2010年7月30日金曜日

日本の未来予想図20年


日本の未来予想図20年


ドイツは儲かっている。


 ユーロが安くなって笑いが止まらない。
 
 ワーゲンも、ベンツも、シーメンスも笑いが止まらない。本来、ドイツ経済、マルクはEU経済、ユーロより遥かに強い。
 それがユーロに為替を合わすのだから、ドイツの輸出企業の輸出競争力は圧倒的に優位になる。


 ここから日本と中国の20年後の未来予想図について描いてみよう。


 中国の名目GDP成長は30年10%成長(5年平均成長率10%)した(1880年~2010年)。

 かつて日本、韓国は名目成長率30年10%成長をして、安定成長5%(5年平均成長率4%~5%程度)になった。その後日本は20年5%が続き、日本は現在1%成長(5年平均成長率0.8%成長)になった。
 韓国はまだ5%期20年の途中であり、1%期に至っていないと思われる。


 中国の20年後を予測


 現在の中国は日本の1970年代とよく似ている。

 そこで1970年の日本と2010年の中国を基点にして、

 中国の2010年の名目GDPに「日本の1970年~1990年の名目GDP年間成長率」を順に掛けてみた。

 その結果今後20年間で2.6倍に中国経済はなるとの予測となった。

 その後は1%成長となるはずである(日本経済の変化パターンと同じ変化を辿るとすれば)。


 その間、日本が1%成長すると

 中国経済との差は2倍ちょっと、2%成長すると1.7倍の差と予測できる。


 さて、その間の日中の競争を考えてみよう。


 かつての欧州の英国とドイツの競争を考えてみよう。

 1981年英国とドイツのGDPの差は1.3倍だった。それが90年代最大2.3倍まで開いた。

 この時期、欧州経済はドイツの一人勝ちでマルクは強く、フランスも同様に差をつけられた。

 これがEU経済へのドイツ、マルクの取り込みの1つの誘引であったと思われる。

 1990年代からEUの発展、経済統合、政治統合、拡大とともにドイツの名目GDPと英国、フランスの差は縮小していった(現在英独差1.3倍程度)。

 この縮小した理由は

 マルク換算の名目GDPがユーロ換算になったからではないか(ドイツ経済はユーロ換算GDPで実態より小さく見えている)。これがドイツ経済のEU域外への輸出競争力になっている。

 別の理由としては、EUは域内統合経済であるため、各国経済間の境界が曖昧になり、オーバーラップが起こり、交流が盛んになったために各国GDPの差が縮小していったとも考えられる。


 上記の予測と歴史から、日本の未来戦略、未来予想図を考えてみよう。

 日本は中国との名目GDP格差が開いていく今後20年間に、

 アジア太平洋経済統合(日本、中国、米国を中心とする「エンゲンドル(円元ドル)通貨圏」)を完成させる。

 このエンゲンドル通貨圏で日本はEUの中のドイツの役割を果たす。

 この圏内では、ユーロの中のドイツマルク同様、日本、円の競争力はエンゲンドルより強いから、世界に楽に輸出ができる。

 日本経済、円はアジア太平洋経済、エンゲンドルより遥かに強い。それがエンゲンドルに為替を合わすのだから、日本の輸出企業の輸出競争力は圧倒的に優位になる。

 韓国はエンゲンドル圏に入ると日本とは逆にウォン安の恩恵が受けられなくなって輸出競争力が落ちる可能性がある。



 国家の発展は三期に分かれる。


 第一期30年


 最初の30年は第一期名目GDP10%成長期であり、

 収穫逓増期でまったく新しいモジュール化しやすい理想的な生産が効率の良い都市部での人口集積にて行われる。

 情報化、インターネット社会では世界情勢、市場情報、最先端技術の隠蔽は困難であり植民地支配は論外であり、不可能である。

 まったく無いところで新たな投資が行われるため10%成長となる。

 加工貿易輸出入が主で世界経済でのウエストも低く低賃金と相まって30年成長は行われる。

 移転設備は単純なシステム主に工場である。移転技術は実験的にブラシュアップされ洗練され、移転元を上回ることも考えられる。


第二期20年

 
 第二期は名目GDP5%20年で

 工場の地方移転、全国的インフラ整備が行われる。

 移転は新設よりGDP貢献は小さくプラスマイナス。

 都市部と比べ地方は人口集積がないため収穫逓減となり効率は悪くマイナス。

 この期はより生産コストが低い世界の後発である第一期国への海外進出が起こり、GDP的にはマイナスとなる。

 研究開発、知財、教育普及、インフラ住宅投資はプラス、

 上記の差し引きの結果が名目GDP5%成長である。


 第三期?年


 第三期は成熟経済1%成長。


 中国は第一期が終了し、現在第二期に移行中であると考えられる。

 インド、ブラジル、インドネシアが現在の第一期国である。

 韓国は第二期にある。

 日本は第三期。


 第一期の成長は、外的要因(外需)で起こる


 なお第一期の成長では、一般に考えられているほど国家、国民性、人口、地政は名目GDPに関係が薄いのではないかと考えている。

 第一期の成長は外部からの投資、生産委託などの需要への受動的対応にて開始され、国家の役割は現場管理者程度の限定されたものである。

 第二期国、第三期国の顧客からの要請を受けた株主、コンサルタント、専門経営者チームなどの意思決定の総和、社会風潮などによって第一期国が選ばれる。

 第一期国の政府の意思決定能力、決定主導権は弱く、受動的となりがちである。

 しかし、軍、共産党主導国家は決定主導権を確保しやすい。
 
日本は占領軍、韓国は軍、中国は共産党支配から第一期が始まった。それが合理的であったかどうかはまた別である。

 一般に人口大国が第一期国として選ばれる。

 理由は同じルールで出来るだけ長く生産をおこないためである。

 理由は4つ。
 
 第1は、生産システムは巨大化しつつあり、順に移転していくとき出来るだけ全システムを共通ルール、同じ投資原理で管理したい。物質移送の際、複数の政府をまたぐと貿易となり国内輸送よりややこしさが急増する。
 
 第2は、専門家が育成しやすい。母数が多いと優秀な留学生を確保しやすい。

 第3は、将来第二期国になれば人口が大きいと市場としても期待できる。

 第4は、企業サイドからみると投資先決定の際は、国家名がよく知られていて社員の認知度が高いと、社内合意が容易という点も重要である。

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