米中激突、急成長する中国のハイテク輸出ロシア軍事侵攻からの世界動向を受けて
1.
米中激突:ロシアの軍事侵攻以降、米国は中国への圧力、ハイテク技術輸出規制を更に強化。
米国は自国より大きな国家への本能的な恐怖心がある。第二次世界大戦では、ドイツが欧州で巨大化することへの恐怖心
1980年代は日本への恐怖心、そして現在の中国への恐怖心に繋る。
日本は中国、ロシアへの東からの圧力
• 欧米は中国、ロシアへの東からの圧力として、この150年間、日本を位置づけてきた。
• 現在は、欧州、イスラム圏からは、ロシアへの東からの圧力、インドからは中国への東からの圧力として、日本は位置付けられる。
• 日本の軍事力増強への期待が欧米にある理由である。
世界経済のハイテク化における中国政府の存在は大きくなっている。その動向を分析する。
• 中国は人口14億人の市場であるが。米国は英語で世界70億人の市場に影響力を持っている。米国は世界の市場に対する支配力は弱いが、中国は14億人市場への支配力は強い。米国は中国の5倍の数の英語支配市場を持ちうる。中国はその米国に勝つには5倍の強さの中国語市場支配をしなければ勝てない。
• 中国は華僑、華人が世界に8千万人、東南アジアに三千万人である。彼らが英語市場か中国語市場であるか、は議論がある。
• それでも、中国は全ての商品・製品で、世界の半分から3分の2を生産して、世界の半分から3分の2を売って、世界の半分から3分の2を買う経済である。ハイテク化が戦略となっている。
新冷戦の可能性
• 米中対立が、経済原理である間は、冷戦にはならない。経済原理ではなく、暴力原理になったとき、冷戦が起こる可能性がある。暴力は2つあり、戦争と犯罪である。戦争はロシアのウクライナ侵攻であり、今後アジアでも起こる可能性がある。
• 「中国は政治をロシアから学び、経済を日本から学ぶ」は、北京大学での議論の結論でした。戦争は国家への暴力である。
• 犯罪の立件は人間への暴力である。今後、中国人、米国人の逮捕が起こるかどうか。経済犯罪などで逮捕される危険がでると、米国、中国からのビジネスエリート、技術者、研究者の脱出が起こる。新冷戦になる。
中国の米国と対抗する際の不安
• 中国は50代までのエリートは留学によって英語での会話ができるが、60代のエリートは英語での会話ができないとの話がある。ちなみに70代以上はモスクワ大学留学組でロシア語ができる。
• 中国は男性の定年60歳、女性の定年55歳である。これからの10年英語会話ができるエリートが中国の中でリーダーシップをとることになる。
• 60代の英語のできないエリートはストレスが増す。
• 50代と60代の断絶?
中国の巨大外資企業の中国での影響力?
• 中国の民間シンクタンク、胡潤研究院はこのほど、中国本土の市場経済に最も貢献した外資系企業と香港・マカオ・台湾系企業100社を選んだ「2021胡潤在中国外資・香港・マカオ・台湾系企業トップ100」を上海で発表した。
• 2020年の中国における合計売上高は5兆9千億元(1元=約18円)合計従業員数250万人。
• 企業数は米国、日本、英国、ドイツ、フランスの順で、5カ国合わせて全体の8割を占めた。欧州全体では企業数が最も多く、45%を占めた。
https://36kr.jp/162816/
先進国日米欧間の連携は強い
先進国間の中央銀行間で連携して、金融危機を防ぐなど
米中激突のまとめ
• 米国は中国の巨大化への恐怖がある。
• 日本の存在はロシアへの東からの圧力
• 中国はやはり巨大、でもハイテク化は大変
• 新冷戦になるかは、「経済犯罪」がキーワード
• 中国の不安は50代と60代のエリートの断絶
• 中国における巨大外資100社の影響は大きい。
• 先進国間の連携は強い。
• 米中激突の今後は、上記から予測可能?
2.
中国の変化
• 予兆が今後現れる可能性かある。中国においては、その予兆を感じてか、東南アジアへの外資、内資の脱出が徐々に起こっている。
• 中国の最大の貿易相手は、欧米ではなく、東南アジアであるが、投資対象としても巨大になりつつある。
• 中国には、お金持ちになりたければ、道を造れ、との諺がある。一帯一路である。ラオスへの鉄道建設の投資の7割は中国が負担した。
2023年1、2月中国金融を除く対外直接投資35.7%の伸び
2023年1、2月中国対外工事受注額は11%の伸び
米国向けコンテナ中国発が急低下
• 2022年のアジア発米国向け輸送量の中国・香港の比率は57.1%。ピークだった2007年からの15年間で12.8%低下し、2023年1、2月は55.9%だった。
• 特に習近平内閣2期目の2016年から急激に低下し、逆に東南アジアから米国向けの比率は急増し、2022年23.5%に達した。理由は米中激突である!
• その結果、東南アジアは中国の最大の貿易相手になった。
• 東南アジアからの米国向け輸送はスエズ運河を使う。向かう先は、中国の第2位の貿易相手の欧州、第3位の米国である。米国東海岸は西海岸より人口が多い。
南アジア、インドまで経済移転が進むと
• 中国の経済は南高北低 上海・広東が北京・東北を養う。
• それが、西南である広東への更なる重心の移動
• インドとの緊張?
東南アジアは危険?
• 東南アジアは犯罪として、逮捕されるかどうか、というとき安全ではない。アジアで海外からの圧力に屈しなくて安全な国は日本とインドだけとの話もある。
• 東南アジアで不安な企業、個人は日本、インドを選ぶ。
東南アジアの銀行
• リーマン・ショック後に欧州の銀行が弱体化してアジアでの活動を縮小した。2010年代日本、中国、シンガポール、マレーシア、タイの銀行が強くなった。
• 2020年代、三菱UFJ、三井住友などが東南アジアで銀行、ノンバンクの買収など、日本の銀行は東南アジアでの活動を盛んにしている。
まとめ
• 中国から東南アジアへ企業が移動し始めている。
• その結果、中国経済は南高北低から、南西へと重心移動している。それを北京が情報でコンテロールしている。
• インドとの緊張が起こる可能性がある。
• 東南アジアは、危険?
• 東南アジアは日本の銀行は強い。
3.
中国ハイテク戦略 中国政府は低価格製品輸出戦略を転換し、ハイテク輸出へ移行している
• しかし、
• ハイテク化は米中対立の中では、困難である。
• ハイテク化にはハード研究開発、ソフト開発が両立する必要がある。
• ハードの開発は米中対立の中では難しい。
• その状況を打破する戦略が、一帯一路で行っている国有企業による現地における都市インフラ建設支援ビジネスのデジタル化である。
• 一帯一路の交通のデジタル化は無料ソフトの提供で出来る。人工衛星利用。
インフラにおける規模の経済
中国は最先端ハード技術は弱い
新幹線、高速道路、地下鉄、スマホ、EV、ドローン、衛星通信といったハイテク化
• 都市インフラは、東南アジア、南アジア、アフリカ等へ輸出される。
• 中国のハイテク都市インフラ輸出は明らかに欧米よりコストが一桁低い。年産1000台体制の衛星、原子力発電所華龍1号も輸出される。
• ハイテク都市インフラはデジタル都市であり、インフラのデジタルに関わるソフトは中国政府による無料提供が可能である。
• 中国のハイテク都市インフラは、国有企業が担い、政治による優遇が加わる。中国のBATHは中国政府の指導下にある。
• 衛星などによるデジタル都市は、中国のハイテク製品・ソフトの販売に繋がる。中国のハイテクのハードはレベルが低くても、ソフトはレベルが高く、国内にソフト開発人材は多い。デジタルを安くすることでハードを高く売れる。
• 上記により、欧米より一桁低い、ハイテク都市インフラ提供が可能となる。
まとめ
• 中国のハイテク化は困難である。
• 特にハイテクハードの開発は困難である。
• 一帯一路への中国国有企業の都市インフラ建設は使える?
• 一帯一路へのハイテク都市インフラ支援はデジタル化ソフトを中国は無料で提供できる。
• 中国産業のハイテク化が実現できる可能性が高い?
4.
日本の戦略 日本の今後を考える
円安が行き過ぎ
日本国内の国際化
• 日本もエリートは英語ができる。中国人が増加し、買い物生活は中国語が通じるようになってきている。今後フィリピン人が増加すると英語で生活できるようになるとの予想もある。
• アベノミクス以来、日本の通貨価値世界で7割下落!ということは、アベノミクス以来、売上が1.5倍になっていない企業は哀しい。
これから何をするか?
日本大バーゲンセール
日本の世界での位置づけ
• 150年前、日本は中国の代わりに絹、陶器などを輸入できる代替しうる国家として、位置付けられてもきた。
• 現在、中国からの輸入の代替国家として、日本が位置付けられる可能性がある。
• 世界において、格差が拡大し、富裕層消費が経済の大きなウエイトを占めるようなった。
• 富裕層の豊かな都市生活においては、高品質な製品が求められ始めた。高品質製品は大量には必要ない。日本の生産規模で十分かもしれない。
まとめ
• 円安大バーゲンは日本産業にとって最大のチャンスである。
• 日本は中国を代替できる可能性がある?
5.
ロシアに対する中国と日本の恐怖
• ロシアはウクライナに侵攻したが、米国政府のかなりな数のエリートは、「ロシアは隣国が主権国家でありつづけることにストレスを感じる」と考えている。ロシアの隣国でかつてロシアと戦争した国は中国と日本である。日本の軍備強化はロシアのストレスである。ドイツ、フランスにとってはロシアの関心が、東に向く、日本の軍備増強は、歴史的に望ましい。
• ロシアと中国はかつてモンゴル帝国として、統一された歴史を持っている。
結論
• 米中激突が、新冷戦を起こす可能性がある。
• 東南アジアへ中国企業は移動し、スエズ運河を通って、欧米へ輸出し始めている。
• その結果、中国経済の西南、広東への重心移動が起こる。
• 中国のハイテク化はハードでは難しいが、ソフトでは実現される。
• 産業のハイテク化は一帯一路国などへのハイテク都市インフラの輸出などで実現される。
• その際のキーワードは、デジタル化を無料で行う中国政府の政策である可能性がある。
• その中で日本は円安と中国の代替で成長できる。
最後に 未来へ向けて おまけ
• 中国は全ての商品・製品で、世界の半分から3分の2を生産して、半分から3分の2売って、半分から3分の2買う経済である。
• 中国へ参入しないのは世界の半分を失うこと。
• 日本企業は中国でもっとも活動している。
• さて、中国で成功するには3年勝負である。
• 3年で人事が変わる。
• その間で勝負をしないといけない。
• 一帯一路も3年で変わる可能性がある。
• 勝負は品質!!!
いつか世界で会いましょう(^^)
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