2011年12月6日火曜日

CEOの意思決定のスピード化

①集団感覚による切迫感と慣れは中国企業の現在であり、②意思決定の早さは欧米、韓国企業が優位で、いずれも日本企業は劣る場合が多い。意思決定を早くするには、ミッションを作成し、意思決定における拘束条件と制限条件を事前に合意し、経営層は、下位の管理者、技術者に意思決定を委譲する。グーグルはミッションを少数で共有し、日本のYKKは全社員で共有し、意思決定を早めている。グーグルは「世界中の人が世界中の情報を整理してアクセスできて使えるようにする」スピード×人数×情報量であると単純明快である。グーグルはミッションの単純化、YKKはミッションの「分かりやすい言葉への置き換え(YKK社長猿丸,2011)」で早くしている。

 製品選択の単純化は意思決定を単純化する。IBMは事業進出の基準に分野ごとのコンピュータのトランザクション数の増加を使う。サムスンは顧客の徹底的調査、製品の選択集中、大量生産販売で成功した。グーグルは、コンテンツを保有しないことで事業を単純化、事業遂行における意思決定を早くしている。意思決定は「ミッションステートメート(レゾンデートル:投入の決定の早さ)×課金しない(ビジネスモデル:過程の決定の早さ)によって、2重の加速が行われる。拘束条件、制限条件の範囲内での意思決定は報告の必要はないため決定は早い。意思決定は勇気と度胸であり「拙速は巧遅に勝る60点で即決せよ」は土光敏夫元経団連会長の戒めである(清家,1980)。

 日本人CEOが意思決定を早めるには事前の準備、将来への布石作りが重要である。この点でグーグルから学ぶことが出来る。グーグルはパートナー企業の選定において自然に制限条件ができている。決定が早いということがグーグルのパートナー企業となる条件である 。日本企業がCEOに意思決定の早さを求めるなら意思決定が早い経営者がいる企業をパートナーに選ぶべきである。

 グーグルは将来のために現在へ投資をする 。Gmailは将来のメール検索の速度を速くできるようにと考えたグーグルの布石的な投資である。日本企業も同様な布石を打てば、自然にCEOの意思決定は早くならざるを得なくなる。

 産業自体の変質は加速を促す。コンピュータ、携帯、サービスなど従来の産業区分は無意味になった。変化の速さに対応できなければ、一瞬にして淘汰される(サムスン電子副会長李,2011)。区分が融合した産業ではもっともスピードが速い事業のモデルに他の産業は合わさざるをえない。経営層、社員すべての意識転換と教育が必要である。

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