2013年10月27日日曜日

TPP・TTIPの真の狙い 先進国知財と新興国製品の交換比率の変更

1.未来の世界史

1970年代までは製品・資源貿易

均衡

破壊者が1970年代の日本

1980年代からは製品・資源・ソフト貿易

1990年代均衡(均衡させたのはソフト価格の急騰)

破壊者が2000年代の中国

2010年代からは製品・資源・ソフト・知財貿易

均衡するか?(均衡させるには知財価格の高騰が課題)


2.米国政府の最大の政略課題 どうすれば知財は高騰するか?

世界は知財にお金を払っている先進国と

払わない新興国の2つに大きく二分されている。

これは米国政府、米国企業にとって極めて不愉快である。

知財の利益は膨大である。

中国など新興国の製品と知財を交換すれば、

米国の貿易赤字は消え、中国の黒字も消える。

製品と知財のバーター貿易が今後10年の米国の政略である。


3.過去から学ぶ?米国政府 1980年代のソフト高騰は?

ソフト高騰には、米国の法廷、知財弁護士などが動員された。

1970年代以降の日本の米国に対する大幅貿易黒字。

世界の製品・資源貿易の均衡の破壊者としての日本

(製品開発・製造における日本型経営という新たなパラダイムが均衡を崩した。均衡が崩れると世界は不安定になる。戦争の遠因にもなりかねない、と思われた。そこで米国政府、企業は以下の政略を繰り出した。)

①ソフト価格の高値設定

②違法ソフトの摘発(法廷闘争・知財弁護士)

③日本企業をターゲット(IBMによる日立などの訴訟)

④日本市場をターゲット(マイクロソフトウインドウズ発売)

⑤ソフト価格の高騰

新たな世界秩序=経済の均衡

日米における製品・資源・ソフト貿易の均衡

1970年代80年代、米国は日本製品に圧倒された。米国は製品競争力がなくなった。そこで、コンピュータの付属で価値が無かったソフトウェアに目をつけた。ソフトウェア価格の高騰政略である。ソニーのウォークマンをマイクロソフトのウインドウズで交換したのである。日本製品と米国ソフトウエアのバーター貿易で、敗色を1990年代に挽回したのである。

1990年代、日本は世界貿易の破壊者ではなくなった。


4.柳の下にどじょうが二匹とはいかなかった。

2000年代、中国ほかの新興国になんとかして、知財に金を払わしたいと試みた。しかし、現在、新興国は払いを心ならずも拒否している。

米国国際貿易委員会の調査によると、2009年に中国における米国企業の知財侵害損失は480億 ㌦に達した(USITC “China: Effects of Intellectual Property Infringement and Indigenous Innovation Policies on the U.S.Economy))。他の先進国の数字も考えると1000億ドル以上の損失が生じていると思われる。この損失に相当する知財費を新興国が先進国に支払えば、貿易構造は変化する。

しかし、どうも、日本に対したような法廷、知財弁護士によるソフト価格の高騰政略では、世界貿易均衡破壊者中国を屈服させることはできそうもない。


5.米国の新政略


  現在、米国の製品は、中国製品に対して競争力がない。 

 中国に対して、米国は自由と民主でカーテンを下ろす。

 関税協定を超えた包括経済協定であるTPP、TTIPは参加の障壁が中国、ロシアなど多くの新興国には高過ぎる。

 政治における竹のカーテン、鉄のカーテンは1991年に消えた。経済、知財支払いにおける竹のカーテン、鉄のカーテンが21世紀に下ろされる可能性がある。

 考えは簡単、先進国は今、知財に金を払っている。新興国には未来に金を払ってもらおう、である。
 
 不公平にならないために、現在払う考えがない、払う法律を国内で徹底させられない国家を排除しなければならないからである。

 TPP・TTIPで知財の価格を世界的に決め、広く認知させる。

 知財の価格が決まったあと中国がTPPに入れば、中国製品と米国知財を交換する。製品と知財のバーター貿易である。米国の貿易赤字は消え、中国の黒字も消え、米国の政略は2匹目のドジョウを獲得できる。

米国国際貿易委員会の調査によると、2009年に中国における米国企業の知財侵害損失は480億 ㌦に達し、92万人の雇用機会が失われていると見込まれている(USITC “China: Effects of Intellectual Property Infringement and Indigenous Innovation Policies on the U.S.Economy))。


 

0 件のコメント:

コメントを投稿