2014年7月7日月曜日

東海北陸環状新幹線とオリンピック向けの日本再設計

1.東海北陸環状新幹線とは

  豊川博圭元日本経済新聞社福井支局長と三田村紘二元福井経済同友会代表幹事の両氏が提唱される「環状新幹線」=東海道新幹線+北陸新幹線の概念がある。東海道新幹線と北陸新幹線を地図で見ると、ほぼ環状=「円形に近い四角形」である。この環を山手線のようにぐるぐる新幹線が周回する。

  例えば、「東海北陸環状新幹線」米原ルート(他に湖西、湖東ルートなどもあるが)」について考えてみよう。このルートなら2020年東京オリンピックに間に合いそうなので、取り上げる。東京、品川、新横浜、静岡、浜松、名古屋、米原、敦賀、福井、金沢、富山、上越、長野、高崎、大宮、東京である。

 この間、旅客、貨物新幹線を時速300キロ前後で周回させる。  一周にかかる所要時間は4時間台になると思われる。この東海北陸環状新幹線のどの駅から、どの駅へ行っても2時間である。

 2.日本海側と太平洋側のインフラを連結させる。 

  米亜直線航路、北極航路開通などで、中国、米国、韓国、ロシア、欧州のコンテナ船、資源・エネルギー船が日本海を頻繁に航行する。またRO-RO船によるトラック搭載揚陸できる船舶が日本海側を網の目のように行き来する。

 これはアジアと欧米における日本海航路の重要性を示している。新日本海時代である。この近未来に、日本は日本海側に能力の重心を移す必要がある。しかし、港湾+都市・産業インフラが太平洋側に比べて日本海側は弱い。    

 その際、太平洋側の能力を、日本海側で発揮させるのに、環状新幹線による高い運送能力は大きな意味を持つ。新たなインフラを日本海側に作らなくても、環状新幹線の運送力で対応できるからである。

 3.2030年メタンハイドレート他の膨大な資源が太平洋側で利用されるようになる? 

  この太平洋時代には、日本は太平洋側に面した首都を持つ唯一の大国でもあり、太平洋新時代には主役を務める国になる可能性が高い。特に西太平洋は、東太平洋より島嶼が多く資源開発は容易であり、日本の役割は大きい。 また太平洋の環境破壊を伴わない開発・管理は人類の未来を考える最大の課題であり、日本に課せられた使命である。

  その太平洋新時代には、環状新幹線の高い運送能力は、日本海側の能力を太平洋側へ機動的に移動できる。これが環状新幹線の効果である。 

4.またオリンピックに向けて、東海北陸環状新幹線内を一つの都市圏としてPRする。

  東京オリンピック開催に、東京周辺の宿泊施設は不足している。現在の訪日客1000万人が2020年には2000万人になる可能性がある。ところが、現在でも東京周辺の宿泊施設の稼働率は80%である。

 この宿泊施設不足を解消するのに東海北陸環状新幹線の円内を一つの巨大都市として、世界にPRすることができるかもしれない。
 環状線なので機能の駅間移動が容易である。例えば、山手線内では、地価の高い駅周辺の企業が、地価の安い駅周辺へ移転する現象がある。駅間競争も起こり、駅周辺インフラの平均化も起こる。これは主要駅に乗客が吸い寄せられるストロー現象とは異なる現象である。

 東京(品川)大阪リニア幹線が中心軸となり、東海北陸環状新幹線は、「団子に串」といった感覚である。

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