2011年6月12日日曜日

未来のMOT(技術経営)のイメージ(1)

 将来的には、研究開発の前に、詳細な地図が登場しこのハイパーメディアで画期的にスピードが向上する可能性がある。バイオにおいてはDNAを基礎にした人体地図上で病気、治療、予後が特定、予測される地図ビジネスが既に成立しようとしている。かつてのようにやみくもに病気に対症療法で向かっていくのではなく、人体地図上で今何が起こっているか、何をなそうとしているか、特定できるのである。これを地図戦略と規定すれば、地図戦略は人体地図と市場地図の2つで構成されると考えられる。
 またこの地図と対になるのがバーチャル人体とバーチャル市場とシミュレーションである。開発された製品は販売されるまでに仕様をバーチャル人体に打ち込んで治療効果、予後がシミュレーションで予測される。次にバーチャル市場でシミュレーションし販売成果を予測する。この2つのシミュレーションは連結され、バーチャル市場で成功した製品をリアルな市場で販売する。また多くの製品についてシミュレーションした中から最大売上、最大収益の製品を選択販売する。逆にある売上額を決めてその製品の開発仕様を決めるといった「逆算製品開発」も可能となる。
 この結果、経営は、地図戦略、研究開発、生産技術、工場、製品、センシング、サービス、コンサルティング、金融、保険、バーチャル市場、リアル市場販売、のプロセスになり、また長くなった。
従来の経営は製造業であれば、内部組織を中心に研究開発、生産技術、工場、製品販売のプロセスで顧客へのビジネスを行った。しかし、1990年代ソリューションビジネスが登場し、経営は研究開発、生産技術、工場、製品販売、センシング(ソフト開発)、サービス、コンサルティング、金融、保険、顧客のプロセスを管理する必要が起こり、ビジネスプロセスは長くなった。これは必然的にスピードが低下した。
 ここで、経営の作業である、戦略、組織、人事をビジネスプロセスのどこへ入れるかでビジネスモデルは大きな変化をする。「戦略」、研究開発、生産技術、工場、製品販売、センシング(ソフト開発)、サービス、コンサルティング、金融、保険、顧客と研究開発、「戦略」、生産技術、工場、製品販売、センシング(ソフト開発)、サービス、コンサルティング、金融、保険、顧客、と戦略の位置を変えるだけで、まったく異なる経営の型が登場する。

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