2010年12月29日水曜日

新年会1月12日水曜日19時~ 名鉄トヤマホテル彩雲の間

清家研究室関係者他の皆様

新年会
講演テーマ「中国・インド急成長市場リスクと汎日本海ビジネス創造の条件」(清家教授)

はじめまして、清家研究室3年ゼミ長を務めさせていただいております中川泰貴と申します。
4年の加納に変わりまして、今後清家研究室の行事案内をさせていただく事となりました。
若輩ではありますが、どうぞよろしくお願い致します。
 
さて、恒例となっております清家研究室忘年会ですが、昨今の社会情勢を踏まえ、より多くの社会人の皆さまとの交流が重要と考え大会場での新年会へと変更させていただきました。
皆さま方にも社会人同士の交流の場としてご利用いただければ幸いです。
日時 平成23年1月12日水曜日 19時~
場所 名鉄トヤマホテル 4階彩雲の間
会費 5,000円
お手数ではございますが参加をご希望される場合は中川までご連絡をお願いいたします。
なお、当日は清家教授による、30分程度の講演を予定しております。

講演テーマ「中国・インド急成長市場リスクと汎日本海ビジネス創造の条件」

3年生で就職が決まっている約2名は卒論のテーマ案を提出

3年のゼミ長の中川君まで

就職が決まっている約2名は、

卒論の1.テーマ案、2.選んだ理由、3.参考文献、4.方法論(事例研究?アンケート?文献研究?インタビュー?)についてA42枚に書いて

新年会までに提出(^^)

頑張ろう

2010年12月28日火曜日

清家研究室2011年新年ゼミ開始と新年会

大学院生

曹君、張さんは2011年1月13日(木)9:00~12:50の間に加筆した修士論文を研究室まで持ってきてください。
大学院のゼミは2011年1月13日(木)9:00~12:50の間にやる予定。

2年生は
ゼミ開始2011年1月13日(木)14:45~16:15(その前の週は皆で集まって、ワゴンセールの企画を自主的に進めてください。企画で例えば「農産物の直販?」をやるなら、福光の農家の「NPO福光」の方が協力してくれるそうです(^^)。なんでも君らが好きにやって!!大人は応援するよ!!)

3年生は
就職先の第1志望から第5志望まで書いて新年会までにゼミ長まで提出、第1志望については1.志望理由、2.学生時代に熱中したこと、3.入社後やりたいこと、4.自分を採用するメリット、についてA4で1枚にまとめて、ゼミ長まで提出したください。1月12日の新年会まで!!!。2009年総ゼミ長松井君(北陸銀行)と清家で採点します。
劉さんは大学院に関して第1志望から第5志望まで書いて新年会までにゼミ長まで提出、第1志望、第2志望については1.志望理由、2.学生時代に熱中したこと、3.大学院入学後やりたいこと、4.自分を入学させ、卒業させるメリット、についてA4で1枚にまとめて、ゼミ長まで提出したください。

就職活動に不安のあるものは2011年1月13日(木)9:00~12:50

日本経済新聞12月27日(月)9面経営の視点に清家談話(竹田忍編集委員)世界を先行く構想が必要です

記事は日経新聞で読んでください。竹田忍編集委員の素晴らしい論調で(^^)

以下キーマンの発言のみ記述しました。

日本経済の未来を拓くには3つのステップが必要です。

1.世界を先導する構想(資源予測から市場規模まで)

2.構想実現の期間と投資額の明示

3.ビジネス予測(インフラから産業創成・金融商品まで)

さて、キーマンの発言です。

経営の視点「北極海航路にカジを切れ--ハブ港奪回、最後のチャンス」(編集委員竹田忍)

船舶検査・認証機関ノルウェー船級協会(DNV)吉田伏見男副社長

オランダのロッテルダムと横浜の間はスエズ運河経由だと2万5千キロメートルなのが、北極海航路を使えば1万2千キロメートルで済み、大幅な距離の短縮になる」

中央大学理工学部鳥海重喜助教

北極海航路を使い、東アジア――北米・欧州間を、スエズ回りと同じ日数で減速航行すれば燃料消費が40~50%減る

積み替える港を北東寄りに移し、大型コンテナ船の航海距離を短くすると北極海航路の省エネ効果はさらに高まる

富山大学経済学部清家彰敏教授

日本海側の舞鶴港(京都府舞鶴市)を整備すれば釜山に勝てる。新型砕氷艦『しらせ』を建造した造船所が隣接し、修繕能力も高い。国が太平洋側の京浜港と阪神港を国際コンテナ戦略港湾に選んだのは早計だった

石油・天然ガス金属鉱物資源機構本村真澄主席研究員

北極海は中東よりも地理的に近く、マラッカ海峡やソマリア沖の海賊に襲われる心配もない

露クルチャトフ研究所V・クズネツォフ博士

資源国は必ずしも技術大国ではない。日本は先進技術で資源開発の先導役を

2010年12月13日月曜日

日本の21世紀の中核国家となる3つの要素を持っています

日本が21世紀の中核国家になる3つの要素

資源・エネルギー的視点
 21世紀の地球は太平洋の資源・エネルギー開発が最後のテーマとなる。地球の4割を占める太平洋に日本は面しており、広大な経済水域を有する。

2010年12月12日日曜日

12月16日(木曜)午後富山大学清家研究室卒論・修士論文発表会スケジュール(清家ゼミ院生・研究生・学部生全員参加)どなたでも聴講大歓迎

12月16日(木曜)午後富山大学清家研究室卒論・修士論文発表会スケジュール

                   大学院ゼミ長 曹 万勲
                   学部総ゼミ長 加納勇士

12;00~16:30富山大学経済研究棟4階視聴覚教室
16:30~18:00         412演習室
18:00~21:00 反省会     412演習室
18:30~21:00 大学院受験対策 406演習室

12:00~12:20 平野公大「タイ国王に学ぶリーダーシップ」
5分休憩
12:25~12:45 木下千聖「信用金庫の地域貢献と今後の展望」
5分休憩
12:50~13:10 福井英孝「製薬業界の今後~ジェネリック医薬品が与える影響~」
5分休憩
13:15~13:35 渡辺愛「地方銀行について」


10分休憩




13:45~14:05 長谷川悠太「若者のマイカー離れについて」
5分休憩
14:10~14:30 楠育子「証券業界の今後の可能性-iPhoneを利用した証券取引の提案-」
5分休憩
14:35~15:55 牧谷崇史「鉄スクラップ流通業の今後について」


10分休憩


15:05~15:20 小間美里「育児環境の変化と社会制度」
5分休憩
15:25~15:45 鳥本真弓「北陸におけるベンチャー企業の成功要因」
5分休憩
15:50~16:10 加納勇士「無人兵器とRMA」


部屋移動(412演習室へ)


16:20~17:00 曹万勲(修士論文)

2010年12月10日金曜日

清家研究室先輩シリーズ(4) 日本IBMの西野先輩後輩にメッセージをください(^^)

西野先輩へ

清家研究室

大学から就職したほうが有利か?
大学院へ進んで就職したほうが有利か?

アドバイス待っています。

清家

来週の清家研究室予定 月曜日NHK訪問火曜日相沢元大臣オーラル水曜日YKK見学・福光で講演木曜日4年生卒論発表金曜日医学部で講義

12月13日(月曜日)NHK訪問 東京 プロジェクトX~現在まで調査(ヒヤリング)
12月14日(火曜日)相沢英之元大臣(元大蔵省事務次官)オーラル
12月15日(水曜日)YKK黒部工場見学:福光町講演
12月16日(木曜日)卒業論文発表12;00~16:30富山大学経済研究棟4階視聴覚教室
           同上  16:30~18:00         412演習室
          反省会  18:00~21:00         412演習室
        大学院受験対策18:30~21:00         406演習室
12月17日(金曜日)富山大学医学部講義

2010年12月6日月曜日

新年会講演テーマ「中国・インド急成長市場リスクと汎日本海ビジネス創造の条件」(清家教授)

清家研究室関係者他の皆様

新年会
講演テーマ「中国・インド急成長市場リスクと汎日本海ビジネス創造の条件」(清家教授)

はじめまして、清家研究室3年ゼミ長を務めさせていただいております中川泰貴と申します。
4年の加納に変わりまして、今後清家研究室の行事案内をさせていただく事となりました。
若輩ではありますが、どうぞよろしくお願い致します。
 
さて、恒例となっております清家研究室忘年会ですが、昨今の社会情勢を踏まえ、より多くの社会人の皆さまとの交流が重要と考え大会場での新年会へと変更させていただきました。
皆さま方にも社会人同士の交流の場としてご利用いただければ幸いです。
日時 平成23年1月12日水曜日 19時~
場所 名鉄トヤマホテル 4階彩雲の間
会費 5,000円
お手数ではございますが参加をご希望される場合は中川までご連絡をお願いいたします。
なお、当日は清家教授による、30分程度の講演を予定しております。

講演テーマ「中国・インド急成長市場リスクと汎日本海ビジネス創造の条件」

清家教授
筑波大学大学院修了 北京大学客員教授、財務省財務総合政策研究所特別研究官、経済産業省ロボット政策研究会委員、科学技術庁科学技術政策研究所客員研究官などを歴任 名古屋大学、北陸先端科学技術大学院大学講師など併任、著書『日本型組織間関係のマネジメント』 『進化型組織』『顧客組織化のマネジメント』『中国企業と経営』『危機と共生』他多数



また、年内には学部4年生による卒業論文中間発表会を企画しております。
数分のご観覧でもかまいませんのでお時間に空きがあれば是非お越しください。
日時 平成22年12月16日木曜日 12時~16時30分
場所 富山大学内経済学部棟 4階視聴覚室


ご多忙かとは存じますが、皆様にお越しいただけることを清家研究室一同楽しみにしております。


それでは、本年も後わずか、何かと忙しい師走の時期となりましたが皆様が健康など害されぬようお祈り申し上げます。




4年ゼミ長 加納勇士 090-1395-5975
3年ゼミ長 中川泰貴 090-9766-1387


富山大学教授清家彰敏のブログ http://seikeakit.blogspot.com/
清家研究室HPhttp://www3.u-toyama.ac.jp/seike/top.html

2010年12月1日水曜日

中国政府の経済官僚の予測は今後20年間次々外れる?その理由は?答えを考えると

予測は当たる場合と当たらない場合がある。

予測A 当たる予測の事例
 自動車を持っていない人が将来自動車を買う予測

予測B 当たらない予測の事例
 自動車を所有している人が次にトヨタを買うかホンダを買うかの予測

高度成長期は予測Aが多い

高度成長期が終わった次の期は予測Bが多い。

なぜ、中国政府の経済官僚の予測は今後20年間次々外れるか?分かりましたか?
 

2010年11月25日木曜日

2年生 小西様の返信です。頑張ろう(^^)

清家先生、
cc:安達さん、

小西@富士通です。
こちらこそ連絡が遅れて申し訳ありませんでした。
当方も楽しみにしていたのですが、先週になって
小西はこの金曜夕刻からドイツとの電話会議が
設定されてしまったもので。

12月は中旬にドイツ出張が入っており、年内は
時間を作るのが難しそうです。年が明けましたら
また調整させてください。

学生の皆様、いろんな企業を訪問して良い刺激を
受けたことと思います。今後も微力ながらお手伝い
できればと思っておりますので、皆様に宜しく
お伝え下さい。

では、
小西紳介 拝

2010年11月24日水曜日

ドラッカーと土光敏夫経団連名誉会長 チャレンジ&レスポンス

土光敏夫『経営の行動指針』という本はドラッカー+日本型の素晴らしい内容です。
僕は政治では田中角栄、公的経営では土光敏夫経団連名誉会長、効率経営では松下幸之助を尊敬しています。
この本を読まれ目からうろこ!
次は具体的手法を話しましょう

指示指導という言葉は、ドラッカーのいうチャレンジという言葉に置き換えること
指導を受けた報告(応答)は、土光敏夫経団連名誉会長のレスポンスという言葉に置き換えること

明日11月25日木曜日18時富山地方鉄道の尾崎先輩が大学に来ます。214演習室、ゼミ生他先輩も集合!!!

富士通見学有難うございました。

富士通 小西様
富士通 安達様

見学ご高配有難うございました。
学会など出張が続き忙しくしております。
11月26日(金)にお会い出来るのではと思っておりましたが
お会いできなくなりましたので(来年の楽しみ)
改めて工場見学のお礼を申し上げます。
学生は、今見学のまとめをしております。
12月に入り、ゼミで報告会を行います。
報告内容をご送付いたします。
今後ともご高導お願い申し上げます。


清家

後列右から2人目が三善先輩(早稲田大学大学院)

三菱電機見学の思い出 2年生 写真 後列左から3人目三菱電機磯貝様

大学院生は修士論文中間発表、4年生は卒論発表近し、今週中に相談に来るように

2010年11月16日火曜日

成功者の歴史と未来 ソニー 産業の創造プロセス 未来産業予測

東芝vsパナソニック 日産vsトヨタ

 トヨタ自動車、パナソニック(旧松下電器産業)もかっては新しい事業の創造過程によって、事業化された。トヨタ自動車は豊田自動織機の自動車部門として創業、やがて分離独立し現在の大企業になった。パナソニックは松下幸之助が創業した。どちらも、当時のニュービジネスとして先取り的に創業している。
 トヨタにとってのニュービジネスは自動車、パナソニックは家電であったと考えられる。トヨタは企業内ベンチャーであり、パナソニックは起業家松下幸之助の創業したベンチャーであった。
 日本の産業、おそらくは世界でも、地方でもそうであると思われるが、産業は3つの型の企業で構成される。
 第1の型は、国策会社的な国や地方自治体の代行者といった企業である。自動車においては現在はルノーと一体化しているがかつての日産自動車がそれであった。家電においては東芝が典型である。これをある官僚はこのように表現している。「世間が評価している企業と国が評価している企業は違うんです。企業にはその企業があって国が助かる企業と、国があってその企業が助かる(儲かる)企業とあるんです。東芝があって国はずっと助かってきた。」
 このような企業は、国がやるべき基礎研究や儲けの少ない製品開発も意欲的に取り組む。東芝は昭和40年代、将来の郵便事業の発展のためにと、当時としては画期的な郵便番号読みとり装置の開発を儲けを度外視してやった。「東芝は儲からんことばっかりやる。」「東芝は日本の技術を背負ってきた。」
 この型の企業を「公共型(公共指向型)」と呼んでみよう。
 小学校のときの優等生、クラス委員といった人がそのまま企業になったといったところである。クラス、学校を彼らは背負っているかのごとく気負って、先生の代弁・代行をする。

 第2の型は、公共型の企業の競争者として登場する。日産に対するトヨタ自動車、東芝に対するパナソニックである。公共型が国、地方自治体を意識するのに、この型は消費者(お客)を強く意識する。公共型が研究や開発を重視するのに対し、効率・品質・価格(値段)を重視する。公共型が将来性や高い技術力を強調するのに対し、現実的である。 
「乾いた雑巾をまたしぼる」「ケチケチ企業」といった代名詞がこの手の企業にはつきまとう。要するに節約家である。無駄なことをする奴、ぜいたくをする人間は敵だと思っているのである。
 「お客様にもっとも喜ばれる商品を安くお届けする」が社是である。国や地方自治体から指導されても、お客の利益にならない(無駄である)と思えば、露骨に腹をたてて、その指示を無視することさえある。国の指示で10億円のよけいな開発をすれば、商品の値段が何円上がるといった計算が頭の中でぱっとひらめく。毎日、勤勉に働き、カッコ良さや、ミエはどうでもよい。
 この結果、無駄なことはしないから商品の原価は安くなる。トヨタのカローラは原価で日産のサニーより2割は安いといわれた。パナソニックの創業者松下幸之助は「水道哲学(だれもが十分に飲める水のように大量の電器製品を家庭にお届けする)」を社是にして、電器製品を大量生産した。
 このような企業では量産品を作る技術者がその企業のエリートであり、スターである。公共型の東芝では消費者向けの家電製品を作る技術者より、”政府御用達”の重電を手がける技術者がエリートとなってきた。
 この型の企業を「効率型(効率指向型)」と呼んでみよう。この型の企業が日本では業界NO.1になることが多い。
 小学校のクラスでも、机帳面に整理整頓して、ゴミひとつない机で、コツコツ勉強している子供といったイメージである。要するになまけものは嫌い、無駄なことはしないのである。

公共型は国家・地方自治体・不確実な未来に振り回されて無駄が多く、商品の原価は高くなる。この効率型との競争が商品の値段を押さえているといえよう。

 パナソニックとトヨタ自動車は東芝、日産の競争者として出るべくして登場したのである。

ソニーとホンダ

 第3の型がソニー、ホンダである。公共型が国・地方自治体を向いていて、効率型が消費者を向いているのに対して、この型は自分自身の内面を向いている。公共型が研究を、効率型が値段を意識するのに対して、この型は自分の”趣味”を意識する。要するに「俺がやりたいことをやりたい。俺が欲しいものを売りたい」のである。効率型が消費者を向いているのに対して、この型は自分自身の内面を向いている。

 ソニーのウォークマンは80年代の空前の大ブーム製品となった。その間の経緯は以下である。役員室で、ソニーの盛田昭夫社長の目の前を、井深大会長が考えごとしながら歩いていた。見ると大きなカセットレコーダーを背負っている。「考えごとするときは、どうも音楽がないとね」というのがその理由の主たるものであった。これを見て、「そうか音楽好きの人間にとっては、いつだってカセットが必需品なのだ」と考えたのがウォークマン商品化の端緒であった。これは商品化すれば売れるかもしれない、これが、ウォークマン発売のきっかけと言われる。有名な話である(他に異説があり、ソニー伝説のひとつ)。ところが、発売当時の技術ではカセットレコーダーは重すぎた。これでは、背負って歩くには重すぎる。
 なぜ、重いのであろうかが次の事業化の問題となった。カセット機能の再検討が行われた。音声再生機能、録音機能・・・と列挙し、減らしうる機能を検討した。もっとも基本的な機能で、問題になったのが録音機能である。当然商品の形成過程からも、この録音機能があることに関して多くの商品企画者、技術者で疑義をはさむものはいなかった。しかし、軽量化の強い要請と井深会長は録音をしていなかったという観察が発想の転換につながった。再生だけのカセットプレイヤーが事業化されたのである。再生だけであるのでカセット”レコーダー”ではないということで、商品概念自体の変更をともなった。そのような商品が市場性を持つかどうかが組織内での討議の対象となったが、基本的にはソニーの商品企画である”俺が欲しい”商品といった概念に基づけば、録音機能を除去することは合理性を持っていた。。思い切って録音機能は取って、小さなヘッドフォンのみ付けて、発売したのである。ウォークマンは世界的大ブームになった。まさに『地球にヘッドフォンを掛けた』のである。このウォークマンの開発は”俺がやりたい・欲しい”の典型である。
 ソニー、ホンダは組織文化として構成員個々が「自分の趣味を強く意識し」自意識が強いと考えられる。「俺がやりたいことをやりたい。俺が欲しいものを売りたい。買って欲しい」といったことで自己の存在を確認するといったところがある。

公共型企業が行政を、効率型企業が消費者を見るように、この型は自分自身の内面を見ている。

 公共型企業、効率型企業が市場を押さえてしまったところで、この型は登場する。公共型企業の押しつけがましいところが嫌い。効率型企業の個性のないところが嫌い。したがって、この2型の販売する商品なんて自分の趣味にあわない。したがって、好きなもの、無いものを作る。ニッチ市場(隙間産業)となる。

 この型の企業を「趣味型(趣味指向型)」と呼ぼう。

 小学校では、先生や、クラスのみんなに無関係に好きなことをして、得意になっている子がいる。動物を飼ったり、工作が得意だったり、みんなの人気者といったところである。先生の指示なんて、わずらわしいだけ、ただただ「何か作っているときは放っておいて欲しい。しかし、作ったものは大騒ぎして見て欲しい」のである。こんな子の頂点に本田宗一郎(本田技研の創業者)、井深大(ソニーの創業者)が居るのである。

ソニーの創業者

 井深大は、明治41年栃木県で”天下の古河”と言われた名門企業古河鉱業の技術者(蔵前高等工業卒 現東京工業大学)を父として生まれた。子供のときから、無線の製作に熱中し、興味が知識を、そして仲間を呼び、次々発明を重ね、早稲田大学理工学部のとき「学生発明家・井深」はマスコミでも取り上げられ、有名になっていた。パリの博覧会で金賞をとり、「国際的栄誉に輝く、天才的発明家」と新聞で話題になった(中川、1988)。
 このような井深の興味と発明心が後のソニーの創業につながる。ソニーの創業は「自分が欲しいものを作る」「作ったものを大騒ぎしてみて欲しい」といった子供心の延長にあるのである。本田宗一郎も同じである。趣味型企業=ソニーとホンダである。

産業の創造プロセス

 趣味型企業と公共型企業、効率型企業の関係が産業を作る。公共型が市場を作り、効率型が市場を広げ、趣味型が市場を多様化する。しかし、この関係は完全な棲み分けではなく、オーバーラップが起こり、絶え間無い競争が起こる。これが産業の構造であり、歴史である。

未来産業予測

 重要なことは、未来にもこれが応用できるということである。例えば、現在の通信業には公共型の巨人NTTグループが存在する。この産業が拡大・発展するには効率型と趣味型の企業が求められるのである。
 ニュービジネスを考えるとき、これは良い示唆となると思われる。また、創業者自身の性格も重要である。政治家・役人・NGOが好きなら「公共型」を創業すべきだし、几帳面な努力家だったら「効率型」、趣味人なら「趣味型」にならないと事業の成功はおぼつかない。
 
 なお、この公共型・効率型・趣味型の分類は流通・販売業でも適用できそうである。

未来経済30年後 托卵型から環境シミュレーション成長経済へ

托卵型から環境シミュレーション成長経済へ
経済における長期ビジョン

1.中国からインドへの成長移転「托卵型経済発展」
 世界経済における成長点は中国であるといわれ、2010年現在年率10%の成長を続けている。この中国の成長はインドへと波及している。中国13億人の経済の次に、インド他10億人の経済が成長、世界経済全体は、長期的な成長が期待できることになる。この時代は、今後10年ピークを迎えると思われ、現在30歳40歳代で、未来を今後担おうとしている欧米日、中国のエリートには生涯忘れられない時代となると思われる。
さて、中国の成長はかつての韓国、台湾、マレーシア他の成長と異なっている。これらの諸国の成長を説明する原理は、雁行型経済発展といわれる。その基本は学習であり、産業は学習と模倣によって、より先進地域な地域から発展途上国へと順次移転していく。模倣や学習は、後から行うほどより効率的、短期間に行われるので、後から追いつく国ほど早く成長できることもあり、次々より高い技術レベルの産業を模倣により創出していく。
 また、より先進的な地域での低い技術レベルの産業は、追いつかれた国の産業にその座を譲り、衰退していく。このような産業の模倣による創出・衰退が連続的に起こり、そのイメージが雁の群れが飛んでいく姿に似ているということで、雁行型経済発展と呼ばれている。キーワードは学習で、社会のエリートが欧米日に依存しないで、自分自身で学習、模倣し、技術と産業を創造していく。主体はあくまでその国のエリートであることが多い。
 中国の発展はこれと異なっている。中国の発展は、貿易依存型でありGDPの50%程度が貿易関連によって生み出されている。また、輸出入の半数は、外資系企業に大きく依存している。このことは、何を意味しているのか。実は、中国という場で、欧米日が勝手にビジネスを行っているのであって、中国は場所を提供しているに過ぎない、とも考えられる。日本企業は、中国の日系企業とビジネスをしている。日本人対日本人である。同様に米国も、米国人と米国人がビジネスを中国という場で行っている。欧州も同様である。中国という場で、日本と欧米間のビジネスも起こる。社会のエリートが主体をなしてのビジネスというよりは、海外人材に依存するビジネスである。
 日本と欧米のビジネスの違いは、欧米企業の場合は、企業内に中国人が多いので、ビジネスの主体が欧米人とはいっても実際は、中国系であることが多い点にある。この点で中国では日本企業より好意を持って欧米企業は迎えられる。しかし、基本的には中国しか知らない現地の中国人にとって、これらのビジネスは、極めて参入しがたい無縁のビジネスであることが多い。
 例えば、中国で、米国企業の東アジア担当副社長が、米国留学した中国人または米国生まれの中国人を現地法人の社長にして、ドイツ企業、日本企業とビジネスを中国で行うとしよう。この企業は、中国の現地政府の中国人エリートと交渉をし、工場従業員、事務スタッフ、営業スタッフに現地の中国人を雇用するが、やりかたは米国流で、本国の米国で仕事をするのと同じ感覚で意思決定を行う。現地採用の従業員は単純労働に従事し、意思決定は委ねられない。米国に留学して学位をとり、仮想に米国人になって帰ってこなければ、意思決定の輪には入れない。
 また、上海では日本企業が日系企業とビジネスをすることは日常で、日本企業が溢れ、日本語も溢れる。このビジネスモデルには、中国しか知らない素朴な中国人は単純労働者としての意味しかない。米国と異なり、日本に留学して学位をとっても仮想に日本人になることは出来ない。意思決定に入れないことで、不満は大きい。
 このビジネスモデルで、中国の多くの地域は成長している。日本企業、欧米企業は、貧しい中国の大衆を中国という場で単純労働者として雇用しているのであって、経営の中核は中国の大衆にとって無関係である。現地の中国人は単純労働者としてのみ意味を持ち、経営は欧米日の経営者、管理者が、日本企業は日本人が、欧米は留学経験者等の中国人が行う例が多い。現地の中国人が関わるのは単純労働で給料を貰うだけである。
現在は、中国での製品は輸出されることが多いが、これが内需主体に変わっている現在もビジネスモデルは変化しない。現地の中国人が関わるのは単純労働だけであったのが単純に消費も行うようになるというだけである。ビジネスモデルにおける作業を意思決定と単純労働の2種類に大きく分けるならば、意思決定は欧米日が行い単純労働は現地の中国人が行い、商品の購入も欧米風のファッションに誘導されて中国人が、単純消費させられるに過ぎない。
 この説明はモデルを単純化して中国を捉えたものである。中国の現状はこれだけではもちろん捉えられない。現に家電産業を中心に、ハイアール、TCL等の現地の優れた企業と経営者が登場、海外に進出している。上海の日系企業には現地経営者に完全に経営を任せて成功する例が出てきている。国有企業の民営化、優れた創業者の選択、このような試みで、今後も次々に成功者が現れている。中国企業の進化は急速で欧米日の予測を超えており、韓国企業は先を行く欧米日企業と後から追い上げる中国企業の間でサンドイッチにされて消える可能性さえある。
 しかし、基本的には、意思決定を欧米日が、単純労働を現地従業員が行うというビジネスモデルが初期に現れ、これが中国における経済発展の成功の中心原理であったと思われる。この初期を第1期と考えれば、次の第2期に現地企業のウエイトが増加し、第3期に現地での消費が始まるとの国家発展モデルが中国型と規定できそうである。第1期の中心が広東であり、第3期の中心が上海である。この国家発展モデルの中核をなすのは1期から3期まで通して、欧米日が意思決定、現地の中国人は単純労働・単純消費というビジネスモデルであった。
 中国政府、広東、上海市の政府は、親として「企業」という子供を一生懸命育ててきた。しかし、実はこの子供は欧米日という親が産んだ卵が孵ったものであるのかもしれない。中国政府というウグイスはカッコーが産んだ卵を一生懸命育てているのかもしれない。この経済は「托卵型経済発展」とでも表現するなら、先進国が意思決定、発展途上国が単純労働・消費といったビジネスモデルによる国家発展モデルであった。
 ところで、中国政府は国家戦略が素晴らしく、中国人の駆け引きにはかなわないといったことをいう識者が多い。しかし、それは本当だろうか。かつて、アヘンを国内にばら撒かれて、2回のアヘン戦争で半植民地に陥った過去を考えれば、中国政府が国家戦略で巧みとはまだ歴史が証明するところではない。中国政府の失敗は歴史でいくらでも指摘できる。むしろ、国家戦略で多くの学習課題を抱えた政府とも思える。
 この托卵型経済発展モデルはそのままインド他、バングラデシュなどに対しても応用が可能である。現地の中国人が単純労働・消費という部分を、現地のインド人が単純労働・消費と言い換えれば、概ねこのモデルによる国家発展がインドでも可能であった。インド以外のパキスタン、バングラデシュでも托卵型経済発展モデルは成功しうる。
 このような托卵型経済発展は中国政府、インド政府から見てあまり気分の良いものではない。しかし、先進国にとってもこれは困り者である。一番困るのは、徴税である。企業が中国、インドへ行ってしまえば、税金を払ってくれない。企業を育てるまでに国民の税金は少なからず、使われたはずである。ところが、育ったと思ったら中国、インドへ行ってしまって、税金を払わなくなるのでは先進国の財務省は不愉快で、なおかつ国民に申し訳ない。
 しかし、むやみに他国内の活動から税金を取れば、中国政府、インド政府に叱られる。さて、困った。近い将来、既に現在、先進国の財務、経済産業関係省庁は、海外徴税システムの構想課題を抱え、悩むことになる。この構想課題を具体化する有力なヒントは、海外移民からの仕送り経済に依存している現在のフィリピン等、特に依存度が大きい太平洋の島国から得られる。これらの国々は、若者をオーストラリア、ニュージーランド等の先進国へ移民させる。彼らは2代くらいに亘って仕送りしてくる。ここから税金を取って、これら太平洋の島々は経済を維持しているのである。企業を法人と呼ぶ。海外進出を「法人移民」と言い換えれば、ここに徴税のヒントがあるのかもしれない。

2.20年後 ロボット経済発展モデル
 托卵型経済成長モデルは、先進国が意思決定し、発展途上国が単純労働・消費するという仕組みであり、地球上を一巡し、現在の定義で言う発展途上国が消滅するまで続くと思われる。しかし、いつまでも続かない。発展途上国が主流でなくなる地球、その将来、その後の経済について構想してみよう。その時代は、単純労働・消費をする人的資源が消滅する、もしくは消滅しなくても、少なくとも経済的な意味が大きく減少している。その経済は20年後には到来するであろうと思われる。現在、30歳代で、欧米、中国、日本の未来を担おうという人材にとっては、20年後はもっとも働き甲斐のある年齢に達する時代である。この時代の経済モデルとはなんであろうか。その転換、革命に備えなければならない。
 さて、単純労働・消費をする人的資源が消滅する時代である。その後を考える際、単純労働を行う人材に代わる存在として規定できるのがロボットである。ロボットは、現実世界でのロボットとインターネット上でのネットロボットの2つの型が存在する。
 前者の代表は本田技研工業のアシモが21世紀に入ってすぐ登場した。受付ロボットとして、維持費が年間2000万円、受付機能として年間100万円の価値を産み出した(本田技術研究所平井常務、2002年インタビュー)。差し引き1900万円の赤字である。しかし、宣伝効果等を考慮すると黒字と判断する企業が多く、IBMを初め数社が使用した。これは、給与が100万円で年間2000万円も消費する不経済な単純労働者が生まれたと規定できた。また宣伝効果でアシモは黒字と考える場合は、2000万円以上の年収があり、2000万円消費する労働者とも考えられる。中国のパンダのカップルは世界中に貸し出されて年収1億円を稼ぎ出し、中国へ仕送りしている。このパンダをロボットに置き換えることが可能であれば年収1億円のパンダロボットが登場することになる。パンダロボットは人間以上に高収入で経済に貢献する。
 ネットロボットではINAGO社のバーチャルアイドル伊達杏子以来、次々バーチャルアイドルは登場している。パソコン画面上で可愛く女子学生を演じ、会話、楽しいショッピング相談、ちょっとしたデートの相手だってできる。ちょっと、間違えると恋人としてのめりこみかねない魅力を備えている、彼女は画面内の人造人間であり進化し続けている。他にも、沢山のキャラクターをINAGO社はもっていて、オーダーメードで、君好みの人造人間を700万円で作ることが出来た。もちろん、君自身も複製できる。INAGO社はリクルート人脈の企業で、研究開発はカナダで行っている。最大株主ホリプロダクションによって創業された。
 彼女バーチャルアイドルは、買い取りの「可愛い奴隷」で、パソコン上に希望の人に似せて作ることができる。数百万円で買える可愛い奴隷、ちょっと怖いイメージですね。でも可愛い。マイクロソフト社もこれと類似したとってもキュートな女の子ネットロボットを作って、世界的にはWebロボットともいわれ、これも変形、多様化、進化している。学者はエージェント、ソフロボットとも言っている。
 さて、アフリカから黒人奴隷が買われてきたように彼女バーチャルアイドルは買い取ることができる。彼女の機能は多いが、例えばパソコン上でのインターネット私設秘書であり、学習計画、学習相談とか、特に観光ガイドとかをちょっと可愛い物知りのお友達としてこなしてくれる。観光ガイドはもっとも彼女が能力を発揮させやすい場で、インターネット上の観光サイトはそのうち可愛いネットロボットキャラクターで溢れるようになると思われる。
 この観光ネットロボット市場には、可愛いだけでなく、個性的、野性的、変態的といったあらゆるキャラクターが登場し、ビジネスを競い、この競争に負けた旅行会社は大きくシェアを落とすことが考えられる。このイメージは、現在のテレビ局の競争が女子アナウンサーの魅力競争によっているのに近い。この市場は、近い将来大きな市場となる。
 ところで、優れたバーチャルアイドルを購入する700万円として、個人にはかなり高い。もちろん、5年ローンを組めば、年間200万円でこの秘書を雇用できる。これは1ヶ月16万円相当で、これを高いと考えるかどうか。考えてみよう。購入後、君の奴隷として観光ネットロボットになるために彼女は厳しい訓練を君から受ける。彼女を徹底的に学習・教育し、JTB等と契約し、インターネット観光案内等で、キャラクターとして、稼がせるのが君の狙い。なんか、山椒大夫が安寿と厨子王を買ってきて、売り飛ばすお話を連想する。過酷に働かされるバーチャルアイドルちゃん。とっても可哀想。とっても嫌なイメージがするけど、これが実は20年後のロボット経済の本質である。
 上記のロボットとネットロボットはあらゆるバリエーションを将来持つことが考えられ、大きく3つの領域に進出することが考えられる。日常(仕事と生活)、非日常(介護と娯楽)、脱日常(観光と冒険)の3つが、その領域である。当然、それぞれ、人間と同様に給与に相当する収入を得、消費に相当する支出をする。21席に初めに登場したホンダのアシモは、給与100万円、消費2000万円、これでは甲斐性なしの道楽亭主であった。しかし、このような甲斐性なしは昔友人の中にいた記憶がある。
 六本木の防衛庁の裏のクラブ「ママジョーズ」でこの友人と一緒によく遊んだ記憶がある。面白かったね。彼は会社の社長の息子だったかな。しかし、やがて、真面目になった彼は、今は優れた経営者になっている。遊びを肥やしにしたわけである。
 そのうちアシモ君も足を洗って、100万円の年収は600万円になって、2000万円の浪費が300万円ぐらいになって可愛い奥さんをもらって幸せな家庭を築く。それがサービスロボットビジネスの未来ビジネスモデルである。
 サービスロボットは、現実には日常の仕事として、夜寝ない24時間ビルや住宅の警備を行うガードマンに就職することができる。セコムは機械警備=警備の機械化、電子化によって、出動回数を2桁減少させ、ガードマンの人件費を激減させた。同業の綜合警備保障は警備ロボット、テムザック社は、番竜といった警備用の恐竜型ロボットも開発し、進化させている。ロボット警備の中で、サービスロボットは高給取りになることができる。
 家庭での日常の仕事では、サービスロボットに電子レンジを内蔵させれば優秀な料理の鉄人になれる。サービスロボットにタイヤをつければ、個人の専用タクシーにも変身できる。携帯電話、スマートフォンはサービスロボットへと進化している。サービスロボットは歩く必要などない。スマートフォンが優秀な秘書として1日中サポートしてくれる時代が始まっている。
 生活では、子供の遊び相手、日曜大工などの機能を付加できる。どの仕事も、サービスロボットに高い給与を稼がせてくれそうである。
 非日常の介護では、サービスロボットは話し相手からペットロボットにまで変身できる。ソニーのアイボは優れたペットロボットであった。可愛く小型にして抱き上げる度に医療データが採れるようにすれば、年寄りにとって不快な検査を省略することが出来る。ペットロボットは本物のペットと異なり、病原菌を媒介することはなく、死んで嘆くことも無い。この医療用ペットが進化して医者ロボットになれば、サービスロボットは桁外れの高給とりのロボットになることもできる。サービスロボットを医者ロボットとして教育して、多くの高齢者のところへ派遣し、奴隷ロボットとして毎月仕送りさせれば、君は大金持ちになれる。
 ロボットは、娯楽においては、ゲーム、スポーツの相手ができる。また散歩のお供も、道路交通法さえ変われば得意中の得意技となる。脱日常では、観光ガイドとして観光地を案内できる。自動車の機能を併せ持ち、四国88箇所を、ガードマンを兼ねながら、弘法大師に成り代わり、説教しながら案内するロボットは高給取りのロボットになるのではないかと思われる。
 次に、再度ネットロボットのバーチャルアイドルの教育、就職、君への仕送りについて考えて見よう。バーチャルアイドルは、日常における仕事として株式取引のプロになることができる。それは証券取引ソフトを内蔵させ、教育すれば出来上がる。また、図書館司書になることは、検索ソフトを内蔵させればよい。生活では、料理相談、洗濯相談といった「物知りさん」になることもできる。
 非日常の介護では、ボケ防止の話し相手、健康チェックなどのソフトを内蔵できる。娯楽では、アミューズメント、ゲームソフトを内蔵させることでギャンブラにも変身できる。脱日常では、専属観光ガイド、冒険旅行のパートナーにもなれる。インターネットの中をとおれば、バーチャルアイドルは世界中どこへでも自由にいけるし、世界の誰とでも友達になれる。
 多言語ソフトを内蔵させれば、フランスへ出かけていって、日本の魅力をPR、そこで誰かの話し相手になり友達となって、日本へ一緒に行こうよと、誘うことも出来る。旅は、一人旅よりも2人のほうが楽しい。四国88箇所回りは、弘法大師という頭の中の人物と一緒に歩くから、継続できる。頭の中の人物より、ネットロボットのほうが、楽しい人も多い。
 宮崎県知事がパソコンにネットロボットとして登場、宮崎の魅力で、毎日話し相手になってくれて、ある日、僕と一緒に宮崎を歩こうよ、僕が案内するよ、といえば、ずっと魅力的な宮崎の旅をすることができる。給与を払うとしたら、宮崎県知事ロボットは、本物ほどではなくてもかなりな高給取りに相当すると思われる。もし、宮崎県が知事ロボットを世界中に100億台も派遣すれば、世界から毎年1000万人の観光客を宮崎に大量に集めることも可能である。何の根拠も無い数字です。忘れてください。宮崎県さん。でもハリウッドの数字くらいは意識しているのですよ。
 ロボット、ネットロボットは人間と組み合わせることも可能である。人間を助けることで給料をもらえるこの新しい人間のパートナー(奴隷?)は、人間に援けてもらうことで、活動範囲、収入を増加させることができる。応対でネットロボットが答えに窮したとき、判断に困ったとき、ロボットの空間が変わり自分では動けなくなったとき、人間に援けてもらうことができる。携帯電話と繋がれば、答えに窮したとき、人間が代わりに答えてあげることが出来る。実は、このロボット・人間インタフェース技術の開発が、一番、ロボット経済を到来させる際のキーテクノロジーである。
 例えば、ロボット清家君とネットロボット彰敏君を20台ずつ製作したとしよう。貧乏なくせに金遣いに荒い清家先生のために、ネットロボット彰敏君1号から20号は、揃ってまず講演を依頼されるように営業活動に入る。講演を頼んでくれそうな団体、企業の総務部のサイトへメールとともに登場する。
 ネットロボットは初期投資が700万円×20台=14,000万円となる、これは高い。それで、旧知のINAGO社に因果を含める。20人分まとめて、2000万円に負けさせ、それを5年間の月40万円のローンにしてくださいと伊達杏子以来バーチャルアイドルを進化させてきたINAGO社にお願いする。さて、20台であるから、1台当り月2万円消費するぞと考える。ペットの猫のえさ代なみかな。どうしても1台月に4万円は稼がすぞ、それができないと奴隷市場に売ってしまうと清家先生は山椒大夫みたいな怖い顔して考える。
 ネットロボット彰敏君は先生の顔をキャラクターにしているから、企業の総務部は、サイトを見て「あれ」と思う。まずは、企業の困ったことに相談に乗ろう。さて、先生はヘボなりに企業のガバナンス、戦略、組織、研究開発・・・に関しての大体のことは、実務経験、長年の企業人研修、トップ研修などで、やってきた。なんでも1秒以内で答える、早いだけが先生の特技。ネットロボットに、蓄えたQ&A集のソフト化、それを内蔵、学習させビジネスは始まる。
 1号から20号まで20台いるから、ネットロボット1台は95%相手の相談に答えることができればOKである。清家先生が電話の前でスタンバイしていて、ネットロボットでは答えられないイレギュラーな相談5%に答えるようにすれば、20台×5%でOKである。複数のネットロボットの答えられないとき、そのときがかち合ったときは、ネットロボットは、首をかしげて、考える振りをする。電話が空くのを待っているようなソフトにしておく。
 これで20倍の営業ができるようになれば、ネットロボットの稼ぎ・仕送りで年収は20倍である。それは無理である。やはり営業は本人が行くほうがうまく行く。でも10倍くらいは営業機会が増加するかもしれない。本人ではないとして成功確率が50%になったとして、5倍の売上増になる。ネットロボット彰敏君の次はロボット清家君の出番。これを20台使って講演を掛け持ちするぞ!これで、赤坂で飲める!嬉しいな!
 ギリシャ時代は、奴隷時代でもある。アテネは紀元前、約40%の市民と40%の奴隷、20%の外国人で成り立っていた。経済活動の主体は奴隷と外国人であり、彼らは人権をかなり制限された存在であった。近い将来、人間はアテネで言う市民、奴隷をロボット、外国人をネットロボットで構成する社会が登場すると思われる。
 ここでの徴税は人頭税がよいのかもしれない。現在の税制をベースにすれば、財務省は所得税と消費税の体系でも良いのかもしれない。ロボット、ネットロボットを人間に見立てて、年収と消費、そして奴隷所有者への仕送り額等をベースに徴税システムを構築できるかもしれない。貧富の差は大きく開くことも考えられる。
このとき、国家にとって人口が持つ意味はロボット、ネットロボットの普及とともに徐々に小さくなっていく。人口が大きくても、ロボット、ネットロボットの少ない国は小国であり、多い国は大国といったイメージが出来上がると思われる。人間+ロボット経済による成長である。
 米国の90年代からの成長のかなりな部分は、2億3000万人から2億7000万へ人口が増加したことと無関係ではない(共産圏の崩壊からの人口移動などにより米国は年間300万人人口が増加している)。イギリスの人口に近い4000万人近い移民の移入などによる人口増で成長率のかなりな部分が説明可能であった。移民は生産と消費の両方でGDP増に協力したのである。この移民をロボット、ネットロボットに置きかえれば、成長は自由自在に行うことが可能かもしれない。
 意識して、超高度成長を行う国家も出てくると思われる。ロボット、特にインターネット内で世界中どこにでもネットロボット兵士を送り込めるネットロボット軍隊を創り上げる国家の登場は注意ずる必要がある。これは、核よりも破壊力のある最終兵器の可能性もある。
 財務省はどうなるのであろうか。経済成長率は、移民とGDPのデータからモデルを構築、シミュレーションモデルを作り上げ、それをロボット、ネットロボットに置き換えたシミュレーションモデルへと修正すれば、計算できる。ロボット、ネットロボットへどのくらい国費を投じれば、GDPがどのくらい、徴税がどのくらい上がるかというシミュレーションモデルが国家財政政策の基幹の一つとなると思われる。税金はシミュレーションで分かり、逆算することもできる。
 日本は産業用ロボットで世界の半数を占めるロボット大国である。ネットロボットでも先進国家である。日本では民生用ロボットが話題になっている。米国ではイラク戦争はロボット兵器の実験場とも捉えられた。米国の軍事ロボットの進化は速い。このように、ロボット、ネットロボットの研究開発投資は世界で急速に増加して、次々成果が出始めている。この成果に平行して、政府は、ロボット経済発展に関する「政策用のロボット経済シミュレーションシステム」への研究開発も徐々に始める必要があると思われる。
 さて、未来を考える鍵の一つは、環境、有限な地球である。インターネット内だけで人間を代替するネットロボットは材料、エネルギー消費が極端に少なく環境負荷が小さい。ネットロボットは循環型経済を志向する世界経済のキーワードになるかもしれない。

3.30年後 想像を絶するシミュレーション経済
 ロボット経済の怖さは、取引速度にある。また、素晴らしさは、活動をすべて補足し、総和を求めることが容易であるという点である。地球の環境負荷から逆算して、ロボット、ネットロボットの活動を制御することが可能である。翌年のGDPもシミュレーションから自由自在に決めうる。この時代は30年後。現在10歳20歳代の頼り無さそうな生徒、学生、怒られっぱなしの新入社員たちが、中核をなす時代である。米国ではベンチャービジネスに命を賭ける大学生、中国ではお金儲けに野心満々の人民大学の学生さん、ガーナのプログラマー専門学校へいく女子学生、ドイツで大学教員になれないけど学位をとるのだと頑張っている女性研究者、すべてがこの時代のリーダーとなる可能性を持っている。
 人間と人間のビジネスはどんなに効率よく行っても、秒単位である、築地の市場、ロンドンの証券市場でも人間がやれば、ナノ単位とはいかない。ところが、ロボット経済では、取引はロボットとロボットである。インターネット内のネットロボット間の取引はナノ単位、無限に小さくなる。人間が1回取引する間に、ネットロボットは1億回の取引、ビジネスを行う。
 人間が物、情報、サービスを作り、取引することをビジネスと呼べば、これはすべて秒とか、分、時、日、年の単位で行われる。それに対し、ロボット、ネットロボットはナノ以下が単位である。人間の経済がロボットの経済へ移り始めたとき、人間はこのことに気付くことなる。ロボット経済が進行すれば、やがて人間の経済活動が占める割合は急速に収縮し、やがて無視できる規模になる。
 このことが、すでに起こっているのは株式市場である。証券ソフトなどは一種のネットロボットである。このネットロボットによるプログラム売買の速度に人間はついていけない。大部分は、ロボット経済でこの世界は決まりつつあるのである。
 しかし、このロボット経済が進行し、人間の経済がある量を下回ったとき、われわれは経済を見える手でコントロールできる時代に入る。地球環境を考慮し、環境破壊をシミュレーションし、その総枠を決め、その総枠を超えないようにロボット取引、ビジネスを制御できる。もっとも環境負荷が少ない経済モデルを何億回のシミュレーションの結果、決定し、そのとおりにロボットに経済活動を最適に行わせることが可能である。シミュレーション経済の時代である。
 徴税も、年間予算から逆算して、目標額に合わせてシミュレーションして、経済活動の内容、支援方策を構築することから、徴税が行われるようになる。徴税方式を変えたとき、どのくらい経済が変化するかもシミュレーションで求められる。
 ロボット、ネットロボットの数的増加は、取引数の級数的増加をもたらす。ロボットの数から求められる取引はロボット間の関係数に相関するからである。この取引数の増加は、ビジネスの増加と正の相関を持つと考えられ、経済成長は取引数と相関する。したがって、この経済は必然的に成長経済となることが予想される。特に環境負荷の小さいネットロボットへ、国家としての支援を行えば、環境制約下での急成長が可能である。したがって、このような経済は「環境シミュレーション成長経済」とでも表現できると思われる。
 30年後に向かって、これらの経済シミュレーションモデル群は構想、準備されなければならない。未来は近く、そして遠い。

創業者(2) ”夢”が創った企業

事業創造

 かって事業創造に関わった人たちはあふれるほどの魅力に富んだ人たちである。ホンダ(本田技研)を創業した本田宗一郎、ソニーを創業した井深大の魅力は何万冊の本でも書きつくせるものではないと思われる。特に創業者(1)で述べた本田宗一郎とF1レーサー、アイルトン・セナの出会いと別れ”喪章でのチェッカーフラッグ”は、多くの世界の青年に事業、産業が創られていく場が多くの感動に彩られていることを認識したと思う。
 産業とは”金儲けのロボットが電卓を片手に創るモノ”ではないことを経営史研究、企業者史研究の多くは示している。技術の形成、事業創造、それは産業を、社会を創っていった人たちの”夢と勇気と知恵の涙の物語”である。
 事業創造とは何であろうか。かつて米国で世界一の金持ちになったビル・ゲーツの創ったベンチャービジネス「マイクロソフト」もその一つであると思われる。マイクロソフト社の商品はコンピュータの基本ソフトである。
 主婦のアイデアで始まったのが、洗濯機の「屑取りフィルター」である。洗濯漕のなかに小さな網をつければ、なかなか取れにくい洗濯物の糸屑等がキレイに取れる。大手の家電会社を相手にこの主婦は大儲けした。このようなちょっとしたアイデアで、誰でも作れるが、誰も気がつかなかった事業の創出も事業創造であった。
 牛どんの吉野屋も初めて店を出したときは事業創造であった。新しいやり方で、牛肉を大量に安く仕入、牛どんを大安売りした。貧乏学生でも気楽に安く牛肉が食べれ、大人気になった。牛どん屋なら誰でもできそうである。ただし、思いつきが良くないと成功しない。
 ここで事業創造は以下の3類型に分けられる。

 1.誰もが思いつくが高い技術がなければできないので、まだない。
     新技術  -- マイクロソフト社
 2.誰でもできるが、誰も気がつかなかったアイデア。
     新アイデア-- 主婦の「屑取りフィルター」
 3.商品やサービスはどこにでもあるが、やり方(システム)が新しい。
     新システム-- 牛どんの吉野屋

 もちろん、多くの事業創造は新技術だけ、とか新アイデアだけとか、は少ない。新技術・新アイデア・新システムの組み合わせである。

また、現在の大企業もかつてはニュービジネスから始まっている。

 東芝は”からくりや儀右衛門”と呼ばれた田中久重が明治8年なんと75歳に創業した。田中は幼いときから発明の天才で、天象儀(プラネタリウム)、万年時計から蒸気船まで創った。日立製作所は小平浪平が創業した。東芝、日立は高い技術を誇っている。パナソニック(旧松下電器産業)は松下幸之助が創業した。松下幸之助は家電の大量生産で日本の家庭を見る間に変えてしまった。松下の販売した冷蔵庫、洗濯機、テレビ・・・で家庭は一杯になったのである。ソニーは戦後の焼け跡の中から井深大が創業した。会社設立の目的は「大きな会社と同じことをやったのでは、われわれはかなわない。しかし、技術の隙間はいくらでもある。われわれは大会社のできないことをやり、技術の力で祖国復興に役立てよう」である。アイデアのソニーである。

 日産自動車は橋本増次郎が大正3年創業した快進社から始まる。このときの試作車DAT2号の「ダット」が日産の海外での”代名詞”ダットサンになる。日産は高い技術力で知られる。トヨタは世界の発明王豊田佐吉の長男豊田喜一郎が創業した。豊田佐吉の自動織機の発明は世界を驚かせた。その息子が創ったトヨタ自動車はトヨタ生産方式という世界的に有名な”ムダのない”生産方式で知られる。トヨタは世界で一番安く車を作れる!トヨタの販売力はアッというまに日本を米国と並ぶ自動車王国にした。ホンダは小学校卒で丁稚あがりのアイデアマン本田宗一郎が創業した。オートバイで世界一、自動車でもユニークな車で知られている。

 これを事業創造を既存の企業の創業に対応させ分類すると以下のようになる。( )内は創業者である。

 1.誰もが思いつくが?、高い技術がなければできないので、まだない。
     新技術  -- 東芝(田中久重)、日立製作所(小平浪平)、日産自動車(橋本増次郎)
 2.誰でもできるが?、誰も気がつかなかったアイデア。
     新アイデア-- ソニー(井深大)、本田技研(本田宗一郎)
 3.商品やサービスはどこにでもあるが?、やり方(システム)が新しい。
     新システム-- パナソニック(松下幸之助)、トヨタ自動車(豊田喜一郎)

 「われわれは、オートバイで世界を制覇する成果をあげたのだ。次に4輪車で夢を描くなら真っ先にF1をやろうじゃないか。極限のスピードを追求する、技術的に最もきびしいF1に挑戦しようじゃないか(本田宗一郎、崎谷、1979)」ホンダの創業者本田宗一郎は、製造業におけるジャパニーズドリーム(日本の、若者の夢)であった。

ニュービジネスが生まれる場 本田宗一郎

 ホンダ(本田技研)の創業者本田宗一郎は浜松工専(現静岡大学工学部)の社会人聴講生だった。小学校卒の本田のプラットフォームに浜松工専はなっていった。
 本田宗一郎は明治39年11月静岡県磐田郡光明村(現在の天竜市)で生まれた。父儀平は鍛冶屋で精魂込めて金物を打ち、村では長持ちすると評判であった。儀平は正直一途。他人に迷惑をかけることを最も嫌った。宗一郎は車が大好き。田舎では車はめったに見られない。車が走るといつも追いかけていった。二俣高等小学校をでるとすぐ、東京の本郷湯島5丁目にあった「アート商会」に丁稚奉公。大正11年春15歳であった(崎谷、1979)。
自動車修理業であったが、子守ばかりさせられ、つらい徒弟時代だった。半年ほどたったある日、主人から「今日は忙しくてしょうがないから、こっちへきて手伝え」と言われ、夢かと疑った。大雪の降る寒い日、自動車の下で本田はうれし涙を流しながら夢中で修理を手伝った。「この時の喜びは一生忘れませんよ。」
 アート商会で6年修行。この間主人の榊原侑三がレーサー好きだったこともあり、本田は津田沼航空隊払い下げの航空機エンジンを改造しレーシングカーを作った。いろいろなレースで優勝した(崎谷、1979)。V8型8000cc100馬力のレーサーは「風になった男」本田宗一郎の夢の第一歩であった。
 修行後のれん分けをして貰い、郷里の浜松で自動車修理業を開業。21歳だった。昭和11年、フォードのエンジンを改造、多摩川でのレースで平均時速120kmの新記録達成。ゴール前、修理中の自動車がでてきて激突。空中で3回転。顔がつぶれ、左腕がはずれ、手首骨折。意識がもどったのは病室だった。
31歳でピストンリングの会社を創業。このとき、理論の必要性を感じ、浜松工専に2年通った。これが本田のプラットフォームになった。理論の勉強だけでなく、同窓の通産省の竹島弘がやがて、”運命の出会い”、藤沢武夫を本田に紹介することになる。ちなみに本田は卒業免状を貰っていない。不要と判断した科目はさぼって試験を受けなかったからである(崎谷、1979)。
 試験を受けないと卒業証書は出せないとの校長の発言に、本田はタンカを切った。「そんなもの、映画の入場券よりくだらねぇや。」「映画の入場券なら、絶対確実に映画はみられるが、卒業免状じゃ絶対確実にメシが食える保証はないんだ。」

免許皆伝の書とは何も書いていない 欧州・日本の心

現在ほど戦略的に「名人」「達人」「絶人」が求められている時代は無い。

「絶人」とは、また免許皆伝とはなんであろうか。

 熟練技能者は比較的単純な工具をうまく使いこなし、部品から作り上げる。その時の材料の性質、作業の手順前後、環境等によって、同じ機能を持つ部品でも複雑に異なることになる。この複雑に異なった部品を組み合わせることが巧みなほど一般に熟練度が高いと言われる。
 現物合わせといって、うまくはまらない部品等は、その都度削ったりして、熟練作業者は1つ1つ異なるオーダーメードの高級車を作り上げていく。したがって、ある高級車の部品を他の高級車の同じ部位に組み付けようとしても、うまく組み付けられない。オーダーメードを追求すると部品そのものの互換性がないのである。
 かつて欧州ドイツなどにおける職人、日本においても職人の技法はすべてそのほとんどを暗黙知に頼っていたと思われる。
 日本刀の製作過程はそのもっとも典型といわれる。製作における暗黙知と体力を最高の状態で熟練に結び付けるために、厳しい精神的鍛錬を要求した。一時、企業における職場の目標として「明るい職場」ということが言われたが、戦後の代表的な生産技術者であった故和田栄治氏は「鍛錬の場」として以下のように言っていた。よく飲んで清家もっと勉強しろと怒られた(^^)。

 熟練を考えるとき、明るい職場、楽しい職場といった考えはいかがなものか。真剣な職場、神々しい職場というのが、熟練の基本である。刀鍛冶はしめ縄を張って、身を清め、刀を鍛えたものだ。

このような熟練の場では技術の伝承は暗黙知の共同化によって行われる。師弟関係がその典型であり、その頂点が免許皆伝である。この過程は形式知による結合化をかなずしも必要としない。
 故中原勳平氏は上記の和田氏が大企業の生産技術の代表者の一人であるのにたいして、戦後急成長した中小企業(大企業になったものも多いが)の商品開発技術を代表した一人であった。中原氏は、ヤマハ音楽教室、不二屋「オバケのQ太郎」、マツダファミリア等の画期的なイメージ戦略を企画した。彼は、日本でニッチ市場を開発していった製品と、それに係わった製作者の実践によって淘汰された高い熟練について述べ、結びで「剣術の極意」のメタファーを取り上げた(彼のマンションで酒を飲みながらよく聞いた(^9^))。

 免許皆伝の書とは何も書いていない。そこになにか書いてあればそれは皆伝ではない。

 正確に言うと何も書いていないわけではない。技術に関してはなにも書いていないということである。書いてあることは精神面だけである。
 小野派一刀流の皆伝の書には冒頭に「5匹の猫」の故事(メタファー)が書いてある。このメタファーの含意は、もっともねずみを恐れさせた強い猫にねずみの取り方をたずねたとき、「ねずみとはなにか」と答えたという、ものである。
 まさに暗黙知を高度に発揮させる心境だけを問題とし、技術に関する形式知を集団、特に組織に移転しようとはしていない。

いま世界でもっとも求められているのは「標準化」「絶人」???

2010年11月15日月曜日

経営者(1) 土光敏夫(経団連名誉会長)(2)

 昭和25年、石川島重工は混迷の中にあった。造船業界は海軍の解体、駐留軍の船舶保有量制限により売上げは激減。その上、昭和24年から駐留軍のドッジによって、日本経済自体が資金繰りの悪化による恐慌状態になっていた。ドッジラインである。

 (環境はひどい 戦後の混乱の上に、政府・進駐軍による経済引き締め)

 この困難をいっそう増したものは労働争議である。旧財閥イメージの残る経営陣への不信、将来への暗い見通しは経営者への憎悪を増した。終身雇用を唱える現在の大企業のほとんどが首切りを行った時代である。

 (組織の状態も最悪 従業員はやる気にならない)

 昭和25年、外航船の改造工事で致命的な赤字を出し無配転落。下島勝次社長以下重役陣総退陣。この状況下で土光は社長就任を依頼された。再建は二度目であるし、53才になり経営者として、ほぼ完成に近づいていたと言ってよいであろう。
 給料の遅配までおこっていた。倒産の危機にある石川島はまず浮上しなければならない。次は健全な企業形態への革新である。浮上の為の減量として経営合理化、経費圧縮、営業の強化、生産増強、技術開発の促進が計画された。次の革新の為には将来の石川島の製品の決定が必要。これがなくては減量に方向づけができず、社員に目標(ビジヨン)を与えることもできない。
 造船は極めて不安な事業である。
石川造船所が嘉永6年に設立され幕府、明治政府、民営と続いてきた間、石川島の経営危機の多くは海運業界の世界的な不況の波によってもたらされた。この波は巨大すぎて一企業ではどうしょうもない性質のものである。その度に石川島は造船部門から機械部門へ方向転換しては不況に耐えた。その中でも第一次世界大戦後の造船不況は最大のものであった。それに加えて関東大震災は石川島の総資産の35%を焼失させ、長い低迷期をもたらした。この不況を石川島は産業機械、自動車工業、航空部門への進出で乗り切ることになる。
 今度の再建も造船からの方向転換で乗り越えねばならない(重役、技師と協議)。
 日本経済は戦後の回復期に入っている。そう考えれば国内建設に機械の需要は多い。貿易の拡大は建設の後で、造船の必要はそのまた後である。「今は船は売れない。」

 (予測 時間の予測 もういっとき本業の造船はきびしそうだな)

 結果として、造船ブームは機械工業の設備投資の急増よりも6年遅れた。石川島の方針は正しかった。造船主力の企業は(例えば播磨造船)石川島に昭和33年以降大きく市場で差をつけられることになる。
 この転換の為には研究開発が主導しなければならない。研究開発、技術導入の決定は石川島を陸上機械産業の中心的企業へ移行させた。戦後の社会は生活必需品から順に回復していく。機械は電力、鉄鋼を継ぐ産業となったのである。

 (予測 事象の予測 どの産業から復興していくのかな?)

 この決定の結果に基づき4つの製品系列が選ばれた。新造船、ボイラー、起重機、産業機械である。新造船の需要の不安定さに比べて他の3製品系列は着実な予想の立てやすい(経営しやすい)成長製品だった。この意思決定は時代を先取りするという土光の経営方針の成功例と言えよう。
 再建社長としての第一歩は経費節減の為の伝票、領収書の点検であった。全部の伝票、領収書を机の上におき、重役から係長まで呼んでは、その問題点をあげ議論した。伝票に書かれている結果を問題にはしない。それが作られる過程を点検する。それは伝票を見ないでもできる。聞けばよいのである。答えさせ、そのやり方、考え方を点検する。伝票の問題点とはその伝票が作られた職場と人の問題点であった。答えさせる中から意見や提案も聞き仕事のムダをなくした経費を節減させた。
 これは効果をあげ、「その月から経費、冗費がガクンと減った。たしか十分の一くらいになったと聞いている」といった経理面の効果を出した。しかし、これは問題解決と同時に指示指導の意味を持つ。やがて洗練されチャレンジ・アンド・レスポンスと呼ばれるようになった。土光のOJT技法の一つである。
 再建には管理者と労組(一般従業員)の協力は不可欠である。伝票の点検の際に管理者には協力依頼と意見交換を行なった。次は労組の番である。不信と敵意に満ちた労組幹部と徹夜で何日も議論し、「人員整理は絶対しない」と言明し、協力を依頼した。労使は運命共同体、再建は皆の為だ。再建のいい考えがあったら教えて欲しい。
 土光は権力をふるう人間ではない。自分の用事で人を呼び出すことは非礼だと思っている。したがって頼みたい事、聞きたいことがあれば組合事務所でもどこでも一人で気楽に出かけていって話をする。
 次に引責辞任した役員の中から田口連三(土光の次の社長)のみを再任し、新たに平取締役六名を選らび、代表権は土光一人のみとした。重役の給与は不信を呼ぶ一つの原因である。したがって部長の上位5人の平均額を重役の給与とする。業績回復までこれは明確に維持すると全社に宣言した。この点で従業員の不満がなくなったとは言えないが不信はなくなった。
毎週金曜日に幹部会が開かれる。その時会社中のあらゆる問題をテーブルの上に出さなければ責任は持たないと宣言した。伝票、領収書の点検の延長である。幹部は、仕事、問題に関する、あり方、考え方、やり方、をとことん直される。直さないのなら直す必要がないことを土光に納得させなければならない。毎回、大激論の場となった。このようにして経営合理化は進展した。
 土光社長の就任後、一週間余りして朝鮮戦争が勃発。この予想外の「特需」は造船業界を立てなおし、減量効果も加わって昭和26年からは給料の遅配に悩むこともなくなった。

2010年11月14日日曜日

2年生この前の東京見学の写真を清家まで送ってくれ(^^)

ブログにアップする(^7^)

清家研来週再来週・・トピックス 来週も頑張るぞ(^^)

来週11月17日水曜日午後は富山大学黒田講堂会議室「男女参画・・女性・・・」に参加の予定(^^)
来週11月18日木曜日13:00~富山大学健康看板研究会(^8^)
  11月19日金曜日~11月21日日曜まで日本情報経営学会(熊本学園大学)
  11月24日水曜日午後YKK黒部工場見学 お世話になります!!!!2年生頑張ろう!
  12月9日木曜日12:00~大学院生修士論文中間発表(5階共同研究室)後輩のみなさん聴講大歓迎)
  12月16日木曜日12:00~16:30、4年生卒業論文発表会(4階視聴覚教室)(皆さん聴講大歓迎)

先輩たちへ!!3年生が就職活動です。相談に乗ってあげてください(^^)

2010年11月13日土曜日

創業者(1)本田宗一郎 本田技研工業の創業者

創業のパートナー 二人三脚 理想のパートナー

 本田技研工業は、本田宗一郎と藤沢武夫という個性の強い二人の創業者によってつくられた。本田は小学校卒、藤沢は中学卒であった。本田は技術で藤沢は経営で生涯のパートナーだった。本田技研はオートバイで世界制覇をし、自動車でも世界的なメーカーへと成長した。
 本田42歳、藤沢38歳のときに2人は出会い。本田は「顔を見ただけで、これはいいと思った。ちょっと話をしただけで、ぼくと性格の違う人だとわかったから、すばらしいと感じた。話が進むと、ロマンチックな人だなあと気づいた。高い理想を持ちながら、本当に自分から体を動かし実行するタイプ。自分でやらなければ、きちんと論理を通して、他人に任せる人間だと言うことを、激しく感じた。夢だけを追うような人だったら、感動はしなかっただろう」と藤沢を感じた(崎谷、1979)。
 藤沢は語り合った後に、「こんなものすごい人間、これまでつきあったこともないし、小説や歴史の書物でもお目にかかったことがない」と驚嘆した(崎谷、1979)。

 昭和25年オートバイの輸出商談で、外国人を浜松で接待し、酒宴を設けた。翌朝外国人がトイレに入れ歯を落とした。昔は、トイレは水洗ではない。ウンコはトイレの真下に溜まっている。料亭は大騒ぎになった。本田は裸になって、オチンチンをぶら下げながら、キンカクシからソロソロ下りていった。やがて、「おーい、あったぞ」と大声が上がった。本田は入れ歯を抱え風呂に入り、入れ歯をクレゾールで消毒した。その後、本田はお座敷を設け、外国人に返す前に、入れ歯を口にくわえ踊りだした。大爆笑が広がった(崎谷、1979)。
 遅く目が覚めた藤沢は、この話をきいた。「あたしだったらどうしたか。第一、そんなこと、カネを出して、誰かに頼めばすむことじゃないか。だが、あの男はカネで人を動かすことはしない。しかも、踊りまでおどって、沈んだ料亭の空気をパッと明るくさせる。そのうえ、入れ歯が清潔であることを実証してみせる。あたしにはできねえ。あたしは、この男にはとてもかなわない(崎谷、1979)。」
藤沢の驚嘆はしびれるような心酔に変った。本田と藤沢の理想のパートナー関係はこうして生まれたのである。

経営のパートナー 本田と藤沢

 汲んでも尽きぬアイデアを次々だしていった”世界の風雲児”本田宗一郎。このような人間にはパートナー藤沢武夫が必要である。ニュービジネスを創業する経営者”藤沢武夫”の条件を考えてみよう。

”本田”を支援する”藤沢”の役割について
 
著名な経営学者のフォレット(ちなみにフォレットは女性。女性で経営学の歴史に残った巨人は彼女一人?)は「職務はその職務において最もよく理解し最も意欲をもつものが最も大きな権限をその職務に関して持つべきである」と述べている。経営者”藤沢”が技術者”本田”といった専門家へ「的確な指示と評価」を与えるべきであるという考え方は間違っている、とフォレットの論においてはなる。要するに、本田を好きにやらせろ、といっているのである。
 この考えは、本田は技術者として自分の仕事を責任を持って行っているのだから、その時、本田が自分の仕事に関してやりたいと思ったことを邪魔することは良くない、というものである。
 上記の考え方によれば、現代における技術革新のもたらす情報量の急増と複雑化、人間欲求の多様化によるあいまいな情報の増加、職務の常なる未成熟への対応としてきた専門性の極めて高い職務(例えば、本田宗一郎)の存在の正当性が裏づけられる。
 つまり、現在、ニュービジネスに関してアイデアを出し、仕事を夢中になって行おうとする人間は他の人間には分からない独特の感覚を持っている。彼らの感覚は凡人には理解しがたい。この頂点が技術者本田宗一郎である。それでは経営者藤沢武夫ははどのような形で、”本田宗一郎”へ対応すればよいのだろうか。

ニュービジネス創造の経営学 ”喪章でのチェッカーフラグ”

 F1(世界の自動車レースの頂点)でホンダが大活躍したこと、本田宗一郎の夢の日々を記憶している人も多いと思う。レーシングカー「マクラーレン・ホンダ」のアイルトン・セナはホンダのエンジンで立て続けに優勝していった。セナはF1の輝く星であった。そのセナにとって、オートバイのホンダ、本田宗一郎はあこがれであった。世界のスピード野郎のあいだで”風になった男 本田宗一郎”は今でも永遠の英雄である。初めてホンダに乗ることになって、本田宗一郎に会ったときの感激をセナは生涯忘れなかった。
 ホンダは自動車に進出し、F1で活躍、世界の自動車業界でユニークな車をつぎつぎ生み出していった。本田宗一郎、藤沢武夫は昭和48年そろって引退した。

 そして、若者に夢を与え続けた本田宗一郎にも別れの時が来た。享年84歳であった。本田宗一郎が死んだ、本田宗一郎の生涯の夢F1。1991年ハンガリーグランプリ、セナは喪章をつけて走った。しかし、セナの乗るマクラーレン・ホンダのエンジンが不調。セナは抜群のテクニックでエンジンをかばい走る。エンジンが勝負のF1、勝てるはずのない状況。しかし、セナは走る。憑かれたようにセナは走る。セナは本田宗一郎の思い出とともにゴールへ。チェッカーフラグがふられた。セナ優勝。アナウンサーが叫ぶ、世界が泣いた。本田宗一郎の弔い合戦と言われた。セナ以外勝てないレースと言われた。セナの眼が印象的だった。
 本田宗一郎の最後の思い出を飾ったセナ。そのセナも、その後を追うようにやがて、無念の事故でF1の露と消えた。しかし、いまも、ニュービジネスを志す若者の心に、世界のスピード野郎の心に本田宗一郎は生きている。

ニュービジネスで、”本田宗一郎”を活かしていない場をよく見かける。

 経営管理者は、ニュービジネスを起こす”本田宗一郎”が理解できないとき、どのような行動をおこすか。一般には以下の二つが考えられる。その一つは、むやみに報告、会議を強要することである。それは経営組織の活動とは、まったく無関係である場合さえあり、度を過ぎると専門職能を確立した組織講成員の職務活動を妨害し、彼らの経営管理者への信頼感を喪失させるものとなりかねない。ただ経営管理者は単に知識を求めたいだけなのだ。本田宗一郎にしゃべらせれば、管理が容易になるのでは、との思いこみで会議・報告を繰り返すだけなのである。しかし、ニュービジネスを創造するような人間の話を凡夫がいくら聞いても時間の無駄である。
 もう一つは、予算と人事権の乱用である。これは組織講成員の意欲を削ぐだけではなく、無理解に行為によって、せっかくの職務システムを破壊してしまうことになりかねない。予算と人事権の乱用によって経営管理の主導権を回復しようという試みは企業全体の活力を低下させる。

専門家の動機付けと成長

 アージリスは人間を”発展する有機体と規定し”正常な組織構成員は7つの以下の次元において成長の傾向を示すと指摘している。
 (1)受け身の状態から能動的積極的になっていく傾向。
 (2)他人に依存する情況から独立の状態に発展する傾向。
 (3)数少ないわずかの方法でしか行動できない状態から、多様な方法で行動でき    るようになる傾向。
 (4)その場限りの浅い興味から、無限の深い興味を持つようになる傾向。
 (5)短期の展望から長期の展望へ発展する傾向。
 (6)組織の中で従属的地位にいることから、同僚に対して同等または上位の位置    を占めようと望む傾向。
 (7)自己意識の欠乏から、自己意識と自己統制を持った人間へと発展する傾向。

 フォレットによれば、強圧的に発せられる専断的命令は、下記の弊害を持っている。

 ① 指示を受ける人々から獲得しうる貢献(提案・助言)を失う。
 ② 人間の自律的欲求に反するために、発令者と受令者の間に摩擦を惹起しやすい。
 ③ 自分の仕事への誇り、興味を失う。
 ④ 責任感を減退させる。

 専門的に極めて優れた職能を持つ組織講成員にとっては、このような専断的命令の弊害は特に顕著にあらわれると思われる。専門職能的に優れた人間の職務は、ごく小数の関連領域の研究開発等を担当するものしか理解しえない故に、的確な指示を与えることは困難である。このことは逆に的確な職務の監視が困難なことを示している。つまり専門的に優れた職能を持つ者は、積極的な組織行動をおぎなえば、経営管理者の予想を越えた成果を上げることができ、また、消極的に組織行動を行えば、誰にも気づかれず、誰からも否定的な評価を受けることなしに、予想外の低い成果で職務を完結させることが可能であると考えられる。

経営者(1) 土光敏夫(経団連名誉会長)(1)

経営者 土光敏夫

 現在の日本、世界では大企業を抜きにビジネスを考えることはできない。ニュービジネスを起こす人の半数が大企業のスピンオフとも言われている。また、主婦、学生にとっては大企業は未知の存在である。また、21世紀、一人企業と相互進化するかも知れない。したがって、戦後日本の名経営者のひとりで「荒法師」、「清貧の士」、「企業再建の名人」といわれ、広く国民に愛された土光敏夫氏を通して経営の基礎知識、大企業の再建を勉強する。再建は、ニュービジネスを志す人間の”必修科目”でもある。
 荒法師とは永野重男氏(元日本商工会議所会頭)が土光敏夫氏(経団連名誉会長)につけたニックネームである。他にも、ミスター合理化、経営再建男、戦闘的経営者、モーレツ社長、超人・・・イヤハヤ、たくさんある。ボロ屋に住み、ニボシを好む雲水のごとき経団連会長。朝日新聞が「清貧の士」と称え、毎日新聞の記者が「初対面だが、ぼくはあなたのファンです」と告げた。第二次臨時行政調査会の会長に選ばれ、「大増税にあえぐ、国民の熱い視線が土光さんに注がれている」と読売新聞は形容した。産経新聞は行革に取組む土光氏を「国を憂える青年の瞳」と讃えた。土光氏は財界人の中で国民的人気を持った唯一の人であったと言って過言ではあるまい。

経済人の道

 土光は、岡山県に明治29年生まれた。現在、岡山市に編入された岡山県御津群大野村である。大野村は日蓮宗の信仰の厚いところとして知られ、平凡な農家の長男として育った。父は優しい性格で日蓮宗の信仰が厚く、母は男まさりのきつい性格で共に熱心な信者であった。東京高工(現、東京工大)を卒業後、石川島造船所(現、石川島播磨重工)に入社。その点で、一高、東大と進んだ石坂泰三(経団連名誉会長)らのエリートコースとは異なっている。
 進学も順調とは言えず中学、高工入試で四度の挫折を経験したように優等生でもなかった。だが、世の成功者の言にあるような「エリートコースから、はずれた悔しさを人生の糧にした」とか「成り上り」といったタイプではなかった。タービンのエンジニアを志ざし、技術でもって社会に奉仕したいと願う活動的な青年。人生哲学を語り、本の好きなバイタリティのかたまりのような青年であった。
 今里広記(元日本精工会長)は言う、「あの人ぐらい私利私欲がなく、正義感に燃えしかも、くったくのない人はいない」。永野重雄(元日商会頭)「信念があって正義漢。それでいて暖かい人間味がある」。牛尾治朗(ウシオ電機社長)「土光敏夫さんは人間として尊敬に価する先輩である。私利私欲はなく・・・。財界人の中で土光さんくらい清潔な人はいまい」。このような土光像は当時芽生えていたと思われる。以後、石川島芝浦タービン、石川島播磨重工、東芝と社長を歴任、経団連会長と日本の経済人として頂点に達した第一歩である。
 大正9年、卒業するまで学資、生活費をすべて家庭教師のアルバイトでまかなった土光であったが、苦学の中でも人間に幅と奥行きを感じさせ、クラスの衆望を一身に集める親分的な性質も持っていた。資本論を読破したのもこの項である。
 23才で、大正9年石川島造船所入社。大正11年、陸上タービン技術習得のため、スイス留学。2年後帰国。すぐに上司の栗田金太郎取締役の長女、直子と見合い結婚。栗田は当時、石川島の実質的な最高権力者であった。カミナリ親父で技術者出身の合理主義者として土光に大きな影響を与えた。
 その後、石川島芝浦タービンが石川島と東芝の前身である芝浦製作所によって設立され、土光は技術部長として乗り込み、昭和12年、取締役に就任した。その後、石川島芝浦タービンの社長に戦後すぐ任ぜられ、最初の再建がおこなわれた。この再建に成功した後、親会社石川島の再建を要請される。その石川島再建の際に経営者としての土光が確立されたと思われる。
 昭和30年代、造船業界再編成のはしりとなった石川島重工(戦前の石川島造船所が改名)と播磨造船の合併では、長期ビジョンの作成、会社への徹底、組織設計への展開において卓抜したやり方を見せた。
 昭和40年代、生涯最大の仕事となった東芝の再建が行ない、その後、経団連会長を務め、経団連名誉会長として行政改革(第二次臨時行政調査会会長)に挑んだ。

経営計画 

 経営計画は環境の変化の中で行われる。「経営環境よりの情報収集」・「経営問題意識」・「経営問題の規定」・「経営課題の規定」・「経営計画の策定」の5ステップである。

 情報収集・・・・・今、企業がどのような状態かを知る。
 経営問題意識・・・なんとなく困ったなと感じる。
 経営問題の規定・・何が問題かが明確になる。
 経営課題の規定・・何をしなければならないかが明確になる。
 経営計画の策定・・具体的に誰が何をすれば、課題が解決するかを決める。

 この5ステップを土光敏夫を例に考えて行こう。
 石川島芝浦タービンで最初の再建を行なったとき、土光は49才であった。昭和21年、戦後の敗戦処理のための社長就任である。この経営者への転進は土光の本意ではなかった。「ぼくは最大の犠牲者だよ。日本一のタービンの設計者になる事が夢だったんだ。」「人のいいところがあるから、何となく押しつけられた。経済界に60年いるが自分から希望してやったことは何もない。」
 インフレ下の再建は困難を極めた。作るものがないのに従業員の生活は確保しなければならない。資金繰りは苦しい。

 (情報収集から経営問題の規定までがこの間土光の頭の中で行われた)

 ここで、土光は「社会に役立つ企業は社会と時代が生かしてくれるはず」という理念を重役会で徹底させた。

(経営課題の規定)

 その考え方で製品が選択され、その中から採算に合う計画が採用された。

(経営計画の策定)

 その計画を持って金融業界、政府(補助金)へ陳情を開始した。「社会は〇〇を必要としている。それを作るために金を融資して欲しい。」土光は押しに押した。土光の熱意と行動力が銀行、霞が関に鳴り響いた昭和24年には再建は成功した。

経営戦略

 経営戦略は「予測」と「環境」と「組織の状態」の3要素で作られる。

予測・・・・・・未来についての見通し。以下の3つがある。
          「時間」を予測する場合・・・いつ起きるの?
          「事象」を予測する場合・・・何が起きるの?
          「度合い」を予測する場合・・どの程度そうなるの?
 環境・・・・・・戦略は相手があって始まる、競争企業や経済の状態が当然考えにはいってこそ、競争に勝てる。
 組織の状態・・・夢も予測も環境もOKでも、やってはいけない場合がある。         
それは、能力がないのに夢のようなことを、考える場合である。野球のピッチャーでここは「速い球を胸元に」投げれば絶対と思っても、遅い球しか投げられなければしかたがない。

 さて、石川島芝浦タービンを再建した土光は、その後どうなって、どのように経営戦略を展開したのであろうか。        

2010年11月8日月曜日

清家研究室富山宴会11月10日(水)夜 

OBの方、院生、ゼミ生その他、富山市「花の舞」で宴会をやります。
どんどん参加してください。

東京で三菱電機、富士通見学後3次会まで・・・、その後また富山で水曜日宴会・・・(^8^)
飲めなければ清家研究室ではない、なんてことはありません。

次はYKK工場見学、頑張ろう!!!

清家

2010年11月7日日曜日

清家研究室先輩シリーズ(3)東京OB会最高顧問北方先輩

北方隆士先輩の最新ブログ
http://tks1004mnk.blog91.fc2.com/blog-date-201009.html
から下記全文引用しました。北方レポート最高ですね。

投資事業会社幹部の真面目な北方先輩はこの最新ブログで理解!

めちゃ楽しい北方先輩は
http://tks1004mnk.blog91.fc2.com/blog-date-20100402.html
http://tks1004mnk.blog91.fc2.com/blog-date-201006.html

(清家研究室東京OB会「最高顧問北方隆士」先輩の北方ワールドを楽しんでください)

9月10日~12日の3日間、中国の温州市にて2010年秋季不動産フェアが
開催され、出展してきました。
約4万人が来場され、3日間とも常に大勢のお客様が弊社のブースへ足を運び
投資ビザや海外送金、今の日本の相場などを質問される方が多かったです。
日本企業は弊社1社だけでした。
また、この不動産フェアには、90%以上が中国企業の出店でありましたが、
海外勢としては、カナダ、スペイン、オーストラリア、香港なども
出店されていました。
その中でもカナダのブースは、本当にお客様も多く、にぎわっていました。
何故かといいますと、35万カナダドルの投資を行うことによって、
グリーンカードが発行され、ビザの問題が解消されるのです。
またさらに驚いたことに、教育費や医療費なども免除されるのです。
カナダとしては富裕層の中国人を誘致し、内需拡大の起爆剤にしている
のかもしれませんね。
中国のなかでも温州の方々は、不動産に対して非常に興味を
もっていらっしゃいます。
温州商人という言葉をどこかで聞いたことがあるかと思いますが、
集団で行動し、不動産を買い漁り、そして不動産価格がつりあがった
ところで売却し、また他の物件を買いにいき、利益をあげていきます。
また温州は、元々山に囲まれて世間と隔絶しており、
政府からの支援も無い地域だったが、日用品や皮革製品を製造販売する
ようになり、それを元手に非常に豊かになった地域でもあります。
温州市にも高層マンションが立ち並び、不動産取得の需要も高い事から
数年前までは2~3万元/㎡だったものが、最近では4万元/㎡(坪180万円)
と非常に高くなってきている。
農地は次々に住宅になり、投機が激しくお金があっても容易には買えない
状態になっています。

富裕層になった表れか、近年の中国では海外移民の人気が急増しています。
2010年の移民者数は昨年比30%増!
中国人移民者の多くは、カナダ・オーストラリア・米国へ流れていってます
2009年のオーストラリアでは7000人も移民された!
富裕層が移民する大きな理由は、良好な生活環境と子どもへの教育環境。
また、中国の治安に対する不安もあるみたい。
文化大革命の時のように、中国政府がいきなり国民の資産を取り上げる
かもしれない恐怖は、心のどこかにあるんだろうなあ。

資産の流出額も増加し、ここ3年で少なくとも170億元(2210億円)の資産が
海外に流出するという異常事態。

資産の流出
1.カナダへ年20億元(約260億円)
2.オーストラリアへ年20億元(約260億円)
3.米国へ年18億元(234億円)

各国は移民条件を引き上げることも視野に入れているらしいけど
これは人材や資産が流出していることを懸念している中国政府
からの要請なんじゃなかろうか。

たとえば、カナダへの移民条件として「40万カナダドル(約3200万円)以上の投資」を
今後は「80万カナダドル(約6400万円)以上」にしたところで、本当の富裕層に
とっては痛くもないんじゃないかな。

清家研究室先輩シリーズ(2) 青野先輩 イオンのホープです気楽紹介

青野君勝手に紹介ごめんね(清家)メールの後輩へのメッセージも含めて全文引用。ごめん
後輩ゼミ生、先輩に相談のある人は、メールでお願いご連絡。優しそうな先輩から紹介している?(笑)

先輩への連絡メールを知りたいゼミ生は、総ゼミ長、各学年ゼミ長ーー>清家まで

清家



先日はご招待いただきましてありがとうございました。

なかなか刺激的な出会いもあり、楽しかったです。
2年程ぶりの先生とのお話も非常に刺激になり、貴重な御機会
をいただきましたことに感謝致しております。
また同じような機会がございましたら是非またお声お掛け下さ
いますようお願い申し上げます。
先生の御呼びとあらば、仕事の許す限り、何時でも何処へでも
参りますので、ご連絡いただければ幸いです。

また、業務で北陸へ行く際は富山大の方へも立ち寄り、
後輩達の役に立てる事があれば、協力させていただきたいと存
じますので、ゼミ生達にもよろしくお伝え下さい。

まだまだ若輩者ですが、今後ともご指導の程よろしくお願い致
します。


青野


イオンリテール株式会社 神奈川事業部
ジャスコ藤沢店 水産主任 
江ノ島・小田原市場 担当
青野世輝
【携帯】090-7364-0909
【VPN】0466-88-4479
♪♪sinnging aeon♪♪sinnging aeon♪♪

清家研究室先輩シリーズ(1) 松原(北陸のイエローハットなど社長)

松原さん勝手に紹介(清家、すみません)、実は千葉大学大学院の留学生をご紹介した際のメールを全文引用させてもらいました。松原先輩に教わりたい人は、ものすごく忙しい方だから、お邪魔にならいように(^^)



初めまして清家先生より紹介頂いた松原隆光です。
富山大学大学院 企業経営学で清家教授の基に修士を取得しました。その修論で「社用車ソリューション・ビジネスモデル」を研究し
また、ビジネスモデルとして特許も取得、今年には経済産業省の配下(サービス産業生産性協議会)より「ハイサービス日本300選」を受賞いたしました(詳細web でもみれます)。私自身は富山県石川県でカー用品販売イエローハット店を7店、自動車メンテナンス工場3店、PC教室、を経営してます。仕事が自動車関連であり、私の分かる範囲での情報提供はいたしますから、どうぞ気軽にメールください。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
松原 隆光
株式会社 ピア
富山市太郎丸西町2-6-12
(076)422-0088
matsubara@pureg.jp
http://www.pureg.jp
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

2010年11月5日金曜日

三菱電機磯貝様有難うございました

磯貝吉男 殿

ご多忙のところご高配深謝いたします。
院生、学生たちが大変御世話になりました。

環境事業経営は世界的な大規模事業となる予感を感じておりましたが
その中で、三菱電機という
世界的メーカーのグローバル環境製品から
草の根の里山ボランティアまで
多様多価値で素晴らしくかつ楽しいご講義でした。

院生、学生たちも三菱電機の果たす役割の大きさを実感として感じることができました。
田村くんなど特に感激していたようです。

現在、私は、環境政策、事業研究を名古屋大学環境学研究科を続けております。
ご指導よろしくお願い申し上げます。


清家彰敏
 富山大学大学院MBA教授・中国政府社会科学院特別高級研究員。
 携帯電話09024351152seikeakit@ezweb.ne.jp
 北京大学客員教授、日本財務省財務総合政策研究所特別研究官、経済産業省委員、科学技術庁科学技術政策研究所客員研究官など歴任、中国国務院国研・スタンフォード大学経営者教育計画特別顧問、北京大学国際大会実行委員長、名古屋大学講師など併任。著書に『中国企業と経営』『危機と共生』『日本型組織間関係のマネジメント』『顧客組織化のビジネスモデル』『進化型組織 』など。財務省広報誌、NHK情報ネットワーク誌など連載。

2010年11月4日木曜日

明日11月5日(金)富山大学清家ゼミ2年生は富士通の見学です。

今日の三菱電機は最高でしたね。

2年生は将来の就職のイメージがちょっと湧いてきたかな?

明日は富士通頑張ろう。

夜は、東京の清家ゼミOB・OGが品川で大歓迎(^^)してくれます。

総合商社モデルと開発営業・循環

総合商社は

米国穀物メジャーのような「遺伝子による上流支配(原料)で」原料を技術革新して支配を深めていくのではなく、
下流(小売・食品会社)がお客のニーズに応えやすいような原料を開発していく。

世界の人々がマクドナルドとコカコーラばかりの生活をするならコーンと大豆に重点をおき、遺伝子による原料革新を繰り返す米国穀物メジャーがよい。

小麦・コメを中心とした豊かな食文化を行うには以下の「ボトムアップの日本型新食品開発プロセス」が優れている。

開発営業=ボトムアップの日本型新食品開発プロセス(プロセスから循環へ)

①顧客の好みをコンビニ(セブンイレブン、ローソン・・)、スーパーマーケットと一緒に日清製粉、キリンビールなどの研究者が調査し、共同で「原料」から考えた食品群を無数に作りだし、お客の好みを販売する

②無数の食品群の販売状況を総合商社は分析、もっとも食品群に合った多くの「原料」群を研究所に研究、改良、開発させる(コンビニ・スーパーマーケット情報の利活用が鍵)。

③世界の農産地に「原料」となる作物を生産させ、輸入し、菱食、国分、日本アクセスなどに日本で流通させ、日清製粉、キリンビールなどへ供給する。

④その改良された「原料」を使ってコンビニと日清製粉などの研究者が新食品を開発する(①繰り返し)

穀物メジャー(カーギル・・)と総合商社モデルの相違

穀物メジャー(カーギル・・・)
①経営陣・戦略部門・大学・研究所でコーンを遺伝子組み換えさせる。(ここが最強)
②種子の知財を支配
③世界中の農地にコーンを栽培させ量産
④世界中に供給しハンバーガーとコカコーラになる。

総合商社
①顧客から農地までのプロセスを循環させる仕組み作り。
②ローソン、菱食、キリンビールがやりやすい仕組み
③支配はしない。(サッカー?)のように仕組を作る
④ローソンとキリンビールのチーム「部会」(ここが最強)

構造と戦略の経営が米国、結果が全て?

プロセスと循環の経営が日本 

例えば、「食品の鮮度管理が常時しっかりできていればクレームが減り、お客が喜び売上が増え、社員がやる気になり、もっとしっかり鮮度管理をするようになる」、このプロセスと循環を「好循環」という。

このプロセスと好循環を社内に出来るだけ多く増やすことが日本型食品物流経営

この仕組みづくりが総合商社モデル

グローバル日本型経営 4倍速経営のイメージ

グローバルな日本型経営の競争力は

1.開発営業+トヨタ型生産物流
2.トップによるプロセスから循環への昇華?
3.スピード経営

の3本柱

グローバルスピード経営研究会
 日本企業は、グローバル競争においてスピードで劣ると言われております。特に新製品開発、顧客に届けるスピード、サービスのスピードを求められています。1980年代日本の自動車産業は欧米の2倍以上のスピードで車種開発、生産を行い、世界企業を凌駕しました。4倍のスピード開発は4倍の製品投入と収益性を可能とします。若手リーダー、技術者、マネジャーは4倍のプロジェクトを経験、成長できます。新興国は今後急成長し10億戸以上の住宅建設が予測され、新幹線、高速道路、スマートグリッド、水ビジネス、原子炉、環境への膨大な投資が行われます。しかし、スピードが遅いとビジネスチャンスを逸します。
 この研究会では、開発・生産・営業のスピードは「早い・速い・疾い」の3種があり、①情報通信②トヨタ生産方式などの経営手法③プラットフォーム構築などにより加速を試みます。また、新成長戦略の理論と実践をつなげる場として、参加企業と講師との間で「4倍速経営への挑戦」について討議し、さらに「日本型スピード経営システム」の開発にまで繋げたいと思います。そのために、国内外の企業の実務家と第一線の大学研究者・コンサルタントを提言者として迎え、提言者と参加会員による徹底した質疑・討議を進めます。さらに参加企業の課題発見・解決に役立つことを目的として、コーディネータによる総括的なコメントを提供いたします。異色の最先端優秀企業の参加など、グローバルスピード経営のための「多角的な人的ネットワークの構築と活用」を大きな目標としております。
 この度、新たな研究会を立ち上げる機会に、広くご案内申し上げます。

本日富山大学経済学部2年生は三菱電機見学です。

2010年10月29日金曜日

企業が日本を見捨てる 政府の役割(1)

 国家と企業はかつて異なる存在だったが、今は非常に良く似てきている。かつては国家が企業を選んだが、今は企業が国家を選ぶ時代になった。企業に選ばれる国家という観点から見ると、経営戦略も国家戦略も、同じレベルで考えることができる。
 海外拠点を持つ企業に限ると、生産の約3分の1は海外で行われている。海外生産コストは国内より低いので、生産額ではなく個数単位、つまり実質でみると、この比率は逆転し、3分の2を海外で作っているとみて良い。優良企業、たとえば上位30社になると、海外生産比率は50%を超えるので、実質的な海外生産はもっと多くなる。
 こう考えると、これらの企業が日本で税金を払い続けてくれると考える方がおかしい。バブル期のピークに19兆円あった法人税は、いまや約10兆円を切るようになった。ある意味で、法人税が減った分は海外生産が増えた反映だと思った方が良い。それでも、トヨタ自動車、ホンダ、キャノンなど優良企業は、売り上げの大半を海外に依存しながら、なお税金の大半を国内で払い続けている。
 日本企業は海外現地法人を含め、重役やコア社員のほとんどが日本人なので、日本に本社を置いて税金を日本で払うなど、国内志向が強い。しかし、重役やコア社員の半数以上が外国人になってくると、より戦略的に、一番税金が安いのはどこか、一番情報が集めやすいのはどこか、どの国の市場で株式を上場するのが有利か、という発想が出てくる。そうなると、現在10兆円を切る法人税は将来、もっと減ってくる、と考えるのが自然だろう。

 国家政策とは
 日本の財政は、税収が歳出の半分に過ぎず、残りは借金である国債で賄っている。税収が一段と減ってくるとすれば、日本政府はどうしたら良いのか。そこで必要になるのが国家政策である。企業が海外に展開するのなら、一緒に世界に出ていって、そこでサービスを提供する。そうすることでしか日本政府は税収を確保できなくなる。企業に日本政府に対していかに「依存してもらうか」が鍵になる。

2010年10月22日金曜日

2年のゼミ長豊本君、富士通、YKKに出す名簿を誰かに作らせてください。

名簿は、どうも副ゼミ長の某さんが上手そう。パソコン名人!

学籍番号 氏名 学年 出身県 関心分野 質問項目

の枠を最低作って、関心分野、質問項目にこれから入れていきましょう。

連絡先を入れるかどうか(女性は?)、も考えてください。

将来希望も書きたいね。

清家

2010年10月20日水曜日

3年生 木曜日の面接は最初に5分間現在の就職への自分の考えを述べること

個人面談15分です。
5分間現在の就職への自分の考えを
1.学生時代に頑張ったこと2分間
2.就職先への条件    2分間
3.自分の希望(事情・自己都合)1分間
合計5分

2010年10月19日火曜日

2年生YKK工場見学11月24日(水)午後決定(^^)

YKKも富士通と同じように勉強しようね。
しかし、当面は富士通に集中!!!

2010年10月17日日曜日

テーマパークとキャラクタービジネスを語ろう(1)


 TV幼児番組、遊園地での着ぐるみのキャラクターは、ディズニーランド の発展、TVアニメ、デジタルゲームの進化で大きな概念上の変化を遂げた。またこのキャラクタービジネスの企画過程は、インターネット上におけるメディア技術であるクラウドコンピューティング、CG、人工知能、携帯端末(電話)などによって大きく変容を遂げようとしている。 
         富山市ファミリーパークのキャラクター里ノ助くんと富山駅のみなさん

 なお東京ディズニーランド のパーク内にいるミッキー・マウスなどのキャラクター達は、個性を持つ、生きているキャラクターとして扱われており、着ぐるみであることを顧客に感じさせないことが重要とされている。キャラクターを演じるキャストは、ディズニーランドでキャラクターを演じている(いた)事実を、在職中・退社後問わず外部の人間に漏らさない旨の機密保持契約をディズニーランドと交わさなければならない。ミッキー・マウス、ミニーマウス、ドナルドダック、グーフィー、プルートの5大キャラクター、また、チップとデールを入れて7大キャラクターは生きているとみなされているのである 。
 清家・今村の概念はこの個性を持って生きている存在としてのキャラクターをより人間として成長していく「人格化過程」にある存在として規定している。またキャラクターはその法人化によって法的、知財的な権利は主張確保しうる(青木)、キャラクターは防衛性、拡張性、複写性、匿名性、習慣性の5つの特性を持つ(清家)。

里ノ助くんと富山市キャラクターライちゃんと踊る
3年生佐藤くん、ゼミ長中川くん、村上くん

里ノ助くんの中に入っていた女の子は可愛い!!!’今度ゼミで見学?に行こう!

 テーマパークが抱える問題は欧米と日本では異なっているといわれる。ディズニーランド など欧米のテーマパークの多くは、創業者の初期コンセプトに支配され、衆知を集めることができない。また日本の多くのテーマパークに見られる衆知を集めた結果、コンセプトが曖昧になり過ぎる。
  
テーマパークにおけるビジネスモデルについての進化論的仮定 

 現在、テーマパークは、成功モデルである東京ディズニーランド、東京ディズニーシー の年間売上合計が日本全国のテーマパーク等の売上の約半分を占める。東京ディズニーランドと東京ディズニーシーはビジネスモデルが異なる。理念的に分けると、東京ディズニーランドはディズニーランド創業者のウォールト・ディズニー のミッキー・マウス をキャラクターの中心に据えた個人の頭の中で完結する。東京ディズニーシーはウォールト・ディズニーのコンセプトに基づくが、多くの企画者が顧客の要望を中心に周知を集めて海のイメージで東京ディズニーシーを構想している 。前者はウォールト・ディズニー一人の完結した知性に基づき進化を続けるが、後者は顧客の要望に基づき多くの企画者によって進化していくことになる。
 東京ディズニーシーはロサンゼルスのロングビーチに開園の予定であった「ディズニーシー」(仮称)のコンセプトを流用したものであるが、ディズニーにとっても初めての施設でノウハウが無く、日本導入にあたっては東京ディズニーリゾートを経営・運営するオリエンタルランド (OLC) が関わり、日米共同で新たに企画・開発されたため、日本型の衆知を集める企画が行われることになった 。
 ウォールト・ディズニーはディズニーランドにあらかじめセットされた成長のモデル「DNAによる予定された成長」を構想していたと思われる。米国のディズニーランド、東京ディズニーランドはこの構想にしたがって進化していく存在である。
 それに対して、東京ディズニーシーは、日々学習体験によって変化していく過程「日常学習」によって進化していく衆知が加われる余地が大きい。キャラクターでも違いが生じる。リトル・マーメイドやアラジンなど、東京ディズニーシーのコンセプトに沿ったディズニーキャラクターは登場するが、ミッキー・マウス他のいわゆる11大キャラクターは、居住場所が東京ディズニーランドのトゥーンタウンなどになっているため、「親善大使」などという形で登場する。
 東京ディズニーシーの企画では、様々な人と日常的に関わって、そこから学習する自由度が高い。当初海の冒険、ロマンを伝えるメッセンジャーとして創出されたディズニーシーであるが、社員や、取引先の要求によっても学習、成長していくことができる。しかしそれは良い影響だけではなく、運営の際、イメージが運営者ごとに異なり「コンセプトがバラバラになる」というイメージが拡散される危険性を持っている。子供の成長において躾が重要であるように、東京ディズニーシーの企画者の日常的学習は ある意味の「躾(社内規範・社内常識・管理方針・予算など)」によって全体として修正されなければならない。 
 前者は欧米のテーマパークに多く、日本の多くのテーマパークは後者が多い。

                   里ノ助くんの誕生パーティ(^^)

 前者は時として独善的になる危険性を内包しており、後者は逆にコンセプト、イメージが拡散してしまう不安を内在している。

ロボット経済の哲学を求めて

 ロボットが機能する工場、医療サービス現場、検索ロボット、売買ソフトが活動するインターネットの場では、ロボットやソフト、人工知能は徐々に人間を助ける存在から、人間に代わる存在へと進化しつつある。工場ではロボットは自立性を増して、多くの場合人間は介在しない。戦闘ロボットは米国軍の主力兵器として自立性を増している。日本の最先端宇宙ロボットであるハヤブサは世界で日本の技術がもっともすぐれていることを性能で実証した。小惑星イトカワと地球との飛行中、イトカワでの活動中、ほとんど自立して使命を達成しえた。世界の軍事専門家でハヤブサの技術に驚嘆しなかった人はいないと思われる。
 またインターネットの検索ビジネスでは、最後の検索結果を人間が利用するまではまったく人間の手を借りず、検索が行われる。このことは、多くのソフトが人間から独立し、主体性を高めつつあるとも考えられる。
 さて、工場、インターネット上の経済で人間は経済主体である。ここで人間から独立した活動が行えるロボット、ネットロボット、ソフトなどを経済主体として規定できる。経済主体(economic agent、economic man、 economic unit)は、消費者と企業を一般に対象とする 。経済主体は人工知能の進化、ロボットの登場によって、人間だけではないと明確に認識できるようになってきた 。このとき経済の対象は人間とソフトの統合システムとならなければならない。
 この規定が許されれば、工場、インターネットの場での生産、販売、消費といった活動は、人間とソフト(ロボット)の2種類の経済主体による「混在」経済として説明できる 。ビジネスモデルで利活用されるソフトは大部分が生産・販売の人間支援であり、インターネットビジネスで人間が関わる時間(マンタイム=人間時間)を次々とソフト(ソフトタイム=ソフト時間)に置き換えていった企業が勝者になっていく可能性が高い 。
 将来、特に消費の人間支援ソフトは、インターネットにおける人間支援ネット経済の中心となる可能性が大きく、消費・小売業の課題として消費支援ソフト以外の人間支援ソフト開発を経営ノウハウで行うことが増加すると予想される。インターネットで学生が遊び、主婦がショッピングをしているときの検索ソフトは消費を行う人間支援としてフル活用されている。インターネット上で今後、増加するのは生産・販売の人間支援ソフトより消費の人間支援ソフトであると思われる 。
 その理由は、生産・販売の人間支援は競争力を持った個人(専門化)の分身として創造されなければならない。それに対して、消費の人間支援ソフトは消費者(素人)の分身であり、競争力をさほど要求されない。さて、人間支援が無数にインターネット(人間支援ネット)上で、人間支援対人間支援でビジネスを行うのが未来の経済である。
 現在、企業にとって創意工夫による競争優位を作り出せるのは、人間とソフトのコラボレーションツールの開発などが多い。これらの組織能力向上の改善につながる人間支援ソフトの開発と利活用ノウハウの作成がインターネットビジネスの新しいマーケットになると思われる。
 インターネットにおいてヤフーが登場したときは、人間をかなり介していたため検索ビジネスはソフトto 人間が主であったが、グーグルの登場と、各種検索ロボットの開発、人工知能研究の進展と検索システムへの応用で、急速にソフト to ソフトへと進化した。

ロボット経済の哲学を求めて

 未来の経済における人間支援ソフトの開発について、その方向性とその経済における哲学について模索、考えてみたい。インターネット上に無数に登場し、企業における従業員、消費者を支援しようとしている人間支援ソフト、ネットロボット、ロボットは実は、人間の多くの機能の一部を効果的に切り出して作られている。企業は従業員である人間にその機能の全てを求めているのではない。求められているのは人間の機能のうちのほんの一部だけなのである。にもかかわらず、知識だけを切り取ることが不可欠であるため、大半のいらない部分を含めた人間関係が企業内の仕事の場に巻き込まれることになる。これが実はストレスなのである。
 仕事仲間が親友であっても全人格を好きになることはできない。好きな女性でも、嫌なところは必ずある。嫌なところがあるからこそもっと好きになれる、などともいうが、やはり嫌なものは嫌である。これらは全て人間と知識は切り離すことができないという考えから発生しているのである。将来は関係が個人を求め、個人を解体し、人間支援ソフトを作り出していく時代がくると予想される。このように考えれば、人間支援ソフトのインターネットでの急増は「個人が関係によって解体されていく過程」において拡大したとも考えられる 。これは人間という種の未来における宿命なのか、進化なのか、ロボット経済哲学で問われなければならない。これは我々が「2001年宇宙への旅」でキューブリックから課せられた未来、それから問われ続けている何かなのかもしれない。
 ロボット経済が未来に到来するとして、その経済の中で、人間における知識の切り離しが上手くいくかどうかが、実は人間社会、サイバー社会の進歩、ロボット経済の構築に大きく関わっているのである。ロボット経済の哲学はここから模索されねばならない。
 例えば、セザンヌの絵があったとする。そこに、セザンヌは嫌いだけどその絵は好きだという人がいたとすると、その人は「絵」という「知識を外部化した存在」だけに目を向ければ良い。「絵」を知識の外部化した存在であるとすると、それはセザンヌの分身であり、セザンヌが社会で果たす芸術的貢献を代わりに支援する存在であるということになる。そして、その分身はセザンヌに代わって「人間支援機能」を果たす存在となる。「絵」でもソフトでも同様であると考えるとロボット経済の未来イメージは理解しやすい。
 将来は関係が個人を求め、個人を解体し、人間支援ソフトを作り出していく時代がくると予想される。そのための哲学、それがロボット経済学の模索の一里塚である。

日本における経営学形成への試論(2)

4 新表現主義の経営学の熱狂的受容
 1980年代以降の経営理論は様々な表現と価値観が特徴で、新表現主義(Neo-expressionism)とでも呼べそうで、「奔放な理論」により米国から輸入学問を現場の理解で修正しようとした70年代以前経営学と明らかな断絶がある。理論は、大胆な仮説と具体的なイメージが特徴である。
 新表現主義は、1970年代後半から1980年代中ごろまで経営者、経営学者、経営教育団体、経営教育者を支配した新経営教育の様式である。知識創造、価値創造を協調する新教育である。それまでの欧米型翻訳経営学(誤訳の再解釈議論も含めて極めて難解で、日本にも合わなかった)の難解さにうんざりしていた経営者、経営団体に熱狂的に受け入れられた。

5 企業教育の大衆化とグローバル化
 日本の教育型は一般にドイツなど欧州を基礎にし、それに第2次世界大戦後の米国の占領の影響で米国型が加わったと理解されている 。第2次世界大戦後は、教育機関の最初の顧客は政府、地方自治体であり、占領軍としての米国であった。したがって、顧客志向の教育は、公的機関との間の組織間関係の中で作られた。
 第1期は戦後の復興期、初期高度成長期である。行政指導型教育であり、この勝者が東京大学を頂点とする国立大学であり、三菱重工業、東芝、日立製作所、日産自動車、鹿島建設といった企業群へ人材を供給した。この時期、経営教育は少数精鋭に対するオーダーメード教育を求めていた。それに応えるのは欧米からの教科書の輸入と現場理解によるオーダーメードによる修正であった。
 第2期は1960年代以降で後期成長期から安定成長期である。企業教育の大衆化の潮流と連動していた。教育はより合理的でコストの安い、レディメードの登場を待望していたのである。消費者を顧客と考える企業が顧客となり、教育機関はその組織間関係の機能として人材を供給した。これらの企業は販売網、部品供給企業群の系列組織を形成し、消費者と企業との組織間関係が形成され、私立大学を中心にこの組織間関係に組み入れられた。 
 顧客志向の従業員が日本企業では正当性を持っている 。顧客への貢献は1社のみでは限定された貢献となるため、組織間関係にその企業統治は及ぶことになり、トヨタ自動車のなどでは数百社から数万社を超える企業がその組織間関係の対象となり、教育機関もその組織間関係に組み入れられることで合理性を持たざるを得ない。松下電器産業のパナショップといった販売網、トヨタ自動車のディーラー網、系列への大量人材供給機能を果たしたのが大都市の私立大学である。この時期、都市部の私立大学は都市部へ地方から人材を移動させ、工場の地方移転という形で資本を都市から地方へ移動させた。これは教育の大衆化と呼ばれ、経営教育は大量生産の時代を迎えた。
 日本では、終身雇用、年功序列、企業別組合等の日本型経営への人材供給を前提に、教育者の利益を中心に考えた長期志向の大学統治が行われた。
 この日本型大学は、1990年代以降の不況とグローバル競争の中での日本企業の変質と連動し変質し、改正商法による株主主権中心の米国型企業への日本企業の転換に合わせ教育が修正されつつある。また2009年金融危機により日本企業では再度、顧客志向ものづくり型への日本企業の揺り戻し的転換が起こっている。度重なる供給先である日本企業の変化は、組織間関係を形成している大学に企業の変化と連動することを要求する 。
 また日本企業は現在世界を中心に海外戦略を行っており、その帰結として顧客の概念は徐々に変化しつつある。この顧客の概念の変化が、教育機関の組織と組織間関係を変革させる。このように日本企業とその組織間関係を顧客志向と規定し、次に顧客の概念の変遷が、日本型企業統治の変遷であると考えれば教育改革はその枠の中で連動されなければならない。

6 現代の経営学と大胆さ
 現代の経営学は、大胆な仮説を実証データで検証、単純化された用語の使用、対比的用語の多用など、技法的には思想史における抽象表現主義の影響も受けており、哲学分野などの隣接領域の人材を思想的媒介とし、教育団体にとって操作性の良い人材が主導者として選択され、若いシンボル的人材を定期的にデビューさせる。
 経営教育団体のマーケティングとプロモーションによってこのブームとも呼べる現代経営学、経営教育が、大量生産のテキストとして創造される時代になった。その結果、経営教育団体主導の経営学の登場となり、現代経営学は方向を見失いがちである。現代経営学の方向喪失、経営教育制度の見直しの中、経営教育は、どういう方向をとるべきなのかというのが課題となっている。特に日本企業の多くは隔離された経営文化のなかにあり、経営学におけるポストモダンとは、嫌悪すべき伝統が力を失った開放的な状況のようにみる傾向がある 。

3年生 個別指導が一番だね(^^)。10月21日木曜日午前中

3年生

先週の「宿題?」進めていますか? 中川ゼミ長フォロー、特に約3名のマンツーマンディフェンスお願い!!

現実的には、就職、大学院進学、後継者など、人生の分岐点に直面している(そう感じていない人も・・・(^^;)?)

10月21日木曜日、午前中研究室まで来てくれないかな?

将来の大事!なので、おそらく個人事情が相当ある場合もある
「おばあちゃんが富山の企業でないと絶対だめ、結婚相手は・・・とうるさいとか?」
とも感じているので、他の人が同席しないほうがいいと思う。

時間がかち合うとまずいので、希望者はseikeakit@ezweb.co.jpまでメールしてくれる

このような個人面談は今後も行うけど、できれば早いうちがいいので今回できるだけ来てください。

中川ゼミ長、就職活動中は、3年生はゼミは例年停滞状態になる。
フォローしてくれる。

大学院生・研究生・4年生、 10月21日木曜日3限 214演習室で論文とパワーポイントの作り方指導をします。

10月21日木曜日3限 214演習室

大学院生・研究生と4年生は集合。

出席できない人は大学院生・研究生はそうゼミ長に、4年生は加納総ゼミ長に連絡してください。
個別指導?を考えます。

①論文の書き方を、昨年院生で最優秀賞をとったゼミの先輩李さん(オムロンに就職)を手本に行います。

②パワーポイントの発表はどのようにするか、それを論文にしていくにはどうするかパワーポイント発表はどのようにするかも指導します。

そうくんパワーポイントの用意をしてくれますか。

院生の張さん、その最後にパワーポイントで報告しよう。

2010年10月16日土曜日

2年生 富士通を徹底的に勉強する(^^)ゼミ長豊本君


富士通はA研究所主席、K部長が講義?していただく(このお二人はとにかく凄い!!!Tだよ!でも楽しい方々です。愉快に鍛えていただけます(^^))
若いのだから気合いで!気合いで!絶対負けないように。

見学した際、全員質問できるように!!!!!
(東京へ行くのだから無駄遣いはしばらく我慢!)

富士通について次回までに全員予習してくること
(今日の日経新聞の12面に「富士通山本正巳社長の米国でのスマートグリッド参戦」表明の記事があるよ!社会面「インターンシップ短期化ため息」にも富士通の記事あり!)。

予習の方法は
①インターネット上で「富士通 論文」で検索するグループ
②3階の資料室で「富士通」の論文、専門雑誌、特に日経ビジネス、日経・・・といった雑誌を調べてくるグループ
③アマゾン他で富士通に関する一般書を調べて、図書館へいくグループ
④日本経済新聞社最近3年間の富士通の記事を調べる?資料室、図書館?

どれが一番楽かな(^^)それが直感的に分かるようになるのも勉強の成果(^q^)

ゼミ長、副ゼミ長2名+1名を4リーダーにして「勉強グループ分け」ができるかな?10人の割り振りはゼミ長に任せる。

調べた成果をパワーポイントで次回発表する(^^)。
次回は時間が無いので?
枚数はゼミ長に一任。1枚でもOKだよ。
携帯で撮影してパワーポイントで映す!とか「楽をするアイデア」も工夫して

これは将来の卒論の基礎づくりとなるよ。

2010年10月15日金曜日

現在の中国は日本の1970年代 田中角栄元首相研究の重要性と未来的アジア的意味


 本研究は、首相のシンクタンクとブレーン組織と江戸期以降の日本海側地域の前史を視野に入れながら、また最近の小泉内閣以降の地域切捨てといわれた歴史も念頭に置きながら、田中が総理をめざす過程で組織された東京と日本海側のブレーングループ(政治家・官僚・大企業・地方経営者など)についてオーラルヒストリー作りを試みる。
 この研究は中国が現在行っている中国改造計画ともいうべき、工場地方移転、全土新幹線計画・・・の未来予測の資料ともなうものである。何度も触れているが、インド、インドネシアは日本の1960年代高度成長、中国は1970年代安定成長、韓国は1980年代先進国化、欧米は1990年代バブル後政策に学んでいる。そして日本の史的資料、史的研究は各国の未来予測である。
 日本海地域は田中角栄政権と補佐集団の地域振興政策によって大きく変化した。この研究は地域産業振興・技術史と近現代史の3視点で存命者と後継者からオーラルを行うものである。日本海地域は戦後の脱アジア産業政策・技術導入と企業行動で大きく没落し、かつて田中政権の登場によって注目され、また現在アジアの興隆によって再び注目されようとしている。田中の東京のブレーンと日本海側資本と経営者群が連携し如何なる政策、経営を打ち出したか、また政策提言を実現のためにどのような制度、手段を考え、その中で何が達成され、何が達成できなかったかを具体的に検証し、新しい地域振興モデルを構築する。内閣総理大臣のリーダーシップと貧困地域振興の構造の問題点を歴史的に実証的に明らかにし、世界の新興国の都市農村格差解決の史料とする。
 首相は、戦前において国策研究会、昭和研究会といった民間シンクタンク、企画院といった内閣直属の官民連携組織を活用した。また戦後は、吉田茂以降、池田隼人の高度成長企画グループ、佐藤栄作のSオペと呼ばれたグループは著名であり、日本の経済成長を企画したといわれているが、必ずしもその構造と機能の全体像が開明されてはいない。その後継の田中角栄首相は列島改造計画を作成したグループを組織したがその記録と解明は不十分で、特に連携した越後交通などの日本海側資本・技術と経営者群の実態は記録が乏しく、存命者も年々減っている。
 田中政権の日本海地域振興がそれ以降の大平・中曽根政権でどのようになったか、第二次臨調以降の様々な試みとも対比しながら、その特徴を技術史・日本海視点で捉える。

2010年10月14日木曜日

宿題 院生 学部生

富山大学健康看板研究会の研究活動中

富山県新世紀、富山市ファミリーパークの委員の方と研究打ち合わせ中、熱心でしょう(^^)。

2年生 富士通、YKKを見学する際の目的について調べてくること ゼミ長、副ゼミ長、副ゼミ長頑張れ
清家の宿題 富士通とYKKに明日お願いする。
 経営学の検証方法は①アンケート、②インタビュー、③見学調査、④文献調査など


3年生 2週間後までに 就職先について特に3名頑張って徹底的に調べてくること。先輩は公務、企業どこでも沢山いるので招待講演を大学でしてもらおう。 ゼミ長中心に人選しよう。 自分を育てる大人と出会おう。

4年生 2週間以内にパワーポイント20枚まで増やそう(^^) 卒論での先行研究、仮説検証用の専門書、論文を3つ以上読むこと。キーワードを10程度決めて、3階資料室で検索。大学教授の書いた、注、参考文献の多いものから選ぶのがベストかな。

大学院生 パワーポイント30枚できた?
研究生  とにかく毎日日経経済教室を読んで、300字に要約すること

2010年10月13日水曜日

法政大学経済学部永岡文庸ゼミを総ゼミ長、ゼミ長は注目法政大学のホームページ


法政大学経済学部永岡文庸ゼミを大学院そう君、総ゼミ長加納君、3年ゼミ長中川君、2年ゼミ長豊本君と副ゼミ長、ちょっと注目してみて

活動、参考にしよう(^^)!!

2010年10月11日月曜日

世界有数の貿易ルート「日本海通過航路」と国交省港湾投資 シャッター通りにあるお店が東京港、横浜港、名古屋港、大阪港、神戸港?


太平洋岸貿易ルートは猫の子もいない寂しい「シャッター通り」?
人影もないシャッター通りにあるお店が東京港、横浜港、名古屋港、大阪港、神戸港?

清家彰敏・清剛治「社会資本の老朽化・陳腐化とグローバル政策 - 太平洋側工業立地時代の終焉 -」研究・技術計画学会全国大会報告(亜細亜大学)2010年10月10日参照

米中・米韓貿易において日本海通過航路は10%近い日数と燃費の削減をもたらす(以前のブログ参照)。
中国の最大の輸出国は米国あこがれの「アメリカ」である。地球は丸いから、中国、韓国からアメリカに行くには対馬海峡を通って津軽海峡を抜けてアメリカに行くのが最短距離なのである。

したがって  
日本海は世界有数の貿易ルートになりつつある。

また温暖化にともなって北極航路が開設されると、コンテナ船は砕氷船に先導され北極海、ベーリング海、日本海を通り、3 分の1の日数、燃費で欧中韓を結ぶ。日本海通過航路はさらに拡大し、将来世界最大の貿易ルートになる可能性がある。

さてアメリカ、中国、韓国は貿易大国である。2009年貿易額(単位は億ドル、1ドル85円計算)

(財務省「国際収支統計」、JETROより)

日本はGDPの割には貿易額は小さい。
それなのに

日本の太平洋岸を通るコンテナ船は日本向けだけになりつつある(太平洋岸貿易ルートは猫の子もいない寂しい「シャッター通り」になりつつある?)。
その人影もないシャッター通りにあるお店が東京港、横浜港、名古屋港、大阪港、神戸港とも考えられる。

将来を考えると
韓国は貿易依存度が強く今後とも積極的に貿易振興を行い、日本海通過航路はどんどん活用される。また中韓の輸出先としてのあこがれのアメリカはまだまだ輸入が増える可能性もある。



(輸出依存度=財の輸出額÷名目GDP、輸入依存度=財の輸入額÷名目GDP、輸出入は財のみサービスの輸出入は含まれない。内閣府「国民経済計算」、財務省「国際収支統計」、JETROより)

さて、どうしょう?
お客(コンテナ船)が通る銀座大通りになった「日本海通過航路」は大きなお店は博多港しかない。

お客は素通り、裏通りの「太平洋側シャッター通り」にお店があるので、「そちらに行ってください、昔は栄えてましたよ」と言われてもお客(コンテナ船)も困るよね。

どうすればいいか?考えてください。

2010年10月10日日曜日

大学院生修論PPT30枚発表、4年生卒論ppt10枚発表

修士論文は、大学院生は中間発表11月末提出、ここでほぼ9割できていないと留年の可能性が高い。

卒論は、4年生は今週木曜日3限目ppt10枚発表。

テーマ
キーワード
問題意識
先行研究
研究課題規定
文献研究
仮説
参考文献

までを4年生はppt10枚で発表すること。

修士論文は
問題意識
先行研究
研究課題規定
文献研究
仮説
検証
参考文献

までを今月末までにPPT30枚で報告する。

2010年10月5日火曜日

日本における経営学形成への試論(1)

1 構造主義とポスト構造主義
 経営学における構造主義的志向は、経営において何らかの形で構造を重視する立場である。研究対象を構成要素に分解して、その要素間の関係を整理統合することでその対象を理解しようとする点に特徴がある 。構造主義では、デカルトの哲学に象徴されるように、哲学、論理学、数学においては、すべてのものは部品に分解され、部品の合計が全体である。したがって、経営においても正確に表現するためには、要素に分解され、全体が理解、創造された 。
 哲学、論理学、数学に求められた厳密さで、言語が再設計され、正確な構造が発明され、言語が科学化する。次に経営においてもより厳密な分析、再設計が行われ、構造主義で組み替えられていった。それが経営における構造主義である。
 それに対して、ポスト構造主義、ポストモダンとは、あらゆる諸要素を複雑に重ね合わせ、過去の諸経営思想及び、諸企業事例等から引用することによって構成される。ポストモダンの特徴としては、一つの強力な原理なるものによる支配というものが存在しない。それ故、折衷主義的傾向、様々な諸要素を寄せ集めることによって成立している。ポストモダンは、画一的及び均質化ではなく、差異を主張することによって登場した 。差異を強調するとき、多様性は曖昧さを生み、正確な表現は困難になる。

2 ポスト構造主義経営学とメタファーの多用
 ポスト構造主義、ポストモダンでは、どうしても分析的、正確に表現できない感情、意思、暗黙知等を伝える手段が必要なる。メタファーとは、例えのことで、あるカテゴリーに属することを、類似性を有する別のカテゴリーで表現することを示している 。
 メタファーは形式が創造されるまでの混沌とした状況で多く使用されるという特徴を持っている。経営理論が創造される場においても、初期の理論はメタファーが多用される傾向が見られる。この点でメタファーと形式は、経営理論の創造、評価、観察において重要な意味を持っている。
 経営現場、経営教育現場をイメージ、メタファー(隠喩)とシンボル(象徴)で観察をすることができる。ある体系から逸脱する方向性(メタファー)と根源的なものへと凝縮する方向(シンボル)が企業事例、教育事例の表現の基本的な構造である。教育現場は両者が調和的であるか、対立的に共存するかで観察することが出来る。

3 日本企業では教育は欧米より意味が大きい
 日本企業の経営者の理想は、全従業員が自律的活動で自らの職務を改善し、進化を続け企業が絶え間なく成長していくモデルである。トヨタ自動車の工場では「自働化 」と呼ばれる。従業員は経営者がいなくても経営者の意を挺して働き、向上し続けることが理想である。経営者の理念=DNAがなくなってもまったく影響されず進化しつづける組織である。トヨタ自動車に最初のDNAを植えつけたのは、豊田喜一郎元社長、次のDNAは石田退三元社長、大野耐一元副社長、それ以降は変化が基本的に無い。その3名以外は大きな変更を加えていないともいわれている。経営者が居なくても、まったく全従業員の行動が変化することはなく、進化しつづける。この間のメカニズムは同質的な知的傾向を持つ従業員の連続的な再生産である。
 欧米の企業、中国の企業は経営者が重大な意思決定を繰り返し、企業は危機を乗り越えていく(清家・馬,2005)。経営者は意思決定、従業員は行動である。日本では、経営者が顧客の代理人となり、意思決定と行動を行う。そして、この意思決定と行動を組織で共有する。組織の構成員にその意思決定と行動を委譲し、自分がやる以上に意思決定と行動の水準を向上させて、経営者が居なくてもできる組織にする。これが日本企業の現場の特徴である。

2010年10月3日日曜日

今年は法政と合同ゼミ?清家のお友達:法政大学某ゼミです。総ゼミ長ゼミ長参考にして

ゼミナール

ゼミの活動内容
○ 2年生は購読とチームによる事例発表(夏合宿)。
○ 3年生は日経ビジネス誌を題材に事例研究&ディベート(2年と合同)。 
○ 4年生は卒論(全員)制作と事例研究&ディベートの参加。
○ 主要イベントは2つ。学会主催の研究報告会と全国の大学のゼミが競うインナーゼミ大会への参加。
○ ゼミ合宿は春休みと例年9月中旬で2泊3日の夏の2回。

最重要の学習の場
 当ゼミは、ゼミ長と副ゼミ長、幹事長など学生による自主運営が特色です。経営学の基礎的な勉強を初年度前期に。自らテーマを選び資料集めや現場調査そして成果を発表する研究が主体。そのゴールは4年時の卒業論文作成です。
3年間という時間を活用し、個性がぶつかり合う集団学習で、自らを成長させる意欲と持続力のある学生を歓迎します。

論説に惑わされるな数字で語ろう(2) イチローより松井のほうが上位!?

イチローと松井を比べてみると

イチローはやはり一番打者だから、監督は塁に出てほしい。

イチローの米国時間10月1日現在 出塁率? 160試合670打数211安打48四死球打率.315 出塁率.360
松井秀喜                 144試合479打数130安打68四死球打率.271 出塁率.362

なんと松井が上!!??

このような意外性のある数字も清家ゼミ生卒業論文でどんどん探そう!

ビジネスプロセスの下流オーバーフローの意味 メール仕事依頼の劇的?弊害


 「メールでの仕事依頼(発注)が急増しています。会わないから気楽に仕事を頼めるからです。従って従来は1時間かけた応答を10分で返さないと処理できない」と東京海上火災日動のK君が昨日言っていた。

これは最高のニュースです。

 明らかにメール仕事依頼発注(ビジネスプロセスの下流)はオーバーフローとなっている。これはメール仕事依頼の劇的?弊害である。ビジネスプロセス上流・中流にどのような影響を与えているか?

ここから新しい組織モデル研究への「緊急要請」が生まれる。

 なぜ「緊急要請」か分かるかな、清家ゼミ生!!

現在、経営組織論は、

組織・組織間関係の「構造」研究より
組織が顧客に対してどのような「プロセス」(ビジネスプロセス)を創出できるか、
が企業の成功失敗の鍵となった。

したがって、

プロセス研究

が焦点になっている、

それが理由だね。

正解した人?

ゼミ長は当然正解だよね(^^)。

さて

パラドクスだけど

プロセス(手順)が研究される時ほど、本当は「構造」について深く考えていないといけないんだ。

加納総ゼミ長、君は()の幹部候補生なんだから、特にこのような公的組織ほどそのことが重要。

理由は入?後、すぐ分かる。?で終わるか、?までいけるかの分かれ目かな(^^)。

世界における組織研究でも「プロセスの意図を的確に構造に落せる?」表記手法はまだない。
実はこの分野での実践事例(成功事例)は日本が一番多い。

イエローハットの創業者鍵山相談役はその筆頭のひとり
(北陸イエローハットの松原社長後輩のゼミ生にその真髄を教えてあげてください)

日本型顧客満足経営の神髄はプロセスにある。組織研究頑張ろう(^お^)

今週木曜日4限院生ゼミ生基礎ゼミ視聴覚教室全員集合だよ

2010年10月2日土曜日

【平成23年度 グローバルスピード経営研究会のご案内(清家)】

日本企業は、グローバル競争においてスピードで劣ると言われております。特に新製品開発、顧客にとどけるスピード、不採算事業から撤退するスピードを求められています。1980年代日本の自動車産業は欧米の2倍以上のスピードで車種開発、生産を行い、世界企業を凌駕しました。4倍のスピード開発は4倍の製品投入を可能とします。若手リーダー、技術者は4倍のプロジェクトを経験、成長できます。新興国は今後急成長し10億戸以上の住宅建設が予測され、新幹線、高速道路、スマートグリッド、水ビジネス、原子炉、環境への膨大な投資が行われます。しかし、スピードが遅いとビジネスチャンスを逸します。
 この研究会では、製品開発・生産のスピードは「早い・速い・疾い」の3種があり、①情報通信②トヨタ生産方式などの経営手法③プラットフォーム構築などにより加速を試みます。この研究会は、新成長戦略の理論と実践をつなげる場として、参加企業と講師との間で「4倍速経営への挑戦」について討議をし、一歩進んで「スピード情報システム」研究開発にまで繋がることを考えたいと思います。そのために、国内外の企業の実務家と第一線の大学研究者・コンサルタントを提言者として迎え、提言者と参加会員による徹底した質疑・討議を進めます。さらに参加企業の課題発見・解決に役立つことを目的として、コーディネータによる総括的なコメントを提供いたします。異色の最先端優秀企業の参加など、グローバルスピード経営のための「多角的な人的ネットワークの構築と活用」を大きな目標としております。
この度、新たな研究会を立ち上げます機会に、広くご案内をさせていただきます。積極的なご参加をお待ちいたしております。

2010年10月1日金曜日

スピード経営とリーダー・技術者育成

スピード経営については大きなテーマとして7,8,9月取り上げてきた。

整理すると
日本企業が世界と競争するには4倍速以上が必要
1980年代の日本自動車産業の優位は2倍速以上スピード開発・生産であった(今は追いつかれた?)。
スピードが4倍以上速いと一つの組織で4倍以上の事業・製品が開発できる。
ソフトウェア開発で新日本型グローバルスピード経営を実現しよう。

であった。

ここでもう一つ

スピード経営の効果がある。

リーダー、技術者はプロジェクトを何度経験したか、修羅場をくぐったかで成長する。

例えばトンネル技術者などは生涯に2つか3つしか体験できない。

スピードが4倍になれば4倍のプロジェクトを経験できる。

日本企業が世界よりスピードが4倍遅いということは

4分の1の数のプロジェクトしかリーダーと技術者は経験できないことになる。

経験で成長するとしたら20年もたてば大きな差になる。

できれば6倍速くらいにして、今の6倍の経験を若いリーダー、技術者にやらせよう(^^)。

高齢者の夢を子供たちに伝える未来組織(4) デジタルテレビとおじおばレス組織


2011年デジタルテレビに日本中が買い替え。

高齢者はテレビを観る。大画面テレビが好まれる。
そしてこの大画面テレビはインターネットパソコン・カメラ装着テレビ会議装置でもある。

このテレビを通して、高齢者は孫ひ孫とバーチャルに繋がり、また世界と繋がることができる。

孫がスマートフォンから送ってくる画像、立体画像を介して一緒にショッピング、バーチャル観光旅行ができる。

大画面テレビを観て一緒に遊んでいるうちに、

高齢者は孫ひ孫と近所のイベント会場、国内旅行、海外旅行へ行きたくなる。
そのために健康にならなくてはと運動を始める。
ひ孫との会話に困らないようにと新聞も広く読み始める。

とにかくバーチャル3世代同居の時代の幕開け

おじいちゃんビジネス=孫ひ孫ビジネス

さて、このバーチャル3世代同居で昔の家族モデルがさいげんできたのでしょうか?

残念、できていない。

それはなにが欠けているのか。

一番重要で皆がつい忘れるのは、何か

それはおじさん、おばさんである。

日本は二人っ子、中国は一人っ子

その結果、日本と中国でおじさん、おばさんが激減した「おじおばレス社会」という人類が経験したことのない時代が到来しているのである。

このおじさんおばさんの意味を考えてください。

かつては家族と社会の中間に親戚(おじおば)という中間組織が広く存在していた。

その機能は何だったのだろう?これは非常に重要だったのでは?

組織論的には、家族の内部組織は外部の親戚(おじおば)という組織間関係と環境である社会との3層構造が存在していた。

この組織間関係は長期的関係により取引コストが低い?(交際費?)関係であり、家族組織が直接社会環境変化にさらされ、変質することを防いでいたとも考えられる。

この親戚という組織間関係の層が薄くなる、中国などでは無くなる?とき
守っていた防壁(組織間関係)が崩れ
家族は大きく変質するとも予測される。
崩壊さえありうる?

これをデジタルテレビ+スマートフォン
+ロボット・ネットロボット(ロボットについては8月9月論じました)
が解決できるだろうか。

2010年9月30日木曜日

来週は10月6日(水)、7日(木)は確実に富山大学に居ます(^^)

水曜日は午後が清家がいる確率が大きい。
木曜日は終日いる予定。探してね。昼以降は大学院、ゼミで居るけど電話は出ないかな。

清家とかけて北方領土ととく、
その心は、

帰るかえるといって、いっこうに(大学に?)帰ってこない。

ツチノコよりは発見しやすいとの・・・

高齢者の夢を子供たちに伝える未来組織(3) 金融の役割

金融とは何か、

1.金融とは高齢者から孫ひ孫へ投資する仕組みである。
2.金融とは豊かな働き者のばくち打ちが、貧しい働き者のばくち打ちへ投資する仕組みである。

社会で一番困り者、社会を滅ぼす者はだれでしょう?

①大金持ち
②貧乏人

どちらでしょうか?

どちらでもありません。

社会を滅ぼすのは③小金持ちです。

大金持ちは大いなる夢と男気(女気)とささやかな哲学とすけベー心で投資する。
貧乏人は失うものが無いから、必死に出口を探す。

小金持ちはお金を抱えて死ぬ?
今、日本中のシャッター通りのオーナー店主は皆小金持ち。
小金持ちの定義は「その地方が衰退して滅んだあと5年後まで彼らは生き延びる」である。

この小金持ちのお金をいかに孫ひ孫に投資するか?

高齢者の夢を子供たちに伝える未来組織(2) 地方の役割

地方は高齢化が進んでる。

未来組織は高齢者と孫ひ孫の2つをつなぐ仕組みである。

海外、都会に孫ひ孫、日本の地方に高齢者の構図なら。

地方リーダー県知事の役割は高齢者と孫ひ孫をつなぐ未来組織の構築者でなければならない。

そのためのスマートフォンのそふと開発?

やってるかな?

高齢者の夢を子供たちに伝える未来組織(1)


未来組織の条件

1.未来組織とは社会の明日を建設できる仕組み
2.高齢者は子供たちと遊んで健康になれる。
3.子供たちは「日本の未来をかつて建設した高齢者」の夢から学ぶ
4.高齢者と子供たちが遊ぶ場をつくるスマートフォン

イメージ バーチャル「孫といつも一緒」

かつては家にはおじいちゃん、おばあちゃんがいた。
その中で、今の高齢者たちは育って、1960年代以降の日本の高度成長期から1980年代ジャパンアズナンバーワンの礎となった。
今の子供たちは家庭に高齢者はいない。
欧米、中国へ幼い孫やひ孫をつれて親は海外勤務、おじいちゃん、おばあちゃんは日本でお留守番。孫にはお誕生日にスカイプで話したり、プレゼントを贈るだけ。
スマートフォンを使えば、孫と一緒におれる。孫、ひ孫と一緒に上海のデパートに、カルフールのスーパーにバーチャルご一緒買い物も出来る。

海外だって出来るのだから日本国内だってバーチャル一緒遊び、バーチャル同居が出来るはず。

高齢者が孫とバーチャルに一緒して、そこから未来の夢を一緒に創造共有して、やがて10年後、20年後に日本の未来をひらく。

このような未来作りの仕組みが「未来組織」かな。

2010年9月28日火曜日

シミュレーション型経営への要請

 従来の経営は製造業であれば、内部組織を中心に研究開発、生産技術、工場、製品販売のプロセスで顧客へのビジネスを行った。
 1990年代ソリューションビジネスが登場し、現在、経営は研究開発、生産技術、工場、製品販売、センシング(ソフト開発)、サービス、コンサルティング、金融、保険、顧客のプロセスを管理する必要がある。
 また将来的には、研究開発の前に、詳細な地図が登場する可能性がある。バイオにおいてはDNAを基礎にした人体地図上で病気、治療、予後が特定、予測される地図ビジネスが既に成立しようとしている。かつてのようにやみくもに病気に対症療法で向かっていくのではなく、人体地図上で今何が起こっているか、何をなそうとしているか、特定できるのである。これを地図戦略と規定すれば、地図戦略は人体地図と市場地図の2つで構成されると考えられる。
 またこの地図と対になるのがバーチャル人体とバーチャル市場とシミュレーションである。開発された製品は販売されるまでに仕様をバーチャル人体に打ち込んで治療効果、予後がシミュレーションで予測される。次にバーチャル市場でシミュレーションし販売成果を予測する。この2つのシミュレーションは連結され、バーチャル市場で成功した製品をリアルな市場で販売する。また多くの製品についてシュミレーションした中から最大売上、最大収益の製品を選択販売する。逆にある売上額を決めてその製品の開発仕様を決めるといった「逆算製品開発」も可能となる。
 この結果、経営は、地図戦略、研究開発、生産技術、工場、製品、センシング、サービス、コンサルティング、金融、保険、バーチャル市場、リアル市場販売、のプロセスになる。

日本型経営と企業教育革新(1) 世界との相違

 日米欧企業の経営の理念型は大きく異なる。その相違は経営教育においても大きな相違をもたらしている。
日米欧の企業の競争力は1990年代以降ソリューションビジネスとICTを共通とし、経営教育と教育工学投資の重点はここにある。現在、日米欧、韓国、中国、インド企業は中国、インド他、世界のあらゆる地域で対峙している。日本企業は欧米他の世界の企業と経営原理、企業教育原理で大きな相違をみせる。欧米他の企業は市場戦略、日本企業は組織間関係の管理が基礎となる。また欧米企業他は計画に、日本企業は実行過程に成否が依存する。ここで、欧米企業を代表的な事例と考え、日本企業との相違に注目して、欧米企業と日本企業における経営原理と企業教育について論じてみよう。
 例えば中国、インドでの欧米企業と日本企業の振る舞いはまったく異なっている。中国企業やインド企業は日本企業より欧米企業に行動原理が似ている場合が多い。欧米企業は戦略に基づき、欧米で教育、訓練を受けた中国、インド人に計画を作らせ、実行は現地人に行わせる。中国企業、インド企業はそのためか欧米企業以上に欧米企業的行動をとることさえある。
 中国、インドなどにおいて、日本企業では経営戦略は事実上限定された意味しかなく、コストが低い進出地域を決めるだけといった場合さえある。計画は実態が分からない日本人が現地中国人のアドバイスで作成し、しばしば誤算が相次ぎ訂正と言い訳に満ちていてあてにならない 。実行は、現地人が中心であるがこれには日本人がつききりになる。実は実行が日本型経営の鍵で成否を決めるものだからである。
 そのため、欧米企業と日本企業の経営教育はまったく異なるものとなる。欧米企業の教育はトップには戦略を、ミドルには計画を教育する必要がある。その教育の場は社外である。一般従業員への教育は熱心ではない。
 日本企業はトップに対しては教育を行わない 。トップになる年齢が60歳程度なので年齢をとっていて教育投資が無駄だという説もある。日本企業では計画がずさんで、ミドルは実行段階での達成能力を問われ、実行指揮と部下の指導ノウハウの教育が求められる。ミドルへの要請は、部下に対してずさんな計画でも必死に達成させ、現場に合わない設備でも工夫して最適化させうる指揮能力である(現場最適化能力)。教育の場は多くは社内で、仕事上で行われるOJTである。
 日本企業ではトップのリーダーシップは不足 、計画立案過程は重視されないため 、常にプロジェクトは失敗の危機にさらされる。この理由は日本型組織の編成原理に遡り、企業のトップだけでなく日本の政治家のリーダーシップの不足も同根と思われる(清家(1995))。
 曖昧さを先送りして合意を得ようとするなど明確な計画立案を妨げる困難な要因がある(清家(1995))。それでも失敗しないためには従業員の個人能力の高さと責任感が頼りである。戦略、戦術で負けても忠誠心を持った従業員の起死回生の戦闘で打ち倒せばよい。したがって、実行の担い手である一般従業員への教育は極めて盛んである。
 上記のような違いは、グローバルな場において、欧米と日本企業の競争で際立った違いを見せる。日本企業では、顧客問題解決、現場最適化が求められ、教育内容は顧客の変化と従業員の成長に合わせて連続的に変化する。計画という名のずさんな形式知、現場に無理解な設備がマニュアル(形式知)と共に現場に届いたときそれを最適化する現場最適化能力が問われる。この教育においては従業員の成長、進化、暗黙知の伝承が重要である。
 欧米は戦略、計画厳守により、従業員はマニュアル実行のみであり、教育内容は計画により断続的に更新される。計画がずさんであれば、現場の努力に関わらず失敗が起こる。
グローバル化を比較してみると、日本は隣接領域(同質地域)進出である。その理由は現地で獲得できる顧客と従業員が同質なため、市場リスク、教育コストが低下し、異質地域進出よりもコストが低くなるからである。これは一般従業員の教育コストが高いことが理由であり、従業員の同質性は教育コストダウンの重要な要因である 。日本企業の組織間関係における情報における非対称性の解消は情報の共有と分散の条件で日本企業の最大の強みといわれ、そのために同質化が求められ、従業員教育が行われる。
 欧米企業は一般従業員の教育コストが低い。したがって、従業員の同質性は進出の基準としてウエイトが低く、収益、利益を期待できる地域を世界中から探すことになる。
 欧米企業は断続的な教育内容(形式知)の更新であるので、それに対応した教育機器、ソフトの開発は容易である。また断続的教育内容は断続的職務記述の更新と連携しており、断続的であるがゆえに他社の模倣の対象となり、教育機器、ソフトのパッケージ化を促進し、開発投資の回収が容易となる。
 日本においては、教育内容の更新は連続的であり、模倣は中核部分のみとかメタレベルとなり、教育機器、ソフト開発はオーダーメード的または細分化されたセグメントが対象となり、投資効率が悪い。

2010年9月25日土曜日

中国は東に関心が薄い 本質的に日本に関心は薄い?

中国は伝統的に東より西に関心が強い。

 西は広い。
 行きつく先は欧州であり、チベット、新疆ウイグルと悩みはあるが、多くの国家、資源があり、未来の中国の成長を握るカスピ海周辺の大石油地帯などがあり、インド、中東、アフリカと夢とチャンスが広がる。中国のエリートは欧米に留学しているからか、彼らの感覚では欧州の向こうに米国はある?

 東は狭い。
 すぐ海であり、関心は儒教圏にとって異質の国?日本だけである。太平洋はまだ開発対象にならない。したがって、中国での話題はほとんど東ではなく西に関する話題である。

 東に米国があると考えている人は世界で少ない。日本と韓国など数えるくらい。大部分のアジアの人にとってあこがれの米国は欧州の西にある。

 中国での政府やエリートたちの会話に日本が出ることはほとんどない?そのような場を観るにつけ日本での「中国脅威論ははてな?杞憂では?」と感じるときがある。

2010年9月24日金曜日

グーグルの名誉会長の村上氏と30日お会いする。3年生何か聞きたいことある?

3年生は最先端メディア企業にアンケートを出す予定だよね。
29日までにお聞きしたことがあれば清家まで

論説に惑わされるな数字で語ろう(1)

2大政党、民主党、自由民主党・・・・との論説・・議論がある。

ここで数字

2大政党になると、大臣人材はどちらの政党ともに2分の1になる?

ということは、


現在の大臣の半分は

1党支配?だったかつての自由民主党内閣(55年体制)なら

大臣になれない人がなっている?


この

2分の1

という数字がどんな論説より重要ですね。

2010年9月23日木曜日

来週は28日29日30日富山大学にいる予定。29日は確実

大学院生
 修士論文!中間発表のときほぼ仕上がり状態(あと指摘で一部修正程度)でないと留年するよ(^^)
研究生
 今回大学院入試駄目?でも2月の試験のほうがチャンスは大きい?
4年生
 卒論、専門書3冊は夏休み読んだ?ポイントは問題意識を先行研究で研究課題に変える(研究の意味と先にやった人がいない)こと、仮説を立て専門書、論文か、事例、アンケートで検証すること!!
3年生
 就職面接の際、必ず聞かれる「学生時代何に夢中になりましたか?」に答えれますか?30分語れるかどうかがカギ!「夢中になったのはアルバイトです」は就職試験では駄目!
2年生
 夢中になったのは何?

経営教育と知識転写性

ホテルで

ちょっと気楽に、ショット!!

 経営教育では、知識をどの程度知識転写、特に教育支援ソフトと人間支援ソフトへ知識を転写できるかどうかについてその効率について考察してみよう。知識転写性の大小は教育スタイルを決めるとき重要である。知識転写性は2種類ある。
 第1は知識が物的な製品、ソフトへ転写される場合の効率である。物的な製品開発におけるデータベースや3次元CAD、ソフトにおけるオブジェクト指向言語はこの効率向上に貢献する 。第2は、物的な製品、ソフトが複写される場合の効率である。ソフトにおいてはデジタル技術によってこの第2の転写性はゼロに近くなった 。製品生産手段においては転写性の大小は大きい。プレスは知識転写性が高く、プレスという生産方式が選択されることは大量生産方式が成立するときの鍵となった。
 さて、経営教育工学における創造対象は、ソフト開発と知識創造の2つに分けることができる 。知識は知識そのものとして創造、転写される場合と、ソフトに付随して創造され、ソフトが量産されるときそのコードとして転写されるときの2つに分けることができる。なお知的財産権と集金システムの大きさはソフトの量産の際の現実的な転写性の悪化をもたらす。
 この知識転写性を改善する種々の工夫の体系が生産セットであり、教育支援ソフト、人間支援ソフトの生産セットについてもその整備が。生産セットの典型は工場である。工場はもっとも効率的に知識転写を、製品(モノ)に対して大量に行うための工夫で満ちている。この工夫が設備,工具の体系=生産セットであり、ローカルな熟練工による生産を凌駕、駆逐する 。
 21世紀において教育工学の競争力のある生産セットが地球上のどこかに登場すれば、この生産セットは世界の熟練工による生産セットを淘汰する。
 知識転写性は知識の内容によっても左右される。暗黙知は形式知より知識転写性は一般に小さい 。形式知化は知識転写性を大きくする。さらに、知識転写性を上げるためには、単純化、標準化される必要がある 。単純化されれば、知識量は減り、知識転写量が減り、知識転写効率が向上する。標準化は知識転写作業を標準化し、場所と時間の差がなくなる。世界中のどこで転写しても、過去でも未来でも転写が可能になり、知識転写性が改善される。
 経営教育工学においても常に世界のどこかから生産セットの挑戦があることを想定する必要がある。教育における知識移転性の向上の手段として現代経営学は選ばれた可能性がある。

「医食同源ビジネス創造」研究助成申請の骨子は


、―――富山の薬と北海道、新潟の食材から長崎の多様な料理、医食統合医療づくり

1.入口を「富山大学和漢データベース」などから、出口をクックパットなどの「料理+薬サイト」とする
2.医食同源ビジネス創造と医食支援ロボット(データーマイニング技術)開発
3.主体は、医薬食系研究科+MBAの日中産学官。
4.将来的には、管理栄養士・薬剤師・看護師・美容健康関係者のための大学院を東アジア大学院共同でつくる。

5.社会活性化貢献として「女性活用ビジネス」と「女性への大学院教育」の実施
6.日本海側大学院連合(北海道・新潟・富山・石川・島根・長崎)
7.日中でドラゴン桜世界標準を狙う。

2010年9月22日水曜日

後期ゼミは木曜日 10月7日(木)4限全員集合 視聴覚教室

清家ゼミ全員 清家が以下の講義をします。

対象
大学院生、研究生
4年生
3年生
2年生

講義内容
1.現在の経営組織論の動向と未来
2.研究手法 研究論文の書き方
3.仮説の立て方 検証の仕方(2年生は特に重要)
4.清家の現在の研究関心(卒論へと生かせるかは4年生次第)
5.清家研究室の人脈と企業とのつながり(就職へと生かせるかは3年生次第)
6.就職概況報告(4年生総ゼミ長 加納)

時間 14:45~16:15 

会場 視聴覚教室

大学院ゼミ長 そう君、司会進行をお願い 院生、研究生への連絡 
総ゼミ長   加納君、就職概況報告
3年ゼミ長  中川君、皆に指示して、
 2年生が214教室に集まると思うので彼らを視聴覚教室へ誘導してくれる。
 あと視聴覚教室の鍵を事務にもらって、パワーポイントが使えるようにしてくれる。


さて、前期の清家ゼミのハイライトはやはり

「未来を拓く富山の技術(技術100選の進化)」富山100選シンポジウム
日 時:平成22年年5月12日(水)13:00~18:00

写真は休憩中、富山市キャラクター里ノ助くんとライちゃんと踊る3年生ゼミ長中川くん以下

里ノ助くんの中に入っていた女の子は可愛い!と大評判でした(清家は見てない、残念)。

4年生、3年生、1年生他ゼミ生御苦労さまでした。

場 所:富山大学 黒田講堂
参加者:学生(240名)、一般企業参加者
13:00 委員長挨拶 富山大学経済学部 大学院MBA教授 清家 彰敏
13:05 挨拶 新世紀産業機構 理事長 石井隆一(代理:新世紀産業機構専務理事)
13:10 富山がグローバル化するには何が必要か・・・YKKの経験から
      富山大学経営協議会学外委員 元YKK副会長 北野 芳則
13:30 基調講演:富山市長 森 雅志 
(演題)『富山市の未来に向けた取組み』
14:10「富山の技術100選」の現況調査研究報告
 誰も知らない富山企業の内緒話
富山大学経済学部教授 清家 彰敏
15:00 休憩 アトラクション
15:15 「これまでの10年とこれからの10年 技術と経営の流れ」 
(座長:飴会長講演+パネルディスカッション)
       コーセル会長 飴 久晴         10分
トヨックス 代表取締役社長    宮村 正司 10分
㈱立山システム研究所取締役副社長 吉田 一雄 10分
セト電子工業㈱ 代表取締役社長  南雲 弘之 10分
○知財の立場から富山の技術を考える
宮田特許事務所 所長       宮田 信道 10分 
○富山の風土が生んだ技術者魂
富山大学地域共同研究センター副センター長 城石昭弘10分
16:15  休憩 アトラクション(富山市キャラクター里ノ助とライちゃん)
16:25 自由討論
17:05  富山の歴史を引き継ぐ新たな100選候補 
富山県新世紀産業機構 産学官連携コーディネーター 高井 道雄
17:20 「富山100選と私たちの富山未来宣言」 大学学生代表(清家ゼミ加納総ゼミ長かっこよかった) 
17:30  閉会挨拶 
富山大学地域連携推進機構・産学連携部門長(富山大学TLO・TOTLO)石黒 雅煕
18:15  懇親会(Cafe AZAMIにて)飲食あり
      
でした。 

富山100選は現在も進化中、

富山新100選を選ぶべくプロジェクトは進んでいます。

後期のゼミは木曜日中心が有力です。

清家です。

後期は
木曜日中心で、大学院そう君、総ゼミ長加納君、3年ゼミ長中川君、調整しましょうか?

やり方、宿題、要望などどんどんこのブログに書き込むので、

後期頑張ろう(^^)

2010年9月21日火曜日

日本に「未来型先進産業」を拓く必要がありますね。

それは、日本の世界的に競争力のある自動車、電機産業が魅力を感じ、集中投資する場が重要です。

例えば、日本の工業団地は地方分散しすぎた。規模の経済、範囲の経済が成立できない、収穫逓減になっている。
1.ロボット技術・太陽電池でインフラを作り、バングラデシュより低コストで生産できる最先端「ロボット団地」、を1か所政府の集中投資で造る。
2.そのロボット団地からメイドインジャパンで米国、中国へ製品・部品輸出を行う。
3.日本海側が中国米国貿易ルート(米中最短航路)だから当然日本海側立地となる。
4.ロボット団地は政策決定から投資回収まで3年以内に行わないと中国、米国の変化のスピードに間に合わない。

といった政策・・・・をどんどん提案すべきですね。

2010年9月20日月曜日

中国企業経営の3課題 日本の1970年代経営から何を学ぶか?

現在の中国企業は高度成長しか経験していない。また米国型経営以外に学んでいない。

中国の現在は日本の1970年代に相当する(以前論述しましたよね)。

 この時代、日本の経済成長は以前の高度成長期10%成長から低下、3%~5%成長になった

(現在韓国は30年間の10%高度成長期が終わり、3%~5%成長の時代になっている。中国も既に30年間10%成長が続いたことは以前論述しました)

1970年代から80年代にはトヨタ生産方式が日本中に急速に普及していった。量から質への転換期であった。

そこで

中国ではトヨタ生産方式の翻訳・解説本が溢れているが

1.トヨタ生産方式の戦略的導入
 トヨタ生産方式は管理会計の視点から見てなぜ社長が導入するのか?トップにとってのトヨタ生産方式とは何か。

2.トヨタ生産方式の誤解

3.トヨタ生産方式の導入条件

4.トヨタ生産方式は工場・現場から、世界戦略・国際物流へと拡大している。

以上4点についてもっと中国企業は勉強する必要がある。

 それを考慮すると

中国企業の3課題は

1.ブランド・技術開発・人材育成(日本型の技術・顧客志向のブランド創出)

2.グローバルジャスト・イン・タイム(戦略物流スピードアップ)

3.顧客満足型系列組織(オーダーメード子会社集団の創出、取引コスト最小)

となる。

グローバルスピード経営の歴史

グローバルスピード経営の歴史

 1980年代から2000年代の日本自動車産業、特にトヨタ自動車の圧倒的優位は欧米の数倍という開発・生産速度によってもたらされた。

オーバーラップと同時並行開発・生産である。

スピードの加速はボディローテーション(清家『日本型組織間関係のマネジメント』)が機能した。

この優位は欧米韓国の学習によって急速に縮小している。

現在日本企業は新たなるスピード経営を構築する必要がある。

中国にとって日本をオンリーワンにできない3つの理由

 中国にとって、交渉、取引などで「日本をオンリーワンにできない」3つの理由がある。

1.いつも相手を競争させる。

 これは欧米に対しても同じなのだが、欧米人は競争させられるのに慣れているが、日本人は慣れていない。日本人は特に競争を不愉快に感じ、子供みたいに交渉を投げ出すことさえある。

 中国のリーダーは海外、市場経済にいまだ不慣れとの意識がある場合がある。特に社会のリーダーである40代の人は、大学生まで配給制度で、国際情報が乏しい中で育った。

 自らの「市場・ビジネスへの不慣れは、相手を競争させることで解消できる」というのは、経営学原理では合理的である。

 日本は欧米と必ず競争させられている。また欧米との案件は失敗すると周囲も大変残念がることが多い。日本案件は失敗しても安心するときさえある。この点は後日論じましょう。 

 例えば「プラント・商品・部品・技術」取引を行うとしよう。リーダーは、日本を、欧米、韓国、台湾などと競争させ、各国の多面的な情報を獲得、比較し決定する。判断基準は、先端技術、環境安全、顧客志向、品質、納期、費用の6基準である。多くの場合日本案件は高い評価であるが、選ばれるとは限らない。

 3回に1回か5回に1回日本が選ばれる(その理由は分かりますか?)。

2.欧米案件は現在ディスカウント

 欧米は特に現在経済状況が悪い。「プラント・商品・部品・技術」取引、交渉でも?ディスカウント案件が多い。特に欧州は国家が多いこともあって競争させやすい。お買い得案件、交渉が溢れる。中国人リーダーが欧米はお買い得と考えるのは理にかなっている。

3.中国は国有企業の売り上げがGDPの半数を超える。

 中国では、国家を抜きにした交渉・案件は少ないとも考えられる。

 政治家、官僚は、国民の一人でも親族を日本人に殺された人がいる間は、日本案件は慎重にならざる得ない。リーダーの意思決定が「日本案件は触らぬ神にたたりなし」との行動パターンになることは合理性がある。

 清家は国有企業への経営指導をしてきた。その経験ではリーダーの中で日本留学経験者は少ない。話題は欧米のことばかりである。さらに日本人に親族を戦時に殺されている人が組織内のどこにいるか分からない。日本と一緒に事業を行おうとする中国の方々は、大変な御苦労ご配慮をされてきたようでお気の毒である。

 この3つの理由に立てば、今回の「某事件」が、「案件全面中止」を「日本を好きな中国人」が決定せざるをえなくなることを恐れる。

 日本を好きな中国人の方々を

苦しい立場に追い込まないように、

彼らの過去の努力を無にしないような

「解決」が行われることを期待したい。

2010年9月18日土曜日

中国の未来 日本1970年代のデータから

7月に解説しましたが(詳しくは7月のブログ参照)
中国は30年間10%成長した。
30年間以上10%成長した国はない?

7月に解説しましたが(詳しくは7月のブログ参照)
ここで1970年代以降の日本の名目GDPの成長率を当てはめると
中国は20年後2.6倍になる。

さて、日本はこの20年間に約為替が1ドル308円から2.5倍から3倍に切りあがった。

名目成長率が2.6倍になったが
その間為替もほぼ2.5倍から3倍になった。

日本の過去データを中国の未来にあてはめると
中国は為替の切り上げを2.5倍から3倍して、名目GDPが2.6倍になることになる。

さて、中国は為替の切り上げを行うと、周辺のインド、バングラデシュ、東南アジア各国に対して、急速に輸出競争力をなくすかもしれない。

さてどうなるのでしょうか?

2010年9月17日金曜日

ロボットと女性・高齢者・弱者の社会参加支援


 女性、高齢者、弱者の社会参加についてはロボットによる知的能力の増幅、補完、代替は極めて有効であり、筑波大学だけでなく、多くの産学官で歩行支援、筋力補助、増幅ロボットが開発されている。筋力補助以外に知的支援、補助、増幅などのロボット(ネットロボット)は有効であり、インターネット上で多くのロボットが開発されつつある。
 21世紀の課題は、女性、高齢者、弱者を筋肉、知力で支援するロボット、ネットロボットの進化を前提としたビジネスモデルが構想される必要がある。
 インターネットは現在ダイナミックに変化しつつある。次代のインターネットを変化させていくネットワーク原理について構想してみよう。インターネットの場で、各種ロボットの活動が盛んになっている。インターネットの場では多くのプログラム(ロボット)が人間以上の活躍をし、人間以上の活躍をするロボットは級数的に増加している。最も活躍しているのは、検索プログラムである。この活動はインターネットの全アクセス数の20%をはるかに超えると推測される。
 検索ビジネスを行っているグーグルの検索活動は人間から、ロボットへと転換しつつある。人間の代理人(エージェント)としてのロボットである。インターネット証券取引ビジネスでの金融工学を応用したロボットは間の抜けた人間以上に役立つ。他にも多くの種類の人間を代行するロボットが登場している。これらのロボットはビジネス活動を人間と共同で行っているのである。これらは高齢者・女性・弱者の社会参加も支援する有力なロボットである。
 インターネット上で人間を助けていて、高齢者、女性、弱者を支援または代行しているロボット(ネットロボット)としては以下がある。

1)銀行郵便局マンロボット
 「インターネットバンキング」がある(同上、大学院生アンケート)。ネット上で、銀行の運営ができる。銀行の窓口まで行かなくていい。ジャパンネット銀行http://www.japannetbank.co.jp/である。これは「銀行マン」エージェントプログラムである。

2)健康支援ロボット
「健康診断ロボット」はアンケート方式で選択項目をチェックすることでネット上で健康診断ができる。健康診断ロボットのパートナーとして、薬剤調合ロボットは、ネット上で症状に応じて薬剤を調合してくれるプログラムであり、医薬関係のロボット化は、法的問題が多いが将来性が大きいロボットである。

3)警察官ロボット
「迷惑サイト撲滅プログラム」は、刑法175条(わいせつ図画公然陳列)や違法音楽ソフト、ウィルス配信目的のサイトを見つけてサイバーポリスに警告をする「警察官」エージェントプログラムである。

4)秘書ロボット
「創造支援プログラム」は、計画、アイデアを考える際に支援をしてくれるプログラムである。キーワード入力を手がかりとして、その目的を抽出し、カテゴライズされたサイトを、順を追って紹介してゆくもので、話し相手の感覚で作業に取り組める。「秘書」エージェントプログラムである。

5)医者ロボット
「医療プログラム」は、プログラムの判断により治療、投薬を行う。人類がかつて経験した内で、最良の方法で治療できる。現段階では、ロボット医療機器の性能、遠隔操作などが実用レベルでない上に衛生、倫理上の問題があり実用化には至っていない。「医者」エージェントプログラムである。

6)お手伝いさんロボット
「ダウンロードプログラム」は、ダウンロードの時間帯指定や、つながらない時の連続試行、回線が切れても途中からダウンロードできる。「お手伝いさん」エージェントプログラムである。

7)奥様大喜びロボット
「奥様支援ソフト(奥様大喜び)」は、夕食の献立を考えてくれるソフト。カロリー、栄養価などを計算してくれるだけではなく、食材にかかる金額に関してその地方の平均額を計算してくれる。季節の料理の紹介や、前回の献立と、かち合わないようにする、といった配慮もある。「栄養士」エージェントプログラムである。

8)救助ロボット
「IAA(I Am Alive)」は、災害などの被災地の救護所の端末に、ワイヤレスでネットに接続し、生存者が名前、住所、などの個人情報とメッセージを登録するもので、インフラが寸断されていても安否の確認ができる。現在は試験段階であるが、「市役所の救助公務員」エージェントプログラムである。

9)アドバイスロボット
「デートプランニングソフト」は、ユーザーが住んでいる所を入力すると、周辺デートスポットを組み合わせて自動的にプランニングしてくれるというもの。それに伴い、そのデートスポットなどの豆知識も提供してくれるので話題にも事欠かない。「おせっかい先輩」エージェントプログラムである。

10)落札ロボット
 「落札ソフト」は、ネットオークションで、ユーザーが落札するために、上限を設定することで、その値段までの間で、自動的に落札してくれる。「バイヤー」エージェントプログラムである。

11)ウイルス保守ロボット
 「オンラインウィルス検知ソフト(トレンドマイクロ)」は、自分のパソコンにウィルスがついていないか調べることができる。ウィルスが見つかった場合、除去することができる。「保守員」エージェントプログラムである。

12)友達ロボット
 「人工知能」は、ユーザーの発言に対し、その言葉を理解し返事を返してくれる。言葉を覚えさせることもできる。「友達」エージェントプログラムである。

13)入力補助ロボット
 現在、インターネットで人間を補助することが期待されている待望のロボットが「音声入力プログラム」である。キーボードの打てない方や目の不自由な方、お年寄りには便利である。打つという作業を音声対応にプログラム化したものである。「盲導犬」エージェントプログラムである。

14)通訳ロボット
 「翻訳ソフト」は、現在の段階では、構文解析、意味解析が未発達なせいか、100%の意訳を求めるのは困難である。しかし、これは人間の手を介さない。「通訳」エージェントプログラムである。

15)郵便局員ロボット
 「圧縮、解凍ソフト」は、データをいったん圧縮し送受信の時間を短縮。解凍ソフトで元に戻す。「郵便局員」エージェントプログラムとでもいえよう。

16)警備員ロボット
 「暗号ソフト」は、さまざまな種類のファイルを、他人が見ても分からない状態にする。「警備員」エージェントプログラムである。

17)伝書鳩ロボット
 「電話の動画ソフト」は、パソコンにCCDとサウンドボートマイク端子をつけて、動画で通話ができる状態にする。「伝書鳩」エージェントプログラムである。

18)医療診断ロボット
 「健康維持管理モニタリングシステム」は、トイレにセンサーを付けて、尿の成分を分析。医療機関などのデータベースで調査する。「医者」エージェントプログラムである。

19)秘書ロボット
 「 自動ブックマークプログラム」は、ページごとに開いた回数が記録されていていき、回数の多い順にブックマークされていく。インターネットをやればやるほど自分流に検索できる。「秘書」エージェントプログラムである。「

20)図書館司書ロボット
 自然言語検索プログラム」は、あらゆることを自然言語(文章や話し言葉)で検索できるプログラム。対話形式で検索していく。「図書館司書」エージェントプログラムである。

 他にもいくらでも登場している。清家と一緒に名前をつけ分類しませんか(学会を作ってインターネットロボット分類辞典を発行するとか)。

 さて、ポータルサイトで販売を助けるロボット(プログラム)は販売能力でやがて人間を超えるかもしれない。人間の販売員は対応できる消費者の数で物理的に限界があるが、ロボットは無限の消費者を対象にできる。これらのロボットは人間と異なり、24時間働き、その能力は体調等で左右される事はなく安定している。また、衣食住を必要としないため人間に比較してコストは極めて低い。現在、インターネット仮想世界上のビジネス活動は、人間からロボットに置き換えられつつある。また、現実世界のビジネスも気づかないうちに急速にロボットに置き換えられていっている。
 また、消費者側もロボット(プログラム)によって助けられる。検索ロボットは知識生産活動の有力なプログラムであるが、消費活動の有力なプログラムでもある。20世紀インターネットショッピングは、検索ロボットなしには成立できなくなった。21世紀の現在、消費者の活動を支援し、初期の指示と最終消費以外はすべてプログラム(ネットロボット、ロボット)が代行できる。例えば、来年の誕生日のパーティーを南欧風に行うという指示をすれば、来年の誕生日(最終消費)までの間、ネットロボットでお膳立てできる。上記のプログラムは、高齢者、女性、弱者のみならず、多くの人を助け、代替し、ビジネスモデルを変化させていく。

 現在、日米の金融資産等の3分の2以上は65才以上の高齢者が保有している。ところが、彼らの消費は全体の3分の1に満たないといわれている。高齢者を経済活動に参加させることは、社会問題解決と経済問題解決の両方の意味が大きい。高齢者支援ロボット(プログラム)を開発できない国家、産業、企業はやがて、世界経済から脱落していくことになると思われる。

ロボット・ネットロボットと環境保護のビジネスモデル

 機械は人間の主に肉体的能力を増幅、補完し、さらには代替してきた。同様にプログラムは知的能力を増幅、補完、代替してきた。20世紀、人間による環境破壊を機械はとてつもなく拡大させた。それをプログラムは減少させる可能性がある。例えば、飛行機という機械は膨大な資源を消費し、環境を破壊するが、仮想旅行シミュレーションプログラムではエネルギー消費は極めて小さい。エネルギー消費は機械工学、電気工学、電子通信工学、情報工学の順に小さい。ネットワークとシミュレーションを使ったプログラムによる仮想現実は、現実より桁外れのエネルギー消費の減少を可能にする。ここで、第1のビジネスモデルが構想される。

 インターネット上で上記のエネルギー消費の低減につながるプログラムは以下である。

1)ホテルの「フロント係員」ロボット(エージェントプログラム)

 例えば、ホテルのフロントの係員みたいに、通信ツールプログラムで、インターネットでの相手がオンラインになっているかオフラインになっているかが分かり、オンラインの状態であれば、チャット、メール交換、ゲーム、ビジネス、ショッピング、教育などができる。

2)旅行代理店ツアーコンダクターロボット
 
 「ツアーコンダクター」ロボットはインターネット上でのパートナーとして同行してくれ、多くの状況で役に立つ。例えば、「Web・Site自動巡回プログラム」は、指定したサイトを勝手に巡回し、サイトごとダウンロードする。更新されたものは、そこだけ再びダウンロードする。オフラインでそれを見ることが目的である。

3)調査ロボット

 例えば「マーケティング調査プログラム」は、各種あるが、例えばワープロソフトにおいてインターネットを介し、利用状況を開発側に送信する。そしてヘルプの利用状況などから、ユーザーの不満をマーケティングデータとする。「市場調査員」ロボットである。

4)旅行代理店社員ロボット

 「経路探索プログラム」は無限に登場している。移動において、出発地と目的地を入力すると、最適と思われる経路を複数導き出す。その際、移動機関はもちろん、距離、料金、タイムテーブル他ユーザーが欲しがる情報を参照することができ、個別内容の保管利用など個人ごとの学習能力も備える。「旅行代理店の社員」を自分専用にできるロボットで今後も無数に登場、あらゆるビジネスのパートナーである。

5)キャラクター(動物)ロボット

 「競走馬」、「ペット」などのロボット(エージェントプログラム)である。例えば、「オンラインゲーム」で「DIABRO」というゲームが流行、今も世界で大ブームのオンラインゲームのキャラクターである。アクションRPGジャンルのゲームで、ネット上で自分の育てたキャラクターを、他人の育てたキャラクターと供に冒険をするものは世界を席巻している。

 上記の5つのロボット以外にもインターネット上では多くのロボットが登場している。5つ以外のロボットが今後インターネットでは無数に創造される。

是非、皆さん教えてください。清家と一緒に論文を書きましょう。

 上記のロボットはインターネット上の仮想世界でビジネス、ゲーム、アミューズメントなどで活躍し、現実世界の環境負荷を大幅に低減させる。例えば、一緒にプレイしているのに同じ場所にいなくていいだけでも世界の環境負荷は減少する。仮想旅行シミュレーションプログラムはネットワークとシミュレーションを使ったプログラムであるが、明らかに上記のロボットプログラムの進化の延長線上にあり、環境負荷は減る。

 今後、上記のインターネット上のロボットとその環境負荷低減の機能を前提にしない社会モデル、経済モデル、ビジネスモデルは環境破壊を解決する大きな手段の一つを失うことになる。

知識消費経済とロボット

中国中央電視台出演

日本のNHKに相当するのが中央電視台、数億人の視聴者、緊張

 現在の知識経済、知識創造経営、ナレッジマネジメントもそのテーマは知識の創造である。しかし、経済においては創造(生産)と並ぶ行為として消費がある。先進国家の経済においてはGDPの60%は消費が占めているといわれている。このように考えると知識経済においても知識の消費を問題にすることは知識の創造(生産)を問題にすると同様もしくはそれ以上に重要なことと考えられる。知識が創造されても消費されなければ、売れない知識の在庫が溜まるばかりである。現在は、知識を消費するビジネスが求められる。その一つを述べてみよう。

 インターネットの次に来るものは何かである。個人への働きかけである以上、人口の規模と市場規模の関係は断ち切れない。人口とは経済の基準原則である。経済=f(人口)である。例えば中国は人口が13億人、インドは12億人、インドネシアは・・・そして日本は1億2千万人程度である。人口が10倍ということは、市場規模は10倍にとどまらない。市場は人と人の間に成立する為、その規模は50倍にも100倍にも膨れ上がる。ネットワークの経済性である。これでは人口の数で日本は、中国、インドには勝てない。
 いかに巨大な市場を築いたとしても、人口には限度がある。世界中の人間を全て同一の市場に巻き込んだとしても、60億人の市場でしかない。人間の数ではない経済について考えてみよう。人間の代理をするハードをロボットとしよう。インターネット上のソフトはエージェントプログラムである。ロボットとエージェントプログラムは街や家庭、インターネット上で人間の代理をする。例えば、お宅のお子さんは、エージェントプログラムを相手にゲームをゲーム機でやっている。ところが2010年の現在、エージェントプログラムではなく人間と対戦するゲームも流行し、世界中を席巻している。メールが出来る程度の知識があれば十分楽しめるゲームでマニア向けではない。
 このように、人間とエージェントプログラムは代わりができるのである。このように、エージェントプログラムが無数に出てくれば、インターネット上はどうなるだろうか、これが21世紀いや22世紀である。

 ビジネスは、現在大きな転換を迫られている。厚生経済学の提言を待たなくても、外部経済の概念が経済の中心となりつつある。ビジネスはその社会的影響、地球環境を考えて、エネルギー消費の低減(環境保護)、高齢者、社会的弱者の積極的社会参加を前提とした企画を行わなければならない。そのためのプログラム開発への期待とそれを前提としたビジネスモデル、そして新しい経済学の構想が喫緊の課題である。
 ロボット(エージェントプログラム)は人類のバーチャルな移動を可能にすることにより、人間の空間的移動を減らし、環境問題におけるエネルギー消費削減効果がある。また、今後高齢者、肉体的、精神的障害者の社会復帰効果がある。
 本研究は、経済主体の定義や概念を人間以外に拡張する試みの一環である。「人間」と「ロボット=エージェントプログラム」を経済主体とし、ネットワークの経済を基本原理とするため、従来のエージェント理論と区別し、ロボット経済(エージェントネット経済)と呼ぶことができる。

本日は富山大学に居ます。夕方までかな。大学院受験生頑張れ

とにかく日経新聞を読みまくれ。
経済教室の内容は易しい。これが分からないと合格はおぼつかない。
頑張れ。

留学生は米国に留学した同級生がどのくらい必死に勉強しているかを思い起こして1日10時間勉強!!!

2010年9月16日木曜日

知財21世紀政策・戦略(2)

知財マップの概念の革命

 人工物の産業においては、地図はこれから作り上げるものであるから、知財戦略は現在から未来が決まる。現在をどのような体制にするかが、未来を決める。基本特許、基盤特許を押さえた企業連合の地図が、DVDの将来を決めるといった知財戦略となる。また、地図の作成者は、複数存在するのが通常であるから、世界はいくつかに分割され、その地図は正誤ではなく、利用者が異なるだけであり、利用者が減った地図は消滅する(自然物の産業は技術の成果を利用する産業であり、技術史の中で位置づけられる。また技術の開発と国家の形成・消滅の関係はトインビー等でも取り上げられてきた。国家の興亡の史観がこの人工物の産業における地図の概念の理解と知財戦略を構想する際に有効と考えられる)。
 さて、地図の重要さは、コンピュータの能力向上と相関している。コンピュータの能力が向上すると、シミュレーションで商品の競争力を発売以前に評価することが可能となる。地図の精度とコンピュータの能力、シミュレーションモデルで優位に立った国家、企業が、競争国家、企業を凌駕することになる。
知財戦略は、自然物の産業においては、地図の精度の向上と、その地図の中にどのくらい自国、自企業の独占排他的権利を書き込むかにかかっている。人工物の産業においては、地図は勝手に描ける存在であるから、1)その地図にどのくらい独占排他的領域を作図するか、2)競争国家、競争企業の地図が機能する場をいかに狭めるか、が知財戦略となる。
 さて、産業革命以前は人工物の産業は限定的で、19世紀までは、前出の人工物の産業の多くは存在しなかった。それに対して、自然物の産業は、その産業の内容は大きく変化したが、時代に関らず存在し続けてきた。20世紀は、数々の人工物の産業が創出、発展し、人工物の時代であったと規定できる(ただし、この時代の恩恵は20世紀に「先進国」と呼ばれた国だけに限定された)。この人工物の産業の勝者が米国であり、80年代以降は日本、ついで2010年代に入り中国となりつつある。それに対して、欧州は機械産業、自動車、航空機といった人工物の産業で、特に量的優位では米国、日本、中国といった世界の覇者に時として劣勢であったが、化学、食品といった自然物の産業においては一貫してその強みを維持してきた。
したがって、世界の国家戦略は人工物の産業と自然物の産業のどちらに政策の重点を置くか、2つに大別され、このどちらの産業がその国家を競争国家に対して優位付けるか、そのための政策のひとつとして知財戦略が位置づけられることになった。

日本経済の空白と米国を中心とした知的財産権戦略と今後

 コンピュータとコンピュータソフトウェア(以下ソフトウェアと略記)の進化の結果、自然物の産業における原子・生命における「地図」の持つ意味は極めて大きくなった。ナノテクノロジー、ライフサイエンスにおいて、地図を持っている国家、企業は試行錯誤をしないで、研究開発、商品開発が行え、知財戦略も鳥瞰的に作成することができる。それに対して、地図の無い国家、企業は的確な研究開発、商品開発、知財戦略を行うことは困難である。人工物の産業においては、地図は、日々更新され、その利用される場も限定されるため、その持つ意味は、自然物の産業ほど大きくはない。
 20世紀末はコンピュータの登場で、大きく地図の機能が向上した。それは、コンピュータシミュレーションの産業利用の可能性の拡大である。コンピュータの普及の急拡大と米国が人工物の産業における覇者を日本に奪われた時期、それが1980年代であった。米国は1970年代の人工物の産業を中心とした知財戦略から、この時期にソフトウェア重視の知財戦略へ大きく転換した。このソフトウェアは人工物の産業であった電気機械産業の製品であるコンピュータから生まれた商品であったが、その商品としての性質が自然物と人工物のどちらに振る舞いが似ているか議論が定まらないと思われる。
 しかし、このソフトウェアに関する訴訟を中心とした知財戦略は、米国、米国企業が保有するソフトウェアの市場価値を高め、ソフトウェア産業は急成長した。この結果、米国は人工物の産業における覇権を日本に奪われたにもかかわらず、世界経済における覇権を1990年代に獲得し、2010年代を迎えている。この時期、ソフトウェアは、米国から世界中へ商品輸出、技術輸出され、米国の貿易の中核となった。
 1990年代末、ソフトウェアとコンピュータの進歩はゲノムの解析を通じて、ライフサイエンス産業を成長させ、その結果、1990年代末に、米国の知財戦略は、ライフサイエンス産業の拡大にともなって、自然物の産業の知財戦略の重視へと大きく移行し、2000年代から2010年代へと自然物の産業に強みを持つ欧州と米国の利害は一致することになった。
 1990年代末は、人工物の産業に関る知財戦略から自然物の産業に関る知財戦略に移行する変革期であると考えられる。その変革を起こしたのが、ソフトウェアの進化であり、ソフトウェアと自然物の知財戦略における類似性であったと推測できる。
 21世紀初頭の世界経済は、自然物の産業を中心とした欧米に対して、人工物の産業を中心とする日本、中国といったアジアの対峙と理解することができる。知財戦略が産業支援を目的として意図されると考えるならば、欧米と日本の知財戦略は異なったものになると予測される。欧米は自然物の産業であるため、ゲノム解読を通じて原子・生命の地図を完成させ、日本、中国が追随できない鳥瞰的な知財戦略をコンピュータシミュレーションと連動させて、繰り出してくることが考えられる。
 大学の関与は、基本的に自然物の産業に関する産業連携が望ましい。したがって、日本の産業構造は、大学の参加が容易ではない人工物の産業に留まっている限り、大学の役割は限られていくと思われる。産学連携は多くは知財を伴うが、その際、自然物の産業に関する産学連携と人工物に関する産学連携では知財の活用と戦略が大きく異なることに留意する必要がある。前者は学にとって、大きな成果が期待しうるが、後者の成果は限定的である可能性が大きい。また、企業の活動においても、前者と後者では知財戦略は当然変わる必要がある。
 また中国においては研究機関、大学への市場原理、競争原理が大幅に導入され、政府等のプロジェクトへ参加して研究費を獲得できない大学の研究室は研究費が獲得できない。中国科学院は、清華大学、北京大学を超える研究所群で構成され、学位審査もできる中国最大の研究集積の場であり、研究者の聖域でもあった。科学院は中核研究所以外が徐々に民営化されつつあり、競争原理が研究成果を変化させつつあると思われる。中国は現在世界最大の人工物の産業集積地へと成長しつつあるが、欧米と将来、自然物の産業においても競争するにおいて、これらの変化はどのような結果をもたらすか、今後検証されなければならない。
さて、政府にとっても、企業支援を行うとき、人工物の産業は民間主導が望ましいが、自然物の産業は、科学の対象であり、世界的視点からの政策主導が正当性を持っている。
 我々は大きな岐路にいる。日本と中国の明日を拓くのは、人工物の知財と自然物の知財への包括的戦略であろうと思われる。

知財21世紀政策・戦略(1)

 知的財産(知財)についての政策、戦略が世界各国で重要になってきている。米国政府が知財戦略を構築したのは、1980年代であり、その知財戦略に対して、欧州は80年代の追従戦略から、90年代はデジュール・スタンダードを形成し競争戦略を展開、日本はそれに対して政府は終始追従戦略を取るのに対して、民間はソニー、パナソニックといった企業が競争戦略を展開してきた。

 本研究は、この間の知財戦略の変遷を分析し、知財戦略の史的考察を試みる。
 知財戦略は、家電、自動車、素材といった製品に関するハードウェア戦略、コンピュータプログラムを中心としたソフトウェア戦略、商標を中心とした商標戦略の3つに分けて考察することができる。1980年代、ハードウェア戦略で、日本が最終的に勝者となった。1990年代、ソフトウェア戦略で米国は勝者となり、2000年代、2010年代中国を中心とした商標戦略に欧米日は悩まされている。
 知財を定義するにあたり、本研究では知財は、情報との関係で規定できると考えている。情報は、現在、資料・文献・写真・映像と言った紙、フイルム等とコンピュータ記憶の大きく2つの媒体に蓄積されている。前者はアナログ情報が、後者はデジタル情報が中心となっている。前者の情報量の伸びに比較して、後者のコンピュータ記憶は級数的に増加しており、インターネットを中心に世界で膨大な情報の蓄積、利用が行われている。
 情報の利用に関して、何らかの制約を加えようというのが、法律、暗号、エージェントの3つである。法律は罰則が、暗号は解読の手間が、エージェントはその知的選択が、情報の自由な利用を妨げる。知財権は、法律の中で芸術、科学、技術、産業等の活動の利用に関する法律であり、その内容はインターネットを中心とする将来のサイバースペースの中に拘束と制限を加えるものであり、リアルスペース内の土地の区割りといったメタファーで、規定することができるものである。リアルスペースにおいて、隣に土地があって、そこを利用すればより素晴らしい家が建設できると思っても、そこが他人の土地であれば、素晴らしい家の設計はやり直さなければならない。それと同様に、インターネットの中のサイバースペース内で、いかに素晴らしい情報を見つけて、それを使えば、画期的な発明が出来ると思っても、それを行えない、それが知財権と情報の関係である。
 知財権は、独占排他的な利用を特定の個人に許すことで、情報の利用に関して拘束と制限を加え、そこから情報戦略の中の一分野として、知財戦略を成立させる。例えば、インターネットの中のサイバースペースでは、無秩序な情報の蓄積、無制限での利用が期待される。それは、社会の創造活動にとって大きな意味があると思われる。しかし、その結果、情報の創造者にとっては、その権利を保護されないことになり、その保護に関して、なんらかの法的制約が期待されることになる。
 インターネット上では特に自由な情報の利用が妨げられるかどうかは、大きい問題であり、サイバースペース内で、本来自由にアクセス利用できる情報に対して、法律、暗号、エージェントはその利用を妨げる。しかし、妨げるのと逆に、法律、暗号、エージェントは情報の利用を促進する役割も持っている。情報公開法は、明らかに国家、地方自治体の情報の利用を促進する現象がみられ、暗号はインターネット等のサイバースペースでの蓄積に適さない個人、企業情報についてもその蓄積と、特定の暗号解読キーを持ったコミュニティ内での情報の利用を促進する。また、エージェントは検索ロボット等で、情報の利用を促進する。

知財理解のパラダイム変遷

 知財の利用に関しては、その「地図」の相違で2つのモデルが存在しうる。そのモデルは自然物を対象とする産業と人工物を対象とする産業で異なると考えられる。自然物を対象とする産業は、鉱工業、化学、食品、医薬品等であり、人工物を対象とする産業とは、機械工業、電気機械工業、輸送機械工業、建設業等である。
自然物は、知財の創造に関する地図は「造物主の意思」として存在していると考えられる。素粒子、原子の構造、生命の設計図といった表現がされ、ゲノムはその典型である。その産業に従事する科学技術者にとって、それは理解・分析の対象であり、知的好奇心の対象として、地図が作られ、その地図の世界の中で、産業行為として知財の創造が行われる。
 それに対し、人工物は、知財の創造に関する地図は、日々の人間の営みによって更新される。将来の家電、自動車、船舶、飛行機、ロボットを創造する際の地図は、今後、どのような夢を誰が描くかで大きく変わっていくことになる。自然物に関する地図は、太古より存在した原子・生命を理解・分析して作成されるのに対して、人工物の地図は、人間の生み出した商品群から想像・総合によって日々連続的に作成される。
 自然物を対象とする産業における知財戦略は、地図を早く解読し、その地図から俯瞰し、的確に競争企業を凌駕する戦略を立てた企業が有利になる。現在、ゲノム解読と医薬品・食品産業における知財戦略はこれで理解できる。
 それに対して、人工物を対象とする産業における知財戦略における地図は、顧客の総意のもと商品企画者、科学技術者、経営者の顧客代理行為によって形成される。これは、国政における国民と行政の関係に似ており、国民に相当する顧客の総意を受けて、顧客代理行為で商品が作られ、そこから意図的に商品に込められた戦略構想が付加され地図が形成される。マイクロソフトによるデファクトスタンダードの形成、ソニー、パナソニック、韓国等が主導する業界標準の企業連合、欧州連合によるデジュール・スタンダードの提唱等は、すべて人工物の地図の作成行為と規定できる。
 上記のように地図の性格の相違は、知財戦略を大きく変化させる。自然物の産業においては、地図は未知であるというだけだから、先に地図を見たものが勝ちであり、未来から現在が決まる。ゲノムの地図から病的遺伝子を特定し、それに関する特許の取得といった未来への布石が、現在の知財戦略となる。地図は、正しい地図と間違った地図が共存する可能性はあるが、本来世界はひとつであり、その正誤は歴史が証明する(自然物の産業は科学の成果を利用する産業であり、科学史の中で位置づけられる。また科学と宗教の類似点と相違点と古今論議されてきた点であり、前記の地図の概念とその利用は、宗教史における教義の概念と布教の原理に良く似ており、宗教史のアナロジーがその理解に有効と思われ、知財戦略に宗教戦争のモデルが応用可能かもしれない)。