2014年9月30日火曜日

ビジネス激変と組織誘変

            ビジネス激変と3つの組織誘変

                                       清家彰敏
 
 20世紀チャンドラーは組織は戦略に従うと喝破したが、21世紀グローバル化する企業においては、組織はビジネス激変に従って変化する。これを組織誘変と定義する。

 下記の3つのビジネス激変によって誘引され組織は変化(3つの組織誘変)していかなければならない。

ビジネス激変1.経済の成熟化 ビジネス数の急増による組織誘変

 組織はビジネスの数に比例して細分化される。経済の成熟化によって、欧米日の企業はビジネスの成功率が低下しており、成功率の低下に逆相関してビジネスの数を増加させなければならない。
 ビジネスを担う組織において少人数化を行わないと企業の採算性は急速に悪化する。
 ブロックバスターが出なくなった世界の製薬会社の欧米ベンチャーへの投資によるパイプライン獲得のエコシステムはこの原理で説明できる。

 新興国で、先進国の先行企業のキャッチアップを狙う企業のビジネスは模倣が企業原理となることが多い。キャッチアップを狙う企業の成功率は先行企業より高い(模倣ビジネスの成功率)。
 そのため、韓国、台湾などは欧米日に比較してより大きな規模の同種組織を作ることが可能となる。規模の経済を達成し易い。
 これがサムスンをはじめとする韓国企業の成功の構図である。

ビジネス激変2.世界経済の加速化 ビジネス急加速による組織誘変


 ビジネスは加速しており、特に新興国の挑戦を受ける企業は急加速しなければならない。
 
 意思決定から始まって、ビジネスが終結し、次のサイクルが始まるまでの期間を競争企業より短くする。

 ビジネスを短プロセス化、短時間化できる組織に変更する必要がある。

ビジネス激変3. 管理者要求急増による組織誘変

 マトリックス組織におけるマルチタスク化

 管理者への要求はエコシステムの拡大、グローバル化、株主主権、社会責任などで急増している。

 その急増に対応する組織のひとつがマトリックス組織である。

 マトリックス組織において、職務と管理の2つのタスクを併任する新しいマルチタスク管理者像を作る。
(参照:清家彰敏「組織間関係とマトリックス構造」http://seikeakit.blogspot.jp/2014/01/blog-post.html)。

 
 組織は、専門化、単純化、標準化、職務拡大、職務充実、独立事業部化、プロジェクト組織化、マトリックス組織化といった組織設計の原則に、
 上記の3つの原則を付加しなければならない時代になった。

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