2022年10月30日日曜日

脱日本型サプライヤー企業の世界制覇とメタサプライヤーネットワーク  ①メタサプライヤーネットワークとキーエンス ② メタサプライヤーネットワークによる日本型スタートアップ支援 ―― 清家彰敏

脱日本型サプライヤー企業の世界制覇とメタサプライヤーネットワーク 

    ――メタサプライヤーネットワークとキーエンス ――

――メタサプライヤーネットワークによる日本型スタートアップ支援――

 

  清家彰敏

 

1 サプライヤーの変化

日本型サプライヤーの顧客志向は、カスタマーへの「お客様は神様」に代表されるカスタマーが主役、日本型サプライヤーはきめ細かな開発・実行・改善過程による貢献が競争力であった。

それに対して、世界で覇権を握る脱日本型サプライヤーは、顧客であるカスタマーに対して、主役を演じて、カスタマーに先駆けた顧客志向を行っている。

 

2 相利共生

カスタマーが売上で得た利益をもらうかわりに、サプライヤーは自身のネットワークをを通じて市場の資源・知財をカスタマーに吸収させるという役割を果たしている。カスタマー自身が、自分のネットワークを広範囲に広げるよりも、その仕事をサプライヤーに肩代わりさせる方がずっと効率的であり、リスクも少ない。

カスタマーにも、サプライヤーにも、互いに利益のある共生方法で、生物学における相利共生(そうりきょうせい)と規定できる。

 

3 カスタマーとサプライヤーの両社の利益

サプライヤーは、得意な特化したに技術によって製品・サービスを作り、それを生長のためそれらを必要としているカスタマーへと提供する。

こうした仕事をしてくれるサプライヤーと提携、育成することで、カスタマーは効率よく資源を得られるようになる。

その対価として、カスタマーは販売をして得られた利益をサプライヤーへと与え、互いに利益を共有する。

多くのカスタマーがサプライヤーと共生している理由は、サプライヤーを持つことで、カスタマーにおける起業・事業創造と成長が飛躍的に容易になるからである。

 

4 トヨタ自動車のサプライヤーネットワークの効果

高度成長期、カスタマーが輸出・市場開拓を行うとき技術・資源不足やリスクの拡大といった大きな難題や障害を、サプライヤーとの共生という画期的な方法を採用することによって乗り切ってきた。

20世紀、米国はカスタマー中心の経済であった。やがてサプライヤーという、新しいタイプの企業を持ったカスタマーが日本で誕生した。

トヨタ自動車はグループの全体がサプライヤーのネットワークで覆われている。

そのため不況への耐性が向上した。さらに品質の悪い危険なサプライヤーがグループに入り込むことを防ぐという、防御作用も兼ねている。

 

5 アップルのサプライヤーと自動車のサプライヤー

この日本のサプライヤーは世界覇権を行い、世界のカスタマーの今日の繁栄は、日本のサプライヤーを得たことの結果ともいえる。

アップルはその典型である。

いろいろな種類のサプライヤーがあるが、一般にもよく知られているのが自動車産業のカスタマーのサプライヤーと電気電子産業のカスタマーのサプライヤーは種類分けできそうである。

求められる品質への要求は、自動車のカスタマーのサプライヤーは電気電子のカスタマーのサプライヤーに比較して一桁高度とも言われる。

 

6 脱日本型サプライヤー:サプライヤーのデジタル化への挑戦

①サプライヤー企業はカスタマーへの製品・サービス提供で顧客志向と効率化を追求し、成功を収める。

②「立案・システム構築・運用・保守」のデジタルソリューションを構築し、売上を拡大する(販売とサブスクリプション)。

③スピードを向上させることで、利益を拡大する。

④他のカスタマーへ製品・サービスとデジタルソリューションを提供し、規模の経済で利益を拡大する。

⑤他業種のカスタマーへ、製品・サービスとデジタルソリューションを提供し、規模の経済で利益を拡大する。

  サプライヤー覇権企業となる。

 

7 課題

残されたサプライヤーネットワークに関する研究課題の一つは,サプライヤーネットワーク間の相互作用、組織化である。

 

8 相利共生から産業共進化のネットワークとしてのメタサプライヤーネットワーク

サプライヤーのネットワークが互いにつながりあうようになってきている。

これはサプライヤーネットワーク間のネットワークである。産業全体が無数のサプライヤーネットワークが相互に繋がった、メタサプライヤーネットワークとみなすことができる。

特に世界を相手にする脱日本型サプライヤーがメタサプライヤーネットワークに参加、利活用しているとみなせる。

 

9 新しい産業イメージ

サプライヤーは、産業内に張り巡らせているメタサプライヤーネットワークを使って、製品・サービスを作り、それをカスタマーに提供している。新しい脱日本型サプライヤーの顧客志向マネジメントのイメージ

 

10.カスタマーへの新しい顧客志向のイメージ

脱日本型サプライヤーはメタサプライヤーネットワークを世界に拡大し、カスタマーに対して、新しい顧客志向マネジメントを行えるのではないか。

メタサプライヤーネットワークは自然発生的に形成され、世界に拡がっているのではないか。

メタサプライヤーネットワークを利用して、カスタマー同士が互いに資源のやり取りを行っているのはないか。

 

11.カスタマーはどのようにメタサプライヤーネットワークを利用しているのか

カスタマーとカスタマーはこれをもって、ある種の「伝達事項」もなども共有しているかも知れない。

違法なカルテルとか業界団体での談合といったコンプライアンス的に問題のある行動ではなく、

たとえば、産業における企業の業態転換が一斉に起こるといったような同調性は、メタサプライヤーネットワークによって起こっている、

 

12.メタサプライヤーネットワークとカスタマー

これらのサプライヤーネットワークは,カスタマーの売上・利益を助けその成長を促進することを通して,様々な貢献・機能を発揮している。

メタサプライヤーネットワークは,サプライヤー・カスタマー連合を支援することにより,カスタマーの起業や成長を助ける。

異なるカスタマーが,カスタマー間を繋ぐメタサプライヤーネットワークを通じて技術・素材・知財を受け渡し,互いに助け合っている。

 

13.キーエンス

ファブレス型サプライヤーで、世界50カ国に展開するキーエンスは、メタサプライヤーネットワークを利活用して、世界覇権を窺う脱日本型サプライヤーの一型として規定できる。

 

14.トヨタとテスラは産業として顧客へ貢献

トヨタ自動車という巨大カスタマーと、かつて起業したイーロン・マスクのテスラとは、メタサプライヤーネットワークでつながっている。

産業のリーダーカスタマーから新しく起業するカスタマーへと、メタサプライヤーネットワーク経由で、資源の受け渡しが行われたと考えられる。

さらに驚くべきことに、トヨタ自動車はこのメタサプライヤーネットワークを用いて、EVベンチャーを育成しているとの仮説も立てうる。

 

15.メタサプライヤーネットワークと日本的スタートアップ支援

開放的な米国、中国と異なり、閉鎖的とも言われる欧州、日本では起業間もないスタートアップカスタマーは資源に恵まれない。

自分の力だけでは、なかなか生き残ることができない。

しかし

サプライヤーを選び、メタサプライヤーネットワークからの資源の供給を飛躍的に向上させることができる。

 

16.日本型スタートアップ支援のイメージ

起業間もないカスタマーが稼げる利益など、いたってわずかなものであり、そこからサプライヤーに利益を支払ってしまったら、自分の生長のために回せる分が目減りしてしまう。

支払い能力がまだ十分ではない起業間もないカスタマーのために、日本の巨大カスタマーが、起業間もないカスタマーが払わなければならない分の対価を、メタサプライヤーネットワークを通じて「肩代わり」する。

 

17.日本型スタートアップ支援のイメージ

起業間もないカスタマーが稼げる利益など、いたってわずかなものであり、そこからサプライヤーに利益を支払ってしまったら、自分の生長のために回せる分が目減りしてしまう。

支払い能力がまだ十分ではない起業間もないカスタマーのために、日本の巨大カスタマーが、起業間もないカスタマーが払わなければならない分の対価を、メタサプライヤーネットワークを通じて「肩代わり」する。

 

18.政策提言

さらには、メタサプライヤーネットワークが、好ましくないサプライヤーが起業間もないカスタマーに入り込むことを防ぐという、防御作用も兼ねていると考えられる。

メタサプライヤーネットワークという名の巨大な有機体に助けられながら起業間もないカスタマーが成長していく、そのことを政策提言としたい。

 

19.結語

日本型サプライヤーの顧客志向は、日本型サプライヤーはきめ細かな開発・実行・改善過程による貢献が競争力であった。

世界で覇権を握る脱日本型サプライヤーは、デジタル化で変革を迫られている。

脱日本型サプライヤーの顧客志向マネジメントの新しい捉え方として、「メタサプライヤーネットワーク」概念を提案し、その機能を規定した。

メタサプライヤーネットワークを利活用して、脱日本型サプライヤーの新しい顧客志向マネジメントが考えられる。

またメタサプライヤーネットワークのスタートアップへの貢献についても政策提言を行った。

 

2022年9月8日木曜日

回顧「高度経済成長のプロデューサー」矢野俊比古:元通商産業事務次官・元参議院議員オーラルヒストリー 伊藤隆・清家彰敏

 矢野俊比古氏87時間オーラルヒストリー(文字興し1670頁)

(伊藤隆東京大学名誉教授・清家彰敏)

2009年4月24日~2012年12月16日 事前オーラル「エネルギー問題の過去と未来」3時間 オーラル第1回~第42回(毎回2時間)) 場所 政策研究大学院大学 2013年矢野氏は亡くなられました。

戦後、1970年代日本株式会社論が欧米で唱えられ、1980年代世界進出日本異質論へ繋がった。(矢野氏は通商産業省(現在経済産業省)の官僚のTOPである「通商産業事務次官」で退官後、1982年3月27日に、矢野俊比古『日本株式会社の反省』日本工業新聞社、を出版し、参議院議員となって、政治家として産業政策を行った。)

1990年代バブルが崩壊し、日本経済は停滞期に入った。

矢野氏オーラルは、民主党政権成立、東日本大震災、を挟んで行った。

矢野氏については、堺屋太一は「優秀な官僚だ。高度成長時代から多難な70年代へと「戦後」の全期間を通産省の中枢で働き通したこの人を「経済大国ニッポンのプロデューサー」と呼んでも過言あるまい」と矢野俊比古『日本株式会社の反省』の帯で評している。

目録(オーラルの内容に関心のある方は、ハリウッド大学院大学教授清家まで。必要な回を連絡してください、コピーを提供できます)

2008年9月24日から2009年9月16日自由民主党麻生太郎内閣

2009年4月24日事前オーラル「エネルギー問題の過去と未来」3時間(43頁)政策研究大学院大学

1.戦後賠償実施局

2.資源エネルギー庁の発足

3.原子力についての東日本大震災以前と以後(後述第27回)のオーラル

4.官僚と政治家 国家公務員倫理法 ノーパンしゃぶしゃぶ

5.エネルギーと環境問題

2009年8月30日第45回衆議院議員総選挙で民主党政権交代を実現し、2012年12月16日まで鳩山由紀夫内閣菅直人内閣野田佳彦内閣

2009年9月16日民主党鳩山由紀夫内閣発足

2009年11月12日 第1回(40頁) 

生い立ちから

2009年12月3日 第2回(38頁) 

一高、東大法学部政治学科、商工省入省まで

2010年1月8日 第3回(38頁) 

賠償実施局賠償課

2010年2月15日 第4回(38頁) 

電気事業再編成令

2010年3月8日 第5回(35頁) 

石油資源開発法

2010年3月31日 第6回(33頁) 

資源庁 大蔵省との対応(鳩山威一郎)と業者との交際 国会対策 補助金

2010年4月19日 第7回(33頁) 

係長・課長補佐が法案を作るには 電気事業法 ガス事業法 業界団体の作られ方

2010年5月10日 第8回(34頁) 

電源開発促進法 議員立法 電源開発株式会社設立委員会 内閣法制局 大蔵省との折衝 電源開発

2010年5月31日 第9回(37頁) 

スト規制法と労働省 電源開発の水没補償と経済企画庁・建設省 電気測定法

2010年6月8日民主党管直人内閣発足

2010年6月21日 第10回(32頁) 

四国通産局 岸信介 日本開発銀行融資

2010年7月9日 第11回(32頁) 

四国通産局 通産局と地方自治体 中央省庁の機構改革 通産省の機構改革 通産省と他省庁との関係 技官と事務官 四国生産性本部

2010年7月30日 第12回(31頁) 

通商局通商政策課 為替管理自由化への動き 自由化の停滞と取引法改正案 自由化に対する通産省内の空気 経済成長の実感 通産官僚の海外経験

2010年8月20日 第13回(32頁)

通産省での文書管理 輸出入取引法の帰趨 輸出品デザイン法 大蔵省主計官・主査と各省担当者との関係 日用品課との関係 通産省内での法案の動き 巡航見本市船の制度

2010年9月13日 第14回(32頁) 

中南米巡航見本市船出張と各国の印象 通商政策課の仕事

2010年10月4日 第15回(35頁)

中南米巡航見本市船の報告 為替貿易管理制度審議室班長兼務 首席事務官(法令審査委員)外務省とのかかわり

通産省の国際派と国内派 今井善衛氏 佐橋滋氏など「官僚たちの夏」・・・

2010年11月1日 第16回(37頁) 

(基礎産業局長時代の話へ/アルコール事業部)

シーリングが始まり大臣官房文書課で大臣官房会計課長と大蔵省主計局主査 大臣官房文書課で厚生省、外務省との権限調整 次官会議

(基礎産業局長時代の話へ/鉄鋼・石油化学の設備調整 中曽根康弘氏他)

佐藤栄作通産大臣と山下英明秘書官

2010年12月3日 第17回(44頁) 

石炭局鉱害課長 消費者行政 麻生太郎、佐藤栄作他

2010年12月20日 第18回(38頁) 

石炭局鉱害課長 石炭鉱害対策審議会 石炭鉱害賠償担保等臨時措置法 鉱害賠償基金 臨時石炭鉱害復旧法 中曽根康弘、佐藤栄作、田中角栄、長岡實、盛田昭夫他

2011年1月18日 第19回(37頁)

石炭局鉱害課長 佐藤栄作、有沢広巳、佐橋滋、今井善衛、城山三郎他

2011年2月15日 第20回(43頁) 

通商局輸出振興部輸出保険課長 1963年8月昇格 佐橋滋、今井善衛、桜内義雄、佐藤栄作、池田勇人、リー・クアンユー、平松守彦、大来佐武郎、三木武夫、(管直人も)他

2011年3月8日 第21回(36頁) 

通商局輸出振興部輸出保険課長 日英情報交換 吉田茂、佐橋滋、福田赳夫、平松守彦、(成立した民主党政権についての意見も)他

2011年3月11日東日本大震災発生

2011年4月12日 第22回(49頁)  

外郭団体の「輸出保険普及協会」の設立 

軽工業局無機化学課長 

1965年 化学工業局保安課長 ソーダ工業、無機化学品工業の誘導行政 六価クロム公害問題

宮澤喜一、田中六助

2011年5月10日 第23回(43頁) 化学工業局保安課長 コンビナート地域保安基準の設定(1968年3月18日省議決定)三木武夫、小沢一郎、亀井静香、齋藤次郎他

2011年5月31日 第24回(37頁) 化学工業局保安課長 佐橋滋他

2011年6月24日 第25回(46頁) 中小企業計画課長 エリートコースへ 中小企業庁の構造 中小企業庁の成立過程 中小企業庁計画部 中小企業近代化促進法 中小企業振興事業団 集団化事業の現地視察 高度化資金予算の大幅増額実現 一高東大からの友人大蔵省主計局亘理彰氏との連携 通産局との関わり  川原英之、今井善衛、中川一郎、渡辺美智雄、田村元、長岡實、篠原三代平、福田赳夫他

2011年7月26日 第26回(44頁) 産業資金課長へ転任 大蔵省との連携 民間投資部門の基礎資料まとめ 政府関係機関からの派遣員活用 電算機の導入 財政投融資予算要求のとりまとめ 政治家とのかかわり 財政投融資の割り振り 繊維交渉で田中角栄議員と 銀行と証券分離に関する発言 政府系金融機関/推薦制度 推薦と斡旋 

亘理彰、藤井裕久、森喜朗、佐橋滋、宇佐美洵 渡辺美智雄、中川一郎、河本敏夫、池田勇人、田中角栄、佐藤栄作、宮澤喜一、大平正芳他

2011年8月26日 第27回(44頁) 企業第一課長転任 企業局の役割 商工会議所との関わり 経団連の法人化 商工会議所の副会頭問題 田中角栄通産大臣 日本生産性本部 資本自由化6業種  

東日本大震災に関して P11~P12

原子力も安全安全と言っていましたが、あれは本当に安全なんですよ。たまたま津波が来て、そこに運の悪いことに、東北電力からもらう【非常】電源の塔が潰れて、非常電源が動かなかった。あとの仕方が不十分だったんですよ。非常電源だから、動かせるようにするのが東電【の責任】。だから、私はあの事故はまさに東電の事故だと思いますよ。国の事故だとは思いません。原子力というのは、もともと中曽根【康弘】さんがやっていた原子炉等規制法を受けて、やはり原子力は危険という意識で、国が責任を持つ体制になっていたからですが、私はあれは東電自身の本当のミスだと思います。それさえなければ、あれは事故にならない。(中略)今度も東電の鉄塔が壊れたのは地震ですよね。だけど、そのあと、そのために電気が東北電力から来なくなっちゃった。非常電源の手はあったのが動かなかった。それを動かせるようにしておくのが電力会社の務めですよ。私は東電の操作失敗だと思います。それを監督省の通産省(災害時は経済産業省)が、国の責任だと言われたって、【通産省が】自分で商売していないんですから、動かしていないんですよ。だから、【責任を負うのは】動かしたところでなければいけないし、それがダメだというのなら、もう原子力は国営にすべきです。とこととんまで言うのならね。そうなると今度は、「そこは国営にしては」とかすぐに言い出すんだよね。そこがまた今の政治家はいい加減なものなんですよ。

中曽根康弘、永野重雄、三木谷浩史、小沢一郎、宮澤喜一、田中角栄、大平正芳、佐藤栄作、リチャード・ニクソン、三宅幸夫、福田赳夫、石破茂、竹下登、長岡實、郷司浩平、木川田一隆、小長啓一、佐橋滋、鳩山威一郎、亘理彰他

2011年9月2日民主党野田佳彦内閣発足

2011年9月27日 第28回(53頁) 大臣官房総務課長に異動 参事官のポジション 総務課長の任務 産業構造審議会 企業局工業再配置課構想と消費流通局設置構想 部局の分け方 機構改革反対派(政治家)に対する対応 機構改革反対派(省内)に対する対応 特許技監 

郵政省との対立 法案作成過程 マスコミとのつき合い 交際費  

長岡實、有沢広巳、中曽根康弘、田中角栄、白州次郎、吉田茂、松前重義、小長啓一他 

2011年10月20日 第29回(41頁) 大臣官房審議官昇任 審議官と参事官の関係 石油二法制定 国会対策 独任制の官名 法律と行政指導 国会議員とのつき合い 山下英明通産事務次官 官僚たちの夏(城山三郎著) 通産OB会(八重洲会・大手会・虎ノ門会・永田町会)  

小沢一郎、佐藤栄作、城山三郎、佐橋滋、今井善衛、杉山和男、野田佳彦、細川護照他

2011年12月1日 第30回(44頁) 基礎産業局長 基礎産業局とは何か 局長と通産大臣との関わり 中曽根康弘通産大臣/人事 産業界における対応位置の格上げ 国会議員との対応(局長質問取り方式の考案と実行) 鉄鋼凍結価格引き上げ状況説明要求不発 チッソ(株)日本開発銀行融資 新日鉄役員人事問題 叙勲の基準 退職後の関わり(天下り) 交際範囲の拡大 

中曽根康弘、河本敏夫、斉藤英四郎、城山三郎、佐橋滋、永野重雄、稲山嘉寛、永野護、杉山和男、小長啓一、福川伸次、安部晋三、八尋俊邦、槇原稔、豊田英二、豊田章一郎

2012年1月5日 第31回(45頁) 基礎産業局長 交際範囲の拡大 賀詞交換会 鉄鋼業界関係 平電炉対策の提案 鋼材価格引き上げの承認 レアメタル備蓄協会への出資 鉄鋼設備投資調整の流れ(制度廃止論を含め) 

稲山嘉寛、永野重雄、佐橋滋、河本敏夫、斉藤英四郎、田中角栄、中曽根康弘、八尋俊邦、豊田章一郎、豊田英二、一万田尚登、西山弥太郎、渡辺美智雄、習近平

2012年2月13日 第32回(37頁) 基礎産業局長 神戸製鋼加古川3号炉 川崎製鉄(株)千葉6号炉に係わる港湾使用拡大等への強力 欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)への訪問 電力に関する展望 石油化学業界 エチレン設備投資調整の流れ 

稲盛和夫 大平正芳 田中角栄 佐藤眞住 下河辺淳 杉山和男 鳩山由紀夫管直人、高原一郎 稲山嘉寛、斉藤太一、池田亀三郎、長谷川周重、宮崎輝、鈴木治雄他

2012年3月2日 第33回(44頁) 基礎産業局長 石油化学業界 在庫適正化ガイドライン構想(エチレン) 在庫適正化ガイドライン構想(化学肥料) 石油価格受入の攻防 洗剤値上げ始末記 苛性ソーダ業界水銀法転換問題 

宮崎輝、佐橋滋、両角良彦、丸田芳郎、河本敏夫、渡辺常雄、常盤文克、本田宗一郎、三木武夫他

2012年4月6日 第34回(26頁) 基礎産業局長 苛性ソーダ業界水銀法から隔膜法への転換 苛性ソーダ業界イオン交換法への転換 ダウケミカル社のソーダ工業進出構想 化学肥料業界 

宮崎輝、三木武夫、佐橋滋、斉藤太一、鈴木治雄、今井善衛、山下太郎、岸信介、周恩来、後藤宏他 

2012年4月27日 第35回(49頁) 基礎産業局長 化学肥料業界台湾輸出問題 化学肥料業界サンシャイン事業団計画 工業技術院 化学肥料業界省際戦争について(経済産業省の仕事は省際) アルコール事業機構改革問題 アルコール業界価格凍結問題 

田中角栄蒋介石、蒋経国、周恩来、中曽根康弘、小長啓一、石原慎太郎、岸信介、橋本登 美三郎、竹下登、佐藤栄作、椎名悦三郎、堺屋太一(池口小太郎)、長岡實、太田薫、春日一幸他

2012年5月25日 第36回(44頁)  裏話(クリーンジャパンセンター設立・・(産業廃棄物処理)環境庁、経団連との関係 社会党左派の藤田高敏氏への選挙資金協力(労働金庫から藤田氏が借りる手助け))

通商産業局長就任 アルミ精錬 通商産業局長に就任後教えられた執務環境 業務遂行上の反省 執務態度への苦言受け入れ 生糸輸入の蚕糸事業団への一元化問題

岸信介、藤尾政行、椎名悦三郎、石原慎太郎、李連春、中曽根康弘、田中角栄、堺屋太一、安部晋太郎花村仁八郎、不破哲三、村山富市、長岡實、佐橋滋、宮澤喜一、塩川正十郎、福田赳夫、小長啓一、棚橋祐治、園田直、大平正芳、鈴木善幸小泉純一郎岸田文武岸田文雄父)、ジミー・カーター、池田勇人他   

2012年7月8日 第37回(39頁) 通商政策局長 政策指針(自由貿易、障壁の撤廃、関税は産業保護に役立つか、失業の輸出の抑制、経済協力の留意点(アンタイド問題、輸出振興のための経済協力はタイド、アンタイドでやるべき)、経済協力予算、ブーメラン現象) 

国内行政での国会議論

対韓国援助問題 安宅常彦議員が追求 岸信介氏が係わった新韓碍子への輸出承認問題(技術流出疑惑?) 

田中龍夫通産大臣の変な?国会答弁(社会党小柳勇議員より)

池田勇人、今井善衛、大平正芳、佐橋滋、渡辺美智雄、ジミー・カーター、豊田英二、豊田章一郎、杉山和男、岸信介安宅常彦、田中龍夫、大出俊、橋本利一、小柳勇、田中義一、西郷従道、山本権兵衛他

2012年8月3日 第38回(50頁) 通商政策局長 ほとんど国会対策の日々 国産旅客機YS-11機輸出問題 対外交渉 対EU問題 土光訪欧(土光敏夫経団連会長の初訪欧) 各省通商関係局長の総理勉強会 対米カラーテレビ交渉 ロンドンサミット 米国独禁法の域外適用 対米交渉数量問題とダンピング問題

イメルダ・マルコス、楢崎弥之助、大出俊、安宅常彦、田中角栄、吉田茂、橋本利一、園田直、土光敏夫、三木武夫、河本敏夫、福田赳夫、山本重信、東郷文彦、塩川正十郎、宮崎勇、ジミー・カーター、鳩山威一郎、牛場信彦、稲山嘉寛、盛田昭夫、長岡實、宮澤喜一、豊田章一郎、玉置敬三他  

2012年9月4日 第39回(44頁) 通商政策局長 ASEAN諸国及びミャンマー福田赳夫総理訪問の随行 園田直官房長官の行政機構改革案 1978年度経済政策に係る日米交渉 サウジ石油化学建設に関する省内会議

福田赳夫、田中角栄、田中龍夫、モンモンカー(ミヤンマー貿易大臣)、園田直、三宅幸夫、有沢広巳、両角良彦、中曽根康弘、土光敏夫、橋本龍太郎、山下英明、石原信雄、江崎真澄、山中貞則、河野一郎、藤山愛一郎、田村元、ジミー・カーター、野田佳彦、佐藤栄作、鳩山由紀夫、堀内光雄、東郷文彦、牛場信彦、バーグステン(米国財務次官)、大平正芳他

2012年10月5日 第40回(44頁) 通商政策局長 『通商産業政策史』 ASEAN諸国及びミャンマー福田赳夫総理訪問の随行(余聞) 日韓貿易会議(1977年9月19日)に伴う韓国訪問 日タイ通商会議(1977年9月28日~10月2日)同行 「日中長期貿易取決め締結」に同行(1978年2月)延べ払い、中国の印象  国際収支対策関係閣僚会議(1978年3月) 輸出動向監視委員会(1978年4月)/ダンピング税 人事  

尾高煌之助、渡辺修、広瀬勝貞、小長啓一、福川伸次、棚橋祐治、濃野滋、藤原一郎、杉山和男、田中六助、鈴木善幸、石橋湛山、牛場信彦、田中角栄、中曽根康弘、河本敏夫、田中龍夫、竹下登、長岡實、安部晋太郎安倍晋三、赤沢璋一、鄧小平華国峰土光敏夫、稲山嘉寛、毛沢東李承晩朴正照

2012年11月1日 第41回(43頁) 通商政策局長 サウジ石化の発端 サウジアラビアと石油メジャーの関係 サウジ石化での外務省 出資金分担 成果 大蔵省との折衝 政府の支援体制 経団連 ボーナス原油 実現石油化学業界全体の参加

田中龍夫、河本敏夫、三木武夫、土光敏夫、岸信介、大慈弥嘉久、渡辺美智雄、田中六助、鯨岡兵助、宮澤喜一、田中六助、鈴木善幸、野田佳彦、福田赳夫、田部文一郎、平井富三郎、藤野忠次郎、鈴木永二、長谷川周重、鈴木治雄他

2012年12月7日 第42回(44頁) ロシアと中国の天然ガスとシェールガス 

通商政策局長 シンガポール石化の促進 アマゾン・アルミ精錬事業計画への配慮

当時の中国と韓国の関係への自民党の対応などから、国内見学案件 青嵐会などなど

天谷直弘、斉藤太一、長谷川周重、鈴木治雄、福田赳夫、宮崎勇、江沢省三、棚橋祐治、黒川久、吉田正樹、三木武夫、池田亀三郎、山下英明、山本実、リー・クアン・ユー、エルネスト・ガイゼル、篠原三代平、村岡茂生、影山衛司、亘理彰、岩瀬義郎、井川博、平塚雅敏、山崎拓、三木武夫、大平正芳、菊池清明、土方武、堀深、藤原一郎、田中龍夫、千葉三郎、中山一郎、富永孝雄、岸本安信、石原慎太郎、高崎達之助、松村謙三、田川誠一、二階俊博田中真紀子、川出千速、稲山嘉寛、永野重雄、亀高素吉、今井敬、土光敏夫、河本敏夫、高橋はるみ、原安三郎、管直人、深野弘行、井戸側克隆、平井富三郎 

2012年12月26日自由民主党安倍晋三内閣発足

次回2013年1月18日のオーラルを約しましたが、2013年

日本高度経済成長のプロデューサー矢野俊比古:元通商産業(元経済産業)事務次官・元参議院議員

永眠。

最後のお言葉は、就任時と在任中のこぼれ話について・・・の問いに

「こぼれ話というのは、このとき「あれは産政局長になっても次官になれないよ」と言われたことがあるんですよ。それが書いてあったと思います。」

でした。

87時間1670頁というオーラルヒストリーは憲政史でも例が無く、今後もありえないのではないかと存じます。

現在の経済産業省の前身の通商産業省が、日本の高度成長期に果たしたプロデュース機能についての詳細な記録となった、と考えております。


参考

相沢英之:元大蔵事務次官・元国務大臣のオーラル   大蔵省(現在財務省・金融庁)

回顧百年 相沢英之オーラルヒストリー 単行本 – 2021/4/19

2022年8月23日火曜日

清家彰敏2022年学会講演9本(^^9

 清家彰敏2022年学会講演テーマです(^ω^)

中国デジタル政府政策の下でのSDGsスマートシティ構想
(2022年9月14日:情報処理学会:慶應義塾大学) 

脱日本型サプライヤー企業の顧客志向イノベーションマネジメントの変化
(2022年11月29日30日:研究・イノベーション学会:一橋大学)

などなど、今年度は9本学会発表予定

今後、
円安ウクライナ台湾10年激動「乱世の時代」かと😭⤵️⤵️。

「30年の鎖国経済?から日本開国経済2022へ」

平時は龍を殺し、乱世は龍を育てる

どんどんやりましょう(^ω^)

2022年4月19日火曜日

米中新冷戦への日本企業三つの技術戦略 ロシアのウクライナ侵攻の視点を加えて

米中新冷戦への日本企業三つの技術戦略 

 ロシアのウクライナ侵攻の視点を加えて 

富山大学次世代スーパーエンジニア養成コース

実践技術経営特論MOT 2022491330分~15

http://www3.u-toyama.ac.jp/manabina/

富山大学名誉教授・ハリウッド大学院大学教授

     (元北京大学客員教授他)

         清家彰敏


1.技術経営の構造


技術は4者に支配される。

 顧客・経営者・投資家・融資者である。


    顧客は情報・営業に支配される。


    情報は国家によって分断される。

     自由圏MGAFA・中国BATH


    営業は総合商社・インフルエンサーがエージェント。

 

   経営者はコンサルタント・ストライカーに支配される。

   

投資家はSDGsと軍事に支配される。

    プライベートエクイティ会社・国家・公的投資機関


   融資者は銀行・ノンバンク等


技術は仮想化メタバースへ進化している。


2.三つの技術戦略


A型 総合商社など大企業(営業部隊)主導の技術戦略

 資源・市場は海外、技術は日本

 三菱重工業米国水素ビジネス2400億円

 IHIJBIC米国小型原子炉ビジネス


B型 コンサルタント(欧米連携)主導の技術戦略

 日本企業をストライカー型(挑戦型)に変える。

 若手米国コンサルタント会社出身者が社長の決断を支援する。


C型 海外主導の技術戦略(北京大学MBA社長が訪日)

 海外の投資とコンテンツで、日本の技術・市場を組み替える。

 企業、技術を買う。売った日本企業、日本人には高額の資金。


3.世界の軍事

       世界から俯瞰しよう

富山に中国の洋上風力発電3


3.1 ロシアの焦り 中国の変化 

       世界の再生エネルギー技術と投資によって、ロシアの石油・天然ガスの市場価値の長期低落が始まるまでに、何をなすか?

       世界の産業におけるソフト化が進むと世界の工場中国の成長は鈍化する、それまでにハイテク化、ソフト化を進める。

       中国株・債券2022137400億円流出


3.2 四大プライベートエクイティ 

世界で数百社支配100万人以上雇用。

       ブラックストーン8810億ドル

       アポロ・グローバル・マネジメント4980億ドル

       KKR4710億ドル

       カーライル・グループ3010億ドル 


3.3 ロシアウクライナ侵略から

ロシアの脅威からの世界の防衛費の拡大

防衛費の増加に対応した世界経済へ

       世界で防衛産業の急拡大が起こる。

       ロシアのウクライナ侵略で、日本の国防費が2倍へ?

       国防費2倍は規模の経済で軍事力は3倍になる?

       国防費2倍+在日米軍5万人(世界最大)はロシアへの東からの圧力を欧米から期待される?


3.4 今後のロシアへの経済制裁と日本企業

       制裁措置」と「対抗措置」の影響による経済的損害の回復に向けた対策。


4.米中激突

       コロナ以前は頻繁に訪中し、現在はオンラインで交流しているが、中国は重工業の東北三省が不況、ハイテク・金融の上海、広東が好景気と対照的である。

4.1 中国の胡錦濤政権の失敗

       胡錦濤内閣12002年秋-2007年秋22007年秋-2012年秋から習近平内閣12012年秋-201722017年秋-2022年秋へ輸入の増加で輸出額から輸入額を引いた純輸出額のGDP比率が2008年リーマンショック7.6%、20094.3%となった。

       リーマンショック後の純輸出額の急減などへの対策としてGDPに対する投資率は2009年以降それまでの30%台から4045%と上昇した。

4兆元の影響

       胡錦濤第2期。リーマンショック後の4兆元の大規模投資が起こった。

       27の省など31の地方政府の書記が、銀行融資などを各地方の国有企業、政府と人脈がある民営企業などへ分配した。胡錦濤内閣は中央政府のテクノクラート(共青団など)中心による経済自由化国有企業から民営企業中心への転換、人治から法治、個人から組織へ転換という、欧米型経済への移行を進めていた。

4.2 習近平政権の政策

       習近平内閣の2期は一帯一路での成長は可能であるが、国内の経済停滞が起こる。国内の経済停滞の中で国家の安定を求めると成長を担ったアグレッシブな多くの人材は国内ではもう不要

       安定成長のためには、アグレッシブな人材の3分の2を海外へ排出するのが望ましい。中国のインフラは鉄道、高速道路、電力、通信、港湾、船舶は国有企業が、スマホ、情報、メディア、コンテンツ、生配信は民間企業のアグレッシブ人材が建設、一帯一路へは国有企業と民営企業の2種類のアグレッシブ人材を中国政府は海外へ排出する。排出が進めば国内は安定する。

一帯一路

       海外で大きなトラブルの原因になり、海外特に欧米の利権との対立が増える。その中で3つの変化が国内で起こる。

       海外排出は海軍強化に繋がる。海軍は革命を起こすことはあり得ないので、海軍重視は政権維持の視点からも合理性を持つ。

4.3 世界の半数を中国が占める

       新幹線から食料まで、中国が世界の半数以上を占める

       米農務省によるとトウモロコシなど主要穀物の世界在庫量の過半が、世界人口の2割に満たない中国に積み上がっている。中国の巨大な食欲が穀物の高騰や貧困国の飢餓拡大の一因になっているとの見方もある。

       中糧集団

       国有企業の食糧大手、中糧集団(コフコ・グループ)が持つ中国最大級の食糧貯蔵庫(サイロ)だ。国内外から集めた大豆などを備蓄し、鉄道や船で全国に運ぶ。

       三菱商事で清家は中糧集団へも経営講義を行いました。


4.4    マンションが買えない

       不動産シンクタンクの易居不動産研究院によると、主要50都市の住宅価格は20年に平均年収の13倍となり、15年の10倍から高まった。広東省深圳市は40倍、上海市は26倍など大都市ではもはや市民の手に届きにくい。

4.5 米中 激突

       米中はSDGs政策・技術標準で協調、しかし軍事対立と技術囲い込みで新冷戦になりつつある。米中の政策は難しい。中国の雇用者の3人に一人は、欧米などの外資勤務、最大の貿易相手は欧米、へたな政策はお互い返り血を浴びる。

       米中摩擦

       2020年の世界全体の純資産は510兆ドル(約57630兆円)で、2000年(160兆ドル)の約3倍に膨らんだ。国別では中国は120兆ドルと同17倍に拡大した。シェアは中国が首位の23%で、米国の17%89兆ドル)、日本の7%35兆ドル)と続いた。中国の国富は13年に初めて米国を抜き、20年には米国の1.3倍に達した。

       中国の雇用は、3分の1は外資、3分の1は民資、3分の1は国資。

       中国のGDP3割が不動産業、これは国資が主導、民資が加わる。

       中国、韓国はASEAN特にベトナムへ輸出、ベトナムは欧米へ輸出。

       中国の最大の貿易相手はASEAN

       東北三省の長期不況はどうするか?


4.6 中国の世代交代

       中国でも習近平世代の文革下放を経験した世代が定年し、海外留学を経験した世代へと転換している。日本への中国人留学生は、誰でも留学できる豊かな時代になり、優秀な留学生が急増している。教育省によると、1978年から2019年の間に650万人以上の中国人が海外留学したが、90%近くが卒業後に帰国しており、新しい指導層が生まれる可能性がある。


5.日本の戦略

5.1 日本と中国は代替的、

歴史をみると中国が悪いと日本が良い

       米英と組んだときは成功

       米中対立は、中国が悪くなると日本が良くなる(日本の輸出)中国と日本

       日本は30年の停滞でストックが増えた、その解放フロー化

       解放フロー化を行う人材は米英中をバックにする。


5.2 日本は全てがミニチェア 

巨大コンテナ船が入港できる港がない国家。

       日本の輸出入の99.6%は海運

       超巨大コンテナ船は欧米中韓シンガポールには入港できて、日本の港には規模が小さく入港できない

       47の小規模投資国家。企業も全て小さい。

       世界企業以外は全て小さい。


5.3  会社を売れない日本は

余剰資金を持て余す個人が少ない。

       世界から見ると競争的に購買したい知財が日本には多い。


5.4 製造業の進化 主人公はまだ日本人(^^)


藤本隆宏東京大学名誉教授等から清家の理解。

       日中賃金差は3倍に。これなら勝てる。

       バーチャル(消費層はGAFA 生産層日本が強い)、生産層のプラットフォームを占有しよう。インテグラルな生産。

       サプライチェーンの安定と品質は日本が強い。

       顧客との協働力を磨け。


5.5 生産層のプラットフォーム案

製造業仮想化とメタバース

メタバースでBMW30%のコスト低減


6.三つの無責任

       米英コンサルタント会社、そこを退社した若い日本人が操る企業が増加している。戦略の無責任

       コンサルタントトップダウン企業

       急速に海外との競争にさらされ、コンサルタントに頼るしかない。

       ベンチャー企業に頼った研究開発、新事業。イノベーションの無責任。

       無責任IT企業に頼ったDX。データサイエンスの無責任。


7.日本の強みを生かす世界戦略

       日本の自動車はASEAN9割、インド過半、中国では外資トップ。自動車主導のスマートシティは日本が主導できる。トヨタのウーブン?

       中国はデジタル政府で形而上学DXが実現する。米国の挑戦、中国政府模倣、民資追従。中国の閉鎖DX実験を途上国が模倣。中国全産業のDX化、世界のスタンダードへ。

       中国の全産業が世界の過半を占める。世界のスタンダード化。

       中国民資DXは国資化。

       中国とジョイントベンチャー、中国全土へ普及、世界のスタンダード確保。

       中国製造業の売上の2割は欧米へ。


  トヨタ生産方式で日本は世界に負けた?

トヨタ生産方式の世界への普及で世界が改善を学び、日本と世界の差が減った。

       トヨタ生産方式は顧客から始まるフラット組織である。

トヨタ生産方式で世界の組織はフラットになった。

それなのに日本は階層組織が残った。

       世界にトヨタ生産方式が受け入れられた理由は、世界はフラットになりつつあった。トヨタ生産方式はフラット方式で、世界の潮流に合った。


8.シェアサービスは日本の強みになる?

勤続年数が長いとシェアサービスに有利

越境ECは日本が強い。勤続年数の長さは商品の信用に繋がる。


9.革命 主人公を変える技術戦略


A型 総合商社など大企業(営業部隊)主導の技術戦略 

主人公は商社マン

 資源・市場は海外、技術は日本

 三菱重工業米国水素ビジネス2400億円

 IHIJBIC米国小型原子炉ビジネス

     30年の日本経済を低迷させてきた「弱気の営業」の転換期にきている。多くの企業ではバブルとバブル崩壊後を経験した経営者、管理者のほとんどが定年を迎え、世代交代が進み、強気の営業を求める経営者が増加している。


B型 コンサルタント(欧米連携)主導の技術戦略 

主人公はコンサルタント

 日本企業をストライカー型(挑戦型)に変える。

 若手米国コンサルタント会社出身者が社長の決断を支援する。

営業部門が弱気で経営陣がコンサルタントに依存する企業もみられる。有名大学を出てコンサルで鍛えられた若手コンサルタントの指導を受ける企業では、30歳前後のコンサルタントに社長が指導を受けている場さえある。

コンサルタント会社では30歳で年収1千万円を超える。商社、銀行の経営指導とはひと味違うコンサルタント指導を求める企業では外資系コンサルタントの人気が高い。

C型 海外主導の技術戦略 

主人公は外国人

 海外の投資とコンテンツで、日本の技術・市場を組み替える。

 企業、技術を買う。売った日本企業、日本人には高額の資金。

   日本企業の強みを生かす技術戦略のひとつは世界との連携である。海外某社はコロナでも日本製品を世界で販売するために訪日し、技術の強い複数の日本企業を紹介し交渉中である。


10.ストライカー型リーダー

  経産省がまとめた20年度の大学発ベンチャーの数は東大が323社。19年度の268社と増加、コンサルティング会社も起業家も徹底した実力主義で、安定を捨て、チャレンジングな仕事に挑む優秀な学生が増えている。

       リーダーにはマネジャーとストライカーがいる。バブル崩壊でストライカーを抹殺した日本は、世界と若者からストライカーを迎えないと

       もはや、日本人ストライカーリーダーは期待できない。世界からストライカーリーダーを、迎え、30年のストックを一緒に世界に解放し、鎖国開国世界展開

明治維新から学ぶ

       日本は江戸時代の停滞200年の素晴らしいストックを使って、欧米のリーダーシップを外圧として導入し、明治維新を起こした。外圧革命が日本型で、それはこれからの10年(^^)

       明治維新は欧米が、海外のストライカーと坂本龍馬など薩長の若者ストライカーを使って起こした。


11.激変する世界市場と未来の人材

ASEANに投資が集まる

中国・韓国・台湾はスマート養老

未来の子供は何が好き?

大金持ちと貧乏人は世界を変える

最後に中国の新型コロナは?