2014年5月30日金曜日

ビッグデータとシミュレーション 人間の出番

Qビッグデータにもいろいろ種類があり、1つのデータを大量にとる場合とある対象物に対していろいろなデータを収集するという場合があると思う。が、マップとセンサ、両方なければならないと思う。しかしながら、現状ではとりあえず何でもデータ蓄積しておこうという状態にとどまっている。データを出す方に、メリットがあるということがわかれば、データビジネスに迄発展する可能性があると思うがどうか。

A基本的にはマーケティングに活用されていく事例が多いと考えている。マーケティングを行う際にシミュレーション的な使い方が導入できる。インターネットの中には未来が入っているという話がある。インターネット上の、バーチャルなマーケットの中で、販売前に売れるかどうかを、判断することが可能になる。シミュレーションに関して日本は非常に弱い。マーケティングでのモニタリングに関するシミュレーション技術は、欧米が非常に強い関心を示めしている。

Qマーケットシミュレーションという話がなされたが、バーチャルのマーケットでも既存のデータを用いていると、本当に新奇性の高いラディカルなイノベーションには対応できないのではないか。


Aまったく違う商品をシミュレーションするというのは非常に難しい。そのような商品を出す際に人間の出番がある。

2014年5月29日木曜日

21世紀は情報生命化の世紀 進化論とビッグデータ 

Q先生の研究は「自然」をどのように取り入れているのでしょうか。

Aロボット化は非常に難しい問題であると思う。というのも、人間はそんなに急激には増えない。一方で、データはどんどん増えていく。先ほど「自然」という話があったが、進化論的に考えれば級数的に増えていく方が優位な存在となる。すべてのデータを人工知能化した場合、データが生命に近い能力を持つことになる。
 データが生命になる?イメージ涌きますか?21世紀はデータを生命化する。そのアイデアを出せる人々、ベンチャー企業、ベンチャー事業が成功する世紀だと思います。私は今、そのイメージを浮かべる作業を楽しんでいます。

 例えば、現在人間はグーグルの検索ロボットを使って、データを検索しています。検索ロボットは大変苦労してインターネットの中から探してきます。この検索ロボットのプログラムをレベルアップしていく作業は大変です。またこれがグーグルの収益源でもあります。検索ロボットの優秀さがグーグルに巨額の利益をもたらしている訳です。今後、どうなるでしょうか?インターネットの中のデータは級数的に増え、それとグーグルの検索ロボット開発者は死闘を繰り広げます。敗者は明らかです。グーグルの開発者はやがて敗れることを知っています。

 ここで、逆転の発想をしましょう。人間から検索するのではなく、データから検索する。これなら、級数的に増える側から数少ない?人間を検索するのですから、容易なはずです。そのためには、データ側から人間を探すために、データを人工知能化する。イメージは白雪姫が森に入ると動物たちが寄ってくる。そのようなイメージです。白雪姫が動物を探すのではなく、動物たちが白雪姫を探し集まってくる。白雪姫は待っていればよい。それがデータの生命化のイメージのひとつです。

 そのためにはどうすればいいかな?例えば、データの中に、そのデータがターゲットとする人間との距離をインプットし、常に人間との距離を確認し、近しい人間の傍にデータが寄り添う。そのようなイメージかな?

 まだまだデータを生命化すれば、こんな良いことがあるというイメージが、今後世界中で次々出てくると思います。未来は楽しみです。

 私がグーグルのインターネット・オブ・シングス的なイメージを論文に書いたのは2001年でした。今、それが2014年現在10年後に社会に登場した。情報生命化の潮流は顕在化しつつある。それがM2M、S2Sの行きつく先です。経験則からいうと、10年待てば、技術が、ベンチャー精神が付いてくる。

 上記を「情報生命化」と私は呼んでいます。21世紀は情報生命化の世紀と思っています。その結果、21世紀後半には、「情報生命」と生命が、混合社会、混合経済、混合地球を創生する。

その場合、進化論・工学論から言えば、人間の方が淘汰されるのではないかと思う。そのような岐路に我々は現在位置している。したがって今、手を打たないといけない。

コメント:ネアンデルタール人がクロマニョン人に淘汰されたという話に近いということなのでしょうか。並行した同じ関係に位置するものとして捉えるのか、それとも同じ関係ではなく、違った淘汰構造が生まれようとしているのでしょうか。

A私は役に立つロボットという視点のみで単純にロボット経済の未来を考えたほうが、未来が見えると思う。考えすぎは未来を見る目を曇らせる。

役に立つロボットは、良いロボットです。個人個人に個別対応できる良いロボット(MMS2S)のみが、沢山残ればよい。

 個人個人にとって役に立つロボットが残り、役に立たないロボットが淘汰される。そうなれば、人間が淘汰されることはないですよね(^^)

2014年5月27日火曜日

個別化医療時代、製薬企業は下請けになる

Q医薬品医療が個別化医療へてシフトしていくという話であったが、今後個別化医療が行われるようになっていく中で、これまでの製薬企業は、どうしていけばよいのであろうか。


A個別化医療で収益を上げるビジネスモデルは過去のビジネスモデルにはない。武田も欧米の製薬企業もそのようなビジネスモデルには対応できていない。どちらかといえば、中国の華大基因の方が対応できている。彼らは多くのゲノム情報を有しており、治療法と対応させることができる。日本や欧米の企業は彼らの下請けになるしかないのではないか。

2014年5月25日日曜日

ビッグデータと個人情報 コマツショック それでも未来へ 

Qビッグデータを扱う際に、個人情報をいろいろな機器でつなぐということは可能なのだろうか。最近でもSUICAの問題などがあった。また、GPSデータの融通性についてどのようになっていくだろうか。

A知財の目的外使用についてどのように考えるかは大きな問題になっている。医学関係でも問題が起きている。現在世界において、ゲノムと病歴をつなぐことができるのは健康保険制度がある日本だけである。これを実施すれば大きな貢献となる。しかしながら、厚生労働省も、ゲノムと病歴をつなぐことは「出来ないであろう」ということであると思う。この問題に関しては今後も結論が出ないであろう。これは避けようがない。
また、ビッグデータの場合、法律的にも難しい問題がある。通常、法律は過去に遡及して適用されることはない。しかしながら、データの範囲が広がっていく中で、当初予想もしなかった法律と抵触する可能性もある。このテーマに関しても議論は尽きないであろう。

コメント:コマツは去年の後半コマツショックを起こした。コマツはこれまで、コムトラックスを活用して成功してきた。しかしながら、インドネシアでルピアの暴落がおき、失敗してしまった。為替も加味してより良いモデルを作ればよいという理屈もなくはないが、為替は専門家も読むことができない。どんなにビッグデータがあっても、すべての要素をモデルに組み込むことはできない。

ただし、そのようなことにも対応して、先に行くというのが今回の話であるといわれればその通りであるとも思う。今回の話はビッグデータに対してビッグピクチャーを示していただいて大変興味深かった。

2014年5月24日土曜日

ロボットと人間の混合社会・混合経済 M2M S2S M2S 匿名討議

コメント:ロボット化の問題とロボットからのメッセージの問題は分けるべきである。清家論で健康を増進するという話が強調されていたが、この点いかがだろうか。

Aこの問題に関しては、ロボットと人間の混合社会、混合経済におけるロボットと人間のどのような組み合わせが優れているか、望ましいかを考える必要がある。

 都市生活で、個人の健康を増進させていくためには、ロボットと人間はどのような組み合わせが優れているか、が問題となる。個人の健康を増進させるために、ゲノム解読によるマップを使って予防医学、先制医療を行う。そして、日常生活をビッグデータを活用して見守る。この見守り、健康増進には人工知能によってロボット化するM(機器)とS(ソフト)が大変役に立つ。インターネット上でのM(機器)とS(ソフト)が、M2M、S2S(ソフトtoソフト)、そしてM2S(機器toソフト)によって個人をビッグデータで見守り続ける。

 Aさん、どうも太りすぎ、減量が体に良いことは分かっている。ゲノム解読(ビッグデータ)によれば、糖尿病の危険と予防方法は分かっている。インターネットと繋がっている体重計(M)に毎日載ると体重、筋肉量・・・、その変化量・・・の時系列ビッグデータが蓄積される。インターネット体重計(M)は他の家族、親戚が載るインターネット体重計(M)と通信する。

 インターネット体重計は、Aさんのゲノムのビッグデータと、親戚の時系列ビッグデータによって、一族の先天的形質(ゲノムビッグデータ)、後天的変化(時系列ビッグデータ)を考慮して、Aさんの最適な減量メニューをインターネット上から探し出す(M2M)。その際、インターネット体重計は、インターネット上の人工知能ソフト(S)が持っている有料データを競争的に購入することもある。(M2S)

 インターネット体重計Mの人工知能は、Aさんの体重系の使用パターンに合わせて、どんどん学習し、Aさん専用に変化していく。インターネットのどの有料ソフトSのどのような減量メニューを良く使うか?ケチで我儘なAさんはこのような有料ソフトは使わないとか、を学習してしばらくすれば、Aさんを満足させ、なおかつ的確に健康増進できるように変化は続く。
 有料ソフトSも人工知能によって変化していく。健康メニューの価格が高すぎ、競争に負けることが多いと価格を下げる。人気健康メニューを提供して利益を上げている有料ソフトSを研究・学習して、バージョンをセルフアップする。使ってくれる有料ソフトSの傾向を分析して、健康メニューを改良することによって、有料ソフトも変化する。多様化である。
 
 そのMとSはロボットであるから、増産、コピーすれば、世界に1兆台いても不思議ではない。次々増産、コピーされると、MとSのロボットがマジョリティになり、人間の方がマイノリティーになっていくという可能性がある。それでは、1兆台のロボットに関して、どのようなパターン(異なる仕様)があるのがよいのか。どのパターンが個人の見守りにプラスになるか、が問題となる。
 
 当然、個人個人の満足、健康管理、個別医療は異なるから、パターンは多いほど良い。10兆パターン必要であれば、10兆パターンを用意しなければならない。10兆パターンを用意するには、欧米企業が良いのだろうか?アップル、グーグル、アマゾンのような米国企業なら1つのパターンを世界中の人間に押し付けるかもしれない。ドイツ企業もSAPのようなソフトを押し付けるかもしれない。
 
 日本企業はそのような押し付けはしないだろう。個々人に合わせた活動が可能となるMとSの原型を作り、それを多様化させ、シームレスな個別見守り、個別健康管理、個別医療を行わせる。
 
 このように、都市生活で個々人にシームレスに見守りを行うには、日本的経営戦略でMとSを設計する方がよい。逆に1パターンのMとかSに見守りさせるほうが、コスト的に優位であれば、欧米的経営戦略でMとSを設計する方がよい。

 したがって、必要となるパターンの数は、欧米的経営戦略を取るメーカーが多いか、日本的経営戦略を取るメーカーが多いかが、ロボット(MとS)と人間の混合社会、混合経済の形態(都市の社会構造)を決めると考えている。


コメント:これだけビッグデータが蓄積されてくると、その分析のためにはAI(人工知能)を入れていかないといけないのは理解できる。しかしながら、人間とロボットがどのように付き合っていくのかは今後考えなければならない問題であると考えており、問題を提起させていただいた。

2014年5月23日金曜日

未来都市生活 ロボット化と恐怖 M2MとS2S 匿名質疑

Q冷蔵庫から好きな食べ物をとろうとしたら健康に悪いからという理由で取れない。コンビニから買ってきても、冷蔵庫からの情報を得て、電子レンジが使うことができなくなっているというような状況が訪れるのではないか。私はそのような状況では生きていけないという恐怖がある。これは非常に重要な問題を抱えていると思う。

Aマップ側からものごとを考えた際(欧米的経営戦略によるロボット化)には、その懸念は当てはまると思う。しかしながら、センサからの情報によって個別化していくロボット化(日本的経営戦略によるロボット化)であれば、個別に個人に合ったロボット(M2M、S2S、M:機器:、S:ソフト)が次々できて、各個人に個別対応で奉仕していくのではないかと思っている。
 多くのM2M、SSの活動に支えられて、人間、人生を過ごしていくというのが未来の都市生活であり、それが都市ビジネスであると思っている。
 MM、M(機器)はスマートメーター、インターネットで相互に制御しあう自動車、料理メニューを交信しあう家電などである。例えば電子レンジロボットが個別対応で、あなた好みの味付けで、なおかつ健康に合った料理を世界中の電子レンジロボットとインターネットでツイートして、ようやく素晴らしい料理を見つけましたと言って、貴方を感動させるかもしれない。
SS、S(ソフト)は検索ロボット、株取引ロボットなどである。貴方の株取引ロボットが貴方を金持ちにするために日夜頑張っている。そのようなM(機器)S(ソフト)に取り囲まれて生活する未来である。(SM生活ですね)
なお、先ほど述べたように、欧米的経営戦略で造られたMとSは、もっとも優秀な1台が他のロボットを駆逐する。1台が支配する。日本的戦略で作られたMとSはセンサから取り込まれる情報によって、奉仕する個人に個別対応して変化していくので、他のMとSを駆逐することは無い。すべてのMとSは異なる仕様を持つように連続的に変化、進化していく。

1億台のロボット自動車がMとして登場しても、100億台の株取引ロボットであるSが登場しても日本的経営戦略で登場したロボットなら全てが、個別対応して異なる仕様を持っている。1兆台のMとSがロボットとして登場してもすべてが異なるロボットである。

2014年5月22日木曜日

都市ビジネスとビッグデータ経営 ロボット経済へのM2MとS2S 匿名質疑

今後、都市ビジネスにおいて、マップからの戦略、センサからサービスにおいて、時間軸上のビッグデータを取り扱う必要がある。ビッグデータが増加してくる中では、企業はマップ・シミュレーション・センサ、ロボット経済化という4つの要素を加味した経営を行う必要がある。
級数的に増大するビッグデータを、①トップダウンで政治的・戦略的に利用しようという欧米型組織と、②ボトムアップで利活用する日本型組織の2つのビッグデータ経営の間で、競争が起こる。その時は近未来、場は世界である。

討議
Q ビッグデータ、インターネットがどこに向かっていくのかとても勉強になった。しかしながら、このようなものに関しては光と影の部分がある。私は人間が生きていくうえで大切なものが3つあると思う。自由、元気・活力、差別化がないということである。それらの要素がロボット化によって妨げられてしまうのではないか。ある食べ物を、冷蔵庫を開けて食べようと思ったら「健康に悪い」と止められてしまう。それによって、人間の自由が奪われてしまう。データの蓄積によって、人生が完全透明化され、運命がある程度わかるようになってしまうと生きる力がなくなってしまう。そして、マップによってブレイクスルーイノベーションを起こそうという考え方は、天才とその他を差別することにつながる。これらの点に関してはどうお考えか。

A私はこのロボット化の流れは基本的には止まらないと思う。真理を探究し夢を実現したいというのは人間の本能である。ただし、ご指摘いただいたような問題はすでに起こっている。
ロボットに囲まれて生活していくことでどのような問題が起こるのかに関しては、いろいろな議論が起こっている。私もアーティストなどとも議論しているが、結論は出ていない。おそらく世界中で結論はでていない。
また、常に優秀なロボットが登場した際に、それを世界中にコピーする戦略がよいのか。(これは欧米的経営戦略、トップダウンですね。)
それともセンサからの情報をもとにその人にあったロボットに自己組織的に柔軟に変化していくロボットを登場させる戦略がよいのか。センサからの情報によって、簡単なルールしか持っていないロボットでも変化していく。設計者にも予想できない動きをロボットが始める(総務省のロボット研究者)。これは、人間よりもはるかに種類の多いロボットが登場することを意味する。(これは日本的経営戦略、ボトムアップですね。)

個別化する市場へのソリューションと考えると、後者日本的経営戦略の考え方でロボット(M2M、S2S)が増加していくと予想している。

2014年5月20日火曜日

日本の未来を考えるヒント

資源が無いことが最大の資源


これが日本を高度成長させた経済を勉強する際のキーワードです。古い定型的「資源のない国」感覚に若い人は騙されてはいけません。

借金=資産

これが未来の日本を発展させるキーワードです。これは面白い(^^)

富山大学大学院教授
清家

ビッグデータ経営をメーカーが行うには?

従来技術経営は、製品企画・研究開発・試作・実験・生産技術・工場生産・物流・販売であった。ビッグデータ経営は、マップ・シミュレーションがその上流工程に、その下流工程にセンサ・サービスが加わる。センサ・サービスのビッグデータはフィードバックされ、マップ・シミュレーションを修正する。


日本において、技術経営は科学・技術感覚が中心であった。新しい技術経営は、その上流工程のマップ・シミュレーションでは政治・戦略感覚が、その下流工程のセンサ・サービス・フィードバックでは経済・経営感覚を身に着けることが必要である。

2014年5月19日月曜日

ビッグデータ活用におけるマップとセンサによるイノベーション

ビッグデータ活用におけるマップとセンサによるイノベーション

ビッグデータはマップを作成するゲノムなどのデータとセンサから取り込まれるデータの2種類に分類される。

マップは企業戦略で使われ、欧米や中国企業の経営において重要である。

一方でセンサから生成されるビッグデータは時間軸上で収集され、ボトムアップ的な工場、都市の現場のイノベーションにかかわる。この部分は日本に強みがある。見守りなどの顧客へのサービスが現場で改善される。

ビッグデータが増加してくる中では、企業はマップ・シミュレーション・センサという3つの要素を加味した経営を行う必要がある。
                                                                                   
ビッグデータと産業界、技術経営

現在、企業がビッグデータをどのように活用しているのか、について考えてみよう。

トヨタは、ワイパーの動作をセンサとして天気予報を行い、タイヤの回転数をセンサにして渋滞情報をだし、交通現場の改善を行おうとしている。これは日本の得意なボトムアップのビッグデータ経営である。

コマツでは、建機のロボット化を進めている。建機のセンサとGPSを活用し、需要予測・パーツ供給・中古市場活性化などに繋がる。今後、同社はセンサからの時系列のビッグデータと現場のサービス改善をフィードバックして、マップを作り上げ、シミュレーションを行うように進化していくと思われる。

日産自動車は運転のハンドル操作をセンサとして、時系列のビッグデータを取り、高齢者の見守りをしようとしている。運転パターンの変化で脳梗塞などが分かる可能性がある。

これにゲノム解析から作られたマップが加われば、さらに見守りのレベルを上げ、高度な都市ビジネスとなりうる。


近未来、多くの産業、ビジネスが医療に関るゲノムのマップと都市の見守りセンサから作られるビッグデータ」によって革命を迫られる可能性がある。

マップは市場を俯瞰して戦略を立てる。戦略は欧米が非常に強い。一方で、製品と都市のセンサからの時系列データを使い現場改善していく。これが日本型ビッグデータ経営である。

2014年5月18日日曜日

都市ビジネスの超加速化 外資の日本進出

2014年、巨大企業「中国国有中央企業上海電力」が日本に進出して、メガソーラーを2014年関西に建設した。今後、海外から日本の都市ビジネスへ次々進出してくる可能性がある。その旗頭は中国、東南アジアであり、インド、将来アフリカもありえる。その理由は、日本より中国のビジネスは6倍速く、東南アジア他の新興国はさらに速いからである。

ビジネスは加速すると別の「ビジネス」に変化する。

日本では、都市インフラ、都市ビジネスにおける新幹線建設で、日本中に建設するのに50年以上もかかって、まだ終わらない。中国では10年で新幹線網が全国に拡がった。中国においては、新幹線建設のビジネスモデルは日本と異なり、ビジネス自体が変化している。

中国、東南アジアにおいて、日本人は、現地の都市ビジネス企業が日本企業と同じビジネスモデルで仕事をしていると思い込んでいる。が、これは間違いである。

加速された都市ビジネスを行っている中国、東南アジアの業者はまったく日本と異なるビジネスモデルを行っている。日本政府、業界は、都市インフラにおけるメガソーラー建設は「遅いビジネス」、息の長い長期投資ビジネスであると思い込んでいる。日本では都市インフラは充実していて、特に希求するインフラはない。また日本人は待つことに慣れてもいる。

 ところが、中国、東南アジア、インド、アフリカなどの都市住民は、日米欧並みの豊かな都市生活を早期に達成したいと熱望している。感染症などの危険が大きい国もあり、幼児死亡率なども考えれば、都市インフラ早期完備への希求は切実である。それに応えて、新興国政府、企業の都市インフラ建設、都市ビジネスは加速する。

 政府、企業への加速化要請に応えうる技術動向がモジュール化、工場生産化である。新幹線などの技術・生産のモジュール化、マニュアル化はビジネスを加速させる。都市インフラ、ビル、住宅のコンポーネントの工場生産化もビジネスを加速させる。これらは新興国国民の豊かさの早期達成に貢献している。

 中国の電力会社にとっては、メガソーラー建設も短期ビジネスである。メガソーラーの太陽パネルは技術革新が速く、パネルは劣化と技術的陳腐化の両方で早期に更新される。新興国では、メガソーラー建設はスピードビジネス、投資短期回収で成功できる。これは国民の生活向上への欲求に早く貢献する手段である。新興国では都市ビジネス、メガソーラービジネスは加速化で、短期投資ビジネスとなっている。これが上海電力の日本進出の動機である。

近未来、世界の都市ビジネスは益々加速化して都市ビジネスの超加速時代が到来する。

中国だけでなく、東南アジア、インド、アフリカにおいて超加速都市ビジネスで成功した企業が、次々日本へ進出してくる。それに、日本政府、地方自治体、関連業界は順応する。世界の都市ビジネスの超加速化、外資の日本への進出、それが日本国内の都市ビジネスの未来である。またそれは海外で都市ビジネスを展開しようとする日本都市ビジネス企業の課題である。

個別家電、個別衣服、個別生活スタイル、個別治療、個別薬、個別食品の開発

都市ビジネスにおける個人の見守り情報は(時系列ビッグデータ)、個別家電、個別衣服、個別生活スタイル、個別治療、個別薬、個別食品の開発を促す

MとSの増加

個別の生活スタイル(個別市場)は、個別のM・Sの開発を促す。その個別のM・Sが知能化、ロボット化してロボットソリューションする。M・Sがインターネット内でデータを発信・活用するようになると、ビッグデータはさらに爆発的な「量」になる。

シミュレーション

シミュレーションとして、インターネット上で消費者モニターを使って商品を改良するということは一般的である。何度でも繰り返しモニタリングをすることにより、商品販売後の予測は的確になっていく。この欠点は時間がかかることである。消費者モニターが回答してくるのに一定の時間が必要である。
この消費者モニターをロボット化したMとSで代替する。人間は週とか日単位でモニタリングの回答を行いシミュレーションされる。それに対して、MとSはナノ単位で瞬時に数万回のモニタリングによるシミュレーションを行う。

医療現場・薬品・食品、住宅、都市インフラを開発・改良

このビッグデータを活用して、都市インフラ、生活スタイル、医療現場・薬品・食品、住宅、都市インフラを開発・改良していく産業が拡大する。住民の全ゲノム解析によるマップと時系列の見守りデータを活用して住宅リフォームが行われる。
開発・改良には全ゲノム解析によるマップと見守りの時系列ビッグデータをもとにしたシミュレーションが使われ、リフォーム前に居住後の生活が的確に予測できる。
個人の全ゲノム解析データは、日常生活のストレスなどによる遺伝子発現などで変化していく。マップ上での個人の現状は全ゲノム解析の度ごとに変化する。その変化に影響を与えるのは見守りデータである。
そのマップと見守りデータによるシミュレーションによって、医療現場・薬品・食品、住宅、都市インフラを開発・改良する病院、製薬会社、食品会社、建設会社は大きく業績を伸ばす。

2014年5月17日土曜日

医療の分野を中核とする都市ビジネスは成熟経済でも成長していく

人は生死にかかわるとお金を大量に使う。そのため、医療の分野を中核とする都市ビジネスは成熟経済でも成長していく可能性がある。個人の全ゲノムがUS$100以下で解析され、皆がそれを知ってしまうと、大きな社会問題が発生する。

 病気の発症はゲノム以外の生活環境の影響が大きい。しかし、ゲノム解析によって病気の遺伝子が発見された場合、結婚・出産へのためらいが生じる可能性がある[1]

 不安を煽る「マップ」のイメージが巷に溢れる。悪意を持ったビジネスの到来、医療への無力感なども想定される。このような不安は、都市生活、都市ビジネスに大きな影響を与えるだろう。マップが不安を与えれば与えるほどセンサ見守りに対する期待と支出は大きくなる。

 立山科学の高齢者3万人見守りシステム(http://www.tateyama.jp/product/sy_report.html)は近未来の巨大産業の先駆的事例である。この見守りシステムは、見守りセンサからの時間軸上のビッグデータで支えられる。

 高齢者3万人の日常生活管理で見守りセンサからサーバーに蓄積されるデータは数年で膨大なものになる。データセンターを次々増設しないとシステムが耐えられない。3万人でも大変なのに、数百万都市の見守りシステムになると、このデータをどう保存するかは大問題である。

 また、スーパーコンピュータ・人工知能がないとこのビックデータを解析できない。世界中に無数のデータセンターとスーパーコンピュータが必要となる。




[1]自治医科大学学長 東京大学名誉教授の永井良三氏(元東京大学病院長)。永井氏は「情報爆発」という言葉の意味として、特に基礎研究におけるゲノム解析技術の急速な進展を挙げた。「次世代シーケンサーの性能向上によって、かなりの情報が大量に蓄積されるようになってきた」(同氏)。その一方で、現時点では、大量に生み出される情報を整理できない状況であること、それらの情報を活用して知識を構築していくこと、などが課題であると指摘した。http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20140311/339409/

2014年5月16日金曜日

高齢者の定年延長を支援するM2MとS2S

センサ付製品はインターネットで交信し、市民個別に最適かつタイムリーな個別ソリューションを提供する。都市の中でのM2Mである。M2Mに加えてインターネット内で多くのソフトが相互に交信する。インターネット内で交信するソフトTOソフト(S2S)である。 
このような都市が実現すると、例えば、高齢になって営業する体力が無くなった個人がセンサ付製品、MSに援けられて営業を続けるということも可能である。パワーステアリングのついた超大型ダンプカーを軽々と高齢者が運転する。工場で産業ロボットに援けられて力の弱くなった高齢者が働く。パワーステアリング、産業ロボットと同じようにセンサ付製品、MとSが高齢者を援ける。
高齢者の支援をするセンサ付製品、MとSである。多くの業界、職種で、センサ付製品、MとSが開発されると、多くの業種で大幅な定年延長が可能となる。センサ付製品、MとSを創造することは、日本の労働力人口の減少を補える。

MとSの多様化

MSは、支援する人の能力をマップ(地図)として創造される。創造されたときのMとSが持っているマップは、センサから取るデータ、インターネットでMMS2Sで交信して収集されたデータによって、MSのマップは自動修正されていく。
M(S)が2つ開発され、開発されたときは、同じマップであったとしよう。しかし、センサからの時系列データ、インターネットで交信されたデータによって、2つのMのマップは自動修正されていく。時間がたてば2つのMは異なるマップを持つことになる。2つのMは2タイプに多様化したのである。Sも同様に多様化する。全てのMとSにおいて、果てしない多様化が起こる。多様化はMとSの成長とも言える。

欧米型M2M、S2Sと日本型M2M、S2S

欧米的に考えれば、この多様化されたMとかSは競争淘汰させて、優れた1つのマップを持ったMとかSに集約すべきである(ディファクトスタンダード)。しかし、日本的に考えれば、究極まで多様化させ、全ての都市住民に個別対応させることが合理性を持っている(個別市場)。1人の住民に数百、数千の多様なMSがサービスを行う。

2014年5月15日木曜日

ビッグデータ活用と都市ビジネス


IBMはバイオ・医療へ

スマートハウスとスマートビルが並ぶ都市ビジネスについて考えてみよう。IBMは情報量の急増する分野を新ビジネスとして選択している。その急増している分野はバイオ・医療である。ビッグデータはバイオ・医療分野で生まれており、都市ビジネスの中核もバイオ・医療になる。

スマートハウスの中の多くのセンサとセンサ付家電に加えて路上の監視カメラから自動車、スマホなど無数のセンサ付製品が都市ビジネスで活用される。自動車は、時速60キロで移動する世界中に数億台あるセンサで、ワイパーの稼働状態から天気予報をすることも可能となる。そして、スマートフォンは時速4キロで移動する50億個のセンサへと進化する。

これらのセンサ付製品はインターネットで交信し、市民個別に最適かつタイムリーな個別ソリューションを提供する。都市の中でのM2Mである。それにインターネット内での多くのソフトがインターネット内で交信するS2Sが加わる。

2014年5月13日火曜日

スマートハウス

スマートハウス

ビッグデータを活用したロボットソリューションが行われると様々なサービスが誕生する。ヤマダ電機は中堅住宅メーカーのエス・バイ・エスを買収し、スマートハウスの考え方を実践しようとしている。住宅内にセンサ(五感)があり、生きている住宅である。
スマートハウスは今後進化し、都市ビジネスの中核となる。スマートハウスマネジメントにおいては、目標を与えることで、ロボットが固定費、変動費を考慮し、管理してくれるようになる。衣料品、家電、外食などあらゆる場面で、ロボットが活躍して、ツイートして安く買ってくれる。そして、インターネット上でツイートすることで、株・債権・先物の高速取引など資産運用もしてくれるようになる。
家庭においては、スマートメーターが省エネ管理をし、屋根で発電した電気をインターネットオークションで販売して儲けさせてくれる。インターネットテレビが資産の最適管理をして、株取引ソフトがS2Sで稼いでくれ、気が付けば億万長者にしてくれる可能性もある。
冷蔵庫がある製品を「食べると健康に悪い」などと全ゲノム解析のマップをもとにセンサデータとインターネットでのツイート結果をもとに提案してくれるかもしれない。
余談であるが、このようにあらゆるシング(機器・商品・ソフト)のツイートが、ビッグデータとなっていくと、ロボットソリューションを経済政策に活用することも可能となる。このような時代の経済政策とはどのようになるべきか、政府も考えておく必要がある。
米シスコシステムズによると、インターネットにつながるモノ(シング、機械・機器)は2013年で100億台人類の数70億人を上回って2020年には500億台になる。すぐに1兆台に達する。人類70億人+1兆台が経済活動をする。1兆台のMが経済活動をすると考えると170億の経済主体が登場する。その上にSが加わるとさらに数は増える。人間+M+Sの経済主体からロボット経済学が作成される時代は近い[1]




[1] ロボット経済は清家彰敏http://seikeakit.blogspot.jp/2010/10/blog-post_20.html

2014年5月12日月曜日

マップとセンサ

マップとセンサ

LGはセンサからデータを取り、ユーザーに対してアドバイスしてくれるような洗濯機を開発した。この洗濯機は進化すれば、特定の女性の全ゲノム解析からマップ(地図)を作り肌荒れしない服を選び出し、センサからのデータをもとにそれに合わせた生地の洗い方を世界中の洗濯機とインターネットで交信し見つけ、アドバイスする。マップ+センサビジネスである[1]
スーツやシャツ、ネクタイの選定・組み合わせから、夕食のメニューの選定、当日の天気・自動車の稼働状態まであらゆるものがビッグデータとなる。
このロボットソリューション戦略を構築できた企業は他社を圧倒し、世界制覇するであろう。



[1] マップは、ゲノムのような演繹的で正確な科学的データから作られる地図。

2014年5月10日土曜日

生きている製品とマップ・シミュレーション

製品の生命化

使用から廃棄まで、製品はインターネット上でツイートし、膨大なデータ(ビッグデータ)を生み出し、顧客のためのロボットソリューションを繰り広げる。このような製品は、製品生命とでも呼べる存在となる
その製品がツイートしたデータは次期製品企画のためのデータとなる。時系列にビッグデータが蓄積されると、市場を地図(マップ)にすることができる。

マップ・シミュレーション

マップ(地図)が出来上がると製品が今市場のどこにあるかがリアルタイムで分かる。どのような場所でどのようなデータをセンサから取り、他の製品とどのようなツイートをしているかも分かる。このマップと時系列データをもとに販売前にシミュレーションが可能となる。販売する前に、確実に売れる製品を選択する試みが行われる。シミュレーションと販売を繰り返せば、製品販売の成功率は徐々に上昇する。このマップは演繹的に作られ、帰納的に正確、詳細になっていく。