2011年12月16日金曜日

課長の業務スピード化と未来イメージ

1.取引コストから、さらに2倍の加速を目標
 
 トヨタ生産方式のジャスト・イン・タイムの原理は製造現場から物流、他へと拡張、応用されている。ジャスト・イン・タイムは顧客が引取る(購入)ことにより実現される。顧客引取りの原理である。21世紀、ジャスト・イン・タイムは製造から小売・流通・サービス、情報通信、コンテンツビジネス、インターネットビジネスまですべての事業に共通の原理となりつつある。
 宣伝・営業・予測・戦略による販売と異なり、顧客引取りは系列取引に分類される。取引コストが低下する 。顧客が引取ることにより、予測時間・計画時間・商品・サービス企画が大幅短縮され、在庫が劇的に削減される。21世紀、在庫の概念は、製品、部品といったモノだけでなく、知識・情報といったコトまで拡張されている。コトの在庫の概念である。
 在庫減少は計画を単純化させ、さらに時間を短縮させる。顧客引取りの前提は顧客とのコラボレーションである、①顧客ソリューションと②ユーザーサプライヤーインタラクション(顧客共同開発:MITフォン・ヒッペル教授)が重要である。

さらなる加速

 日本型組織は、野中・徳岡(2011)の「心身一体となった融通むげの現場力、全体の利益を考える共通善の判断力」が強みで、学習と訓練によってさらなる加速が可能になる企業文化を醸成した。組織は、顧客とのコラボレーションを通じて個別対応・即応し、顧客同期化を行えば加速される。同期化の際、顧客動向の変化が少ないときは能力平準化で加速できる。顧客の動向が不透明なとき、顧客即応するには組織の小規模化(一人営業)とリードタイムの短縮が加速で有効である。
 
一人営業・一人事業・一人組立

 一人営業、一人事業、一人組立を行い、情報通信・知能化を並行させる「情報装備一人化」が加速の方向である(清家,1999)。リードタイム短縮は加速の有効な手段であり、投資、運転資金(棚卸資産、決済資金、手持資金)の削減に繋がる(田中,2009)。

ミドルの加速(前回)で4倍に、今回の課長の加速で2倍。ここまでで(4×2)8倍の加速が可能となる。

2.課長の加速の未来イメージ

 課長は、組織内でもっとも早く現場の変化の影響を受ける。現在職場には2つの現場が共存する。ひとつは現実の職場であり、もうひとつがインターネットを介在する「現場」である。現実の職場の変化とインターネットの変化を先取りしなければならない。
 インターネットの現場の変化とは何か。近未来インターネットで連結された機器(ソフト)が企業内外で普及、知能化していって、相互に人間に代わり高速で交信を始める未来企業社会は桁外れのスピード経済となる可能性が高い。これがインターネットの現場の変化である。株の高速取引が代表であり、グーグルのInternet of Thingsは「機器、家電、自動車などがインターネットに常時接続状態」になり、桁外れの加速のきっかけとなる。
 スマートメーターはツイッターで「電力使いすぎ」とつぶやき、企業や家庭で発電した電力の売買を人工知能で瞬時に仲介する。取引速度はナノ単位である。
 人工知能による取引加速が世界的規模で機器、家電・自動車間で起これば、取引速度は天文学的になり、経済は加速する。

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