2011年7月5日火曜日

経済の流れのなかで、私がなぜロボットに興味を持ったのか

 経済の流れのなかで、私がなぜロボットに興味を持ったのか。

 経済がだんだん落ち込んでいくのは消費をしなくなるからです。なぜ、消費をしないのかというと、歳をとると欲しいものがどんどん減っていく。若いころはやりたいこと、あるいは欲しいものがいっぱいあった。それが歳とともにだんだん減っていく。最近では糖尿病の心配とかで食べるものも控え目になっています。また、狭い家には物がいっぱいあって、もう置く場所がない。そんなことで人間自体が消費をしなくなっています。
 では、どのようにして消費を高めたらいいのか。その方法は多岐にわたり、いろいろ工夫ができます。その中のひとつ。欲しいという感覚を持たせるために流行をつくるということがあります。流行は非常に便利なもので、たとえば今年のカラーは黒だとすると、皆が黒の服を買う。次の年には白となると、黒はすべてリセットボタンが入ってしまい、白を買います。そのように黒、白、赤、とやっていけば常に欲しいものを喚起します。

 流行というのはリセットボタンなんです。

 消費をしなくなる層はリセットボタンを持たず、自分の誕生日が嬉しくない年齢になっている人たちです。
 では、どうするか。若返ってもらうことです。「桃太郎ははどのようにして生まれたか」という話があります。ひとつの説として「桃太郎は桃から生まれたのではなく、おじいさん、おばあさんが若返った結果、桃太郎が生まれたのだ」というのがあります。

 この「若返り」という感覚がキイワードです。

 若返るといろいろと欲しがります。欲しがると、買いに行くという行動になります。それにロボットがお手伝いができないかと考えたわけです。つまりロボットが人間の若返りをお手伝いするんです。
 歳をとって実際に買い物に出かけるのが億劫になったとき、代わりにロボットに買い物をしてもらう。そしてインターネット上のバーチャルな秘書のような存在が、その人の欲しがっている品物やバーゲンセールでの買い物を上手にチューニングして買ってくれる。ロボットがこのように人間の行動をお手伝いし、若返らせてくれたら、お年寄りに購買意欲が起きて経済が成長するだろうと考えたわけです。ロボットで平均年齢をバーチャルに引き下げ、その結果として欲しいものが生み出され、購買行動が増え、その結果、経済成長する、そういう考え方がまずひとつあります。その意味ではロボットはお手伝いです。
 

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