2013年4月19日金曜日

仮想社会とビジネスとシミュレーション(巨大化するセンサ事業)


仮想社会とビジネスとシミュレーション(巨大化するセンサ事業)

56.製品組立は途上国へ移転、先端部品・先端素材が日本の現在の強み。やがて部品と素材も世界にモジュール化、国際標準化のすさまじいスピードによって模倣され追いつかれる。
57.未来産業はセンサ産業。先駆けてセンサ事業へ
58.顧客と自社製品を位置づけるマップ(地図)を作り、顧客と全社員が共有する。
59.製品にセンサを付けデータをとる。
60.シミュレーションを行い開発前に売れるかどうか予測する。企画と小売のシミュレーション。

小売(シミュレーション)

地図(マップ+ビジネスルール)戦略計画企画(シミュレーション)研究開発試作生産技術部品供給工場物流小売(シミュレーション)製品+センササービスコンサル(相談)―金融保険顧客

小売は「顧客の前で製品が使われるシミュレーション」を行う。パソコンでその場で製品使用、デザイン、サービス(ソリューション)の契約条件を変えて見積もる。家電、自動車、住宅。

61.センサの位置づけ

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コマツは製品(重機)にセンサを付けた。
トヨタは製品(自動車)にセンサを付けようとしている。

センサの凄さ

1)コマツ 
建機のロボット化 建機のセンサとGPS 需要予測・パーツ供給・中古市場。
 
2)トヨタ 
①ワイパー天気予報(センサとしてのワイパーが動いているところが雨が降っている) ②タイヤ渋滞情報(タイヤの回転数がセンサ)

62.マップ(地図)は欧米企業の強み

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マップ(地図)づくりの欧米人、地図が作れない日本人。ゲノムは医療ビジネスのマップ。ジョブズのマップでソニーは負けた。
ISOはビジネスルールであるが、ルールは欧米人のマップから作られる。 

マップ(地図)の意味

1)地図と現場
2)地図が無く現場で地道に努力する日本の技術者。
砂漠で苦しみながら、実は山の向こうには川があるのに気づいていない。
3)地図とルールは3段階
①社長のマップ(地図)と社内規則、②市場覇権を考える世界のリーダーたちのマップと国際規格(ISO)、③科学地図(ゲノム・有機化学・原子核反応)

地図への欲求

YKKAPは「100年間変わらない生活イメージ」のマップ(地図)があると便利ですよね。
YKKは100年後、ファスナーがどこに使われているかのマップがあればやりやすいです。
スマートシティの未来図があれば、北陸電力は戦略づくりは容易。
ほとんどの企業は新製品の仕様で悩む、その悩みの大部分は地図がないため。
ISO(ルール)だけでも決まると仕事は楽だね。

マップ(地図)のイメージ

       松下幸之助「水道哲学」
       単純な地図とルールをできるだけ多くの人で共有する。
       地図は世界地図でOK
       世界地図に住む人は2種類
       顧客と社員
       ルールは2つ。顧客は欲しがり。社員は効率的に奉仕する。
       単純でしょう。でも難しい。

未来型マップ

第1段階 工場をコンピュータ内に仮想化する。生産最適化(仮想的なマザー工場GP4)
第2段階 スーパーマーケット、コンビニを仮想化する。
第3段階 顧客の購買動向に合わせ、コンビニに連動して、工場が変化する。
取引は高速取引

インターネット製品企画

1)現在「未来感覚を持った人」が少数であるが存在する。
2)未来とは「未来感覚を持った人」が多数派になる時代である。
3)インターネットの中で未来感覚を持った人を選び、その人たちに新製品を判断させ、仮想の売れ行きを予測する(シミュレーション)。
4)予定の売上を達成するまで、製品仕様を次々変えてシミュレーションを繰り返す。
5)このプロセスを繰り返せば、やがて販売前に売れ行きがシミュレーションできる。

63.企画(シミュレーション)

地図(マップ+ビジネスルール)戦略計画企画(シミュレーション)研究開発試作生産技術部品供給工場物流小売(シミュレーション)製品+センササービスコンサル(相談)―金融保険顧客

 1)原爆のシミュレーションまで行う欧米人
 2)欧州の化学産業は製品企画、設計にシミュレーションを使うのが得意。
 3)地下鉄自動運転は数百万回のコンピュータシミュレーションを行い実用化(国土交通省)

64.仮想顧客マップシミュレーション

65.インターネット上に顧客データを蓄積
66.インターネット上に仮想市場を作る(マップとルール)。
67.仮想市場に仮想顧客(人工知能)を配置
68.過去の製品の仕様の変化と過去の販売データをインターネット上に蓄積
69.新製品の仕様を決め、シミュレーション。
70.仮想顧客はナノ単位で判断
71.販売の成否を瞬時で判断、最適な製品仕様を販売前に決定できる。
72.シミュレーションは「使い込む」ほど精度が上がる。

しかし、マップとルールのシミュレーションは日本人は得意ではない。

1)コマツ 
建機のロボット化 建機のセンサとGPS 需要予測・パーツ供給・中古市場。

 コマツのセンサはトップダウン

2)トヨタ 
①ワイパー天気予報(センサとしてのワイパーが動いているところが雨が降っている) ②タイヤ渋滞情報(タイヤの回転数がセンサ)

トヨタのセンサはボトムアップ

コマツのセンサの使い方

       建設機械メーカーのコマツは、建機にGPSと連動させたセンサを付けて販売した。これにより、世界のどこに自社の建機があり稼働状況まで把握できる。このデータを顧客や代理店に提供できる。顧客は、稼働率の高い地域へ仕事を取りに行くことができ、コマツも稼働率の高い地域での販売強化ができた。
       コマツ、トヨタのセンサは「見守りセンサ」と分類される。
        
       今、世界のエンジニアたちは、必死に自社の商品にセンサを付けると、どんなサービスができるかを考えている。
        
       実はセンサと現場の改善・革新が日本の強み
        
見守りセンサはスマートシティの鍵

1)日本の製造業は海外で「現場主義」で成功した。ものづくり企業こそ日本のブランド。
2)日本の小売流通(日本型サービス産業)は現在「現場主義」で世界で成功しようとしている。新しい日本ブランド。セブンイレブン、イオン、ローソン、ファミリーマート、ファーストリテーリング・・・。
3)これらの小売流通業はインフラ産業と一緒にアジア各国のいたるところでスマートシティを作ろうとしている。
4)スマートシティは無数のセンサで管理される。
5)住宅、自動車、家電、家具、地下鉄、道路といったインフラは「見守りセンサ」だらけになる。
6)食品も「健康センサ」つきで食べる時代になる?

例えば家庭と路上でのセンサ「情報端末」収集。

        家庭と路上での「情報端末」(スマホ・スマートテレビ・自動車情報通信端末、都市の診断見守りシステム)は、住民から細かいデータを収集するセンサである。例えば自動車からは運転状況の時間軸ビッグデータが収集できる。
       高齢者の運転状況を長期間モニターする。「脳梗塞などの症状が表れ運転に乱れが生じている?」といったデータを感知する。
       脳梗塞に合った健康食品を企画・サービスし、保険にまでこのデータは活用できる。保険に使われるのは不愉快かな?
       自動車のセンサからのデータがビジネスを企画するきっかけとなる。
       センサで取ったデータで、都市、社会、生活の場・医療現場・薬品・食品をボトムアップで「改善」していく。この現場からの改善が日本の強み
 
73.製品にどのようなセンサを付けるかが勝負

74.製品は技術と顧客をみて部品産業を指導して作る。
75.先端部品・先端素材は親会社を観察して作る。
76.見守りセンサは顧客を観察して、最低限のセンサで最大限のデータをとり、安くサービスを向上する。
77.日本人は顧客の観察力とサービス精神、仕事の改善への意欲が卓抜している。
78.日本人はボトムアップで現場の周知を集めてセンサを作る。欧米人はトップダウン。日本が優位。
79.無数のセンサを日本中で開発し、世界の製品に提供するようになれば、日本国内に巨大な産業ができる。

センサとマップにおける技術者活動

センサからの貢献
①時間軸データの蓄積
②現場の知恵でボトムアップされる
③製品・サービスの改良
④社会の改善(インクリメンタル・イノベーション)

マップ(地図)からの貢献
           トップダウンされる
②設計
③製品・サービスの革命(ブレイクスルー・イノベーション)

あらゆる産業が「センサとマップ(地図)から作られるビッグデータ」によって革命を迫られている。
マップはモジュール化がセンサは改善がキーワード。

まとめ

1.日本は模倣され、自らのクローンと戦っている。
2.社長の多くはサプライチェーンなどの拡大で「課長級」に格下げ。自らの役割を再定義しよう。
3.スピード化に対応した技術者に変革しよう。
4.マップによる欧米企業の強みを知ろう。
5.完成品は儲からない。部品・先端素材も模倣される。21世紀巨大産業「センサ事業」へ挑戦。
6.日本の得意技はセンサ、センサからの現場データで製品、サービス、社会を改善する。
7.世界のスマートシティへセンサを提供しよう。

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