2010年8月30日月曜日

ロボットの製品化と企業(1)


ロボット化による人口減少への対応
ICTの急速な進展はロボットの進化と相乗作用を起こしている。現在、産業ロボット業界とは異なる分野で、またネット上では多くのネットロボット(人間の機能を代替するソフト=人工知能)が活動している。大きな問題は人間とロボット、ネットロボット間のインターフェース、対話型システムの革新が課題となる。それが社会生活、生産、経営をどのように革新し、どのような経済政策の可能性があるかを討議する。

1.ロボット経済政策
 ロボットがどのような生産の未来を拓くか、その場におけるマネジメント等についてコメントする。従来の工場、産業ロボットの域を超える可能性について問う。
ロボット、ネットロボットの登場によって、どのような産業が創造され、国家においてどのような経済効果、例えばGDPがどのくらい増加するか、について考えてみよう。事例として、現在、自動車はナビゲーションシステムを、ビジネス秘書(ネットロボット化)として進化させ、自動車をロボット化しようとしていると考えられる。このロボット自動車から、ビジネスマンが降りて、ビルの中で仕事をしようとするとき、ビジネス秘書は自動車から携帯電話に乗り移り、同行する。このような時代の経営のイメージを構想する必要がある。

2.ロボット企業戦略は2タイプ

 かつてソニーのアイボの発売は衝撃的だった。アイボは従来のロボットの概念を変えた。それは商品開発における機能否定であり、役に立つもの=ロボットという考えを変えた。人間のために働くロボットというイメージではなく、人間と遊ぶ、人間が世話をする存在としてのロボット。アイボという犬もどきの存在は、世話をする、手を焼かす存在であった。アイボに触れることで癒され、大ヒット商品となった。しかし、ペット市場を代替することから大きくは出ない商品で25万円は高額であった。したがって、ソニーの売上に貢献するものではなかった。アイボはアイボだけで終わった。

 ロボットに対する企業戦略は2つのタイプがある。第1タイプは既存製品のロボット化を進めていると考えられる企業である。ネット家電は、電子レンジがお話をし、料理相談をする。ネット自動車は、自動車がナビゲータをする助手席の仲間からビジネス秘書を目指している。電子レンジロボットと、自動車ロボットが両者の目標である。
 第2タイプはロボット自体の製品化を進めている企業戦略である。この戦略の相違は今後の消費者の生活革新を大きく左右するかも知れない。さて、どのような世界が現れるか。
 ロボットが普及をするにはロボットが登場して、市場を奪うのと、市場を支配している製品がロボット化するのでは、結果として同じになっても、それまでの戦略はまったく異なる。自動車がロボット化すると考えてみよう。ナビゲーションシステムはすでにロボットと考えられる。自動車である以上、タイヤがあり2足歩行をする必要が無い。また、強力な発電機であるエンジンを積んでいるので電源の心配が無い。また、自動車は既に世界を覆っているので、世界中の自動車が連携して情報のやりとりができる。
 ロボットの持つ機能のうち多くのものは、自動車で代替できる。現在の道路交通法では2足ロボットでなくてもロボットが、日本の道路を走ることは難しい。ロボット自動車が人間を外出先で補助し、家庭に帰ればロボット家電が人間の面倒を見るようにすれば、大抵の場所はトヨタとパナソニックで間に合い。製品としてのロボット自体の出番はなくなる。
 電気冷蔵庫から電気洗濯機の場所までホンダのアシモが移動するのも、電気冷蔵庫と電気洗濯機の両方をロボットにし、最初は電気洗濯機のスイッチが入っており、スイッチが切れた信号を受けて、電気洗濯機のスイッチが入り、機能が連続されれば同じである。

しかし、やはりロボットはそれ自体の製品としての魅力は捨てがたい。日本は世界のロボット王国だからである。

3.製品としてのロボットの追求

 マーケティング戦略は3段階、初動(公的関心・女性・子供)、マニア(プロ)、大衆へと進む。アイボは第1段階を超えようとしたに過ぎなかった。ホンダのアシモ、トヨタのロボット群、体機能支援のロボットなども第1段階でとどまっている。第2段階はマニア(プロ)を驚嘆させる高性能で、この段階のロボットが登場すると大衆の目を引く。最後の3段階、目が集まったところへ大衆が手ごろに買える大ヒット商品の登場である。また女性、マニアはブランド、イメージ戦略が重要である。現在はいまだ第1段階に過ぎない。

さて、第1段階を突破できそうなものがペットロボットである。

ペットロボット 3年後
 ペットは子供と同様である。チンパンジーは3歳児と同様の知能といわれる。ということは、そのチンパンジーが15年生きれば、3歳の子供の可愛さを15年間、5倍楽しめるとも考えられる。犬はもっと幼い。幼い子供の可愛さを15年楽しめる。このようなこともあってか、ペットブームは広がる一方である。ペットは人間並みに消費する。大型犬は就学前児童の数倍の消費をする。これは売上増に悩む企業にとって素晴らしい消費者である。ところが、ペットを飼うには制約が多い。匂い、排便、病気、保菌といった面である。また死ぬことも苦痛である。

 ペットをどうロボットにできるか、考えてみよう。

そしてそれは人口減少、労働力減少、企業での部下の不足(全国の高齢課)の対策の始まりになるかもしれない

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