1.日本はIE(インダストリアル・エンジニアリング)を米国から1950年代に導入したとき、IE手法:改善と給与評価の2つのうち、改善のみに重点において、実施しました。その際の鍵は、全社員の人材教育でした。当時は改善手法教育が中心で、その後、広範囲な人材育成になり、管理者教育につなげました。全社員が改善教育を受け、管理者教育まで受ける資格を持っている。これが日本流となりました。
2.給与評価=人事評価は、当時の終身雇用に会わなかったので、成功できませんでした。現在、日本でも人事評価に重点をおいている企業と人材育成社員教育に重点を置く企業に分かれています。
3.日本でも人事評価に重点を置く企業のいくつかは「ブラック企業」といわれ、長期的に成功するとは思われていません。日本企業の多くは、従業員という名の大衆が改善を繰り返し、良い製品を生産し、高い品質を求める大衆が消費するという『大衆生産大衆消費』を特徴としています。
4.韓国企業は日本から1990年代まで学び、地道な基礎から始める日本型の社員教育も行いましたが、1997年のアジア危機で基礎教育よるも即戦力、選民重視に転換しました。海外からも人材を導入、外国人の力も活用し、サムスンなどを建て直し、経済危機を脱しました。その結果、「日本人が技術をけん引する日本企業」と、「外国人と韓国人が技術をけん引する韓国企業」の違いになっています。
5.中国政府も1990年代までは日本企業を学ばせようとしましたが、韓国サムスン、現代、ポスコの成功をみて、韓国企業モデルの学習に転換したと思います。
19世紀、
欧州企業は選ばれた熟練工(エリート)が植民地の単純工を使って生産し、王侯貴族(エリート)が消費、そのお零れに大衆が預かるという「選民生産選民消費」モデルで世界を支配しました。
20世紀、
米国企業は選ばれた大学院修了者(エリート)が移民単純工を使って生産し、大衆が消費するという「選民生産大衆消費」モデルで世界を制覇しました。
20世紀後半、日本企業は、従業員という名の大衆が改善を繰り返し、良い製品を生産し、高い品質を求める大衆が消費するという『大衆生産大衆消費」というモデルで世界の製造業を制覇しました。
「大衆生産大衆消費」モデルという人類史を発展させたモデルを、また「選民生産大衆消費」モデルへ逆行させたのが韓国企業と言えるかもしれません。
21世紀、
大衆生産(創造)大衆消費は、フランス革命以来の人類の夢である。ドラクロワに会いたい。
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