熱田神宮
民主主義は決定が遅い だから戦争は民主主義国家から先手を打って仕掛けることは難しい。 日本の政治機構の非効率は民主主義が効率的に機能しているとも言えるのである。このような民主国家でリーダーが早い決定と行動を行うにはどのようにすればいいのか。
織田信長は今川義元の侵攻に対して、評定の場で合意を取るのではなく、自ら熱田神宮へ駆け、付いてきたきた軍だけで田楽狭間で義元を討ち取った。織田信長が一番戦意が強いのは当然である。また早く付いてきたグループほど忠誠心が強く戦意が高い。したがって、今川軍へ襲いかかる時は織田軍の先頭ほど強兵が揃い、強力な先鋒となる。槍の切っ先のようになる。槍の切っ先に相当する先鋒は、忠誠心と戦意で自己組織化的に形成される。
織田信長が熱田神宮へ駆けたやり方の長所は以上である。現在の民主国家でも変わらない成功の原理の一つである。世界の未来を創造する政策、プロジェクト企画の際、リーダーのキーワードは「熱田神宮」。駆けだそう。
ロボット経済
ロボットは人間の知識が外部化したものである。産業・軍事ロボットのようなハードもあり、ボーカロイドのようなコンピュータ内のソフトもロボットである。近未来の経済はロボットと人間の複合経済である。しかし、人間の経済はそのとき無視できる。そのときの経済はどのような経済であろうか。
ロボットはロボット間でナノ単位のコミュニケーション、ビジネスをインターネット内で行う。清家はこれを10年前エージェント間コミュニケーション(ビジネス)でAtoAまたはRtoRと呼んだ。近年これをグーグルは(盗んで?)Internet of Thingsとか、また巷ではMtoMとか語り始めた。ようやく時代が少し追いついてきた。
R(ロボット)toR(ロボット)のコミュニケーション、ビジネスはナノ単位であるため、インターネット内でRtoRが主流になるとH(人間)toH(人間)の時間単位、日単位、月単位のコミュニケーション、ビジネスは経済的には無視できる。その典型がプログラム売買で、特に証券取引である。
またRはいくらでも複製できるので、数兆のR(ロボット)がインターネット内に登場すると70億人は無視できる存在になる。
さて、Rはどの程度、人間がコントロール可能な存在であろうか。問題はRの決定の速度と内容が人間から見てコントロール可能かどうかである。決定があまりに速すぎると人間は付いていけない。速さの点では、証券のプログラム取引は既にその取引速度の速さで、人間のコントロールの範囲を超えている。
次にRの意思決定の内容を人間はコントロールできるだろうか。私が10年近く前ATR(国際電気通信株式会社)を訪問した時、ロボピ―というロボットは既に設計者にとってその決定が予測できないものになっていた。ロボピ―は見学者へ反応・応答する数少ないルールと学習能力を持っていた。ロボピ―が見学者の子供たちと遊ぶ。子供から学習して、すぐ予測不能になったとのことである。現在ロボピ―ははるかに進化している。そのように考えれば、近未来、数兆のRはすべてが学習を無限に繰り返し、人間には予測不能の決定をするようになる。
みんな失業
ロボット経済の時代になれば、ハーバード大学の経済学の教授は全員首になる。ロボットと人間は異なる。またロボットの行動原理を支配する法学を構築できなければ欧州の有名大学の法学の教授も全員首になる。ロボットの経営学を構築できなければ世界中のMBAは廃校である。
世界各国の財務省もロボットからどのように徴税するかを構想出来なければ、官僚全員失業である。
情報生命 白雪姫
人間が情報を検索するグーグルは工学の原理に反する。情報は級数的に増加する。人間はリニアにしか増えない。増加率が低いものが高いものを検索するのは工学の原理に反する。情報を生命(ロボット)にして、情報から人間を検索するようにする。そうなれば、インターネットがどんなに巨大になろうと検索は容易である。情報生命のイメージは、森に白雪姫が入っていくと森の動物たちが寄ってくるである。グーグルのイメージは、森のなかを白雪姫が必死に動物たちを探しまわっているである。
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