2013年4月14日日曜日

産業構造の変革とビジネスパラダイムの変化

産業構造の変革とビジネスパラダイムの変化


1.世界に日本は模倣された。クローンとの戦い。
2.社長が「課長級」に格下げ。グローバル化・巨大なサプライチェーン、関係企業の急増
3.スピード化「浦島太郎現象」。
4.マップによる欧米企業の強み
5.完成品は儲からない。部品・先端素材の次は?21世紀の巨大産業「センサ事業」へ挑戦しよう。日本の得意技はセンサ

日本企業は世界中に模倣された

1.日本企業は、自分のクローンと戦っている。日本企業は80年代に世界の頂点に立った。それ以降、日本企業モデルが世界中で模倣された。
2.サムスン、アップル、グーグル、GE、GM、シーメンスも世界企業は日本企業の模倣、クローンである。
3.日本企業は1980年代90年代は、異質な企業と戦った。
4.21世紀自分自身の影と戦っている。

21世紀日本企業は3つの敵と戦う

敵1 欧米企業が日本企業型へ変形 GE、GM、シーメンス
敵2 欧米人が起業した日本企業研究=ライオンキング型、アップル、グーグル(拡張機)
敵3 途上国人による日本企業のリバースエンジニアリング型 サムスン

クローンのほうが本物より優れてる? 

日本企業の競争力・利益の変化

5.製品組立から先端部品・先端素材へ競争力が替わった。
6.1980年代に、自動車は製品組立より部品が儲かる事業に替わっていた。
7.電子部品の増加で、自動車の価格に部品が占める割合は1980年代初め50%が70%に近づいた。
8.現在、製品組立は日本では儲からない。部品・素材は日本で作っても儲かる。

組立が儲からないから

9.組立が儲からないからテレビ、家電は日本以外へ移った。なぜ儲からないのか?
10.組立だけで「イノベーションリスク」の無い商品は利益は急速に減っていく。「ソリューションリスク」の無い、サービス不要の商品も利益は急速に減っていく。顧客は低価格品へ移る
11.イノベーション、ソリューションが不要。
12.これがモジュール化。製品、部品は「欧米主導」でモジュール化(世界標準化)されていく。
13.勝ち負けは、規模(世界市場を持つか、アップル、サムスン)と人件費(途上国か、中国、東南アジア、アフリカ)の優位で決まる。

製品・部品市場モジュール化の恐怖

14.自動車は部品点数が多く、劣悪な路上を20年走るのでイノベーションリスクが残っている。したがって、日本、ドイツが強い。しかし、電気自動車は?
15.モジュール化されれば、製品も、部品も日本から、米国、韓国・台湾、中国・東南アジア・アフリカへ生産拠点を移動させるしかない。
16.韓国・台湾は世界市場へ売るのが得意。規模の経済で価格を急降下させる。サムスン
17.中国・東南アジア・アフリカは安い人件費で利益を出せるため、価格を急降下させる。ハイアール
18.米国は韓国よりブランドがあるので、規模で安く作って、高く売りつけるというボロい商売。アップル



19.社長が「課長級」に格下げ。

20.グローバル化・巨大なサプライチェーン、関係企業の急増
21.ミドル化(トステムの社長はかつては社長だった。今は住生活グループのミドル)
22.顧客ソリューションを形成するためには多くの企業の協力が必要。社長は実は課長並の権限しかなくなりつつある。
23.社内に裏切り者が!アップルに部品を供給する日本の電機企業の事業部長は、アップル社の社長に貢献するしかない。ヤマダ電機の社長を向いて、パナソニックの事業部長が仕事をする。

24.長大化する製品とサービスをつくるプロセスとサプライチェーン

地図(マップ)戦略計画

企画研究開発試作生産技術部品供給工場物流小売顧客
           
 製品センササービスコンサル(相談)―金融保険

サムスンとアップル

サムスンはグローバルビジネスの企画(マーケティング)と工場(量産)とコンサル(相談:苦情処理)の3点のみで勝負
アップルは未来の情報生活のイメージ(地図:マップ)と戦略、計画の3点のみで勝負
日本企業は真面目にすべてのプロセスを行おうとする。
真面目にすべてのプロセスを行うと、サムスン、アップルに遅れをとり、世界でシェアを奪われる。
スピードで勝負が決まる世界市場?

25.スピード化浦島太郎現象

26.中国ビジネスは世界の6倍のスピード「中国の7年は世界の40年」(新華社)。
27.東南アジアは6倍以上のスピード(ベトナムでの商社マン実感では12倍との話も)。
28.会社人生で、新製品の開発、新事業の起業体験を6倍以上行うことができる。
29.開発、起業体験は人を早く成長させる。
30.社長が日本でのんびりしていると社員が「浦島太郎」になって、人材の成長が遅れ、海外で通用しなくなる。

31.日本国内もスピード化が進む。

32.店舗滞在時間が20年で2分の1に!1990年代の1.5時間が45分になった(三越伊勢丹)
33.コンビニの平均滞在時間は4分から5分。滞在時間がスーパーの3分の1以下。これがスーパーがコンビニに負ける理由のひとつ。
34.勝っている企業はスピード。
35.ユニクロはパンツの直しが1時間
36.眼鏡調整を45分にして、めがね業界で成功。
37.ツイッター6秒ビデオ。
38.相手の心を掴むには1カット数秒が定石(プロのカメラマン)。
39.時間の節約、ニッチタイムの利用。

40.スピード3種、早い、速い、疾い

41.早い:欧米は企画が少なく、決定が「早い」。
42.日本人は企画は多く出すが、採用、決定は少なく、決まるまでが極端に長く外国人はあきれる。欧米、中韓は「早い」。日本の管理者は遅い。
43.速い:訓練を繰り返す、改善を行い、外段取りをつくると仕事は「速く」なる。
44.どんどんセンサで情報をとって、軌道を修正し確実に命中させる「誘導ミサイル」のような仕事が日本企業の強み。
45.誘導ミサイルはセンサで情報をとる回数を増やし、速度を上げれば、命中精度が向上する。それが日本人社員の目標。
46.管理者の決定の遅さを、社員の「速さ」でカバーした日本企業が、世界で勝者になる。

47.疾さの経営の真価は軸の転換

48.発想の転換・軸の転換後のスピード時代を読む・変わり身(天才的ひらめき)
49.時代、環境が大きく変わると、競争の軸が変わる。
50.小学校のとき、「ピストルが鳴ると走る方向が逆になる」徒競争があった。そのイメージ。
51.かつて麒麟麦酒は半分以上のシェアがあった。
52.そのシェア獲得の理由は、「家庭への冷蔵庫の普及」「お父さんだけが家庭で飲酒」「御用聞き」
53.ところが、社会が変わった。女性の社会進出。
54.週末夫婦でビールを量販店で買い。夫婦一緒に飲む。苦いビールではなくキレがある?ビール。
55.アサヒビールのスーパードライによるシェア逆転。

技術者のスピード化の鍵、スマイルカーブの考え方を変えよう

1)スマイルカーブの上流と下流が儲かる。技術者は上流(ビジネス企画)、下流(ソリューション)まで経験し、多能化する。
2)スマイルカーブの期間短縮を試みる。期間が半分になれば、利益は2倍になる。
3)スマイルカーブに関る人は同時並行で仕事をチームで行う。ホンダは工場に開発を集約した。ユニクロと東レは一緒に仕事を行う。
4)少人数、最終的には一人でスマイルカーブをすべて行うのが望ましい。情報通信・チームワークで可能。
5)(ホンダの技術者)オートバイが好き。車はつまらない。オートバイは一人で全部設計でき楽しい。




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