2011年5月10日火曜日

美術館など巨大資産を抱える組織のマネジメント

美術館は運営費に比べて桁違いの巨大資産を抱えている。

このような組織のマネジメントはどのようにすればいいのだろうか?

 美術館の絵画、彫刻などの資産評価は簿価と時価があるが、おそらく簿価での評価が多いのではないか。もうひとつビジネス資産の評価が必要である。資産のビジネス価の評価はマーケティングの手法でまったく異業種の複数の営業系経営者によるものが、望ましい。その結果、ビジネス価が定まったら、ビジネス価で資産をビジネス的に再評価し、ビジネス企画を立てることができる。もちろん、美術館はビジネスを事業定義とする組織ではないので、ビジネス企画をすべて採用する必要はない。しかし、従来行われてきた企画に加えてビジネス企画を検討することは選択肢を増やす。一般にビジネス企画が増えると館長は選択肢が増えるだけでなく、マネジメントのスタイルも幅広くなる。
 あまりに資産価値とビジネス価の差が桁違いなら、それを相殺するためには市場を広げる必要がある。例えばチェーン化するというのは、市場の面積を広げる。子供も対象にするといった顧客定義を変えれば市場の面積は同じでも対象者を広げうる。高所得者を営業対象にすることは市場の質を高める。美術館の顧客定義、事業定義を変えると市場が拡大、質が高まる。事業活動の定義の変更、対象市場の拡大は、営業活動を活性化するとともに人材育成の定義の変更、採用する人材の要件の変更にもつながる。

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