2015年2月5日木曜日

超加速する世界

1.激動するアジア加速する都市インフラビジネス
韓国の成長は日本より3倍程度速い(1)。新華社によると「世界の40年は中国の7年」、中国の成長は6倍速く、現地によると東南アジアはさらに速い。
20世紀経営学の世界的権威チャンドラーは、組織は戦略に従うと喝破したが、21世紀グローバル化する企業においては、組織はビジネス激変に従って変化する。
 21世紀ビジネスは加速しており、特に新興国企業の挑戦を受ける産業の企業は急加速しなければならない。欧米日の企業の経営者の頭の中は旧い。意思決定から始まって、ビジネスが終結し、次のサイクルが始まるまでの期間を競争企業より短くし生き残る。ビジネスを短プロセス化、短時間化できる組織に変更する必要がある。中国、東南アジア、インドで競争するには、加速が必要である。
もっとも加速する必要のない企業、意識して遅らせて勝つ企業もある。社長が理解しているならそれは異なる素晴らしい成功の道である。それはそれで面白いが前者は経営者の度胸が、後者は天才が必要である。興味深いが、本稿では触れない。

2.加速効果 加速すると別のビジネスモデルになる
速い成長は速いビジネスによって実現される。日本では、新幹線建設で、日本中に建設するのに50年以上もかかって、まだ終わらない。中国では10年で新幹線網が全国に拡がった。この結果、中国においては、新幹線建設のビジネスモデルは日本と異なる。
加速すると規模の経済が達成しやすくなる。2倍に加速すると規模の経済は2倍に効いてくる。これは製造業も、先端産業も、都市ビジネスも同様である。牛肉生産には2~3年かかるが、豚肉は6か月、鶏肉は3か月である。もし牛肉生産が3か月でできるようになったら、牛肉のビジネスモデルは鶏肉のビジネスモデルに近くなる。

3.電力・原子力ビジネス
原子力発電所は建設費約6千億円である。30年間で建設すると年間売り上げは200億円のビジネスモデルである。ところが、これを中国などが考えているように例えば3年で建設すると年間売り上げは2000億円のビッグビジネスとなる。当然ビジネスモデルは大きく変わる。
加速された都市ビジネスを行っている中国、東南アジアの業者はまったく日本と異なるビジネスモデルを行っている。例えば、日本政府、業界は、都市インフラにおけるメガソーラー建設は「遅いビジネス」、息の長い長期投資ビジネスであると思い込んでいる。中国では、技術革新が加速する時代3年から5年でソーラーパネルを更新、投資も5年が勝負と思っている。彼らにとって、日本の30年持つ素晴らしいソーラーパネルの存在は、世界七不思議となる。

4.なぜ加速するのか
日本では都市インフラは充実していて、特に希求するインフラはない。また日本人は待つことに慣れてもいる。ところが、中国、東南アジア、インド、アフリカなどの都市住民は、日米欧並みの豊かな都市生活を早期に達成したいと熱望している。感染症などの危険が大きい国もあり、幼児死亡率なども考えれば、都市インフラ早期完備への希求は切実である。それに応えて、新興国政府、企業の都市インフラ建設、都市ビジネスは加速する。
 政府、企業への加速化要請に応えうる技術動向がモジュール化、工場生産化である。新幹線などの技術・生産のモジュール化、マニュアル化はビジネスを加速させる。都市インフラ、ビル、住宅のコンポーネントの工場生産化もビジネスを加速させる。これらは新興国国民の豊かさの早期達成に貢献している。
人材育成も大きく変わる。30年で原子力発電所を建設すると技術者は生涯に1回か2回しか、原子力発電所のビジネスモデルを体験できない。3年で建設すると生涯に15回経験できて、人材は大きく成長する。人材育成も加速する。
現在、日本とドイツでは技術で勝負できる企業を除いてすべてスピードで負けている。イタリア、フランスは文化、ブランドで勝負できる企業を除いて軒並みスピード大負け、総崩れである。サッカーで100メートル14秒の選手と11秒の選手がプレイしている光景をイメージしてみよう。東南アジアに来てスピードの怖さ実感してください。

顧客の日本都市インフラ企業のビジネスが遅いなら、速い海外都市インフラ企業へ積極営業、世界シェア半分を狙う。速い企業営業すれば社員の仕事は急加速する。社長!日本には世界シェアトップ企業が225社もあります。

0 件のコメント:

コメントを投稿