2010年10月17日日曜日
テーマパークとキャラクタービジネスを語ろう(1)
TV幼児番組、遊園地での着ぐるみのキャラクターは、ディズニーランド の発展、TVアニメ、デジタルゲームの進化で大きな概念上の変化を遂げた。またこのキャラクタービジネスの企画過程は、インターネット上におけるメディア技術であるクラウドコンピューティング、CG、人工知能、携帯端末(電話)などによって大きく変容を遂げようとしている。
富山市ファミリーパークのキャラクター里ノ助くんと富山駅のみなさん
なお東京ディズニーランド のパーク内にいるミッキー・マウスなどのキャラクター達は、個性を持つ、生きているキャラクターとして扱われており、着ぐるみであることを顧客に感じさせないことが重要とされている。キャラクターを演じるキャストは、ディズニーランドでキャラクターを演じている(いた)事実を、在職中・退社後問わず外部の人間に漏らさない旨の機密保持契約をディズニーランドと交わさなければならない。ミッキー・マウス、ミニーマウス、ドナルドダック、グーフィー、プルートの5大キャラクター、また、チップとデールを入れて7大キャラクターは生きているとみなされているのである 。
清家・今村の概念はこの個性を持って生きている存在としてのキャラクターをより人間として成長していく「人格化過程」にある存在として規定している。またキャラクターはその法人化によって法的、知財的な権利は主張確保しうる(青木)、キャラクターは防衛性、拡張性、複写性、匿名性、習慣性の5つの特性を持つ(清家)。
里ノ助くんと富山市キャラクターライちゃんと踊る
3年生佐藤くん、ゼミ長中川くん、村上くん
里ノ助くんの中に入っていた女の子は可愛い!!!’今度ゼミで見学?に行こう!
テーマパークが抱える問題は欧米と日本では異なっているといわれる。ディズニーランド など欧米のテーマパークの多くは、創業者の初期コンセプトに支配され、衆知を集めることができない。また日本の多くのテーマパークに見られる衆知を集めた結果、コンセプトが曖昧になり過ぎる。
テーマパークにおけるビジネスモデルについての進化論的仮定
現在、テーマパークは、成功モデルである東京ディズニーランド、東京ディズニーシー の年間売上合計が日本全国のテーマパーク等の売上の約半分を占める。東京ディズニーランドと東京ディズニーシーはビジネスモデルが異なる。理念的に分けると、東京ディズニーランドはディズニーランド創業者のウォールト・ディズニー のミッキー・マウス をキャラクターの中心に据えた個人の頭の中で完結する。東京ディズニーシーはウォールト・ディズニーのコンセプトに基づくが、多くの企画者が顧客の要望を中心に周知を集めて海のイメージで東京ディズニーシーを構想している 。前者はウォールト・ディズニー一人の完結した知性に基づき進化を続けるが、後者は顧客の要望に基づき多くの企画者によって進化していくことになる。
東京ディズニーシーはロサンゼルスのロングビーチに開園の予定であった「ディズニーシー」(仮称)のコンセプトを流用したものであるが、ディズニーにとっても初めての施設でノウハウが無く、日本導入にあたっては東京ディズニーリゾートを経営・運営するオリエンタルランド (OLC) が関わり、日米共同で新たに企画・開発されたため、日本型の衆知を集める企画が行われることになった 。
ウォールト・ディズニーはディズニーランドにあらかじめセットされた成長のモデル「DNAによる予定された成長」を構想していたと思われる。米国のディズニーランド、東京ディズニーランドはこの構想にしたがって進化していく存在である。
それに対して、東京ディズニーシーは、日々学習体験によって変化していく過程「日常学習」によって進化していく衆知が加われる余地が大きい。キャラクターでも違いが生じる。リトル・マーメイドやアラジンなど、東京ディズニーシーのコンセプトに沿ったディズニーキャラクターは登場するが、ミッキー・マウス他のいわゆる11大キャラクターは、居住場所が東京ディズニーランドのトゥーンタウンなどになっているため、「親善大使」などという形で登場する。
東京ディズニーシーの企画では、様々な人と日常的に関わって、そこから学習する自由度が高い。当初海の冒険、ロマンを伝えるメッセンジャーとして創出されたディズニーシーであるが、社員や、取引先の要求によっても学習、成長していくことができる。しかしそれは良い影響だけではなく、運営の際、イメージが運営者ごとに異なり「コンセプトがバラバラになる」というイメージが拡散される危険性を持っている。子供の成長において躾が重要であるように、東京ディズニーシーの企画者の日常的学習は ある意味の「躾(社内規範・社内常識・管理方針・予算など)」によって全体として修正されなければならない。
前者は欧米のテーマパークに多く、日本の多くのテーマパークは後者が多い。
里ノ助くんの誕生パーティ(^^)
前者は時として独善的になる危険性を内包しており、後者は逆にコンセプト、イメージが拡散してしまう不安を内在している。
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