2014年9月30日火曜日

ビジネス激変と組織誘変

            ビジネス激変と3つの組織誘変

                                       清家彰敏
 
 20世紀チャンドラーは組織は戦略に従うと喝破したが、21世紀グローバル化する企業においては、組織はビジネス激変に従って変化する。これを組織誘変と定義する。

 下記の3つのビジネス激変によって誘引され組織は変化(3つの組織誘変)していかなければならない。

ビジネス激変1.経済の成熟化 ビジネス数の急増による組織誘変

 組織はビジネスの数に比例して細分化される。経済の成熟化によって、欧米日の企業はビジネスの成功率が低下しており、成功率の低下に逆相関してビジネスの数を増加させなければならない。
 ビジネスを担う組織において少人数化を行わないと企業の採算性は急速に悪化する。
 ブロックバスターが出なくなった世界の製薬会社の欧米ベンチャーへの投資によるパイプライン獲得のエコシステムはこの原理で説明できる。

 新興国で、先進国の先行企業のキャッチアップを狙う企業のビジネスは模倣が企業原理となることが多い。キャッチアップを狙う企業の成功率は先行企業より高い(模倣ビジネスの成功率)。
 そのため、韓国、台湾などは欧米日に比較してより大きな規模の同種組織を作ることが可能となる。規模の経済を達成し易い。
 これがサムスンをはじめとする韓国企業の成功の構図である。

ビジネス激変2.世界経済の加速化 ビジネス急加速による組織誘変


 ビジネスは加速しており、特に新興国の挑戦を受ける企業は急加速しなければならない。
 
 意思決定から始まって、ビジネスが終結し、次のサイクルが始まるまでの期間を競争企業より短くする。

 ビジネスを短プロセス化、短時間化できる組織に変更する必要がある。

ビジネス激変3. 管理者要求急増による組織誘変

 マトリックス組織におけるマルチタスク化

 管理者への要求はエコシステムの拡大、グローバル化、株主主権、社会責任などで急増している。

 その急増に対応する組織のひとつがマトリックス組織である。

 マトリックス組織において、職務と管理の2つのタスクを併任する新しいマルチタスク管理者像を作る。
(参照:清家彰敏「組織間関係とマトリックス構造」http://seikeakit.blogspot.jp/2014/01/blog-post.html)。

 
 組織は、専門化、単純化、標準化、職務拡大、職務充実、独立事業部化、プロジェクト組織化、マトリックス組織化といった組織設計の原則に、
 上記の3つの原則を付加しなければならない時代になった。

2014年8月11日月曜日

激動アジアと北陸軽金属企業の挑戦ーーグローバル化する中国 グローバル化されるASEANーー 軽金属学会北陸講演

軽金属学会北陸講演2014年6月25日

下記清家講演PPTを受けて

一般社団法人 日本アルミニウム協会 会誌「アルミニウム」に原稿執筆2015年1月掲載予定

・執筆内容:「激動アジアと北陸軽金属企業の挑戦」
・原稿〆切  : 20141112日(水)必着(意見のある人はご意見下さい)
・掲載予定号: 2015年冬号(20151月中旬発行予定)
        *年3回(159月)発行
・原稿枚数    刷り上がり45頁程度(図表、写真等含め)
・発行部数  : 1,100
・配布先  : 当会会員会社、全国の大学、関連団体(国内および海外)等
・版 型   : A4版 2段組


1.激動するアジア

加速するビジネス

韓国は3倍加速、中国は6倍、東南アジアは12倍

TPPは太平洋周辺国家連合ではない。大圏直線国家連合

TPPと温暖化で変わる日本海、北朝鮮、ロシア、アラスカ、カナダ

TPPで変わる東南アジア

TPPで地の利日本、北陸

TPPで地の利ベトナム


2.都市化する中国、アジア

1)中国は中国企業50%と外資企業50%の混合経済

2)上海は英国、日本のような欧米型経済を目指す。サービス、金融、研究所中心、

上海のような大都市は、サービス、金融、研究所などの外資を誘致して、中国企業を育成する。中国企業50%、外資50%

10の人口1千万都市は上海を追う。

3)製造業(中国企業、外資)は地方、海外へ移転

農村に新興小規模都市を作り、農民を都市住民にして、農地を工業団地にして、
そこで製造業はかつての成長モデルを行う。

100万都市が250ある。

4)農村部は、都市化政策か農業商業化政策か?

5)中国経済の現状

新幹線、高速道路、地下鉄の建設ラッシュ

家電は普及。家電はもう売れない。

欧米型生活、住宅、マンション建設ブーム

家が建てば、家フルセット車庫がつく、それが車ブーム、欧米と同じものしか売れない。
中国全体で数億戸の新しい欧米型セット販売が起こっている。
       
韓国、台湾で過去10年起こったことが中国で今後10年起こる。


3.グローバル化されるASEAN

東南アジアへの中国企業進出、中国で起こった10年が東南アジアの今後10年

中国企業は技術、ブランドを求める。

家電ブームは2006年ごろ終わった。

ハイアールの停滞

家電ブームは東南アジア以西へ


4.西を向く中国

東南アジアでの日中ビジネスは南北の中国、東西の日本

東西回廊とサプライチェーン(海と陸)は日本主導

ベトナム、ラオス、ミャンマーから南下する中国ビジネス


5.北陸軽金属企業の挑戦

先端技術で中国企業は韓国、台湾企業のビジネスを奪っていく。サムスンの凋落

中国企業と組んで世界を攻める?日中企業は正反対の性格上手くいくか?

原子力、新幹線、地下鉄・・中国で起こったことが10年ずれて、西へ拡がっていく

欧米型生活化、都市ビジネスでアルミ・・・はどう東南アジアで仕事を得るか?


6.より世界に目を開いて

TPPの真の狙いは?

欧米と中露の対立

温暖化の影響は、ロシア、アラスカ、カナダの農地開発を促す

日本海ブームが起こる?

世界の都市化の波に乗り遅れるな

欧米型住宅の中でのアルミ・・・を模索
       

都市化は医療からアルミ・・・を見る?


7.最後に

ビジネスが加速している。遅い企業は消える

都市化の波が西へサーフィンしないと消える

都市化とは欧米型生活を研究しないと分からない

欧米型生活を支える新幹線から家電までその中での自社の製品の位置づけを研究
       
グローバルスタンダードは、消費が決める

2014年7月10日木曜日

国家・企業の成長設計 若返り・不死・交換

国家の成長政略、企業の成長戦略で未来を決める設計3原則がある。

1つは、80歳の人に18才の若者のように消費をさせる!(若返り)

そのような、政府、地方自治体の経済・産業・金融政策、企業の戦略・ビジネスモデルが設計できるかどうか?

コンビニは顧客の実年齢ではなく仮想の平均年齢を下げる戦略を構想しているか?

高齢者の純情。
 ある80歳の高齢者、彼は一生働き尽くめで恋をしたこともなかった。ある日彼は、美しい15歳の少女を街で見かけて恋をした。彼は、その少女にインターネットでネットの中のロボットを使って話しかけた。彼は、年齢を明かさず、少女の足長おじさん役を演じるネットロボットとして彼女を見守り、18歳の少年のようにプレゼントし、いつしか少女も彼に淡いあこがれを持つようになった。彼は、それまでの仕事と蓄財に明け暮れた日々と打って変わって、彼女のために活発な少年のようにプレゼントをし、兄のように彼女を保護した。ある日、彼は彼女に会いにロボットを派遣した。ロボットの目を通しての初デートで彼は自分が会うこともできない、また結婚もできない理由があるが、君をずっと見守っていきたいと告げ、彼女は彼の自分への深い愛にうたれ恋は深まる。彼はロボットとネットロボットで彼女を保護し、やがて彼は88歳となり、彼女は23歳となった。彼は死期が迫ったことを知り、技術者に最後の願いを託す。自分が死んで後も彼女が幸せな結婚をするまで、ネットロボットとロボットが彼女を見守り続けること、それが最後の願いであった。この瞬間彼は永遠の命を得、彼女は彼の死を知らず、やがて彼女の結婚の日まで彼のネットロボットとロボットは彼女を見守り続けた。
 この話には、2つの重要な未来を決めるポイントがある。一つは、80歳の彼は18歳の少年のように消費をするようになったということである。2つは、彼は死んだ後も消費し続けたという点である。この点は未来を考える場合の重要なポイントである。80歳から18歳に仮想の年齢が低下したという点は、政府にとっては国民、企業にとっては消費者の仮想の年齢をネットロボット、ロボットで操作しうることを意味する。また、死んだ後も消費し続けたということは、国にとって人口が、企業にとって消費者数が所与ではなく、仮想に操作しうることを示している。仮想の人口を増加させ、仮想の消費者を増加させることができるということである。
 このおとぎ話は10年以前に私が考え、NHKI-media研究会などで講演した際、幾度か取り上げた記憶がある。このおとぎ話が現実味を帯びたのは、数年前グーグルがインターネット・オブ・シングスを提唱してからである。

2つは、80歳の人が95歳で亡くなった後も、消費し続けさせる!(不死)

 そのような、政府・地方自治体の経済・産業・金融政策、企業の戦略・ビジネスモデルが設計できるかどうか?

お寺では、亡くなった方々も7回忌、13回忌・・・と消費します。残された息子に出費させないために、生前に弁護士と銀行にお願いしておきます(^^)

 80歳の人が18歳の若者ように消費したとすると、80歳から18歳に「仮想の年齢が低下」したと経済的には規定可能である。もう一度繰り返すと、政府にとっては国民、企業にとっては消費者の仮想の年齢を政策、戦略、微意ジネスモデルで操作しうる。95歳で死んだ後も消費し続けたすると「経済的には死んでいない」と規定可能である。国にとって人口が、企業にとって消費者数が所与ではなく、仮想に操作しうる。

 仮想の人口を増加させ、仮想の消費者を増加させることができる?

3つは、国民の価値交換総数の増加が国家のGDPの増加に繋がる!(交換)
    消費者の価値交換総数の増加が企業の売上高の増加に繋がる!

 経済は価値交換回数の説明概念である?

 価値の交換回数が国家のGDP、企業の売上高に相関する、かどうかの検証を行う必要がある。

 日本政府は、価値交換回数総和を増加させる経済・産業・金融政策を設計できるかどうか?

 日本企業は、価値交換回数総和を増加させる戦略・ビジネスモデルを設計できるかどうか? 

グーグルは検索ロボットなどで、価値交換回数を増加させている。それがCM収入、売上高と相関している。

ヤフーオークションは価値交換回数増加と収益が相関している。

証券会社の売上は、取引回数(価値交換回数)×手数料に相関している。

上記の3原則は未来を考える場合の重要なポイントである。

 政治家、官僚、経営者、価値交換回数総和を増加させることができれば、日本、日本企業は成長する。

「回数」は目標にしやすく、管理しやすい。

2014年7月7日月曜日

東海北陸環状新幹線とオリンピック向けの日本再設計

1.東海北陸環状新幹線とは

  豊川博圭元日本経済新聞社福井支局長と三田村紘二元福井経済同友会代表幹事の両氏が提唱される「環状新幹線」=東海道新幹線+北陸新幹線の概念がある。東海道新幹線と北陸新幹線を地図で見ると、ほぼ環状=「円形に近い四角形」である。この環を山手線のようにぐるぐる新幹線が周回する。

  例えば、「東海北陸環状新幹線」米原ルート(他に湖西、湖東ルートなどもあるが)」について考えてみよう。このルートなら2020年東京オリンピックに間に合いそうなので、取り上げる。東京、品川、新横浜、静岡、浜松、名古屋、米原、敦賀、福井、金沢、富山、上越、長野、高崎、大宮、東京である。

 この間、旅客、貨物新幹線を時速300キロ前後で周回させる。  一周にかかる所要時間は4時間台になると思われる。この東海北陸環状新幹線のどの駅から、どの駅へ行っても2時間である。

 2.日本海側と太平洋側のインフラを連結させる。 

  米亜直線航路、北極航路開通などで、中国、米国、韓国、ロシア、欧州のコンテナ船、資源・エネルギー船が日本海を頻繁に航行する。またRO-RO船によるトラック搭載揚陸できる船舶が日本海側を網の目のように行き来する。

 これはアジアと欧米における日本海航路の重要性を示している。新日本海時代である。この近未来に、日本は日本海側に能力の重心を移す必要がある。しかし、港湾+都市・産業インフラが太平洋側に比べて日本海側は弱い。    

 その際、太平洋側の能力を、日本海側で発揮させるのに、環状新幹線による高い運送能力は大きな意味を持つ。新たなインフラを日本海側に作らなくても、環状新幹線の運送力で対応できるからである。

 3.2030年メタンハイドレート他の膨大な資源が太平洋側で利用されるようになる? 

  この太平洋時代には、日本は太平洋側に面した首都を持つ唯一の大国でもあり、太平洋新時代には主役を務める国になる可能性が高い。特に西太平洋は、東太平洋より島嶼が多く資源開発は容易であり、日本の役割は大きい。 また太平洋の環境破壊を伴わない開発・管理は人類の未来を考える最大の課題であり、日本に課せられた使命である。

  その太平洋新時代には、環状新幹線の高い運送能力は、日本海側の能力を太平洋側へ機動的に移動できる。これが環状新幹線の効果である。 

4.またオリンピックに向けて、東海北陸環状新幹線内を一つの都市圏としてPRする。

  東京オリンピック開催に、東京周辺の宿泊施設は不足している。現在の訪日客1000万人が2020年には2000万人になる可能性がある。ところが、現在でも東京周辺の宿泊施設の稼働率は80%である。

 この宿泊施設不足を解消するのに東海北陸環状新幹線の円内を一つの巨大都市として、世界にPRすることができるかもしれない。
 環状線なので機能の駅間移動が容易である。例えば、山手線内では、地価の高い駅周辺の企業が、地価の安い駅周辺へ移転する現象がある。駅間競争も起こり、駅周辺インフラの平均化も起こる。これは主要駅に乗客が吸い寄せられるストロー現象とは異なる現象である。

 東京(品川)大阪リニア幹線が中心軸となり、東海北陸環状新幹線は、「団子に串」といった感覚である。

顧客組織化ビジネスモデル

1.現在、コンビニは取引先を組織化し、商品企画をしている。
 
 コンビニの店長は、取引先を組織化して、ビジネスを効率化、成功させている。
 コンビニ本社は、そのような店長を支援する組織作りを行う。

2.店長を支援する組織があるのに、なぜお客を支援する”組織”が無いのか?

 お客は誰に援けられ、誰を信頼しているのか?
 店長はお客を支援する”組織”作りを行い、お客の人生を効率化、成功させる必要がある。
 コンビニ本社は、そのような組織を店長が作れるように、支援できないといけない。

3.店長はお客と一緒に共創して、新しい未来を開いていく。
 
 これが大衆創造大衆消費の経済である。
 
4.共創=イノベーションのボトムアップは?

 お客と店長の現場からの共創=イノベーションが起こり、会社は変化していく

5.ところがコンビニ本社の管理職は変化しない?取り残される?

 取り残されると、彼らはアクセルからブレーキに変わる。
 批判者になる。
 
6.さて、そのとき、コンビニ本社スタッフはどうする?

2014年7月2日水曜日

TPP・TTIP大開拓と欧米亜のポータルサイト日本

TTPは東南アジアから日本を経由して米国へ向かう世界最大級の直線航路上の国家連合である。

TTIPは米国とEUの北極海周辺国家連合である。ロシアは参加していない。

1990年代の共産圏の崩壊から始まる中国の成長によって、2000年代は資源・エネルギーの時代であった。

2010年代は中国経済の成熟による資源需要の低下、シェールガスの開発時代となり、世界の都市化によって、農林水産業・食料の時代が始まりつつある。

焦点は北極周辺ロシア、アラスカ、カナダにおいて、温暖化が進むと考えると大規模な農地開発と並行する資源開発が始まり、

しかし、温暖化は農業にとって両刃の刃である。

耕作可能面積は広がるが、その地に適応している作物は危機になる。なぜかというと、作物はその地に過剰に適応し、単一栽培されていることが多い。したがって、温暖化でも寒冷化でも作物は収量が減り、最悪全滅する。

したがって、栽培作物の適切な変更、品種改良の必要が出る。作物技術開発が不可欠となる。

それでも農業生産増加は可能となる。

また温暖化で氷が融け、北極海航路が開く。

TTP国家連合の直線航路とTTIP国家連合の北極海航路とその航路周辺における資源・エネルギー・農林水産業開発が焦点となる。

日本側から考えると

TTP国家連合で、日本と米国の直線航路間にある「空前の未開拓地ロシア、アラスカ、カナダ」の農地・資源・エネルギーが大開発される。

これはTTIPの北極海航路周辺のシベリア、グリーンランド、海洋などへの巨大投資と相乗効果を起こす。

さて、ロシア、アラスカを考えてみよう。ロシアは現在でも耕作可能面積の半分しか耕作されていいないと言われている。それが温暖化でさらに広がる。

ロシアの3分の1を占め日本の20倍近い広大な極東ロシアには550万人(サハリン50万人)しか人口が無く、人口減少が続いている。

また広大な日本の5倍弱の面積のアラスカも70万人の人口しかない。

それに対して
極東ロシアに隣接する黒竜江省には4500万人、北朝鮮には2500万人、北海道には600万人の人口があり、

極東ロシアは「10倍の人口の地域、国家に面する」圧力を感じている。

しかし、この潮流は止められない、政治の思惑を超えて経済は動く、

ロシア、アラスカ、カナダ、グリーンランド、北極海の北方大開拓は

加速すると思われる。

この温暖化による北方大開拓の加速は、成長論者と環境論者の両者にとって関心が高い。

北朝鮮の農業労働者が極東ロシアで働く時代が来るかもしれない。

 世界の主な国は高齢化が進み、中国もやがて高齢化社会を迎える。中国の高齢化が顕著になる15年後、若年労働者の争奪戦が始まる。国民の年齢の平均値が低い国家は熱帯、亜熱帯が多い。その中で、亜寒帯、寒帯に住む北朝鮮の人々は極東ロシアで住みやすい。極東ロシア農業開発の先兵になることが考えれる。

さて

TTP直線航路では、日本はアジアでもっとも北アメリカに近い。

TTIP北極海航路でも、日本はアジアでもっとも欧州に近い。

中国、韓国、ロシアがTTP・TTIPに入るまでは、日本は欧米とアジアの交差点、ハブを特に期待される。

日本は世界の交差点、ハブである。

アジア、欧州、米国いずれからも「ポータルサイト=ショールームと集積効果」の機能を発揮することが、日本に期待される(清家ブログ「日本の未来イメージ・・・」2011年5月25日参照)。

日本の未来構想は、ポータルサイト化である。

北米向けにアジアからのポータルサイト日本は?

北極海航路を抜ける欧州向けにアジアからのポータルサイト日本は?

アジア向けに欧米からのポータルサイト日本は?

「ポータルサイト日本」を考えてみよう!

2014年6月19日木曜日

8000万人の観光物流ハブ「京都港」と東海北陸環状新幹線

1.舞鶴、小浜、敦賀に広がる観光物流ハブの巨大「京都港」を建設する。

この巨大港湾の名称を「京都港」とすれば、世界的に認知される観光物流の巨大ハブとなる。

 京都港は、TPP国家が「一直線に並ぶ」世界最大級直線航路の中核港湾となる。

 2013年4月28日日曜日にブログで述べたように
 TPP加盟が見込まれる国を世界地図でみると、太平洋をはさんで2つに分散して見える。太平洋の西岸ニュージーランド、オーストラリア、シンガポール、マレーシア、ベトナム、ブルネイ、日本、そして、太平洋の東岸のカナダ、米国、メキシコ、ペルー、チリである。しかし、地球儀を、北極を上にして、鳥瞰して見下ろしてみようシンガポール、マレーシア、ベトナム、ブルネイ、日本、カナダ、米国、メキシコはほぼ一直線に並んでいる。直線航路大圏コースであるこの直線航路は世界最大の貿易航路、「直線航路」である。コンテナ船は最短距離で移動する。
   この直線最短航路上の始発が東南アジア、終点が南北アメリカであり、中間が、東アジアである。中間に位置する日本、中国、韓国のうち、TPPに加盟が予定されているのが日本である。

 中国上海羊山港、韓国釜山港に対して、

 東アジアにおいて、TPPで有利にビジネスを行いたい企業にとって、日本港は有利になる。
 
 上海羊山港、釜山港の工業団地、周辺都市の企業が利用港湾、立地を日本に移す可能性さえある。

(TPP直線航路上において、東アジアで日本、東南アジアでベトナム、北米ではペルーがTPPでの地の利を得るかもしれない)

 その際、太平洋側港は、中国、韓国、北朝鮮、ロシアからみて、世界最大級直線航路から外れる。

 日本海側港の優位は明らかである。

 上海、釜山と米国を往還するコンテナ船は対馬海峡、日本海、津軽海峡、アリューシャン列島を航行する。これが米中、米韓の最短コース(大圏コース)である。

2011/04/30清家ブログ:子供ときから見慣れているメルカトール図法の地図は、太平洋を挟んで日米が対峙している。米国へは太平洋側が最短コースに見える。戦後日米貿易が中心になった結果、太平洋側が発展したと思い込んでいた。ところが、北極を中心に地球儀を見れば、米国までの距離はむしろ日本海側が近い。中国上海、韓国釜山にとっては確実に米国は日本海通過が近い。)

 また温暖化で北極海航路が拡大すれば、上海、釜山と欧州、ロシアを往還するコンテナ船、資源運搬船船も日本海を通過する。

 日本海は世界最大級の航路である。

 舞鶴・小浜・敦賀に広がる京都港の太平洋側港に対する優位は明らかである。

 その上、世界に知られる観光地京都、大阪、神戸、奈良、金沢が近く、観光港としての優位が、京都港にはある。

 温泉、壮大な白銀の立山など東南アジアが憧れる観光資源が広がる。

 3000人以上の観光客を乗せた豪華客船接岸後30分から1時間で観光地に到着する。

 世界最大級直線航路上の中間に京都港は位置することになる。

2.京都港に、神戸港、大阪港の機能を大幅に移す。

 神戸港、大阪港の港湾インフラを京都港に分業し、旧い港湾機能は廃棄、更新していく。
 徐々に関西の港湾機能を東京でオリンピックが開かれ、東京が革新されるのと連動して京都港へ集約させていく。

 これは関西の港湾機能、関西の都市機能を革新する一環と考える。

 また京都港は、新たに観光港としての新機能を加え、世界の豪華客船を接岸できるようにする。

 「あるべき世界をリードする京都観光港」という概念を徹底的に考究して、観光からみた港湾機能を実現し、東京・横浜港、名古屋港、世界の主要港湾を驚かせる設計を行う。

京都港は、神戸、大阪、京都、関空の間を観光・物流1時間から2時間で直結する。


3.京都港敦賀駅から「東海北陸環状新幹線」に連結させる。

豊川博圭元日本経済新聞社福井支局長と三田村紘二元福井経済同友会代表幹事の両氏が提唱される「環状新幹線」=東海道新幹線+北陸新幹線の概念がある。

東海道新幹線と北陸新幹線を地図で見ると、ほぼ環状=「円形に近い四角形」である。この環を山手線のようにぐるぐる新幹線が周回する。

例えば、「東海北陸環状新幹線」米原ルート(他に湖西、湖東ルートなどもあるが)」について考えてみよう。

主な駅は、産業と流通などを考慮して、以下のような案があるとしよう。

東京、品川、新横浜、静岡、浜松、名古屋、米原、敦賀、福井、金沢、富山、上越、長野、高崎、大宮、東京

この間、新幹線は時速300キロ前後で周回する。

一周にかかる所要時間は4時間台になると思われる。時速360キロ運転を実現できれば、もっと短縮が可能か?(なお山手線、大江戸線は一周1時間、武蔵野線+は一周4時間)

この東海北陸環状新幹線のどの駅から、どの駅へ行っても2時間である。


4.この環状内に貨物新幹線を走らせれば、

この環状新幹線の駅はすべて京都港(敦賀)から2時間でヒトとモノを運搬できる。

(なお、特定駅に配送センターを作れば、環状内と環状外周2時間以内は、郵便物など当日配送可能地域になる。2011/06/18清家ブログ:貨物新幹線は運転手の高齢化が進むトラック輸送業界を補完する機能がある。貨物新幹線はJR東日本がすでに試作、実験している。)

 環状線なので機能の駅間移動が容易である。例えば、山手線内では、地価の高い駅周辺の企業が、地価の安い駅周辺へ移転する現象がある。駅間競争も起こり、駅周辺インフラの平均化も起こる。これは主要駅に乗客が吸い寄せられるストロー現象とは異なる現象である。

 東京(品川)大阪リニア幹線が中心軸となり、東海北陸環状新幹線は、「団子に串」といった感覚である。

 また京都港敦賀駅だけでなく、主な駅をターミナルとした交通網も活性化する。

 東海北陸環状新幹線沿線の未来イメージは、山手線新宿駅などのターミナル駅から広がる私鉄、地下鉄網から想起できる。


5.京都港からの観光・物流

京都港から2時間+以内で行ける観光地、物流・工業拠点は京都、大阪、神戸はもちろん、それに東海北陸環状新幹線内の都市となり、人口8千万人程度になる


6.PR文句

 人口8千万の観光物流ハブ「京都港」


7.海外比較

 (2時間目安で観光・物流ができる)

 大上海圏1億3千万人、大北京圏9千万人に匹敵、凌ぐ

 京都港+大阪+神戸+東海北陸環状新幹線8千万人経済圏が形成される。

2014年6月17日火曜日

社長、会長のための日本型経営者教育EMBAの強み

1.世界トップの先端技術、特許で商品開発ノウハウ  

   経済産業省・文部科学省
    自動運転車世界の特許出願数上位

     10社のうち日本企業が7社

                   日本経済新聞6月17日朝刊3面

   ビッグデータ分析世界の特許出願数

     上位5社のうち日本企業が3社          同上

   ロボットの世界特許出願数

     上位5社のうち日本企業が4社          同上


2.グローバル化で米国制覇のノウハウ  

    YKK他世界トップ225社

   世界で米国企業にもっとも立ち向かっているのは日本企業


3.トヨタ方式による効率化

    トヨタ自動車 

   上場企業の53%1789社が実質無借金経営   

                   日本経済新聞6月18日朝刊15面


インフラ建設とインターネットインフラ整備は法律整備と逆相関

1.インフラ建設
 
 世界で進んでいる都市化におけるインフラの整備スピードは法律が整備されていない途上国ほど速く進む。

 例えば、東南アジア、アフリカなどの国際交通網を整備しようとしたとき、同じ効果、利益をもたらす競争的ルートがあれば、法律の整備が遅れている国家を通過するルートが選択される。

その結果、法律整備が進んでいる国家が国際交通網から取り残される?


2.インターネットインフラ整備

 インターネットを使ったビジネスにおけるインターネット内のインフラ整備は、法律の整備が遅れている途上国ほど速く進む。

 例えば、仮想通貨(暗号通貨)の普及は途上国のほうが速い。

 おそらく、仮想通貨に対する先進国の法整備、倫理感の共有が進む前に、仮想通貨は途上国を制覇し、

 その後、先進国が「世界制覇が既成事実として成立」している現実を受け入れざるを得ない時代が来る。

2014年6月11日水曜日

イヌはヒトに子犬を育てさせている=托卵

昨日の続き 可愛いいペットのイヌちゃんに秘められた爆弾

イヌはヒトに托卵しているのではないか?と1週間前から思い始めた。

托卵とは、鳥類、魚類にみられる異種生物間の関係である。


鳥であれば

異種の鳥の卵にこっそり卵を産み置く。

異種の鳥は気づかず、自分の子の卵と托卵をたくらんだ鳥の卵の両方を温める。

托卵をたくらんだ鳥の卵は早く孵化する。

そして、異種の鳥の卵をすべて、巣の外へ放り捨てる。

異種の鳥からエサを独占してもらい成長する。

異種の鳥は自分の卵を捨てられたことに気づかず育児をする。

やがて、成長した托卵をたくらんだ鳥の子供は巣だっていなくなる。


魚にもある

ある種の魚は、自身の幼魚を守るために、口の中で保護育児をする。

卵を産んですぐに、口に含み、口の中で保護する。

親魚はエサも食べない。

やがて、幼魚が口の中で孵化する。

その後も、口内で幼魚は成長する。

ある程度成長すると口から外へ幼魚は出るが、危険が迫ると親魚の口内へ逃げ込む。

成長すれば、口外へ出ていき、育児が終わる。

この習性を利用して、異種の魚が托卵を試みる。

卵を産んで、親魚が口に入れようとした瞬間、

托卵をたくらむ魚は自分の卵を異種の親魚の口内へ入れる。

親魚は、それに気づかず、口内で卵を保護する。

托卵をたくらむ魚の卵は先に孵化する。

そして、他の卵を全部始末する(食べる)。

親は気づかず保護し、やがて、托卵をたくらんだ魚の子供は成長し、去っていく。


托卵はこのような哀しいお話である。

(本当は哀しいかどうか?意外と育児で満足して・・・・、自分の子でなくても、ホルモンに支配される育児欲求は・・・・などとも考えるが、ここは哀しいお話で終わります)


さて、ヒトとイヌの関係

ヒトはおそらく種の保存を考えると、夫婦で3、4人以上子供を産んで育てるのが、DNA本能に支配されれば、通常なのではないか、と思います。

感染症、栄養不良、外敵などを考えると子供は5人以上かもしれません。

ところが、文明によって、子供は死ななくなった。

都市が、医療が、ヒトを救った。

この結果、人間は他に1から3人子供を育てる余力があり、おそらくDNA、ホルモンなども産むように「命じている」のに、子供を産まなくなった。

さて、イヌはというと

イヌは、人間にとって過去は大変役に立つ生物であった。

狩猟、放牧管理、番犬で、人間と協調して、集団で行動できる唯一の生物でかけがえのないものであった。イヌとヒトは共進化したとの論調もある。

ところが、現在社会では、イヌは都市生活、経済には無関係な存在となった。

過去、人間と触れ合ったり、人間の周辺にいた生物は、ほとんどが淘汰された。

そこで、イヌは、愛玩動物として、位置づけを変えた。


しかし、ここで、注目しなければならないことは

その愛玩動物としてのイヌは、

人間の出産を抑制し、

ヒトの子供の出産機会を排除し、人間にイヌの子供を育てさせるという「托卵」モデルを、作りあげつつある?という点である。

「ヒトに対するイヌの托卵行動、鳥類、魚類に稀にみられる関係」

イヌの托卵行動であるとすると、

ヒトの少子化とイヌの繁栄のトレードオフである。


この傾向が続くとなると未来はどうなるか?

イヌの托卵行動は拡大するのか?

ペットとしてのイヌは日本人の全人口の1割を大きく超え、増加している。

イヌが人を滅ぼす「デビル」?などとも(^^;


イヌマニアの方々ごめんなさい

ちょっと1週間前に、魔が差して頭に浮かんだ妄想です。

僕は子供の時、とても犬を飼いたかった少年でした。イヌも猫も大好き

イヌマニアの方々僕はイヌの敵ではありません。

2014年6月8日日曜日

世界の経済バランスの印象の変化

冷戦崩壊後の1992年

ロシア・中国といった東側主要国から見て

米国・日本・ドイツといった西側主要国の経済は

特に巨大だと感じた。

下図のように、名目GDP比が22倍も大きい。

名目GDP比・・・・(米国+日本+ドイツ)÷(ロシア+中国)

 その後、米国、日本、ドイツの経済力が巨大であるとの印象はどんどん小さくなっていった。

2014年現在は2.5倍程度。

印象は10分の1に弱まった?







ヒトを滅ぼす?「托卵」する?イヌたち

現在、日本国内にはペットのイヌが子供の数よりも多くなってきた。

どこかで聴いた川柳「定年、イヌも嫌がる今日4度目の散歩」だったかな?

ヒトはイヌが好きである。

ヒトは「集団で狩りをする猿」、イヌは「集団で狩りをする猫」といった共通する、補完し合う関係であるらしい。

イヌはとても可愛らしい。ヒトによって、急速に狩猟、警備のパートナーからペットへ改良されてきた。小型犬から大型犬まで驚くほど多様になった。

ヒトによって、ヒトを補完するためにこんなにかえられちゃった可哀想なわんちゃん、などと思っていた。

こんな理想的なパートナーに恵まれた幸運なヒト、人類などど浮かれていた。

しかし、1週間前に、「あれ」と思った。美味しすぎる話には裏がある?美しいバラには棘がある?

もしかしたら、イヌは、ヒトを食い物にし、滅ぼす悪魔ではないか?などと思ったのです。

続きは明日

2014年6月7日土曜日

日本の大企業の連結対象企業を上場させれば?

日本の大企業の連結対象企業を上場させれば、海外からの投資を呼び込むことができる。

1.上場にあたっては、連結対象企業が誇る先端技術、管理技術、商品企画・・・・に関する情報公開を英語、中国語、他の言語で行う。

2.ベンチャー企業とは、異なる「市場」を独自に作って、独自ブランドとして「安定的・先進的・連携的・・・」市場であるといった海外向けのPRを考えて、パッケージで売り込む。

3.親企業、企業グループとの連携、日本型系列、日本型サプライチェーンの恩恵を受けれることが最大のメリットであることをPRする。

米国型ベンチャーとは、まったく異なる安定的であるが、先進的で、かつ連携的である「新しい投資対象」であることを、世界中の市場にブランチを作ってPRする。

これが、日本に膨大な投資を呼び込むかどうか?

昨日の答えになるかどうか?ドイツはどうか?考えてみよう。

2014年6月5日木曜日

日本とドイツにおける起業とIPOを考える

1.ベンチャー上場企業数が増加している。

昨年50社を超える上場があったと言われている。

しかし、それでもリーマンショック以前のベンチャーブームには及ばない。

そこで

日本と米国をベンチャー投資、ベンチャー起業で比較し、

警鐘をならす論調が多いが、しかし


2.日米比較は、国家の歴史、国民、文化などで相違が大きすぎ、意味が無いとの考え方もできる。

また

ドイツと比較すると日本のベンチャー起業の状況は悲観的ではない。

ベンチャー起業に関する総務省平成25年度http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h25/html/nc112140.html

図表1-2-1-21 世界各国のベンチャーキャピタル投資額

ベンチャー投資のGDP比はドイツ0.03%日本0.02%を見ても、日本とドイツは差がない。

むしろ、米国0.09%と特にイスラエル0.18%が突出して異常値に思える。

同図を見ると、一般に人口が少ない国家は、ベンチャーキャピタル投資額のGDP比が大きい。

スウェーデン0.08%、フィンランド0.07%、アイルランド0.07%など。

人口5000万人程度以上の国家に限定すると、

イギリス0.05%、フランス0.05%、韓国0.03%

スペイン0.02%、イタリアにいたっては0.00%である。


3.起業におけるストロー効果

その際、ちょっと気になるのが、カナダの0.03%である。

これは米国の0.09%を考えると隣国なのに低い。補完関係ができているとも考えられる。

隣国に巨大なベンチャー投資の市場があれば、ストロー効果で、カナダの起業家、投資家が米国へ吸い取られることが考えられる。

それでは、日本で起業しないで、起業意欲のある人材は、米国へ行って起業する、米国と連携するが、合理性を持っている。

しかし、ちょっと米国は遠い?


4.日本とドイツの経済の競争力は強い。日本型を考えてみる?

日本とドイツは、米国、イスラエルとは異なる産業構造持っていると考えることが合理的である。

考えるヒントは3つある。

日本は大企業への就職を希望する人材が多い。大企業の名刺を持っていることが社会のステータスとなることもある。(油断するとヒラメとメダカ人材ばかりになる)

三菱商事は2014年連結対象企業626社を持っているなど、大企業は数百社の連結対象企業を持っている。(油断すると放漫経営になる)

日本企業は「大衆創造大衆消費」モデルである。(油断するとガラパゴスになる。)

この3つのヒントで考えるとさて、


あとは明日

2014年6月4日水曜日

世界の都市ビジネスを「大衆創造大衆消費」経営で牽引しよう

世界は、製品を売るビジネスから都市インフラを売るビジネスに変わる。

世界企業は製品ビジネスを超越し、世界の都市インフラ、生活スタイル創造への貢献を期待される。

 モノづくりの技術経営は、高齢化、国内成熟、海外進出、ロボット化、インターネットによる仮想化等を受けて、都市づくりの技術経営へと進化する。

 ものづくりに、顧客ソリューション、ビッグデータ解析、シミュレーション、センサ、人工知能などが付加された経営を目標にする時代である。

 世界を大衆創造大衆消費経営で主導し、世界中の都市を革新しよう。

2014年6月2日月曜日

選民生産選民消費・選民生産大衆消費・大衆生産(創造)大衆消費 ドラクロワの夢

1.日本はIE(インダストリアル・エンジニアリング)を米国から1950年代に導入したとき、IE手法:改善と給与評価の2つのうち、改善のみに重点において、実施しました。その際の鍵は、全社員の人材教育でした。当時は改善手法教育が中心で、その後、広範囲な人材育成になり、管理者教育につなげました。全社員が改善教育を受け、管理者教育まで受ける資格を持っている。これが日本流となりました。

2.給与評価=人事評価は、当時の終身雇用に会わなかったので、成功できませんでした。現在、日本でも人事評価に重点をおいている企業と人材育成社員教育に重点を置く企業に分かれています。

3.日本でも人事評価に重点を置く企業のいくつかは「ブラック企業」といわれ、長期的に成功するとは思われていません。日本企業の多くは、従業員という名の大衆が改善を繰り返し、良い製品を生産し、高い品質を求める大衆が消費するという『大衆生産大衆消費』を特徴としています。

4.韓国企業は日本から1990年代まで学び、地道な基礎から始める日本型の社員教育も行いましたが、1997年のアジア危機で基礎教育よるも即戦力、選民重視に転換しました。海外からも人材を導入、外国人の力も活用し、サムスンなどを建て直し、経済危機を脱しました。その結果、「日本人が技術をけん引する日本企業」と、「外国人と韓国人が技術をけん引する韓国企業」の違いになっています。

5.中国政府も1990年代までは日本企業を学ばせようとしましたが、韓国サムスン、現代、ポスコの成功をみて、韓国企業モデルの学習に転換したと思います。

19世紀、
欧州企業は選ばれた熟練工(エリート)が植民地の単純工を使って生産し、王侯貴族(エリート)が消費、そのお零れに大衆が預かるという「選民生産選民消費」モデルで世界を支配しました。

20世紀、
米国企業は選ばれた大学院修了者(エリート)が移民単純工を使って生産し、大衆が消費するという「選民生産大衆消費」モデルで世界を制覇しました。

20世紀後半、日本企業は、従業員という名の大衆が改善を繰り返し、良い製品を生産し、高い品質を求める大衆が消費するという『大衆生産大衆消費」というモデルで世界の製造業を制覇しました。

「大衆生産大衆消費」モデルという人類史を発展させたモデルを、また「選民生産大衆消費」モデルへ逆行させたのが韓国企業と言えるかもしれません。

21世紀、
大衆生産(創造)大衆消費は、フランス革命以来の人類の夢である。ドラクロワに会いたい。


2014年5月30日金曜日

ビッグデータとシミュレーション 人間の出番

Qビッグデータにもいろいろ種類があり、1つのデータを大量にとる場合とある対象物に対していろいろなデータを収集するという場合があると思う。が、マップとセンサ、両方なければならないと思う。しかしながら、現状ではとりあえず何でもデータ蓄積しておこうという状態にとどまっている。データを出す方に、メリットがあるということがわかれば、データビジネスに迄発展する可能性があると思うがどうか。

A基本的にはマーケティングに活用されていく事例が多いと考えている。マーケティングを行う際にシミュレーション的な使い方が導入できる。インターネットの中には未来が入っているという話がある。インターネット上の、バーチャルなマーケットの中で、販売前に売れるかどうかを、判断することが可能になる。シミュレーションに関して日本は非常に弱い。マーケティングでのモニタリングに関するシミュレーション技術は、欧米が非常に強い関心を示めしている。

Qマーケットシミュレーションという話がなされたが、バーチャルのマーケットでも既存のデータを用いていると、本当に新奇性の高いラディカルなイノベーションには対応できないのではないか。


Aまったく違う商品をシミュレーションするというのは非常に難しい。そのような商品を出す際に人間の出番がある。

2014年5月29日木曜日

21世紀は情報生命化の世紀 進化論とビッグデータ 

Q先生の研究は「自然」をどのように取り入れているのでしょうか。

Aロボット化は非常に難しい問題であると思う。というのも、人間はそんなに急激には増えない。一方で、データはどんどん増えていく。先ほど「自然」という話があったが、進化論的に考えれば級数的に増えていく方が優位な存在となる。すべてのデータを人工知能化した場合、データが生命に近い能力を持つことになる。
 データが生命になる?イメージ涌きますか?21世紀はデータを生命化する。そのアイデアを出せる人々、ベンチャー企業、ベンチャー事業が成功する世紀だと思います。私は今、そのイメージを浮かべる作業を楽しんでいます。

 例えば、現在人間はグーグルの検索ロボットを使って、データを検索しています。検索ロボットは大変苦労してインターネットの中から探してきます。この検索ロボットのプログラムをレベルアップしていく作業は大変です。またこれがグーグルの収益源でもあります。検索ロボットの優秀さがグーグルに巨額の利益をもたらしている訳です。今後、どうなるでしょうか?インターネットの中のデータは級数的に増え、それとグーグルの検索ロボット開発者は死闘を繰り広げます。敗者は明らかです。グーグルの開発者はやがて敗れることを知っています。

 ここで、逆転の発想をしましょう。人間から検索するのではなく、データから検索する。これなら、級数的に増える側から数少ない?人間を検索するのですから、容易なはずです。そのためには、データ側から人間を探すために、データを人工知能化する。イメージは白雪姫が森に入ると動物たちが寄ってくる。そのようなイメージです。白雪姫が動物を探すのではなく、動物たちが白雪姫を探し集まってくる。白雪姫は待っていればよい。それがデータの生命化のイメージのひとつです。

 そのためにはどうすればいいかな?例えば、データの中に、そのデータがターゲットとする人間との距離をインプットし、常に人間との距離を確認し、近しい人間の傍にデータが寄り添う。そのようなイメージかな?

 まだまだデータを生命化すれば、こんな良いことがあるというイメージが、今後世界中で次々出てくると思います。未来は楽しみです。

 私がグーグルのインターネット・オブ・シングス的なイメージを論文に書いたのは2001年でした。今、それが2014年現在10年後に社会に登場した。情報生命化の潮流は顕在化しつつある。それがM2M、S2Sの行きつく先です。経験則からいうと、10年待てば、技術が、ベンチャー精神が付いてくる。

 上記を「情報生命化」と私は呼んでいます。21世紀は情報生命化の世紀と思っています。その結果、21世紀後半には、「情報生命」と生命が、混合社会、混合経済、混合地球を創生する。

その場合、進化論・工学論から言えば、人間の方が淘汰されるのではないかと思う。そのような岐路に我々は現在位置している。したがって今、手を打たないといけない。

コメント:ネアンデルタール人がクロマニョン人に淘汰されたという話に近いということなのでしょうか。並行した同じ関係に位置するものとして捉えるのか、それとも同じ関係ではなく、違った淘汰構造が生まれようとしているのでしょうか。

A私は役に立つロボットという視点のみで単純にロボット経済の未来を考えたほうが、未来が見えると思う。考えすぎは未来を見る目を曇らせる。

役に立つロボットは、良いロボットです。個人個人に個別対応できる良いロボット(MMS2S)のみが、沢山残ればよい。

 個人個人にとって役に立つロボットが残り、役に立たないロボットが淘汰される。そうなれば、人間が淘汰されることはないですよね(^^)

2014年5月27日火曜日

個別化医療時代、製薬企業は下請けになる

Q医薬品医療が個別化医療へてシフトしていくという話であったが、今後個別化医療が行われるようになっていく中で、これまでの製薬企業は、どうしていけばよいのであろうか。


A個別化医療で収益を上げるビジネスモデルは過去のビジネスモデルにはない。武田も欧米の製薬企業もそのようなビジネスモデルには対応できていない。どちらかといえば、中国の華大基因の方が対応できている。彼らは多くのゲノム情報を有しており、治療法と対応させることができる。日本や欧米の企業は彼らの下請けになるしかないのではないか。

2014年5月25日日曜日

ビッグデータと個人情報 コマツショック それでも未来へ 

Qビッグデータを扱う際に、個人情報をいろいろな機器でつなぐということは可能なのだろうか。最近でもSUICAの問題などがあった。また、GPSデータの融通性についてどのようになっていくだろうか。

A知財の目的外使用についてどのように考えるかは大きな問題になっている。医学関係でも問題が起きている。現在世界において、ゲノムと病歴をつなぐことができるのは健康保険制度がある日本だけである。これを実施すれば大きな貢献となる。しかしながら、厚生労働省も、ゲノムと病歴をつなぐことは「出来ないであろう」ということであると思う。この問題に関しては今後も結論が出ないであろう。これは避けようがない。
また、ビッグデータの場合、法律的にも難しい問題がある。通常、法律は過去に遡及して適用されることはない。しかしながら、データの範囲が広がっていく中で、当初予想もしなかった法律と抵触する可能性もある。このテーマに関しても議論は尽きないであろう。

コメント:コマツは去年の後半コマツショックを起こした。コマツはこれまで、コムトラックスを活用して成功してきた。しかしながら、インドネシアでルピアの暴落がおき、失敗してしまった。為替も加味してより良いモデルを作ればよいという理屈もなくはないが、為替は専門家も読むことができない。どんなにビッグデータがあっても、すべての要素をモデルに組み込むことはできない。

ただし、そのようなことにも対応して、先に行くというのが今回の話であるといわれればその通りであるとも思う。今回の話はビッグデータに対してビッグピクチャーを示していただいて大変興味深かった。

2014年5月24日土曜日

ロボットと人間の混合社会・混合経済 M2M S2S M2S 匿名討議

コメント:ロボット化の問題とロボットからのメッセージの問題は分けるべきである。清家論で健康を増進するという話が強調されていたが、この点いかがだろうか。

Aこの問題に関しては、ロボットと人間の混合社会、混合経済におけるロボットと人間のどのような組み合わせが優れているか、望ましいかを考える必要がある。

 都市生活で、個人の健康を増進させていくためには、ロボットと人間はどのような組み合わせが優れているか、が問題となる。個人の健康を増進させるために、ゲノム解読によるマップを使って予防医学、先制医療を行う。そして、日常生活をビッグデータを活用して見守る。この見守り、健康増進には人工知能によってロボット化するM(機器)とS(ソフト)が大変役に立つ。インターネット上でのM(機器)とS(ソフト)が、M2M、S2S(ソフトtoソフト)、そしてM2S(機器toソフト)によって個人をビッグデータで見守り続ける。

 Aさん、どうも太りすぎ、減量が体に良いことは分かっている。ゲノム解読(ビッグデータ)によれば、糖尿病の危険と予防方法は分かっている。インターネットと繋がっている体重計(M)に毎日載ると体重、筋肉量・・・、その変化量・・・の時系列ビッグデータが蓄積される。インターネット体重計(M)は他の家族、親戚が載るインターネット体重計(M)と通信する。

 インターネット体重計は、Aさんのゲノムのビッグデータと、親戚の時系列ビッグデータによって、一族の先天的形質(ゲノムビッグデータ)、後天的変化(時系列ビッグデータ)を考慮して、Aさんの最適な減量メニューをインターネット上から探し出す(M2M)。その際、インターネット体重計は、インターネット上の人工知能ソフト(S)が持っている有料データを競争的に購入することもある。(M2S)

 インターネット体重計Mの人工知能は、Aさんの体重系の使用パターンに合わせて、どんどん学習し、Aさん専用に変化していく。インターネットのどの有料ソフトSのどのような減量メニューを良く使うか?ケチで我儘なAさんはこのような有料ソフトは使わないとか、を学習してしばらくすれば、Aさんを満足させ、なおかつ的確に健康増進できるように変化は続く。
 有料ソフトSも人工知能によって変化していく。健康メニューの価格が高すぎ、競争に負けることが多いと価格を下げる。人気健康メニューを提供して利益を上げている有料ソフトSを研究・学習して、バージョンをセルフアップする。使ってくれる有料ソフトSの傾向を分析して、健康メニューを改良することによって、有料ソフトも変化する。多様化である。
 
 そのMとSはロボットであるから、増産、コピーすれば、世界に1兆台いても不思議ではない。次々増産、コピーされると、MとSのロボットがマジョリティになり、人間の方がマイノリティーになっていくという可能性がある。それでは、1兆台のロボットに関して、どのようなパターン(異なる仕様)があるのがよいのか。どのパターンが個人の見守りにプラスになるか、が問題となる。
 
 当然、個人個人の満足、健康管理、個別医療は異なるから、パターンは多いほど良い。10兆パターン必要であれば、10兆パターンを用意しなければならない。10兆パターンを用意するには、欧米企業が良いのだろうか?アップル、グーグル、アマゾンのような米国企業なら1つのパターンを世界中の人間に押し付けるかもしれない。ドイツ企業もSAPのようなソフトを押し付けるかもしれない。
 
 日本企業はそのような押し付けはしないだろう。個々人に合わせた活動が可能となるMとSの原型を作り、それを多様化させ、シームレスな個別見守り、個別健康管理、個別医療を行わせる。
 
 このように、都市生活で個々人にシームレスに見守りを行うには、日本的経営戦略でMとSを設計する方がよい。逆に1パターンのMとかSに見守りさせるほうが、コスト的に優位であれば、欧米的経営戦略でMとSを設計する方がよい。

 したがって、必要となるパターンの数は、欧米的経営戦略を取るメーカーが多いか、日本的経営戦略を取るメーカーが多いかが、ロボット(MとS)と人間の混合社会、混合経済の形態(都市の社会構造)を決めると考えている。


コメント:これだけビッグデータが蓄積されてくると、その分析のためにはAI(人工知能)を入れていかないといけないのは理解できる。しかしながら、人間とロボットがどのように付き合っていくのかは今後考えなければならない問題であると考えており、問題を提起させていただいた。