2010年8月2日月曜日

大学院を出てないエリートがいる国は日本だけ?



――すれ違う文化とビジネス――





1.アジアはエリート社会、欧米も中国、韓国、台湾もエリートは大学院修了
  
日本のみ大衆社会で大卒社会

エリート社会では、政府の意思決定は限定されたメンバーだけで構成され、またエリートは他人を信用せず疑い深い。

したがって、日本のようなお人よしのマスコミ迎合型の大衆感覚での政治、特に軍事・外交は行われない。


2.日本に留学したいアジア人は「女性」が多い?

欧米にアジア、中国、韓国のエリートの男性は留学する。中国の親は、日本は治安が良いので、娘を留学させたい。

また女性は欧米に留学するとその国で結婚したり、帰化したりして母国に戻って来ない傾向がある。

したがって、親は、娘は日本、息子は欧米と願う。


3.日本に留学したアジア人の多くは欧米留学のエリートとの競争で負ける?

欧米人はアジア人に

政府の中枢へ食い込むノウハウを

留学などで教えるが、日本留学ではほとんど教わらない。


4.アジアは多様?は嘘、アジアは中国とインドのみ、日本は?

アジアは中国とインドだけという意識が欧米人の常識である。

それ以外は、インドシナ=アセアン、アジアは多様との見方は日本だけではないか、とも思われる。

5.アジアでは、

中国とインドに対して

日本という先端科学技術に優れ、

世界一の環境・省エネ技術を持つ大国が太平洋上に対峙する構図である。



6.モンゴル帝国はかつて中国・ロシア・インド・イスラムを統一

重要な視点で

日本人がほとんど考えていない感覚は、

覇者特有の「アジアはひとつ」の意識である。

アジア、ユーラシアはかつてモンゴル帝国に統一された。

中国、ロシア、イスラム諸国もかつては統一国家モンゴルの部分であった。

モンゴルが解体後も、中国の明、清、ロシアのロマノフなどの皇帝は統一国家モンゴル帝国の後裔として、再び統一をもたらす資格を持つ者たちであった。

この意識が潜在化して

現在も各国のリーダーの行動に影響を与えている可能性がある。

これは日本人のアジア共同体意識とはまったく異質なアジアの覇者たちの本源的な感覚である?

なお時代はずれるがモンゴルはインドをも支配した。

インドのムガール帝国のムガールとは「モンゴル」を意味し、モンゴル帝国の後裔を称した。

かつての

モンゴル帝国統一の夢を追う中国、ロシアと

いった視点も時として見え隠れする。


6.日本は今後2020年頃までアジアで中国、インドと対峙し、その後米国、フランス?と対峙する。
 
なお20年後の2030年頃には、太平洋のメタンハイドレート、熱水鉱床資源、マンガン団塊などの無尽蔵の資源をめぐって

対岸の米国、南太平洋のフランスと対峙し、

太平洋資源開発・環境管理時代

となると予想される。
 
メタンハイドレートは燃える石「石炭」、燃える水「石油」に対して、燃える氷といわれる。

メタンハイドレートの推定埋蔵量は巨大で、石油・天然ガス埋蔵量の2倍から10倍と推定されており、日本の経済水域は世界最大級の埋蔵地である。

日本海側では富山湾から佐渡までの海底にメタンハイドレートのかなりな埋蔵が、

太平洋側の九州、四国、紀伊沖には世界最大級の埋蔵が推定されている。

開発は2010年代末以降となるが

富山湾から佐渡までの開発が容易で、太平洋側に先行するともいわれている。



 以上をまとめると、

①アジアはエリート社会、

②統一された過去がある、

③日本はかなりアジアの中では変わっていて太平洋に大きな可能性を持っている、

の3点が重要である。



7.日本人は海外雄飛できるか?KIS?暗い・家に帰らない・スケベーからの脱却
 
 日本人は内向きで、特にサラリーマンは海外でKIS(暗い・家に帰らない・スケベー)といわれている。上海で日本人サラリーマンの通訳のアルバイトをする中国人女子大生は注意しないといけない。暗い生真面目紳士が夜酒を飲むとびっくり、スケベー男に豹変する。

 さて、脱線して、歴史を遡ってみよう。



8.日本人は中世、戦国時代において海外雄飛をした。この時代の日本人、西日本居住者は明るく外交的で大らかであったとの説がある。

 中世以降、海外雄飛は欧州でも起こって、大航海時代が到来する。なぜ、大航海時代になったかという理由は多く語られている。

 私は経営学者なので「陸上輸送と海上輸送が代替的」で歴史を考えることを趣味としている。まだ仮説の域にも達しないが、大航海時代は陸上輸送より海上輸送が優位に立った結果であると考えることができる。古代は陸上交通が中心で人馬、駱駝が中心であった。中世になって船と航海術の発達で、馬車、駱駝で運ぶより、船で運ぶ手段が有利になった。その変化が経済に影響を与え国家の盛衰へと繋がる。
 
 古代の貿易品は駱駝などで運ぶ軽薄短小の金・絹などであった。ところが、中世以降、船で運ぶ重厚長大の陶器などが中心となった。生活必需品である陶器生産、貿易は家庭生活を変化させ、現在の家電生産・貿易に相当する産業となった。その結果、大陸に基盤をおく大国に対して、海上に基盤をおく大国が発生したとも考えられる。その頂点が英国であった。日本はユーラシア大陸の反対側で「英国」的存在になる可能性があった。
 
 さて、脱線を戻して、海賊とも称される「倭寇」について考えてみよう。中世倭寇は中国、日本を語る際に欠かせない。明帝国の悩みは北のモンゴル、南の倭寇の侵攻であった。倭寇は、実は海賊よりは、経営学的に乱暴に定義すると政産官学金(金融?)連携のグローバル多国籍企業(日本人15%+中韓台+アセアン+ポルトガル・・)が適当である。倭寇などで、日本人は中世以降海外雄飛し、この中には奴隷として売り買いされた人も多かった。


9.なお戦国時代の世界最大の奴隷貿易港は長崎であったともいわれている。論文があります。探してみて!

最盛時、九州に住む人は親族が海外に住むのは当たり前で、居住地域はインド洋まで及んだともいわれている。

このような日本人を内向きにしたのは三河出身の徳川政権の政策であった。長期政権は日本人の性格を三河人の性格?に変えたとも思われる。

ドイツにおいても同様な考えができる。ドイツ人の性格を決めた?のは最終的にドイツ民族を統一した北ドイツの生真面目なプロイセン気質であった。南ドイツはもうめっちゃ明るいからね。

将来、日本人が

かつての海外雄飛の明るさ大らかさを発揮する日も

期待してよいのではないか。


10.江戸時代富山配置薬モデルを現在の日本へ適用?

 江戸時代の富山配置薬・立山信仰は、世界雄飛のモデルとなりうるとかねてより考えてきた。

 富山配置薬のビジネスモデルについて、注目する点は、国内・海外から薬と医療知識を集め、日本全国へ富山ブランドの薬と医療知識を届けるである。なお、海外の薬を探索、購入するのに北海道の混布が使われ、また立山信仰の死装束の先用後利から配置薬の先用後利ビジネスが出てきた。

 この富山配置薬モデルを応用して日本の戦略を考えると、重要なのは「国内・海外から薬と医療知識を集め」である。日本経済、企業が世界へ伸びるには、輸出、海外進出を行うことは周知である。

しかし、それだけでは、特に海外進出が中心になると日本は空洞化する。流れこむ河を作らないと、出すだけではどんな大きな湖でも涸れてしまう。

アウトプットに相当する輸出、海外進出に対して、インプットである「海外知識・素材の探索」が不可欠である。

ステップは、①輸出、②海外進出、③現地法人が世界の知識・素材を探索、④世界の知識・素材を日本へ持ち帰る、⑤日本で加工・価値化・ブランド化、⑥輸出
・・・の循環である。


11.現地法人が世界の知識・素材を探索、日本へ持ち帰る 

世界の知識・素材を持ち帰るステップは①異質な知の獲得、②多国の現地法人間で生産品目の交流・交換による知識攪拌、③現地の世界標準化の進展、⑤日本への知識・素材の持ち帰り、とったステップとなる。


12.日本企業

 今後10年はアジアにおける欧米企業・韓国・中国の優位が続き、徐々に日本企業の逆転が起こる.

消費者が豊かになり庶民レベルまで商品が行き渡ると、顧客志向の企業が生産主導の企業から覇権を獲得する。

日本国内で1970年代、1980年代以降に起こった

「パナソニック、トヨタ自動車、イトーヨーカ堂などの成功」が

アジアで時代と国を変えて起こる。

10年後は世界、アジア、中国は顧客志向・効率経済になり日本企業の時代となる。

2020年日本企業は顧客志向・効率経済で世界において圧倒的な優位を発揮する。その日本企業をより強くするには、

日本企業は、

①リードタイム短縮、②グローバル総合ニッチ企業(GGN)、③世界ビジネスローテーション(多国の現地法人間で生産品目の交流・交換による知識攪拌)といった方策が考えられる。


13.日本政府の政策

日本政府の政策は、①金融支配(プロセス集金システム:税金は金融から取る)、②日本企業の環境・衛生インフラ輸出・海外進出戦略の支援(アウトプット)、③世界知識・素材獲得の支援(インプット支援)、となる。

これを成功させるには、総理、首長に経営者感覚が必要である。例えば、富山県は工業などの出荷額が4兆円に達する。これは年間売上4兆円の企業とも考えられる。

キャノンと同規模である。知事にはキャノン社長以上の経営能力が必須とも考えられる。

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