2016年5月20日金曜日

女性活躍時代における企業の「製品異動」戦略理論と制度

 世界の自動車産業は、トヨタグループ、フォルクスワーゲン、GM、ルノー日産連合の4社の競争構造が続いている。
 自動車は、電気自動車、燃料電池車への移行、IoT端末、人口知能無人車への移行の2つの流れがある。電気自動車化は自動車部品が3分の1以下に減少する。IoT端末、人工知能化した自動車へ関わる人材は、機械工学中心から情報工学中心へ大きく転換する必要がある。

 このための組織革新に対応する一般的な手段は3つである。1つは取引先の変更、人材削減、人材採用、2つは人材異動による取引先、内部組織の革新、3つは取引先指導、人材育成である。
 本報告は4つめの手段として、自動車、部品の取引先間、内部組織内異動がある。新しい自動車、部品を製造することは新しい組織への革新に繋がる。組織が変わらないと新しい自動車、部品は作れない。人事異動が人の異動による組織革新の促進であるのに対して、4つは自働車、部品といった製品の異動による組織革新の促進である。

 現在はグローバル化への反発が生まれており、ローカル化が急速に進んでいる。ローカル化は異動を好まない人材を増加させている。世界的に女性の活用が叫ばれ、少子化が進む時代、人事異動は、家庭、夫婦の崩壊、少子化の加速につながる。

 人事異動と製品異動は等価であり同じ効果がある。社会的弊害は製品異動が人事異動よりはるかに少ない。清家はトヨタ自動車が急成長した時代の事例(清家、1995)から製品異動の効果と戦略について、世界の企業、国家政策との整合性について研究を続けている。

 民族主義への対応、女性の活用、家庭の崩壊を妨げるための企業戦略を考えたい。世界の多くの企業の製品異動を促す政策決定、法律制度の整備が必要である。世界の国家の課題である。国家間の貿易投資制度も製品異動を勘案すべきである。

 トヨタグループ、フォルクスワーゲン、GM、ルノー日産連合の4社の競争は、国家も巻き込んでおり、世界経済における影響は大きい。
 トヨタは日本政府、フォルクスワーゲンはドイツ政府、GMは米国政府、ルノー日産はフランス政府、日本政府の政策、国家間の制度と連携して戦略を作る。

 民族主義への対応、女性活躍を促す製品異動戦略理論について世界視点での研究が求められる。

参考文献
清家彰敏(1995)『日本型組織間関係のマネジメント』白桃書房
 

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