美味なビジネスを今度は、移民の故郷中国で繰り返す事を思いつく。
52.一度美味しい味を覚えると人間は忘れられない。
53.中国で資産家は衣食住、家電、自動車を必要とし、中国政府と地方政府主導のもと不動産業、中国国有企業、外資は、生産とインフラ投資で繁栄する。
54.都市インフラ創造で、日本からは日立製作所、東芝、三菱重工業、IHI、セブンアイ、イオンなどが活躍。
55.中国での1度目の大儲け。(世界的には4度目)
56.次に中産階級が豊かになる。
57.中産階級は衣食住、家電、自動車を必要とするが、資産、所得が資産家などより低いので、高価格の衣服、家電は購入が難しい。
58.中国企業は、海外へどんどん工場を移転し、低価格の衣服、家電を中国へ輸入し、中産階級が購入する。中国企業、外資は大儲け。ビジネスモデルに金融業が参加。
59.資産家などに対するビジネスモデルを中産階級へ応用し成功する。
60.2度目の大儲け(世界的には5度目)、中産階級は数が多いので、儲けはさらに膨らむ。
61.中国が豊かになったので、資産の無い低所得者も購買意欲が増す。
62.低所得者は購買力が無いので、不動産は買えない。家が買えないと衣食住、家電、自動車も売れない。ここでビジネスモデルの主役は金融業になる。
63.中国版サブプライムローンによって、低所得者に不動産とアメリカ風の家を買わせる。アメリカ風の家に皆住みたい。アメリカ人のように豊かさを享受したい。
64.低所得者はアメリカ風の家ができたので、無理して、衣食住、家電、自動車を購入する。
65.資産家などで成功したビジネスモデルを低所得者にも応用して、3度目の成功を収める。
66.3度目の大儲け、低所得者はさらに数が多いのでさらに大儲けが出来る。世界的には6度目の成功。
67.中国版サブプライムローンの破綻。おそらく10年以内。習政権末期なら悲劇。
68.アジア、世界への波及
69.中国共産党による破綻対策と新経済体制の模索。
70.アジア再秩序で、真のアジアの時代の到来。
71.日中における新たな世界、アジア構図。