「京都」港というと(京都舞鶴港がハブ港になると)世界的な知名度は最高です。
中国・韓国と米国の貿易は日本海を通過する航路が最短距離であり、太平洋側は通らない。また北極回り航路が形成されるとさらに日本海航路の使用が増える。太平洋側の工業団地は今後その重要性が急速に低下し、日本海側の工業団地を重視、または日本海側へ移転すべきである。
現在、中国、韓国も、米中貿易であこがれのアメリカ行きの船はコンテナに商品満載?
ところがアメリカからの帰り船は空っぽ?
中国、韓国から見て、アメリカへの商品輸出は帰り船の積載率が悪い?アメリカは売る商品が無い。アメリカの特産品ソフトはコンテナに積む必要が少ない。
したがって、帰り船を満載にするには、なるべくアジアの沢山の国の注文を取って回ることになる。
そして、帰りは出来るだけアメリカの商品を積載して、日本、韓国、北朝鮮、ロシア、台湾の顧客へ分散届けると帰り船の積載率が上がる。
日本海通過航路の途上にハブ港を完備し、各国の集荷に加え、日本の各地を加え積載率を上げるのが自然である。
上海、釜山より東でより米国に近いハブ港(北極海航路が拓かれると日本海通過航路は欧州までの距離を半減させる)はコンテナ船の燃料消費を削減させることが出来る(日経新聞2010年12月27日9面「経営の視点 ハブ港奪回の最後のチャンス(中央大学理工学部鳥海重喜助教:竹田忍編集委員)」参照)。
北朝鮮、中国吉林省(人口2700万人)、黒龍江省(人口3800万人)から豆満江などが整備されれば集荷が望め、上海、釜山から適当に離れている日本海側の港が望ましい。
そのため日本海通過航路は日数、燃費だけでなく太平洋航路よりはるかに有利である。
日本の3大消費地、工業集積地を考慮して考察してみよう。
京阪神、中京は
京都港:京都舞鶴ハブ港
舞鶴から敦賀にかけての一体を
拡大京都港として「日本海ハブ港」にするのが有利と考えられる(日経新聞2010年12月27日9面「経営の視点 ハブ港奪回の最後のチャンス(清家他:竹田忍編集委員)」参照)。
帰り船で、関西、中京のお客を取れる。
これは中国、韓国にとって魅力である。
中京地帯は他に石川各港が東海北陸道を使っての日本海港である。
それに対して、京浜地帯は新潟港と富山伏木港などが重点港湾から外れて「日本海港軽視」の状態となった。
京浜地帯にとって日本海港を国家が重点港にしなかったことの不利は大きい。
さて、日本海のインフラについて、特に港湾立地消費・産業集積、海外も含めた産業誘致の可能性を考察してみよう(清家・清剛治(北陸先端科学技術大学研究員「研究技術計画学会全国大会報告2010年(亜細亜大学))参照)。
理想的な産業インフラ造成地域として浮かびあがってくるのが、①北海道・青森地域(津軽海峡・首都圏輸送)、②舞鶴(日本海中心位置・関西圏/中部圏輸送)、③北九州地域(関門海峡・九州圏輸送)、である。
日本海側においては、北海道と青森は大規模な工業団地が空いており、日本海航路を活用する最適地である。
福岡・北九州は韓国釜山とともに良い立地であるが、現在工業団地の空きは少ない。
日本海側の消費、産業立地上での将来性を考えてみると
日本海側石川、富山、新潟などにとっては北朝鮮の良質低賃金労働力2000 万人は大変な魅力となる。
北朝鮮と北陸は高速船(テクノライナー)を使えば8 時間であり、夕方収穫した野菜を翌日の朝、日本に届けることが可能である。豆満江が整備されると吉林省、特に黒龍江省の資源、穀物などの集荷も見込める。
さて、日本海をめぐるインフラの未来を考えてみよう。
1)(産業技術的視点)東海道における社会資本の劣化
東海道における社会資本の劣化は北陸社会資本としての北陸新幹線沿線の活用で補完でき、これは地震等対策ともなる。
北陸新幹線は日本縦断観光新幹線、日本縦断貨物新幹線の一部として、将来構想が可能である。
北海道から九州まで貨物新幹線が開通すれば1 日配送圏は飛躍的に広がり、グリーンツーリズムからいってもトラック輸送の激減でもメリットは大きい。
高齢化している日本では長距離トラック網の維持は困難である。
新幹線は東海道新幹線のみ旅客輸送に特化させ、貨物新幹線は北海道から大宮、北陸新幹線、大阪から九州となるのがもっとも妥当と思われる。
この貨物新幹線が時速250 キロから300 キロ走行を実現させれば、世界への輸出産業となる。
青函トンネル通行用在来車両搭載新幹線は、貨物新幹線への発展可能性を持っていると思われる。
2)(周辺国の動向)
周辺国からの社会資本要請
周辺国からの社会資本要請は、日韓トンネルは戦前より計画されているが、それに加えロシアはシベリア鉄道を間宮海峡からサハリン、そして日本の北海道新幹線と連結させる構想がある。
シベリア鉄道は超広軌で、中国、韓国、日本の新幹線とはゲージが異なる(ドイツとも異なり、
これが第2 次世界大戦ドイツ軍のソ連戦の兵站維持を困難にした)。
日本韓国中国欧州新幹線が考えられる。
日本海環状新幹線の検討も可能である。
日本海環状新幹線は沿線の社会資本形成の中核となる。
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