Googleとトヨタ自動車のビジネス比較
富山大学 清家彰敏
1. 緒言
トヨタ自動車は世界最大の企業としてもトヨタ生産方式によっても世界に知られている。
2. 関係者生産性
関係者生産性(現在呼称・定義を考慮中、良い言葉があれば教えてください:by清家彰敏)という概念を規定する。Googleもトヨタ自動車も究極の評価は関係者生産性の最大化により評価できる。生産性はものと情報の流通、創造によって規定される。企業は関係者生産性を向上させる。
Googleは情報の流通を通じて関係者の創造を促進し関係者生産性を向上させた。Googleは情報の創造には関わらない。ものの流通と創造にも関わらない。Googleは取引先広告掲載企業、サーバー設置協力企業の創造を促進する。
トヨタ自動車はものの創造によって関係者生産性を向上させた。トヨタ自動車は取引先のものの創造を促進することによっても関係者生産性を向上させた。トヨタ自動車は関係者の情報の創造、流通には関わらない。
Googleは社外の生産性を増大させる組織であり、トヨタ自動車は社内の生産性を増大させる。トヨタ自動車は社内に創造人材を抱えている。その創造人材を活性化させる組織である。Googleは社外の創造人材を活性化させる組織である。組織は創造人材と転写人材を抱えている。転写人材はものと情報の転写に従事し転写効率の向上で評価される。藤本によれば企業の概念は転写装置に単純化される。Googleは社内の創造人材のみを残し転写人材を無くしたウィルスのような存在である。ウィルスのように社外に大きく依存する。
膨大な転写人材を生み出したのは産業革命以降である。マルクス以来多くの論者が論じてきたのは転写人材で生き甲斐を多くの人は得られないという点のみである。体験上欧米、中国、インドなどの海外企業の経営指導を通じても日本企業とドイツ企業以外に転写人材の幸せな笑顔を見ることは少ない。
Googleは転写人材を解放し、転写人材が創造人材として生きる支援を行う。Googleによって創造時間は短縮され調査コストは下がり、余暇を持って創造に勤しむことが促進された。関係者生産性の拡大が達成された。
トヨタ自動車は社内において創造人材をより生かそうとする。これは哲学の論争になりつつある。社外での自由な創造と拘束と目標の中での創造とどちらが人間を幸せにするか。世界は二分されている。両社の評価はひたすら関係者生産性をどちらがより大きくできるかにかかっている。
関係者生産性は時間と空間の積で表される。従ってより寿命の長い企業、スピードの速い企業は関係者生産性が高い。Googleもトヨタ自動車もスピードに優れる。
Googleは人工知能化によってスピードを向上させる。トヨタ自動車はトヨタ生産方式でスピードを向上させる。トヨタ生産方式は可視化と停止によって拙速を巧速に変える。リードタイム短縮は組織の細分化、最終的に一人作業、ついで多作業化と突き進む。
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