2013年8月10日土曜日

現在の清家の研究課題 組織間関係・競争・多能化がキーワード

組織間関係における競争構造――中国政府との共同研究

 本研究は、中国政府と日本側研究グループにおける「日中産業競争力比較」共同研究2013年~2015年の基礎となる研究である。日本の有力企業は巨大な企業集団を作っている。中国の「中央企業」と呼ばれる中核国有企業100社は巨大な企業集団を作っている。
 この企業集団に属する各企業の関係は、組織間関係論で理解される。本研究は、「競争」が組織間関係において、どのような機能を持っているかを問題とする。組織間関係の中の企業群は協調と同時に競争する関係である。トヨタグループの企業はトヨタ自動車の戦略の中で、車種開発などで協調する関係であり、また複社発注、委託車種配分などで競争させられる関係である。
 本研究は日中の企業集団における組織間関係において、競争の持つ機能と構造、管理、日本企業が優れた面については中国企業への理論移転について考察する。

組織間関係とマトリックス構造――中国政府との共同研究

 本研究は、中国政府と日本側研究グループにおける「日中産業競争力比較」共同研究2013年~2015年の基礎となる研究である。日本の有力企業は巨大な企業集団を作っている。中国の「中央企業」と呼ばれる中核国有企業100社は巨大な企業集団を作っている。
 この企業集団に属する各企業の関係は、組織間関係論で理解される。本研究は、組織間関係がマトリックス構造で理解できること、そのマトリックス構造の中における管理機能の多能化の試みについて、小売流通企業集団の事例で説明を試みる。
 本研究は日中の企業集団における組織間関係において、マトリックス構造と管理について日本企業が優れた面については中国企業への理論移転について考察する。


大蔵省主計局と成長について――元事務次官オーラルより

本研究では元国務大臣・元大蔵省事務次官相沢英之氏に対し、2009年~2013年まで34回×2時間のオーラルを行った(伊藤隆東大名誉教授と2人で行い、今後国会図書館憲政資料室に永久保存の予定である)。この研究目的は日本の過去の経験が新興国などの今後の発展に役に立つのではないか、との国際知識移転の考えに立っている。この膨大な史料のうち、本報告は、特に主計局主計官と日本経済の成長、イノベーションに関わる部分についてのみ限定し、マネジメントの視点での分析を進める際の、問題意識、仮説案について列挙し、討議する。
主計官制度は柔軟な組織構造、職務割り当てがなされているなど、組織論、組織間関係論で説明できる可能性がある。本研究は、問題意識、仮説とともに、現在の財務省主計局との連続性、非連続などについても触れる。また膨大な資料の分析方法、国際移転手段についても論じる。

日中産業競争力比較の問題意識と枠組みについて

本研究は、中国政府と日本側研究グループにおける「日中産業競争力比較」共同研究2013年~2015年の政策課題、問題意識、分析の枠組み案、仮説案について考察する。日中の産業政策の政策決定過程の相違と枠組みの差についても論じる。また産業の集積地域の変動の可能性については、大震災、アジアの成長による日本海側への産業の集積の移動の可能性、中国における地方、海外への産業の移動にも触れる。対象とする主要産業は鉄鋼業、自動車産業、医薬産業である。中国鉄鋼業については過剰生産力の再編成の政策について、新技術開発を踏まえ研究する。
自動車産業における競争力では、東南アジアの日本車寡占市場の将来、将来技術について、考察する。日中産業競争力の未来については、都市化における健康創造と医薬・機器競争力、産業競争力と金融、政治動向、またマスコミ・インターネット、ロボットについても論じる。

0 件のコメント:

コメントを投稿