1.中国は過去15年の低賃金労働での蓄財で今後15年何を買うのか?買わされるのか?買わざるを得ないのか?
アフリカ、ロシア、中東、オーストラリアなどは、資源エネルギー輸出の蓄財で、何を買うか?買わされるのか?買わざるを得ないのか?
2.今後15年を予測するために、蓄財が放出される過程を予測するために、歴史から学んでみよう。
3.日米の産業戦争
1980年代1990年代の日本と米国企業の戦いの歴史である。
1980年代、
日本は、高い品質と適正価格の家電、自動車の輸出、海外進出で蓄財した。
製品による蓄財である。
1990年代、
米国企業は、パソコンソフトであるマイクロソフトウインドウズなどを日本に売りつけて、その蓄財を回収した。
4.日米産業戦争、その原理は
ソニーのウォークマンとマイクロソフトのウインドウズを交換し
日本の蓄財を放出させたのである。
5.米国企業とそれを支援する米国政府は
製品での蓄財を日本に長くは許さなかった。
6.吐き出させるために
1970年代まで無料であったソフトに価格を付けた。
ウインドウズに何百ドルという値段を付けた。
7.もし、ソフトが無料のままであれば、米国経済は1990年代に崩壊していたかもしれない。
8.ソフトに価格を付けたのは、
日本の蓄財を放出させるための原理だった
のである。
9.さて、米国企業は、
中国の低賃金労働による過去15年の蓄財、ロシア、アフリカなどの資源・エネルギーによる蓄財をどのように、今後15年で吐き出させようとするであろうか?
10.その鍵は、今後15年、米国企業が仕掛ける
食料・知財・ブランド・先端技術の価格の高騰ではないかと思われる。
11.その高騰をもたらす場は、
現実世界と仮想世界(インターネット世界)の双方である。
米国企業は現実世界の中の覇者を脅かされている。世界の今後鍵となる50品目で自国企業がシェアトップを占めるのは米国19品目、日本12、韓国8、中国5、欧州5である。(日本経済新聞社は2013年6月30日、2012年の世界の「主要商品・サービスシェア調査」をまとめた。対象50品目。http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD270QW_Q3A630C1MM8000/)
現実世界で食料・知財・ブランド・先端技術の価格を上げ、低賃金労働、資源・エネルギー輸出での蓄財を吐き出させなくてはならない。
また
米国の作り上げた仮想世界(インターネット)の覇権を揺るがない確実なものとし、インターネットの場を使って、現実世界での価格高騰を演出することも考えられる。特に、知財・ブランドの価格高騰にはインターネットは役に立つ可能性が高い。
さて、食料の高騰から考えてみよう。
12.今後15年の鍵は食料生産、
世界の人口は80億人まで増加し、
そこから減少に転ずる可能性が出てきた(2013年6月ランダース教授によると世界の人口は2040年の80億人をピークに減少に転じると予測されている。http://www.nikkeibp.co.jp/article/growth/20130613/354131/)。
13.しかし、世界的都市化、食生活の肉食への移行による飼料の急増により、
今後15年、国家が稼ぐ有力な武器のひとつは、食料輸出になる可能性が高い。
14.食料生産可能性
南北アメリカは食料生産拡大の潜在力を持っている。
また東南アジアの食料生産効率は高い。
15.日本の隣国ロシアは、
4億haの耕作可能地域を持っている(外務省2012年1月:www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/food_security/pdfs/torikumi.pdf)。
日本の全国土面積の10倍以上である。
そのうちの半分の2億ha(農林水産省(2012年6月より、ロシアの農用地面積は日本の47倍の2億ha:http://www3.maff.go.jp/)しか耕作されていない。
16.なおアフリカは巨大であり、
潜在的食料生産拡大の可能性は高い。メルカトール図法の地図を見るとアフリカは小さく見えるが、地球儀を見ると巨大である。アフリカの全面積はアジアとほぼ同じである。ユーラシア大陸の全面積からヨーロッパの面積を引くとアフリカの面積となる。
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