2012年12月20日木曜日

北米・欧州・アジア貿易における日本海航路と日本海側開発

中国・韓国・台湾と米国を結ぶ航路は日本海に大きく依存している。           国土技術政策総合研究所資料竹村慎治・赤倉康寛氏によると、2009年のアジアと北米間のコンテナ船は往路復路合計6112隻、そのうち1798隻が日本海(津軽海峡)を通った。29.4%である。6112隻のうち1950隻31.9%は日本発または日本に寄港した。このうち日本海を通ったのは23隻で1950隻の1.2%に過ぎない。中国、韓国、台湾発などで日本に寄港しないコンテナ船は4162隻68.1%である。このうち日本海を通ったのは1775隻で42.6%に達する。                   上記のデータは中国、韓国にとっての日本海の重要性と日本にとって日本海をどう考えるかが、大きな問題であることを示している。これをもとに以下論じる。      上海洋山港から津軽まで2000キロ以上でこれは上海から北米まで約1万キロの20%に相当する。日本海のコンテナを上海、釜山に集めるのは、逆流である。北米に近い津軽に日本海周辺(日本・中国東北3省・韓国・北朝鮮・ロシア)の約3億人のコンテナを集荷し、コンテナ船を仕立てれば、無駄が無くコンテナ船を順流で運航できる。                                                   シンガポール・ホーチミン・香港・上海・釜山・日本海・津軽海峡・アリューシャン・北米シアトル・ロサンゼルスは地球儀で見るとほぼ一直線である。日本海航路はアジアからカナダ、米国への最短コースである。世界の大動脈である。この大動脈に世界のコンテナの3分の2が集まり輸送される。世界の物流の9割が海上輸送であると考えると、この大動脈上にある日本が世界でいかに良い位置にあるかが分かる。     その上に、温暖化で北極海航路が盛んになれば、日本海航路はアジア、欧州の最短コースともなる。                                        インドなど15億人・欧州6億人(GDPはインドなど約150兆円・欧州約1500兆円)からシンガポールを窓口にしてASEANとの間でコンテナ船が入出港する。シンガポールはホーチミンとともにASEAN6億人(GDP約300兆円)を後背地とする。      次の上海と香港は中国13億人(GDP約600兆円、中国東北部を除く)を後背地としている。釜山は3億人(日本、中国東北部、韓国など:GDP約700兆円)を後背地とする。                                                 日本海を窓口にして北米5億人・欧州6億人(北極海航路)GDP約3200兆円へ繋がる。                                                さて、緯度では、シンガポール(緯度1度)、ホーチミン(緯度11度)、香港(緯度22度)・上海(緯度31度)・釜山(緯度35度)・日本海・津軽海峡(緯度42度)となっている。釜山は上海に近すぎる。また日本海のほとんどの地域からの物流が逆流となる。そこに日本海のできるだけ東側に大規模コンテナ港湾が求められる理由がある。                   日本海航路周辺に大規模港を造る適地は多い。できればその港に大規模工場用地が欲しい。                日本の日本海側で工場用地に恵まれているのは津軽海峡周辺北海道・青森地域である(研究技術計画学会報告清家・北陸先端科学技術大学院大学清剛治)。        

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