2011年5月4日水曜日

マネジメントは問題解決 嘘の問題と真の問題

 現在、「もしドラ」から始まって、ドラッカーのマネジメントを金沢(北國新聞文化センター)と高岡(富山新聞文化センター)で社会人の方々と討議している。
 マネジャーとは社会の問題解決を行う存在である。その際、常に問題になるのは真の問題とは何か、である。今悩んでいることが、周囲が騒いでいることが実は真の問題ではない時が多々ある。
 町長は町民のためにと思って原子力発電所を誘致する。東日本大震災の後である、当然原子力発電所反対運動が起こった。そのとき町長の真の問題とは何だろうか?
 真の問題とは何かを考えさせられるお話がある。夜、ある男が街灯の下で何かを探している。通りかかった人が訊ねた。落し物ですか?ハイ。どのあたりに落されましたか。あのあたり。男が指さしたのは街灯からかなり離れた先。驚いてなぜ街灯の下を探しているのですか?いやここが明るいもので。
 企業や自治体においてよく見かけるのは、自分が得意な分野に繋がる問題解決以外はやりたがらない悪いマネジャーの事例である。得意な分野から問題を逆算?して、その問題を彼は周囲に押しつける。営業に自信のある人はすべての問題を営業から見つけ出そうとする。このとき、問題を決める前にすでに答えは決まっている。インチキである。このようにして解決された問題は多くの場合、まったく役に立たないだけでなく、害になる。
 原子力発電所を作るために問題を探す。問題を雇用にしよう。雇用を確保するためには解法は原子力発電所の設置だ。これは嘘の問題発見である。
 小売業で店長になりたい。店長になるには店を増やさないといけない。出店だ。出店をするためには売上を増やすことを課題にしよう。売上を増やすことを課題にするには、売り上げが少ないということを問題にしよう。これが嘘の問題発見である。
 トヨタ生産方式を勉強するとトヨタ生産方式からみた問題しか発見できなくなる。これも嘘の問題発見である。

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