水曜日は午後が清家がいる確率が大きい。
木曜日は終日いる予定。探してね。昼以降は大学院、ゼミで居るけど電話は出ないかな。
清家とかけて北方領土ととく、
その心は、
帰るかえるといって、いっこうに(大学に?)帰ってこない。
ツチノコよりは発見しやすいとの・・・
2010年9月30日木曜日
高齢者の夢を子供たちに伝える未来組織(3) 金融の役割
金融とは何か、
1.金融とは高齢者から孫ひ孫へ投資する仕組みである。
2.金融とは豊かな働き者のばくち打ちが、貧しい働き者のばくち打ちへ投資する仕組みである。
社会で一番困り者、社会を滅ぼす者はだれでしょう?
①大金持ち
②貧乏人
どちらでしょうか?
どちらでもありません。
社会を滅ぼすのは③小金持ちです。
大金持ちは大いなる夢と男気(女気)とささやかな哲学とすけベー心で投資する。
貧乏人は失うものが無いから、必死に出口を探す。
小金持ちはお金を抱えて死ぬ?
今、日本中のシャッター通りのオーナー店主は皆小金持ち。
小金持ちの定義は「その地方が衰退して滅んだあと5年後まで彼らは生き延びる」である。
この小金持ちのお金をいかに孫ひ孫に投資するか?
1.金融とは高齢者から孫ひ孫へ投資する仕組みである。
2.金融とは豊かな働き者のばくち打ちが、貧しい働き者のばくち打ちへ投資する仕組みである。
社会で一番困り者、社会を滅ぼす者はだれでしょう?
①大金持ち
②貧乏人
どちらでしょうか?
どちらでもありません。
社会を滅ぼすのは③小金持ちです。
大金持ちは大いなる夢と男気(女気)とささやかな哲学とすけベー心で投資する。
貧乏人は失うものが無いから、必死に出口を探す。
小金持ちはお金を抱えて死ぬ?
今、日本中のシャッター通りのオーナー店主は皆小金持ち。
小金持ちの定義は「その地方が衰退して滅んだあと5年後まで彼らは生き延びる」である。
この小金持ちのお金をいかに孫ひ孫に投資するか?
高齢者の夢を子供たちに伝える未来組織(2) 地方の役割
地方は高齢化が進んでる。
未来組織は高齢者と孫ひ孫の2つをつなぐ仕組みである。
海外、都会に孫ひ孫、日本の地方に高齢者の構図なら。
地方リーダー県知事の役割は高齢者と孫ひ孫をつなぐ未来組織の構築者でなければならない。
そのためのスマートフォンのそふと開発?
やってるかな?
未来組織は高齢者と孫ひ孫の2つをつなぐ仕組みである。
海外、都会に孫ひ孫、日本の地方に高齢者の構図なら。
地方リーダー県知事の役割は高齢者と孫ひ孫をつなぐ未来組織の構築者でなければならない。
そのためのスマートフォンのそふと開発?
やってるかな?
高齢者の夢を子供たちに伝える未来組織(1)
未来組織の条件
1.未来組織とは社会の明日を建設できる仕組み
2.高齢者は子供たちと遊んで健康になれる。
3.子供たちは「日本の未来をかつて建設した高齢者」の夢から学ぶ
4.高齢者と子供たちが遊ぶ場をつくるスマートフォン
イメージ バーチャル「孫といつも一緒」
かつては家にはおじいちゃん、おばあちゃんがいた。
その中で、今の高齢者たちは育って、1960年代以降の日本の高度成長期から1980年代ジャパンアズナンバーワンの礎となった。
今の子供たちは家庭に高齢者はいない。
欧米、中国へ幼い孫やひ孫をつれて親は海外勤務、おじいちゃん、おばあちゃんは日本でお留守番。孫にはお誕生日にスカイプで話したり、プレゼントを贈るだけ。
スマートフォンを使えば、孫と一緒におれる。孫、ひ孫と一緒に上海のデパートに、カルフールのスーパーにバーチャルご一緒買い物も出来る。
海外だって出来るのだから日本国内だってバーチャル一緒遊び、バーチャル同居が出来るはず。
高齢者が孫とバーチャルに一緒して、そこから未来の夢を一緒に創造共有して、やがて10年後、20年後に日本の未来をひらく。
このような未来作りの仕組みが「未来組織」かな。
2010年9月28日火曜日
シミュレーション型経営への要請
従来の経営は製造業であれば、内部組織を中心に研究開発、生産技術、工場、製品販売のプロセスで顧客へのビジネスを行った。
1990年代ソリューションビジネスが登場し、現在、経営は研究開発、生産技術、工場、製品販売、センシング(ソフト開発)、サービス、コンサルティング、金融、保険、顧客のプロセスを管理する必要がある。
また将来的には、研究開発の前に、詳細な地図が登場する可能性がある。バイオにおいてはDNAを基礎にした人体地図上で病気、治療、予後が特定、予測される地図ビジネスが既に成立しようとしている。かつてのようにやみくもに病気に対症療法で向かっていくのではなく、人体地図上で今何が起こっているか、何をなそうとしているか、特定できるのである。これを地図戦略と規定すれば、地図戦略は人体地図と市場地図の2つで構成されると考えられる。
またこの地図と対になるのがバーチャル人体とバーチャル市場とシミュレーションである。開発された製品は販売されるまでに仕様をバーチャル人体に打ち込んで治療効果、予後がシミュレーションで予測される。次にバーチャル市場でシミュレーションし販売成果を予測する。この2つのシミュレーションは連結され、バーチャル市場で成功した製品をリアルな市場で販売する。また多くの製品についてシュミレーションした中から最大売上、最大収益の製品を選択販売する。逆にある売上額を決めてその製品の開発仕様を決めるといった「逆算製品開発」も可能となる。
この結果、経営は、地図戦略、研究開発、生産技術、工場、製品、センシング、サービス、コンサルティング、金融、保険、バーチャル市場、リアル市場販売、のプロセスになる。
1990年代ソリューションビジネスが登場し、現在、経営は研究開発、生産技術、工場、製品販売、センシング(ソフト開発)、サービス、コンサルティング、金融、保険、顧客のプロセスを管理する必要がある。
また将来的には、研究開発の前に、詳細な地図が登場する可能性がある。バイオにおいてはDNAを基礎にした人体地図上で病気、治療、予後が特定、予測される地図ビジネスが既に成立しようとしている。かつてのようにやみくもに病気に対症療法で向かっていくのではなく、人体地図上で今何が起こっているか、何をなそうとしているか、特定できるのである。これを地図戦略と規定すれば、地図戦略は人体地図と市場地図の2つで構成されると考えられる。
またこの地図と対になるのがバーチャル人体とバーチャル市場とシミュレーションである。開発された製品は販売されるまでに仕様をバーチャル人体に打ち込んで治療効果、予後がシミュレーションで予測される。次にバーチャル市場でシミュレーションし販売成果を予測する。この2つのシミュレーションは連結され、バーチャル市場で成功した製品をリアルな市場で販売する。また多くの製品についてシュミレーションした中から最大売上、最大収益の製品を選択販売する。逆にある売上額を決めてその製品の開発仕様を決めるといった「逆算製品開発」も可能となる。
この結果、経営は、地図戦略、研究開発、生産技術、工場、製品、センシング、サービス、コンサルティング、金融、保険、バーチャル市場、リアル市場販売、のプロセスになる。
日本型経営と企業教育革新(1) 世界との相違
日米欧企業の経営の理念型は大きく異なる。その相違は経営教育においても大きな相違をもたらしている。
日米欧の企業の競争力は1990年代以降ソリューションビジネスとICTを共通とし、経営教育と教育工学投資の重点はここにある。現在、日米欧、韓国、中国、インド企業は中国、インド他、世界のあらゆる地域で対峙している。日本企業は欧米他の世界の企業と経営原理、企業教育原理で大きな相違をみせる。欧米他の企業は市場戦略、日本企業は組織間関係の管理が基礎となる。また欧米企業他は計画に、日本企業は実行過程に成否が依存する。ここで、欧米企業を代表的な事例と考え、日本企業との相違に注目して、欧米企業と日本企業における経営原理と企業教育について論じてみよう。
例えば中国、インドでの欧米企業と日本企業の振る舞いはまったく異なっている。中国企業やインド企業は日本企業より欧米企業に行動原理が似ている場合が多い。欧米企業は戦略に基づき、欧米で教育、訓練を受けた中国、インド人に計画を作らせ、実行は現地人に行わせる。中国企業、インド企業はそのためか欧米企業以上に欧米企業的行動をとることさえある。
中国、インドなどにおいて、日本企業では経営戦略は事実上限定された意味しかなく、コストが低い進出地域を決めるだけといった場合さえある。計画は実態が分からない日本人が現地中国人のアドバイスで作成し、しばしば誤算が相次ぎ訂正と言い訳に満ちていてあてにならない 。実行は、現地人が中心であるがこれには日本人がつききりになる。実は実行が日本型経営の鍵で成否を決めるものだからである。
そのため、欧米企業と日本企業の経営教育はまったく異なるものとなる。欧米企業の教育はトップには戦略を、ミドルには計画を教育する必要がある。その教育の場は社外である。一般従業員への教育は熱心ではない。
日本企業はトップに対しては教育を行わない 。トップになる年齢が60歳程度なので年齢をとっていて教育投資が無駄だという説もある。日本企業では計画がずさんで、ミドルは実行段階での達成能力を問われ、実行指揮と部下の指導ノウハウの教育が求められる。ミドルへの要請は、部下に対してずさんな計画でも必死に達成させ、現場に合わない設備でも工夫して最適化させうる指揮能力である(現場最適化能力)。教育の場は多くは社内で、仕事上で行われるOJTである。
日本企業ではトップのリーダーシップは不足 、計画立案過程は重視されないため 、常にプロジェクトは失敗の危機にさらされる。この理由は日本型組織の編成原理に遡り、企業のトップだけでなく日本の政治家のリーダーシップの不足も同根と思われる(清家(1995))。
曖昧さを先送りして合意を得ようとするなど明確な計画立案を妨げる困難な要因がある(清家(1995))。それでも失敗しないためには従業員の個人能力の高さと責任感が頼りである。戦略、戦術で負けても忠誠心を持った従業員の起死回生の戦闘で打ち倒せばよい。したがって、実行の担い手である一般従業員への教育は極めて盛んである。
上記のような違いは、グローバルな場において、欧米と日本企業の競争で際立った違いを見せる。日本企業では、顧客問題解決、現場最適化が求められ、教育内容は顧客の変化と従業員の成長に合わせて連続的に変化する。計画という名のずさんな形式知、現場に無理解な設備がマニュアル(形式知)と共に現場に届いたときそれを最適化する現場最適化能力が問われる。この教育においては従業員の成長、進化、暗黙知の伝承が重要である。
欧米は戦略、計画厳守により、従業員はマニュアル実行のみであり、教育内容は計画により断続的に更新される。計画がずさんであれば、現場の努力に関わらず失敗が起こる。
グローバル化を比較してみると、日本は隣接領域(同質地域)進出である。その理由は現地で獲得できる顧客と従業員が同質なため、市場リスク、教育コストが低下し、異質地域進出よりもコストが低くなるからである。これは一般従業員の教育コストが高いことが理由であり、従業員の同質性は教育コストダウンの重要な要因である 。日本企業の組織間関係における情報における非対称性の解消は情報の共有と分散の条件で日本企業の最大の強みといわれ、そのために同質化が求められ、従業員教育が行われる。
欧米企業は一般従業員の教育コストが低い。したがって、従業員の同質性は進出の基準としてウエイトが低く、収益、利益を期待できる地域を世界中から探すことになる。
欧米企業は断続的な教育内容(形式知)の更新であるので、それに対応した教育機器、ソフトの開発は容易である。また断続的教育内容は断続的職務記述の更新と連携しており、断続的であるがゆえに他社の模倣の対象となり、教育機器、ソフトのパッケージ化を促進し、開発投資の回収が容易となる。
日本においては、教育内容の更新は連続的であり、模倣は中核部分のみとかメタレベルとなり、教育機器、ソフト開発はオーダーメード的または細分化されたセグメントが対象となり、投資効率が悪い。
日米欧の企業の競争力は1990年代以降ソリューションビジネスとICTを共通とし、経営教育と教育工学投資の重点はここにある。現在、日米欧、韓国、中国、インド企業は中国、インド他、世界のあらゆる地域で対峙している。日本企業は欧米他の世界の企業と経営原理、企業教育原理で大きな相違をみせる。欧米他の企業は市場戦略、日本企業は組織間関係の管理が基礎となる。また欧米企業他は計画に、日本企業は実行過程に成否が依存する。ここで、欧米企業を代表的な事例と考え、日本企業との相違に注目して、欧米企業と日本企業における経営原理と企業教育について論じてみよう。
例えば中国、インドでの欧米企業と日本企業の振る舞いはまったく異なっている。中国企業やインド企業は日本企業より欧米企業に行動原理が似ている場合が多い。欧米企業は戦略に基づき、欧米で教育、訓練を受けた中国、インド人に計画を作らせ、実行は現地人に行わせる。中国企業、インド企業はそのためか欧米企業以上に欧米企業的行動をとることさえある。
中国、インドなどにおいて、日本企業では経営戦略は事実上限定された意味しかなく、コストが低い進出地域を決めるだけといった場合さえある。計画は実態が分からない日本人が現地中国人のアドバイスで作成し、しばしば誤算が相次ぎ訂正と言い訳に満ちていてあてにならない 。実行は、現地人が中心であるがこれには日本人がつききりになる。実は実行が日本型経営の鍵で成否を決めるものだからである。
そのため、欧米企業と日本企業の経営教育はまったく異なるものとなる。欧米企業の教育はトップには戦略を、ミドルには計画を教育する必要がある。その教育の場は社外である。一般従業員への教育は熱心ではない。
日本企業はトップに対しては教育を行わない 。トップになる年齢が60歳程度なので年齢をとっていて教育投資が無駄だという説もある。日本企業では計画がずさんで、ミドルは実行段階での達成能力を問われ、実行指揮と部下の指導ノウハウの教育が求められる。ミドルへの要請は、部下に対してずさんな計画でも必死に達成させ、現場に合わない設備でも工夫して最適化させうる指揮能力である(現場最適化能力)。教育の場は多くは社内で、仕事上で行われるOJTである。
日本企業ではトップのリーダーシップは不足 、計画立案過程は重視されないため 、常にプロジェクトは失敗の危機にさらされる。この理由は日本型組織の編成原理に遡り、企業のトップだけでなく日本の政治家のリーダーシップの不足も同根と思われる(清家(1995))。
曖昧さを先送りして合意を得ようとするなど明確な計画立案を妨げる困難な要因がある(清家(1995))。それでも失敗しないためには従業員の個人能力の高さと責任感が頼りである。戦略、戦術で負けても忠誠心を持った従業員の起死回生の戦闘で打ち倒せばよい。したがって、実行の担い手である一般従業員への教育は極めて盛んである。
上記のような違いは、グローバルな場において、欧米と日本企業の競争で際立った違いを見せる。日本企業では、顧客問題解決、現場最適化が求められ、教育内容は顧客の変化と従業員の成長に合わせて連続的に変化する。計画という名のずさんな形式知、現場に無理解な設備がマニュアル(形式知)と共に現場に届いたときそれを最適化する現場最適化能力が問われる。この教育においては従業員の成長、進化、暗黙知の伝承が重要である。
欧米は戦略、計画厳守により、従業員はマニュアル実行のみであり、教育内容は計画により断続的に更新される。計画がずさんであれば、現場の努力に関わらず失敗が起こる。
グローバル化を比較してみると、日本は隣接領域(同質地域)進出である。その理由は現地で獲得できる顧客と従業員が同質なため、市場リスク、教育コストが低下し、異質地域進出よりもコストが低くなるからである。これは一般従業員の教育コストが高いことが理由であり、従業員の同質性は教育コストダウンの重要な要因である 。日本企業の組織間関係における情報における非対称性の解消は情報の共有と分散の条件で日本企業の最大の強みといわれ、そのために同質化が求められ、従業員教育が行われる。
欧米企業は一般従業員の教育コストが低い。したがって、従業員の同質性は進出の基準としてウエイトが低く、収益、利益を期待できる地域を世界中から探すことになる。
欧米企業は断続的な教育内容(形式知)の更新であるので、それに対応した教育機器、ソフトの開発は容易である。また断続的教育内容は断続的職務記述の更新と連携しており、断続的であるがゆえに他社の模倣の対象となり、教育機器、ソフトのパッケージ化を促進し、開発投資の回収が容易となる。
日本においては、教育内容の更新は連続的であり、模倣は中核部分のみとかメタレベルとなり、教育機器、ソフト開発はオーダーメード的または細分化されたセグメントが対象となり、投資効率が悪い。
2010年9月25日土曜日
中国は東に関心が薄い 本質的に日本に関心は薄い?
中国は伝統的に東より西に関心が強い。
西は広い。
行きつく先は欧州であり、チベット、新疆ウイグルと悩みはあるが、多くの国家、資源があり、未来の中国の成長を握るカスピ海周辺の大石油地帯などがあり、インド、中東、アフリカと夢とチャンスが広がる。中国のエリートは欧米に留学しているからか、彼らの感覚では欧州の向こうに米国はある?
東は狭い。
すぐ海であり、関心は儒教圏にとって異質の国?日本だけである。太平洋はまだ開発対象にならない。したがって、中国での話題はほとんど東ではなく西に関する話題である。
東に米国があると考えている人は世界で少ない。日本と韓国など数えるくらい。大部分のアジアの人にとってあこがれの米国は欧州の西にある。
中国での政府やエリートたちの会話に日本が出ることはほとんどない?そのような場を観るにつけ日本での「中国脅威論ははてな?杞憂では?」と感じるときがある。
西は広い。
行きつく先は欧州であり、チベット、新疆ウイグルと悩みはあるが、多くの国家、資源があり、未来の中国の成長を握るカスピ海周辺の大石油地帯などがあり、インド、中東、アフリカと夢とチャンスが広がる。中国のエリートは欧米に留学しているからか、彼らの感覚では欧州の向こうに米国はある?
東は狭い。
すぐ海であり、関心は儒教圏にとって異質の国?日本だけである。太平洋はまだ開発対象にならない。したがって、中国での話題はほとんど東ではなく西に関する話題である。
東に米国があると考えている人は世界で少ない。日本と韓国など数えるくらい。大部分のアジアの人にとってあこがれの米国は欧州の西にある。
中国での政府やエリートたちの会話に日本が出ることはほとんどない?そのような場を観るにつけ日本での「中国脅威論ははてな?杞憂では?」と感じるときがある。
2010年9月24日金曜日
論説に惑わされるな数字で語ろう(1)
2大政党、民主党、自由民主党・・・・との論説・・議論がある。
ここで数字
2大政党になると、大臣人材はどちらの政党ともに2分の1になる?
ということは、
現在の大臣の半分は
1党支配?だったかつての自由民主党内閣(55年体制)なら
大臣になれない人がなっている?
この
2分の1
という数字がどんな論説より重要ですね。
ここで数字
2大政党になると、大臣人材はどちらの政党ともに2分の1になる?
ということは、
現在の大臣の半分は
1党支配?だったかつての自由民主党内閣(55年体制)なら
大臣になれない人がなっている?
この
2分の1
という数字がどんな論説より重要ですね。
2010年9月23日木曜日
来週は28日29日30日富山大学にいる予定。29日は確実
大学院生
修士論文!中間発表のときほぼ仕上がり状態(あと指摘で一部修正程度)でないと留年するよ(^^)
研究生
今回大学院入試駄目?でも2月の試験のほうがチャンスは大きい?
4年生
卒論、専門書3冊は夏休み読んだ?ポイントは問題意識を先行研究で研究課題に変える(研究の意味と先にやった人がいない)こと、仮説を立て専門書、論文か、事例、アンケートで検証すること!!
3年生
就職面接の際、必ず聞かれる「学生時代何に夢中になりましたか?」に答えれますか?30分語れるかどうかがカギ!「夢中になったのはアルバイトです」は就職試験では駄目!
2年生
夢中になったのは何?
修士論文!中間発表のときほぼ仕上がり状態(あと指摘で一部修正程度)でないと留年するよ(^^)
研究生
今回大学院入試駄目?でも2月の試験のほうがチャンスは大きい?
4年生
卒論、専門書3冊は夏休み読んだ?ポイントは問題意識を先行研究で研究課題に変える(研究の意味と先にやった人がいない)こと、仮説を立て専門書、論文か、事例、アンケートで検証すること!!
3年生
就職面接の際、必ず聞かれる「学生時代何に夢中になりましたか?」に答えれますか?30分語れるかどうかがカギ!「夢中になったのはアルバイトです」は就職試験では駄目!
2年生
夢中になったのは何?
経営教育と知識転写性
ホテルで
ちょっと気楽に、ショット!!
経営教育では、知識をどの程度知識転写、特に教育支援ソフトと人間支援ソフトへ知識を転写できるかどうかについてその効率について考察してみよう。知識転写性の大小は教育スタイルを決めるとき重要である。知識転写性は2種類ある。
第1は知識が物的な製品、ソフトへ転写される場合の効率である。物的な製品開発におけるデータベースや3次元CAD、ソフトにおけるオブジェクト指向言語はこの効率向上に貢献する 。第2は、物的な製品、ソフトが複写される場合の効率である。ソフトにおいてはデジタル技術によってこの第2の転写性はゼロに近くなった 。製品生産手段においては転写性の大小は大きい。プレスは知識転写性が高く、プレスという生産方式が選択されることは大量生産方式が成立するときの鍵となった。
さて、経営教育工学における創造対象は、ソフト開発と知識創造の2つに分けることができる 。知識は知識そのものとして創造、転写される場合と、ソフトに付随して創造され、ソフトが量産されるときそのコードとして転写されるときの2つに分けることができる。なお知的財産権と集金システムの大きさはソフトの量産の際の現実的な転写性の悪化をもたらす。
この知識転写性を改善する種々の工夫の体系が生産セットであり、教育支援ソフト、人間支援ソフトの生産セットについてもその整備が。生産セットの典型は工場である。工場はもっとも効率的に知識転写を、製品(モノ)に対して大量に行うための工夫で満ちている。この工夫が設備,工具の体系=生産セットであり、ローカルな熟練工による生産を凌駕、駆逐する 。
21世紀において教育工学の競争力のある生産セットが地球上のどこかに登場すれば、この生産セットは世界の熟練工による生産セットを淘汰する。
知識転写性は知識の内容によっても左右される。暗黙知は形式知より知識転写性は一般に小さい 。形式知化は知識転写性を大きくする。さらに、知識転写性を上げるためには、単純化、標準化される必要がある 。単純化されれば、知識量は減り、知識転写量が減り、知識転写効率が向上する。標準化は知識転写作業を標準化し、場所と時間の差がなくなる。世界中のどこで転写しても、過去でも未来でも転写が可能になり、知識転写性が改善される。
経営教育工学においても常に世界のどこかから生産セットの挑戦があることを想定する必要がある。教育における知識移転性の向上の手段として現代経営学は選ばれた可能性がある。
ちょっと気楽に、ショット!!
経営教育では、知識をどの程度知識転写、特に教育支援ソフトと人間支援ソフトへ知識を転写できるかどうかについてその効率について考察してみよう。知識転写性の大小は教育スタイルを決めるとき重要である。知識転写性は2種類ある。
第1は知識が物的な製品、ソフトへ転写される場合の効率である。物的な製品開発におけるデータベースや3次元CAD、ソフトにおけるオブジェクト指向言語はこの効率向上に貢献する 。第2は、物的な製品、ソフトが複写される場合の効率である。ソフトにおいてはデジタル技術によってこの第2の転写性はゼロに近くなった 。製品生産手段においては転写性の大小は大きい。プレスは知識転写性が高く、プレスという生産方式が選択されることは大量生産方式が成立するときの鍵となった。
さて、経営教育工学における創造対象は、ソフト開発と知識創造の2つに分けることができる 。知識は知識そのものとして創造、転写される場合と、ソフトに付随して創造され、ソフトが量産されるときそのコードとして転写されるときの2つに分けることができる。なお知的財産権と集金システムの大きさはソフトの量産の際の現実的な転写性の悪化をもたらす。
この知識転写性を改善する種々の工夫の体系が生産セットであり、教育支援ソフト、人間支援ソフトの生産セットについてもその整備が。生産セットの典型は工場である。工場はもっとも効率的に知識転写を、製品(モノ)に対して大量に行うための工夫で満ちている。この工夫が設備,工具の体系=生産セットであり、ローカルな熟練工による生産を凌駕、駆逐する 。
21世紀において教育工学の競争力のある生産セットが地球上のどこかに登場すれば、この生産セットは世界の熟練工による生産セットを淘汰する。
知識転写性は知識の内容によっても左右される。暗黙知は形式知より知識転写性は一般に小さい 。形式知化は知識転写性を大きくする。さらに、知識転写性を上げるためには、単純化、標準化される必要がある 。単純化されれば、知識量は減り、知識転写量が減り、知識転写効率が向上する。標準化は知識転写作業を標準化し、場所と時間の差がなくなる。世界中のどこで転写しても、過去でも未来でも転写が可能になり、知識転写性が改善される。
経営教育工学においても常に世界のどこかから生産セットの挑戦があることを想定する必要がある。教育における知識移転性の向上の手段として現代経営学は選ばれた可能性がある。
「医食同源ビジネス創造」研究助成申請の骨子は
2010年9月22日水曜日
後期ゼミは木曜日 10月7日(木)4限全員集合 視聴覚教室
清家ゼミ全員 清家が以下の講義をします。
対象
大学院生、研究生
4年生
3年生
2年生
講義内容
1.現在の経営組織論の動向と未来
2.研究手法 研究論文の書き方
3.仮説の立て方 検証の仕方(2年生は特に重要)
4.清家の現在の研究関心(卒論へと生かせるかは4年生次第)
5.清家研究室の人脈と企業とのつながり(就職へと生かせるかは3年生次第)
6.就職概況報告(4年生総ゼミ長 加納)
時間 14:45~16:15
会場 視聴覚教室
大学院ゼミ長 そう君、司会進行をお願い 院生、研究生への連絡
総ゼミ長 加納君、就職概況報告
3年ゼミ長 中川君、皆に指示して、
2年生が214教室に集まると思うので彼らを視聴覚教室へ誘導してくれる。
あと視聴覚教室の鍵を事務にもらって、パワーポイントが使えるようにしてくれる。
さて、前期の清家ゼミのハイライトはやはり
「未来を拓く富山の技術(技術100選の進化)」富山100選シンポジウム
日 時:平成22年年5月12日(水)13:00~18:00
写真は休憩中、富山市キャラクター里ノ助くんとライちゃんと踊る3年生ゼミ長中川くん以下
里ノ助くんの中に入っていた女の子は可愛い!と大評判でした(清家は見てない、残念)。
4年生、3年生、1年生他ゼミ生御苦労さまでした。
場 所:富山大学 黒田講堂
参加者:学生(240名)、一般企業参加者
13:00 委員長挨拶 富山大学経済学部 大学院MBA教授 清家 彰敏
13:05 挨拶 新世紀産業機構 理事長 石井隆一(代理:新世紀産業機構専務理事)
13:10 富山がグローバル化するには何が必要か・・・YKKの経験から
富山大学経営協議会学外委員 元YKK副会長 北野 芳則
13:30 基調講演:富山市長 森 雅志
(演題)『富山市の未来に向けた取組み』
14:10「富山の技術100選」の現況調査研究報告
誰も知らない富山企業の内緒話
富山大学経済学部教授 清家 彰敏
15:00 休憩 アトラクション
15:15 「これまでの10年とこれからの10年 技術と経営の流れ」
(座長:飴会長講演+パネルディスカッション)
コーセル会長 飴 久晴 10分
トヨックス 代表取締役社長 宮村 正司 10分
㈱立山システム研究所取締役副社長 吉田 一雄 10分
セト電子工業㈱ 代表取締役社長 南雲 弘之 10分
○知財の立場から富山の技術を考える
宮田特許事務所 所長 宮田 信道 10分
○富山の風土が生んだ技術者魂
富山大学地域共同研究センター副センター長 城石昭弘10分
16:15 休憩 アトラクション(富山市キャラクター里ノ助とライちゃん)
16:25 自由討論
17:05 富山の歴史を引き継ぐ新たな100選候補
富山県新世紀産業機構 産学官連携コーディネーター 高井 道雄
17:20 「富山100選と私たちの富山未来宣言」 大学学生代表(清家ゼミ加納総ゼミ長かっこよかった)
17:30 閉会挨拶
富山大学地域連携推進機構・産学連携部門長(富山大学TLO・TOTLO)石黒 雅煕
18:15 懇親会(Cafe AZAMIにて)飲食あり
でした。
富山100選は現在も進化中、
富山新100選を選ぶべくプロジェクトは進んでいます。
対象
大学院生、研究生
4年生
3年生
2年生
講義内容
1.現在の経営組織論の動向と未来
2.研究手法 研究論文の書き方
3.仮説の立て方 検証の仕方(2年生は特に重要)
4.清家の現在の研究関心(卒論へと生かせるかは4年生次第)
5.清家研究室の人脈と企業とのつながり(就職へと生かせるかは3年生次第)
6.就職概況報告(4年生総ゼミ長 加納)
時間 14:45~16:15
会場 視聴覚教室
大学院ゼミ長 そう君、司会進行をお願い 院生、研究生への連絡
総ゼミ長 加納君、就職概況報告
3年ゼミ長 中川君、皆に指示して、
2年生が214教室に集まると思うので彼らを視聴覚教室へ誘導してくれる。
あと視聴覚教室の鍵を事務にもらって、パワーポイントが使えるようにしてくれる。
さて、前期の清家ゼミのハイライトはやはり
「未来を拓く富山の技術(技術100選の進化)」富山100選シンポジウム
日 時:平成22年年5月12日(水)13:00~18:00
写真は休憩中、富山市キャラクター里ノ助くんとライちゃんと踊る3年生ゼミ長中川くん以下
里ノ助くんの中に入っていた女の子は可愛い!と大評判でした(清家は見てない、残念)。
4年生、3年生、1年生他ゼミ生御苦労さまでした。
場 所:富山大学 黒田講堂
参加者:学生(240名)、一般企業参加者
13:00 委員長挨拶 富山大学経済学部 大学院MBA教授 清家 彰敏
13:05 挨拶 新世紀産業機構 理事長 石井隆一(代理:新世紀産業機構専務理事)
13:10 富山がグローバル化するには何が必要か・・・YKKの経験から
富山大学経営協議会学外委員 元YKK副会長 北野 芳則
13:30 基調講演:富山市長 森 雅志
(演題)『富山市の未来に向けた取組み』
14:10「富山の技術100選」の現況調査研究報告
誰も知らない富山企業の内緒話
富山大学経済学部教授 清家 彰敏
15:00 休憩 アトラクション
15:15 「これまでの10年とこれからの10年 技術と経営の流れ」
(座長:飴会長講演+パネルディスカッション)
コーセル会長 飴 久晴 10分
トヨックス 代表取締役社長 宮村 正司 10分
㈱立山システム研究所取締役副社長 吉田 一雄 10分
セト電子工業㈱ 代表取締役社長 南雲 弘之 10分
○知財の立場から富山の技術を考える
宮田特許事務所 所長 宮田 信道 10分
○富山の風土が生んだ技術者魂
富山大学地域共同研究センター副センター長 城石昭弘10分
16:15 休憩 アトラクション(富山市キャラクター里ノ助とライちゃん)
16:25 自由討論
17:05 富山の歴史を引き継ぐ新たな100選候補
富山県新世紀産業機構 産学官連携コーディネーター 高井 道雄
17:20 「富山100選と私たちの富山未来宣言」 大学学生代表(清家ゼミ加納総ゼミ長かっこよかった)
17:30 閉会挨拶
富山大学地域連携推進機構・産学連携部門長(富山大学TLO・TOTLO)石黒 雅煕
18:15 懇親会(Cafe AZAMIにて)飲食あり
でした。
富山100選は現在も進化中、
富山新100選を選ぶべくプロジェクトは進んでいます。
後期のゼミは木曜日中心が有力です。
清家です。
後期は
木曜日中心で、大学院そう君、総ゼミ長加納君、3年ゼミ長中川君、調整しましょうか?
やり方、宿題、要望などどんどんこのブログに書き込むので、
後期頑張ろう(^^)
後期は
木曜日中心で、大学院そう君、総ゼミ長加納君、3年ゼミ長中川君、調整しましょうか?
やり方、宿題、要望などどんどんこのブログに書き込むので、
後期頑張ろう(^^)
2010年9月21日火曜日
日本に「未来型先進産業」を拓く必要がありますね。
それは、日本の世界的に競争力のある自動車、電機産業が魅力を感じ、集中投資する場が重要です。
例えば、日本の工業団地は地方分散しすぎた。規模の経済、範囲の経済が成立できない、収穫逓減になっている。
1.ロボット技術・太陽電池でインフラを作り、バングラデシュより低コストで生産できる最先端「ロボット団地」、を1か所政府の集中投資で造る。
2.そのロボット団地からメイドインジャパンで米国、中国へ製品・部品輸出を行う。
3.日本海側が中国米国貿易ルート(米中最短航路)だから当然日本海側立地となる。
4.ロボット団地は政策決定から投資回収まで3年以内に行わないと中国、米国の変化のスピードに間に合わない。
といった政策・・・・をどんどん提案すべきですね。
例えば、日本の工業団地は地方分散しすぎた。規模の経済、範囲の経済が成立できない、収穫逓減になっている。
1.ロボット技術・太陽電池でインフラを作り、バングラデシュより低コストで生産できる最先端「ロボット団地」、を1か所政府の集中投資で造る。
2.そのロボット団地からメイドインジャパンで米国、中国へ製品・部品輸出を行う。
3.日本海側が中国米国貿易ルート(米中最短航路)だから当然日本海側立地となる。
4.ロボット団地は政策決定から投資回収まで3年以内に行わないと中国、米国の変化のスピードに間に合わない。
といった政策・・・・をどんどん提案すべきですね。
2010年9月20日月曜日
中国企業経営の3課題 日本の1970年代経営から何を学ぶか?
現在の中国企業は高度成長しか経験していない。また米国型経営以外に学んでいない。
中国の現在は日本の1970年代に相当する(以前論述しましたよね)。
この時代、日本の経済成長は以前の高度成長期10%成長から低下、3%~5%成長になった
(現在韓国は30年間の10%高度成長期が終わり、3%~5%成長の時代になっている。中国も既に30年間10%成長が続いたことは以前論述しました)
1970年代から80年代にはトヨタ生産方式が日本中に急速に普及していった。量から質への転換期であった。
そこで
中国ではトヨタ生産方式の翻訳・解説本が溢れているが
1.トヨタ生産方式の戦略的導入
トヨタ生産方式は管理会計の視点から見てなぜ社長が導入するのか?トップにとってのトヨタ生産方式とは何か。
2.トヨタ生産方式の誤解
3.トヨタ生産方式の導入条件
4.トヨタ生産方式は工場・現場から、世界戦略・国際物流へと拡大している。
以上4点についてもっと中国企業は勉強する必要がある。
それを考慮すると
中国企業の3課題は
1.ブランド・技術開発・人材育成(日本型の技術・顧客志向のブランド創出)
2.グローバルジャスト・イン・タイム(戦略物流スピードアップ)
3.顧客満足型系列組織(オーダーメード子会社集団の創出、取引コスト最小)
となる。
中国の現在は日本の1970年代に相当する(以前論述しましたよね)。
この時代、日本の経済成長は以前の高度成長期10%成長から低下、3%~5%成長になった
(現在韓国は30年間の10%高度成長期が終わり、3%~5%成長の時代になっている。中国も既に30年間10%成長が続いたことは以前論述しました)
1970年代から80年代にはトヨタ生産方式が日本中に急速に普及していった。量から質への転換期であった。
そこで
中国ではトヨタ生産方式の翻訳・解説本が溢れているが
1.トヨタ生産方式の戦略的導入
トヨタ生産方式は管理会計の視点から見てなぜ社長が導入するのか?トップにとってのトヨタ生産方式とは何か。
2.トヨタ生産方式の誤解
3.トヨタ生産方式の導入条件
4.トヨタ生産方式は工場・現場から、世界戦略・国際物流へと拡大している。
以上4点についてもっと中国企業は勉強する必要がある。
それを考慮すると
中国企業の3課題は
1.ブランド・技術開発・人材育成(日本型の技術・顧客志向のブランド創出)
2.グローバルジャスト・イン・タイム(戦略物流スピードアップ)
3.顧客満足型系列組織(オーダーメード子会社集団の創出、取引コスト最小)
となる。
グローバルスピード経営の歴史
グローバルスピード経営の歴史
1980年代から2000年代の日本自動車産業、特にトヨタ自動車の圧倒的優位は欧米の数倍という開発・生産速度によってもたらされた。
オーバーラップと同時並行開発・生産である。
スピードの加速はボディローテーション(清家『日本型組織間関係のマネジメント』)が機能した。
この優位は欧米韓国の学習によって急速に縮小している。
現在日本企業は新たなるスピード経営を構築する必要がある。
1980年代から2000年代の日本自動車産業、特にトヨタ自動車の圧倒的優位は欧米の数倍という開発・生産速度によってもたらされた。
オーバーラップと同時並行開発・生産である。
スピードの加速はボディローテーション(清家『日本型組織間関係のマネジメント』)が機能した。
この優位は欧米韓国の学習によって急速に縮小している。
現在日本企業は新たなるスピード経営を構築する必要がある。
中国にとって日本をオンリーワンにできない3つの理由
中国にとって、交渉、取引などで「日本をオンリーワンにできない」3つの理由がある。
1.いつも相手を競争させる。
これは欧米に対しても同じなのだが、欧米人は競争させられるのに慣れているが、日本人は慣れていない。日本人は特に競争を不愉快に感じ、子供みたいに交渉を投げ出すことさえある。
中国のリーダーは海外、市場経済にいまだ不慣れとの意識がある場合がある。特に社会のリーダーである40代の人は、大学生まで配給制度で、国際情報が乏しい中で育った。
自らの「市場・ビジネスへの不慣れは、相手を競争させることで解消できる」というのは、経営学原理では合理的である。
日本は欧米と必ず競争させられている。また欧米との案件は失敗すると周囲も大変残念がることが多い。日本案件は失敗しても安心するときさえある。この点は後日論じましょう。
例えば「プラント・商品・部品・技術」取引を行うとしよう。リーダーは、日本を、欧米、韓国、台湾などと競争させ、各国の多面的な情報を獲得、比較し決定する。判断基準は、先端技術、環境安全、顧客志向、品質、納期、費用の6基準である。多くの場合日本案件は高い評価であるが、選ばれるとは限らない。
3回に1回か5回に1回日本が選ばれる(その理由は分かりますか?)。
2.欧米案件は現在ディスカウント
欧米は特に現在経済状況が悪い。「プラント・商品・部品・技術」取引、交渉でも?ディスカウント案件が多い。特に欧州は国家が多いこともあって競争させやすい。お買い得案件、交渉が溢れる。中国人リーダーが欧米はお買い得と考えるのは理にかなっている。
3.中国は国有企業の売り上げがGDPの半数を超える。
中国では、国家を抜きにした交渉・案件は少ないとも考えられる。
政治家、官僚は、国民の一人でも親族を日本人に殺された人がいる間は、日本案件は慎重にならざる得ない。リーダーの意思決定が「日本案件は触らぬ神にたたりなし」との行動パターンになることは合理性がある。
清家は国有企業への経営指導をしてきた。その経験ではリーダーの中で日本留学経験者は少ない。話題は欧米のことばかりである。さらに日本人に親族を戦時に殺されている人が組織内のどこにいるか分からない。日本と一緒に事業を行おうとする中国の方々は、大変な御苦労ご配慮をされてきたようでお気の毒である。
この3つの理由に立てば、今回の「某事件」が、「案件全面中止」を「日本を好きな中国人」が決定せざるをえなくなることを恐れる。
日本を好きな中国人の方々を
苦しい立場に追い込まないように、
彼らの過去の努力を無にしないような
「解決」が行われることを期待したい。
1.いつも相手を競争させる。
これは欧米に対しても同じなのだが、欧米人は競争させられるのに慣れているが、日本人は慣れていない。日本人は特に競争を不愉快に感じ、子供みたいに交渉を投げ出すことさえある。
中国のリーダーは海外、市場経済にいまだ不慣れとの意識がある場合がある。特に社会のリーダーである40代の人は、大学生まで配給制度で、国際情報が乏しい中で育った。
自らの「市場・ビジネスへの不慣れは、相手を競争させることで解消できる」というのは、経営学原理では合理的である。
日本は欧米と必ず競争させられている。また欧米との案件は失敗すると周囲も大変残念がることが多い。日本案件は失敗しても安心するときさえある。この点は後日論じましょう。
例えば「プラント・商品・部品・技術」取引を行うとしよう。リーダーは、日本を、欧米、韓国、台湾などと競争させ、各国の多面的な情報を獲得、比較し決定する。判断基準は、先端技術、環境安全、顧客志向、品質、納期、費用の6基準である。多くの場合日本案件は高い評価であるが、選ばれるとは限らない。
3回に1回か5回に1回日本が選ばれる(その理由は分かりますか?)。
2.欧米案件は現在ディスカウント
欧米は特に現在経済状況が悪い。「プラント・商品・部品・技術」取引、交渉でも?ディスカウント案件が多い。特に欧州は国家が多いこともあって競争させやすい。お買い得案件、交渉が溢れる。中国人リーダーが欧米はお買い得と考えるのは理にかなっている。
3.中国は国有企業の売り上げがGDPの半数を超える。
中国では、国家を抜きにした交渉・案件は少ないとも考えられる。
政治家、官僚は、国民の一人でも親族を日本人に殺された人がいる間は、日本案件は慎重にならざる得ない。リーダーの意思決定が「日本案件は触らぬ神にたたりなし」との行動パターンになることは合理性がある。
清家は国有企業への経営指導をしてきた。その経験ではリーダーの中で日本留学経験者は少ない。話題は欧米のことばかりである。さらに日本人に親族を戦時に殺されている人が組織内のどこにいるか分からない。日本と一緒に事業を行おうとする中国の方々は、大変な御苦労ご配慮をされてきたようでお気の毒である。
この3つの理由に立てば、今回の「某事件」が、「案件全面中止」を「日本を好きな中国人」が決定せざるをえなくなることを恐れる。
日本を好きな中国人の方々を
苦しい立場に追い込まないように、
彼らの過去の努力を無にしないような
「解決」が行われることを期待したい。
2010年9月18日土曜日
中国の未来 日本1970年代のデータから
7月に解説しましたが(詳しくは7月のブログ参照)
中国は30年間10%成長した。
30年間以上10%成長した国はない?
7月に解説しましたが(詳しくは7月のブログ参照)
ここで1970年代以降の日本の名目GDPの成長率を当てはめると
中国は20年後2.6倍になる。
さて、日本はこの20年間に約為替が1ドル308円から2.5倍から3倍に切りあがった。
名目成長率が2.6倍になったが
その間為替もほぼ2.5倍から3倍になった。
日本の過去データを中国の未来にあてはめると
中国は為替の切り上げを2.5倍から3倍して、名目GDPが2.6倍になることになる。
さて、中国は為替の切り上げを行うと、周辺のインド、バングラデシュ、東南アジア各国に対して、急速に輸出競争力をなくすかもしれない。
さてどうなるのでしょうか?
中国は30年間10%成長した。
30年間以上10%成長した国はない?
7月に解説しましたが(詳しくは7月のブログ参照)
ここで1970年代以降の日本の名目GDPの成長率を当てはめると
中国は20年後2.6倍になる。
さて、日本はこの20年間に約為替が1ドル308円から2.5倍から3倍に切りあがった。
名目成長率が2.6倍になったが
その間為替もほぼ2.5倍から3倍になった。
日本の過去データを中国の未来にあてはめると
中国は為替の切り上げを2.5倍から3倍して、名目GDPが2.6倍になることになる。
さて、中国は為替の切り上げを行うと、周辺のインド、バングラデシュ、東南アジア各国に対して、急速に輸出競争力をなくすかもしれない。
さてどうなるのでしょうか?
2010年9月17日金曜日
ロボットと女性・高齢者・弱者の社会参加支援
女性、高齢者、弱者の社会参加についてはロボットによる知的能力の増幅、補完、代替は極めて有効であり、筑波大学だけでなく、多くの産学官で歩行支援、筋力補助、増幅ロボットが開発されている。筋力補助以外に知的支援、補助、増幅などのロボット(ネットロボット)は有効であり、インターネット上で多くのロボットが開発されつつある。
21世紀の課題は、女性、高齢者、弱者を筋肉、知力で支援するロボット、ネットロボットの進化を前提としたビジネスモデルが構想される必要がある。
インターネットは現在ダイナミックに変化しつつある。次代のインターネットを変化させていくネットワーク原理について構想してみよう。インターネットの場で、各種ロボットの活動が盛んになっている。インターネットの場では多くのプログラム(ロボット)が人間以上の活躍をし、人間以上の活躍をするロボットは級数的に増加している。最も活躍しているのは、検索プログラムである。この活動はインターネットの全アクセス数の20%をはるかに超えると推測される。
検索ビジネスを行っているグーグルの検索活動は人間から、ロボットへと転換しつつある。人間の代理人(エージェント)としてのロボットである。インターネット証券取引ビジネスでの金融工学を応用したロボットは間の抜けた人間以上に役立つ。他にも多くの種類の人間を代行するロボットが登場している。これらのロボットはビジネス活動を人間と共同で行っているのである。これらは高齢者・女性・弱者の社会参加も支援する有力なロボットである。
インターネット上で人間を助けていて、高齢者、女性、弱者を支援または代行しているロボット(ネットロボット)としては以下がある。
1)銀行郵便局マンロボット
「インターネットバンキング」がある(同上、大学院生アンケート)。ネット上で、銀行の運営ができる。銀行の窓口まで行かなくていい。ジャパンネット銀行http://www.japannetbank.co.jp/である。これは「銀行マン」エージェントプログラムである。
2)健康支援ロボット
「健康診断ロボット」はアンケート方式で選択項目をチェックすることでネット上で健康診断ができる。健康診断ロボットのパートナーとして、薬剤調合ロボットは、ネット上で症状に応じて薬剤を調合してくれるプログラムであり、医薬関係のロボット化は、法的問題が多いが将来性が大きいロボットである。
3)警察官ロボット
「迷惑サイト撲滅プログラム」は、刑法175条(わいせつ図画公然陳列)や違法音楽ソフト、ウィルス配信目的のサイトを見つけてサイバーポリスに警告をする「警察官」エージェントプログラムである。
4)秘書ロボット
「創造支援プログラム」は、計画、アイデアを考える際に支援をしてくれるプログラムである。キーワード入力を手がかりとして、その目的を抽出し、カテゴライズされたサイトを、順を追って紹介してゆくもので、話し相手の感覚で作業に取り組める。「秘書」エージェントプログラムである。
5)医者ロボット
「医療プログラム」は、プログラムの判断により治療、投薬を行う。人類がかつて経験した内で、最良の方法で治療できる。現段階では、ロボット医療機器の性能、遠隔操作などが実用レベルでない上に衛生、倫理上の問題があり実用化には至っていない。「医者」エージェントプログラムである。
6)お手伝いさんロボット
「ダウンロードプログラム」は、ダウンロードの時間帯指定や、つながらない時の連続試行、回線が切れても途中からダウンロードできる。「お手伝いさん」エージェントプログラムである。
7)奥様大喜びロボット
「奥様支援ソフト(奥様大喜び)」は、夕食の献立を考えてくれるソフト。カロリー、栄養価などを計算してくれるだけではなく、食材にかかる金額に関してその地方の平均額を計算してくれる。季節の料理の紹介や、前回の献立と、かち合わないようにする、といった配慮もある。「栄養士」エージェントプログラムである。
8)救助ロボット
「IAA(I Am Alive)」は、災害などの被災地の救護所の端末に、ワイヤレスでネットに接続し、生存者が名前、住所、などの個人情報とメッセージを登録するもので、インフラが寸断されていても安否の確認ができる。現在は試験段階であるが、「市役所の救助公務員」エージェントプログラムである。
9)アドバイスロボット
「デートプランニングソフト」は、ユーザーが住んでいる所を入力すると、周辺デートスポットを組み合わせて自動的にプランニングしてくれるというもの。それに伴い、そのデートスポットなどの豆知識も提供してくれるので話題にも事欠かない。「おせっかい先輩」エージェントプログラムである。
10)落札ロボット
「落札ソフト」は、ネットオークションで、ユーザーが落札するために、上限を設定することで、その値段までの間で、自動的に落札してくれる。「バイヤー」エージェントプログラムである。
11)ウイルス保守ロボット
「オンラインウィルス検知ソフト(トレンドマイクロ)」は、自分のパソコンにウィルスがついていないか調べることができる。ウィルスが見つかった場合、除去することができる。「保守員」エージェントプログラムである。
12)友達ロボット
「人工知能」は、ユーザーの発言に対し、その言葉を理解し返事を返してくれる。言葉を覚えさせることもできる。「友達」エージェントプログラムである。
13)入力補助ロボット
現在、インターネットで人間を補助することが期待されている待望のロボットが「音声入力プログラム」である。キーボードの打てない方や目の不自由な方、お年寄りには便利である。打つという作業を音声対応にプログラム化したものである。「盲導犬」エージェントプログラムである。
14)通訳ロボット
「翻訳ソフト」は、現在の段階では、構文解析、意味解析が未発達なせいか、100%の意訳を求めるのは困難である。しかし、これは人間の手を介さない。「通訳」エージェントプログラムである。
15)郵便局員ロボット
「圧縮、解凍ソフト」は、データをいったん圧縮し送受信の時間を短縮。解凍ソフトで元に戻す。「郵便局員」エージェントプログラムとでもいえよう。
16)警備員ロボット
「暗号ソフト」は、さまざまな種類のファイルを、他人が見ても分からない状態にする。「警備員」エージェントプログラムである。
17)伝書鳩ロボット
「電話の動画ソフト」は、パソコンにCCDとサウンドボートマイク端子をつけて、動画で通話ができる状態にする。「伝書鳩」エージェントプログラムである。
18)医療診断ロボット
「健康維持管理モニタリングシステム」は、トイレにセンサーを付けて、尿の成分を分析。医療機関などのデータベースで調査する。「医者」エージェントプログラムである。
19)秘書ロボット
「 自動ブックマークプログラム」は、ページごとに開いた回数が記録されていていき、回数の多い順にブックマークされていく。インターネットをやればやるほど自分流に検索できる。「秘書」エージェントプログラムである。「
20)図書館司書ロボット
自然言語検索プログラム」は、あらゆることを自然言語(文章や話し言葉)で検索できるプログラム。対話形式で検索していく。「図書館司書」エージェントプログラムである。
他にもいくらでも登場している。清家と一緒に名前をつけ分類しませんか(学会を作ってインターネットロボット分類辞典を発行するとか)。
さて、ポータルサイトで販売を助けるロボット(プログラム)は販売能力でやがて人間を超えるかもしれない。人間の販売員は対応できる消費者の数で物理的に限界があるが、ロボットは無限の消費者を対象にできる。これらのロボットは人間と異なり、24時間働き、その能力は体調等で左右される事はなく安定している。また、衣食住を必要としないため人間に比較してコストは極めて低い。現在、インターネット仮想世界上のビジネス活動は、人間からロボットに置き換えられつつある。また、現実世界のビジネスも気づかないうちに急速にロボットに置き換えられていっている。
また、消費者側もロボット(プログラム)によって助けられる。検索ロボットは知識生産活動の有力なプログラムであるが、消費活動の有力なプログラムでもある。20世紀インターネットショッピングは、検索ロボットなしには成立できなくなった。21世紀の現在、消費者の活動を支援し、初期の指示と最終消費以外はすべてプログラム(ネットロボット、ロボット)が代行できる。例えば、来年の誕生日のパーティーを南欧風に行うという指示をすれば、来年の誕生日(最終消費)までの間、ネットロボットでお膳立てできる。上記のプログラムは、高齢者、女性、弱者のみならず、多くの人を助け、代替し、ビジネスモデルを変化させていく。
現在、日米の金融資産等の3分の2以上は65才以上の高齢者が保有している。ところが、彼らの消費は全体の3分の1に満たないといわれている。高齢者を経済活動に参加させることは、社会問題解決と経済問題解決の両方の意味が大きい。高齢者支援ロボット(プログラム)を開発できない国家、産業、企業はやがて、世界経済から脱落していくことになると思われる。
ロボット・ネットロボットと環境保護のビジネスモデル
機械は人間の主に肉体的能力を増幅、補完し、さらには代替してきた。同様にプログラムは知的能力を増幅、補完、代替してきた。20世紀、人間による環境破壊を機械はとてつもなく拡大させた。それをプログラムは減少させる可能性がある。例えば、飛行機という機械は膨大な資源を消費し、環境を破壊するが、仮想旅行シミュレーションプログラムではエネルギー消費は極めて小さい。エネルギー消費は機械工学、電気工学、電子通信工学、情報工学の順に小さい。ネットワークとシミュレーションを使ったプログラムによる仮想現実は、現実より桁外れのエネルギー消費の減少を可能にする。ここで、第1のビジネスモデルが構想される。
インターネット上で上記のエネルギー消費の低減につながるプログラムは以下である。
1)ホテルの「フロント係員」ロボット(エージェントプログラム)
例えば、ホテルのフロントの係員みたいに、通信ツールプログラムで、インターネットでの相手がオンラインになっているかオフラインになっているかが分かり、オンラインの状態であれば、チャット、メール交換、ゲーム、ビジネス、ショッピング、教育などができる。
2)旅行代理店ツアーコンダクターロボット
「ツアーコンダクター」ロボットはインターネット上でのパートナーとして同行してくれ、多くの状況で役に立つ。例えば、「Web・Site自動巡回プログラム」は、指定したサイトを勝手に巡回し、サイトごとダウンロードする。更新されたものは、そこだけ再びダウンロードする。オフラインでそれを見ることが目的である。
3)調査ロボット
例えば「マーケティング調査プログラム」は、各種あるが、例えばワープロソフトにおいてインターネットを介し、利用状況を開発側に送信する。そしてヘルプの利用状況などから、ユーザーの不満をマーケティングデータとする。「市場調査員」ロボットである。
4)旅行代理店社員ロボット
「経路探索プログラム」は無限に登場している。移動において、出発地と目的地を入力すると、最適と思われる経路を複数導き出す。その際、移動機関はもちろん、距離、料金、タイムテーブル他ユーザーが欲しがる情報を参照することができ、個別内容の保管利用など個人ごとの学習能力も備える。「旅行代理店の社員」を自分専用にできるロボットで今後も無数に登場、あらゆるビジネスのパートナーである。
5)キャラクター(動物)ロボット
「競走馬」、「ペット」などのロボット(エージェントプログラム)である。例えば、「オンラインゲーム」で「DIABRO」というゲームが流行、今も世界で大ブームのオンラインゲームのキャラクターである。アクションRPGジャンルのゲームで、ネット上で自分の育てたキャラクターを、他人の育てたキャラクターと供に冒険をするものは世界を席巻している。
上記の5つのロボット以外にもインターネット上では多くのロボットが登場している。5つ以外のロボットが今後インターネットでは無数に創造される。
是非、皆さん教えてください。清家と一緒に論文を書きましょう。
上記のロボットはインターネット上の仮想世界でビジネス、ゲーム、アミューズメントなどで活躍し、現実世界の環境負荷を大幅に低減させる。例えば、一緒にプレイしているのに同じ場所にいなくていいだけでも世界の環境負荷は減少する。仮想旅行シミュレーションプログラムはネットワークとシミュレーションを使ったプログラムであるが、明らかに上記のロボットプログラムの進化の延長線上にあり、環境負荷は減る。
今後、上記のインターネット上のロボットとその環境負荷低減の機能を前提にしない社会モデル、経済モデル、ビジネスモデルは環境破壊を解決する大きな手段の一つを失うことになる。
インターネット上で上記のエネルギー消費の低減につながるプログラムは以下である。
1)ホテルの「フロント係員」ロボット(エージェントプログラム)
例えば、ホテルのフロントの係員みたいに、通信ツールプログラムで、インターネットでの相手がオンラインになっているかオフラインになっているかが分かり、オンラインの状態であれば、チャット、メール交換、ゲーム、ビジネス、ショッピング、教育などができる。
2)旅行代理店ツアーコンダクターロボット
「ツアーコンダクター」ロボットはインターネット上でのパートナーとして同行してくれ、多くの状況で役に立つ。例えば、「Web・Site自動巡回プログラム」は、指定したサイトを勝手に巡回し、サイトごとダウンロードする。更新されたものは、そこだけ再びダウンロードする。オフラインでそれを見ることが目的である。
3)調査ロボット
例えば「マーケティング調査プログラム」は、各種あるが、例えばワープロソフトにおいてインターネットを介し、利用状況を開発側に送信する。そしてヘルプの利用状況などから、ユーザーの不満をマーケティングデータとする。「市場調査員」ロボットである。
4)旅行代理店社員ロボット
「経路探索プログラム」は無限に登場している。移動において、出発地と目的地を入力すると、最適と思われる経路を複数導き出す。その際、移動機関はもちろん、距離、料金、タイムテーブル他ユーザーが欲しがる情報を参照することができ、個別内容の保管利用など個人ごとの学習能力も備える。「旅行代理店の社員」を自分専用にできるロボットで今後も無数に登場、あらゆるビジネスのパートナーである。
5)キャラクター(動物)ロボット
「競走馬」、「ペット」などのロボット(エージェントプログラム)である。例えば、「オンラインゲーム」で「DIABRO」というゲームが流行、今も世界で大ブームのオンラインゲームのキャラクターである。アクションRPGジャンルのゲームで、ネット上で自分の育てたキャラクターを、他人の育てたキャラクターと供に冒険をするものは世界を席巻している。
上記の5つのロボット以外にもインターネット上では多くのロボットが登場している。5つ以外のロボットが今後インターネットでは無数に創造される。
是非、皆さん教えてください。清家と一緒に論文を書きましょう。
上記のロボットはインターネット上の仮想世界でビジネス、ゲーム、アミューズメントなどで活躍し、現実世界の環境負荷を大幅に低減させる。例えば、一緒にプレイしているのに同じ場所にいなくていいだけでも世界の環境負荷は減少する。仮想旅行シミュレーションプログラムはネットワークとシミュレーションを使ったプログラムであるが、明らかに上記のロボットプログラムの進化の延長線上にあり、環境負荷は減る。
今後、上記のインターネット上のロボットとその環境負荷低減の機能を前提にしない社会モデル、経済モデル、ビジネスモデルは環境破壊を解決する大きな手段の一つを失うことになる。
知識消費経済とロボット
中国中央電視台出演
日本のNHKに相当するのが中央電視台、数億人の視聴者、緊張
現在の知識経済、知識創造経営、ナレッジマネジメントもそのテーマは知識の創造である。しかし、経済においては創造(生産)と並ぶ行為として消費がある。先進国家の経済においてはGDPの60%は消費が占めているといわれている。このように考えると知識経済においても知識の消費を問題にすることは知識の創造(生産)を問題にすると同様もしくはそれ以上に重要なことと考えられる。知識が創造されても消費されなければ、売れない知識の在庫が溜まるばかりである。現在は、知識を消費するビジネスが求められる。その一つを述べてみよう。
インターネットの次に来るものは何かである。個人への働きかけである以上、人口の規模と市場規模の関係は断ち切れない。人口とは経済の基準原則である。経済=f(人口)である。例えば中国は人口が13億人、インドは12億人、インドネシアは・・・そして日本は1億2千万人程度である。人口が10倍ということは、市場規模は10倍にとどまらない。市場は人と人の間に成立する為、その規模は50倍にも100倍にも膨れ上がる。ネットワークの経済性である。これでは人口の数で日本は、中国、インドには勝てない。
いかに巨大な市場を築いたとしても、人口には限度がある。世界中の人間を全て同一の市場に巻き込んだとしても、60億人の市場でしかない。人間の数ではない経済について考えてみよう。人間の代理をするハードをロボットとしよう。インターネット上のソフトはエージェントプログラムである。ロボットとエージェントプログラムは街や家庭、インターネット上で人間の代理をする。例えば、お宅のお子さんは、エージェントプログラムを相手にゲームをゲーム機でやっている。ところが2010年の現在、エージェントプログラムではなく人間と対戦するゲームも流行し、世界中を席巻している。メールが出来る程度の知識があれば十分楽しめるゲームでマニア向けではない。
このように、人間とエージェントプログラムは代わりができるのである。このように、エージェントプログラムが無数に出てくれば、インターネット上はどうなるだろうか、これが21世紀いや22世紀である。
ビジネスは、現在大きな転換を迫られている。厚生経済学の提言を待たなくても、外部経済の概念が経済の中心となりつつある。ビジネスはその社会的影響、地球環境を考えて、エネルギー消費の低減(環境保護)、高齢者、社会的弱者の積極的社会参加を前提とした企画を行わなければならない。そのためのプログラム開発への期待とそれを前提としたビジネスモデル、そして新しい経済学の構想が喫緊の課題である。
ロボット(エージェントプログラム)は人類のバーチャルな移動を可能にすることにより、人間の空間的移動を減らし、環境問題におけるエネルギー消費削減効果がある。また、今後高齢者、肉体的、精神的障害者の社会復帰効果がある。
本研究は、経済主体の定義や概念を人間以外に拡張する試みの一環である。「人間」と「ロボット=エージェントプログラム」を経済主体とし、ネットワークの経済を基本原理とするため、従来のエージェント理論と区別し、ロボット経済(エージェントネット経済)と呼ぶことができる。
日本のNHKに相当するのが中央電視台、数億人の視聴者、緊張
現在の知識経済、知識創造経営、ナレッジマネジメントもそのテーマは知識の創造である。しかし、経済においては創造(生産)と並ぶ行為として消費がある。先進国家の経済においてはGDPの60%は消費が占めているといわれている。このように考えると知識経済においても知識の消費を問題にすることは知識の創造(生産)を問題にすると同様もしくはそれ以上に重要なことと考えられる。知識が創造されても消費されなければ、売れない知識の在庫が溜まるばかりである。現在は、知識を消費するビジネスが求められる。その一つを述べてみよう。
インターネットの次に来るものは何かである。個人への働きかけである以上、人口の規模と市場規模の関係は断ち切れない。人口とは経済の基準原則である。経済=f(人口)である。例えば中国は人口が13億人、インドは12億人、インドネシアは・・・そして日本は1億2千万人程度である。人口が10倍ということは、市場規模は10倍にとどまらない。市場は人と人の間に成立する為、その規模は50倍にも100倍にも膨れ上がる。ネットワークの経済性である。これでは人口の数で日本は、中国、インドには勝てない。
いかに巨大な市場を築いたとしても、人口には限度がある。世界中の人間を全て同一の市場に巻き込んだとしても、60億人の市場でしかない。人間の数ではない経済について考えてみよう。人間の代理をするハードをロボットとしよう。インターネット上のソフトはエージェントプログラムである。ロボットとエージェントプログラムは街や家庭、インターネット上で人間の代理をする。例えば、お宅のお子さんは、エージェントプログラムを相手にゲームをゲーム機でやっている。ところが2010年の現在、エージェントプログラムではなく人間と対戦するゲームも流行し、世界中を席巻している。メールが出来る程度の知識があれば十分楽しめるゲームでマニア向けではない。
このように、人間とエージェントプログラムは代わりができるのである。このように、エージェントプログラムが無数に出てくれば、インターネット上はどうなるだろうか、これが21世紀いや22世紀である。
ビジネスは、現在大きな転換を迫られている。厚生経済学の提言を待たなくても、外部経済の概念が経済の中心となりつつある。ビジネスはその社会的影響、地球環境を考えて、エネルギー消費の低減(環境保護)、高齢者、社会的弱者の積極的社会参加を前提とした企画を行わなければならない。そのためのプログラム開発への期待とそれを前提としたビジネスモデル、そして新しい経済学の構想が喫緊の課題である。
ロボット(エージェントプログラム)は人類のバーチャルな移動を可能にすることにより、人間の空間的移動を減らし、環境問題におけるエネルギー消費削減効果がある。また、今後高齢者、肉体的、精神的障害者の社会復帰効果がある。
本研究は、経済主体の定義や概念を人間以外に拡張する試みの一環である。「人間」と「ロボット=エージェントプログラム」を経済主体とし、ネットワークの経済を基本原理とするため、従来のエージェント理論と区別し、ロボット経済(エージェントネット経済)と呼ぶことができる。
本日は富山大学に居ます。夕方までかな。大学院受験生頑張れ
とにかく日経新聞を読みまくれ。
経済教室の内容は易しい。これが分からないと合格はおぼつかない。
頑張れ。
留学生は米国に留学した同級生がどのくらい必死に勉強しているかを思い起こして1日10時間勉強!!!
経済教室の内容は易しい。これが分からないと合格はおぼつかない。
頑張れ。
留学生は米国に留学した同級生がどのくらい必死に勉強しているかを思い起こして1日10時間勉強!!!
2010年9月16日木曜日
知財21世紀政策・戦略(2)
知財マップの概念の革命
人工物の産業においては、地図はこれから作り上げるものであるから、知財戦略は現在から未来が決まる。現在をどのような体制にするかが、未来を決める。基本特許、基盤特許を押さえた企業連合の地図が、DVDの将来を決めるといった知財戦略となる。また、地図の作成者は、複数存在するのが通常であるから、世界はいくつかに分割され、その地図は正誤ではなく、利用者が異なるだけであり、利用者が減った地図は消滅する(自然物の産業は技術の成果を利用する産業であり、技術史の中で位置づけられる。また技術の開発と国家の形成・消滅の関係はトインビー等でも取り上げられてきた。国家の興亡の史観がこの人工物の産業における地図の概念の理解と知財戦略を構想する際に有効と考えられる)。
さて、地図の重要さは、コンピュータの能力向上と相関している。コンピュータの能力が向上すると、シミュレーションで商品の競争力を発売以前に評価することが可能となる。地図の精度とコンピュータの能力、シミュレーションモデルで優位に立った国家、企業が、競争国家、企業を凌駕することになる。
知財戦略は、自然物の産業においては、地図の精度の向上と、その地図の中にどのくらい自国、自企業の独占排他的権利を書き込むかにかかっている。人工物の産業においては、地図は勝手に描ける存在であるから、1)その地図にどのくらい独占排他的領域を作図するか、2)競争国家、競争企業の地図が機能する場をいかに狭めるか、が知財戦略となる。
さて、産業革命以前は人工物の産業は限定的で、19世紀までは、前出の人工物の産業の多くは存在しなかった。それに対して、自然物の産業は、その産業の内容は大きく変化したが、時代に関らず存在し続けてきた。20世紀は、数々の人工物の産業が創出、発展し、人工物の時代であったと規定できる(ただし、この時代の恩恵は20世紀に「先進国」と呼ばれた国だけに限定された)。この人工物の産業の勝者が米国であり、80年代以降は日本、ついで2010年代に入り中国となりつつある。それに対して、欧州は機械産業、自動車、航空機といった人工物の産業で、特に量的優位では米国、日本、中国といった世界の覇者に時として劣勢であったが、化学、食品といった自然物の産業においては一貫してその強みを維持してきた。
したがって、世界の国家戦略は人工物の産業と自然物の産業のどちらに政策の重点を置くか、2つに大別され、このどちらの産業がその国家を競争国家に対して優位付けるか、そのための政策のひとつとして知財戦略が位置づけられることになった。
日本経済の空白と米国を中心とした知的財産権戦略と今後
コンピュータとコンピュータソフトウェア(以下ソフトウェアと略記)の進化の結果、自然物の産業における原子・生命における「地図」の持つ意味は極めて大きくなった。ナノテクノロジー、ライフサイエンスにおいて、地図を持っている国家、企業は試行錯誤をしないで、研究開発、商品開発が行え、知財戦略も鳥瞰的に作成することができる。それに対して、地図の無い国家、企業は的確な研究開発、商品開発、知財戦略を行うことは困難である。人工物の産業においては、地図は、日々更新され、その利用される場も限定されるため、その持つ意味は、自然物の産業ほど大きくはない。
20世紀末はコンピュータの登場で、大きく地図の機能が向上した。それは、コンピュータシミュレーションの産業利用の可能性の拡大である。コンピュータの普及の急拡大と米国が人工物の産業における覇者を日本に奪われた時期、それが1980年代であった。米国は1970年代の人工物の産業を中心とした知財戦略から、この時期にソフトウェア重視の知財戦略へ大きく転換した。このソフトウェアは人工物の産業であった電気機械産業の製品であるコンピュータから生まれた商品であったが、その商品としての性質が自然物と人工物のどちらに振る舞いが似ているか議論が定まらないと思われる。
しかし、このソフトウェアに関する訴訟を中心とした知財戦略は、米国、米国企業が保有するソフトウェアの市場価値を高め、ソフトウェア産業は急成長した。この結果、米国は人工物の産業における覇権を日本に奪われたにもかかわらず、世界経済における覇権を1990年代に獲得し、2010年代を迎えている。この時期、ソフトウェアは、米国から世界中へ商品輸出、技術輸出され、米国の貿易の中核となった。
1990年代末、ソフトウェアとコンピュータの進歩はゲノムの解析を通じて、ライフサイエンス産業を成長させ、その結果、1990年代末に、米国の知財戦略は、ライフサイエンス産業の拡大にともなって、自然物の産業の知財戦略の重視へと大きく移行し、2000年代から2010年代へと自然物の産業に強みを持つ欧州と米国の利害は一致することになった。
1990年代末は、人工物の産業に関る知財戦略から自然物の産業に関る知財戦略に移行する変革期であると考えられる。その変革を起こしたのが、ソフトウェアの進化であり、ソフトウェアと自然物の知財戦略における類似性であったと推測できる。
21世紀初頭の世界経済は、自然物の産業を中心とした欧米に対して、人工物の産業を中心とする日本、中国といったアジアの対峙と理解することができる。知財戦略が産業支援を目的として意図されると考えるならば、欧米と日本の知財戦略は異なったものになると予測される。欧米は自然物の産業であるため、ゲノム解読を通じて原子・生命の地図を完成させ、日本、中国が追随できない鳥瞰的な知財戦略をコンピュータシミュレーションと連動させて、繰り出してくることが考えられる。
大学の関与は、基本的に自然物の産業に関する産業連携が望ましい。したがって、日本の産業構造は、大学の参加が容易ではない人工物の産業に留まっている限り、大学の役割は限られていくと思われる。産学連携は多くは知財を伴うが、その際、自然物の産業に関する産学連携と人工物に関する産学連携では知財の活用と戦略が大きく異なることに留意する必要がある。前者は学にとって、大きな成果が期待しうるが、後者の成果は限定的である可能性が大きい。また、企業の活動においても、前者と後者では知財戦略は当然変わる必要がある。
また中国においては研究機関、大学への市場原理、競争原理が大幅に導入され、政府等のプロジェクトへ参加して研究費を獲得できない大学の研究室は研究費が獲得できない。中国科学院は、清華大学、北京大学を超える研究所群で構成され、学位審査もできる中国最大の研究集積の場であり、研究者の聖域でもあった。科学院は中核研究所以外が徐々に民営化されつつあり、競争原理が研究成果を変化させつつあると思われる。中国は現在世界最大の人工物の産業集積地へと成長しつつあるが、欧米と将来、自然物の産業においても競争するにおいて、これらの変化はどのような結果をもたらすか、今後検証されなければならない。
さて、政府にとっても、企業支援を行うとき、人工物の産業は民間主導が望ましいが、自然物の産業は、科学の対象であり、世界的視点からの政策主導が正当性を持っている。
我々は大きな岐路にいる。日本と中国の明日を拓くのは、人工物の知財と自然物の知財への包括的戦略であろうと思われる。
人工物の産業においては、地図はこれから作り上げるものであるから、知財戦略は現在から未来が決まる。現在をどのような体制にするかが、未来を決める。基本特許、基盤特許を押さえた企業連合の地図が、DVDの将来を決めるといった知財戦略となる。また、地図の作成者は、複数存在するのが通常であるから、世界はいくつかに分割され、その地図は正誤ではなく、利用者が異なるだけであり、利用者が減った地図は消滅する(自然物の産業は技術の成果を利用する産業であり、技術史の中で位置づけられる。また技術の開発と国家の形成・消滅の関係はトインビー等でも取り上げられてきた。国家の興亡の史観がこの人工物の産業における地図の概念の理解と知財戦略を構想する際に有効と考えられる)。
さて、地図の重要さは、コンピュータの能力向上と相関している。コンピュータの能力が向上すると、シミュレーションで商品の競争力を発売以前に評価することが可能となる。地図の精度とコンピュータの能力、シミュレーションモデルで優位に立った国家、企業が、競争国家、企業を凌駕することになる。
知財戦略は、自然物の産業においては、地図の精度の向上と、その地図の中にどのくらい自国、自企業の独占排他的権利を書き込むかにかかっている。人工物の産業においては、地図は勝手に描ける存在であるから、1)その地図にどのくらい独占排他的領域を作図するか、2)競争国家、競争企業の地図が機能する場をいかに狭めるか、が知財戦略となる。
さて、産業革命以前は人工物の産業は限定的で、19世紀までは、前出の人工物の産業の多くは存在しなかった。それに対して、自然物の産業は、その産業の内容は大きく変化したが、時代に関らず存在し続けてきた。20世紀は、数々の人工物の産業が創出、発展し、人工物の時代であったと規定できる(ただし、この時代の恩恵は20世紀に「先進国」と呼ばれた国だけに限定された)。この人工物の産業の勝者が米国であり、80年代以降は日本、ついで2010年代に入り中国となりつつある。それに対して、欧州は機械産業、自動車、航空機といった人工物の産業で、特に量的優位では米国、日本、中国といった世界の覇者に時として劣勢であったが、化学、食品といった自然物の産業においては一貫してその強みを維持してきた。
したがって、世界の国家戦略は人工物の産業と自然物の産業のどちらに政策の重点を置くか、2つに大別され、このどちらの産業がその国家を競争国家に対して優位付けるか、そのための政策のひとつとして知財戦略が位置づけられることになった。
日本経済の空白と米国を中心とした知的財産権戦略と今後
コンピュータとコンピュータソフトウェア(以下ソフトウェアと略記)の進化の結果、自然物の産業における原子・生命における「地図」の持つ意味は極めて大きくなった。ナノテクノロジー、ライフサイエンスにおいて、地図を持っている国家、企業は試行錯誤をしないで、研究開発、商品開発が行え、知財戦略も鳥瞰的に作成することができる。それに対して、地図の無い国家、企業は的確な研究開発、商品開発、知財戦略を行うことは困難である。人工物の産業においては、地図は、日々更新され、その利用される場も限定されるため、その持つ意味は、自然物の産業ほど大きくはない。
20世紀末はコンピュータの登場で、大きく地図の機能が向上した。それは、コンピュータシミュレーションの産業利用の可能性の拡大である。コンピュータの普及の急拡大と米国が人工物の産業における覇者を日本に奪われた時期、それが1980年代であった。米国は1970年代の人工物の産業を中心とした知財戦略から、この時期にソフトウェア重視の知財戦略へ大きく転換した。このソフトウェアは人工物の産業であった電気機械産業の製品であるコンピュータから生まれた商品であったが、その商品としての性質が自然物と人工物のどちらに振る舞いが似ているか議論が定まらないと思われる。
しかし、このソフトウェアに関する訴訟を中心とした知財戦略は、米国、米国企業が保有するソフトウェアの市場価値を高め、ソフトウェア産業は急成長した。この結果、米国は人工物の産業における覇権を日本に奪われたにもかかわらず、世界経済における覇権を1990年代に獲得し、2010年代を迎えている。この時期、ソフトウェアは、米国から世界中へ商品輸出、技術輸出され、米国の貿易の中核となった。
1990年代末、ソフトウェアとコンピュータの進歩はゲノムの解析を通じて、ライフサイエンス産業を成長させ、その結果、1990年代末に、米国の知財戦略は、ライフサイエンス産業の拡大にともなって、自然物の産業の知財戦略の重視へと大きく移行し、2000年代から2010年代へと自然物の産業に強みを持つ欧州と米国の利害は一致することになった。
1990年代末は、人工物の産業に関る知財戦略から自然物の産業に関る知財戦略に移行する変革期であると考えられる。その変革を起こしたのが、ソフトウェアの進化であり、ソフトウェアと自然物の知財戦略における類似性であったと推測できる。
21世紀初頭の世界経済は、自然物の産業を中心とした欧米に対して、人工物の産業を中心とする日本、中国といったアジアの対峙と理解することができる。知財戦略が産業支援を目的として意図されると考えるならば、欧米と日本の知財戦略は異なったものになると予測される。欧米は自然物の産業であるため、ゲノム解読を通じて原子・生命の地図を完成させ、日本、中国が追随できない鳥瞰的な知財戦略をコンピュータシミュレーションと連動させて、繰り出してくることが考えられる。
大学の関与は、基本的に自然物の産業に関する産業連携が望ましい。したがって、日本の産業構造は、大学の参加が容易ではない人工物の産業に留まっている限り、大学の役割は限られていくと思われる。産学連携は多くは知財を伴うが、その際、自然物の産業に関する産学連携と人工物に関する産学連携では知財の活用と戦略が大きく異なることに留意する必要がある。前者は学にとって、大きな成果が期待しうるが、後者の成果は限定的である可能性が大きい。また、企業の活動においても、前者と後者では知財戦略は当然変わる必要がある。
また中国においては研究機関、大学への市場原理、競争原理が大幅に導入され、政府等のプロジェクトへ参加して研究費を獲得できない大学の研究室は研究費が獲得できない。中国科学院は、清華大学、北京大学を超える研究所群で構成され、学位審査もできる中国最大の研究集積の場であり、研究者の聖域でもあった。科学院は中核研究所以外が徐々に民営化されつつあり、競争原理が研究成果を変化させつつあると思われる。中国は現在世界最大の人工物の産業集積地へと成長しつつあるが、欧米と将来、自然物の産業においても競争するにおいて、これらの変化はどのような結果をもたらすか、今後検証されなければならない。
さて、政府にとっても、企業支援を行うとき、人工物の産業は民間主導が望ましいが、自然物の産業は、科学の対象であり、世界的視点からの政策主導が正当性を持っている。
我々は大きな岐路にいる。日本と中国の明日を拓くのは、人工物の知財と自然物の知財への包括的戦略であろうと思われる。
知財21世紀政策・戦略(1)
知的財産(知財)についての政策、戦略が世界各国で重要になってきている。米国政府が知財戦略を構築したのは、1980年代であり、その知財戦略に対して、欧州は80年代の追従戦略から、90年代はデジュール・スタンダードを形成し競争戦略を展開、日本はそれに対して政府は終始追従戦略を取るのに対して、民間はソニー、パナソニックといった企業が競争戦略を展開してきた。
本研究は、この間の知財戦略の変遷を分析し、知財戦略の史的考察を試みる。
知財戦略は、家電、自動車、素材といった製品に関するハードウェア戦略、コンピュータプログラムを中心としたソフトウェア戦略、商標を中心とした商標戦略の3つに分けて考察することができる。1980年代、ハードウェア戦略で、日本が最終的に勝者となった。1990年代、ソフトウェア戦略で米国は勝者となり、2000年代、2010年代中国を中心とした商標戦略に欧米日は悩まされている。
知財を定義するにあたり、本研究では知財は、情報との関係で規定できると考えている。情報は、現在、資料・文献・写真・映像と言った紙、フイルム等とコンピュータ記憶の大きく2つの媒体に蓄積されている。前者はアナログ情報が、後者はデジタル情報が中心となっている。前者の情報量の伸びに比較して、後者のコンピュータ記憶は級数的に増加しており、インターネットを中心に世界で膨大な情報の蓄積、利用が行われている。
情報の利用に関して、何らかの制約を加えようというのが、法律、暗号、エージェントの3つである。法律は罰則が、暗号は解読の手間が、エージェントはその知的選択が、情報の自由な利用を妨げる。知財権は、法律の中で芸術、科学、技術、産業等の活動の利用に関する法律であり、その内容はインターネットを中心とする将来のサイバースペースの中に拘束と制限を加えるものであり、リアルスペース内の土地の区割りといったメタファーで、規定することができるものである。リアルスペースにおいて、隣に土地があって、そこを利用すればより素晴らしい家が建設できると思っても、そこが他人の土地であれば、素晴らしい家の設計はやり直さなければならない。それと同様に、インターネットの中のサイバースペース内で、いかに素晴らしい情報を見つけて、それを使えば、画期的な発明が出来ると思っても、それを行えない、それが知財権と情報の関係である。
知財権は、独占排他的な利用を特定の個人に許すことで、情報の利用に関して拘束と制限を加え、そこから情報戦略の中の一分野として、知財戦略を成立させる。例えば、インターネットの中のサイバースペースでは、無秩序な情報の蓄積、無制限での利用が期待される。それは、社会の創造活動にとって大きな意味があると思われる。しかし、その結果、情報の創造者にとっては、その権利を保護されないことになり、その保護に関して、なんらかの法的制約が期待されることになる。
インターネット上では特に自由な情報の利用が妨げられるかどうかは、大きい問題であり、サイバースペース内で、本来自由にアクセス利用できる情報に対して、法律、暗号、エージェントはその利用を妨げる。しかし、妨げるのと逆に、法律、暗号、エージェントは情報の利用を促進する役割も持っている。情報公開法は、明らかに国家、地方自治体の情報の利用を促進する現象がみられ、暗号はインターネット等のサイバースペースでの蓄積に適さない個人、企業情報についてもその蓄積と、特定の暗号解読キーを持ったコミュニティ内での情報の利用を促進する。また、エージェントは検索ロボット等で、情報の利用を促進する。
知財理解のパラダイム変遷
知財の利用に関しては、その「地図」の相違で2つのモデルが存在しうる。そのモデルは自然物を対象とする産業と人工物を対象とする産業で異なると考えられる。自然物を対象とする産業は、鉱工業、化学、食品、医薬品等であり、人工物を対象とする産業とは、機械工業、電気機械工業、輸送機械工業、建設業等である。
自然物は、知財の創造に関する地図は「造物主の意思」として存在していると考えられる。素粒子、原子の構造、生命の設計図といった表現がされ、ゲノムはその典型である。その産業に従事する科学技術者にとって、それは理解・分析の対象であり、知的好奇心の対象として、地図が作られ、その地図の世界の中で、産業行為として知財の創造が行われる。
それに対し、人工物は、知財の創造に関する地図は、日々の人間の営みによって更新される。将来の家電、自動車、船舶、飛行機、ロボットを創造する際の地図は、今後、どのような夢を誰が描くかで大きく変わっていくことになる。自然物に関する地図は、太古より存在した原子・生命を理解・分析して作成されるのに対して、人工物の地図は、人間の生み出した商品群から想像・総合によって日々連続的に作成される。
自然物を対象とする産業における知財戦略は、地図を早く解読し、その地図から俯瞰し、的確に競争企業を凌駕する戦略を立てた企業が有利になる。現在、ゲノム解読と医薬品・食品産業における知財戦略はこれで理解できる。
それに対して、人工物を対象とする産業における知財戦略における地図は、顧客の総意のもと商品企画者、科学技術者、経営者の顧客代理行為によって形成される。これは、国政における国民と行政の関係に似ており、国民に相当する顧客の総意を受けて、顧客代理行為で商品が作られ、そこから意図的に商品に込められた戦略構想が付加され地図が形成される。マイクロソフトによるデファクトスタンダードの形成、ソニー、パナソニック、韓国等が主導する業界標準の企業連合、欧州連合によるデジュール・スタンダードの提唱等は、すべて人工物の地図の作成行為と規定できる。
上記のように地図の性格の相違は、知財戦略を大きく変化させる。自然物の産業においては、地図は未知であるというだけだから、先に地図を見たものが勝ちであり、未来から現在が決まる。ゲノムの地図から病的遺伝子を特定し、それに関する特許の取得といった未来への布石が、現在の知財戦略となる。地図は、正しい地図と間違った地図が共存する可能性はあるが、本来世界はひとつであり、その正誤は歴史が証明する(自然物の産業は科学の成果を利用する産業であり、科学史の中で位置づけられる。また科学と宗教の類似点と相違点と古今論議されてきた点であり、前記の地図の概念とその利用は、宗教史における教義の概念と布教の原理に良く似ており、宗教史のアナロジーがその理解に有効と思われ、知財戦略に宗教戦争のモデルが応用可能かもしれない)。
本研究は、この間の知財戦略の変遷を分析し、知財戦略の史的考察を試みる。
知財戦略は、家電、自動車、素材といった製品に関するハードウェア戦略、コンピュータプログラムを中心としたソフトウェア戦略、商標を中心とした商標戦略の3つに分けて考察することができる。1980年代、ハードウェア戦略で、日本が最終的に勝者となった。1990年代、ソフトウェア戦略で米国は勝者となり、2000年代、2010年代中国を中心とした商標戦略に欧米日は悩まされている。
知財を定義するにあたり、本研究では知財は、情報との関係で規定できると考えている。情報は、現在、資料・文献・写真・映像と言った紙、フイルム等とコンピュータ記憶の大きく2つの媒体に蓄積されている。前者はアナログ情報が、後者はデジタル情報が中心となっている。前者の情報量の伸びに比較して、後者のコンピュータ記憶は級数的に増加しており、インターネットを中心に世界で膨大な情報の蓄積、利用が行われている。
情報の利用に関して、何らかの制約を加えようというのが、法律、暗号、エージェントの3つである。法律は罰則が、暗号は解読の手間が、エージェントはその知的選択が、情報の自由な利用を妨げる。知財権は、法律の中で芸術、科学、技術、産業等の活動の利用に関する法律であり、その内容はインターネットを中心とする将来のサイバースペースの中に拘束と制限を加えるものであり、リアルスペース内の土地の区割りといったメタファーで、規定することができるものである。リアルスペースにおいて、隣に土地があって、そこを利用すればより素晴らしい家が建設できると思っても、そこが他人の土地であれば、素晴らしい家の設計はやり直さなければならない。それと同様に、インターネットの中のサイバースペース内で、いかに素晴らしい情報を見つけて、それを使えば、画期的な発明が出来ると思っても、それを行えない、それが知財権と情報の関係である。
知財権は、独占排他的な利用を特定の個人に許すことで、情報の利用に関して拘束と制限を加え、そこから情報戦略の中の一分野として、知財戦略を成立させる。例えば、インターネットの中のサイバースペースでは、無秩序な情報の蓄積、無制限での利用が期待される。それは、社会の創造活動にとって大きな意味があると思われる。しかし、その結果、情報の創造者にとっては、その権利を保護されないことになり、その保護に関して、なんらかの法的制約が期待されることになる。
インターネット上では特に自由な情報の利用が妨げられるかどうかは、大きい問題であり、サイバースペース内で、本来自由にアクセス利用できる情報に対して、法律、暗号、エージェントはその利用を妨げる。しかし、妨げるのと逆に、法律、暗号、エージェントは情報の利用を促進する役割も持っている。情報公開法は、明らかに国家、地方自治体の情報の利用を促進する現象がみられ、暗号はインターネット等のサイバースペースでの蓄積に適さない個人、企業情報についてもその蓄積と、特定の暗号解読キーを持ったコミュニティ内での情報の利用を促進する。また、エージェントは検索ロボット等で、情報の利用を促進する。
知財理解のパラダイム変遷
知財の利用に関しては、その「地図」の相違で2つのモデルが存在しうる。そのモデルは自然物を対象とする産業と人工物を対象とする産業で異なると考えられる。自然物を対象とする産業は、鉱工業、化学、食品、医薬品等であり、人工物を対象とする産業とは、機械工業、電気機械工業、輸送機械工業、建設業等である。
自然物は、知財の創造に関する地図は「造物主の意思」として存在していると考えられる。素粒子、原子の構造、生命の設計図といった表現がされ、ゲノムはその典型である。その産業に従事する科学技術者にとって、それは理解・分析の対象であり、知的好奇心の対象として、地図が作られ、その地図の世界の中で、産業行為として知財の創造が行われる。
それに対し、人工物は、知財の創造に関する地図は、日々の人間の営みによって更新される。将来の家電、自動車、船舶、飛行機、ロボットを創造する際の地図は、今後、どのような夢を誰が描くかで大きく変わっていくことになる。自然物に関する地図は、太古より存在した原子・生命を理解・分析して作成されるのに対して、人工物の地図は、人間の生み出した商品群から想像・総合によって日々連続的に作成される。
自然物を対象とする産業における知財戦略は、地図を早く解読し、その地図から俯瞰し、的確に競争企業を凌駕する戦略を立てた企業が有利になる。現在、ゲノム解読と医薬品・食品産業における知財戦略はこれで理解できる。
それに対して、人工物を対象とする産業における知財戦略における地図は、顧客の総意のもと商品企画者、科学技術者、経営者の顧客代理行為によって形成される。これは、国政における国民と行政の関係に似ており、国民に相当する顧客の総意を受けて、顧客代理行為で商品が作られ、そこから意図的に商品に込められた戦略構想が付加され地図が形成される。マイクロソフトによるデファクトスタンダードの形成、ソニー、パナソニック、韓国等が主導する業界標準の企業連合、欧州連合によるデジュール・スタンダードの提唱等は、すべて人工物の地図の作成行為と規定できる。
上記のように地図の性格の相違は、知財戦略を大きく変化させる。自然物の産業においては、地図は未知であるというだけだから、先に地図を見たものが勝ちであり、未来から現在が決まる。ゲノムの地図から病的遺伝子を特定し、それに関する特許の取得といった未来への布石が、現在の知財戦略となる。地図は、正しい地図と間違った地図が共存する可能性はあるが、本来世界はひとつであり、その正誤は歴史が証明する(自然物の産業は科学の成果を利用する産業であり、科学史の中で位置づけられる。また科学と宗教の類似点と相違点と古今論議されてきた点であり、前記の地図の概念とその利用は、宗教史における教義の概念と布教の原理に良く似ており、宗教史のアナロジーがその理解に有効と思われ、知財戦略に宗教戦争のモデルが応用可能かもしれない)。
2010年9月15日水曜日
来週は22日は確実に富山大学にいます(^^)
現在、ミヤンマーに超熱心!!!。
中国政府との研究は論文2本作成中。
グローバルスピード経営+ソフト作成は佳境へ
富山市ファミリーパークIT化、頑張ろう。
。。。。
中国政府との研究は論文2本作成中。
グローバルスピード経営+ソフト作成は佳境へ
富山市ファミリーパークIT化、頑張ろう。
。。。。
托卵型経済と中国・インド政府 先進国政府はロボット経済へ
1.なぜ1980年代NIESの雁行経済が成立できたのか
雁行経済は欧米企業が弱体であったから可能となった
中国の成長はかつての韓国、台湾他の成長と異なっている。韓国、台湾の諸国の成長を説明する原理は、雁行型経済発展といわれる。その基本は学習であり、産業は学習と模倣によって、より先進地域な地域から発展途上国へと順次移転していく。模倣や学習は、後から行うほどより効率的、短期間に行われるので、後から追いつく国ほど早く成長できることもあり、次々より高い技術レベルの産業を模倣により創出していく。
また、より先進的な地域での低い技術レベルの産業は、追いつかれた国の産業にその座を譲り、衰退していく。このような産業の模倣による創出・衰退が連続的に起こり、そのイメージが雁の群れが飛んでいく姿に似ているということで、雁行型経済発展と呼ばれている。キーワードは学習で、社会のエリートが欧米日に依存しないで、自分自身で学習、模倣し、技術と産業を創造していく。主体はあくまでその国のエリートであることが多い。韓国台湾政府は産業政策として日本の1950年代1960年代モデルを実施し、企業は1970年代1980年代の日本企業(成長当時の日本企業)を模倣したと考えられる。韓国台湾の成長は乱暴に説明すると、政府の政策は1960年代日本型、企業のビジネスモデルは1980年代日本型と説明可能である。
2.中国経済のジレンマ
中国の発展は韓国台湾と異なる原理で起こったと考えられる。中国政府は産業政策として日本の1950年代1960年代のモデルを実施した。政策原理の多くは、韓国台湾と同様であると思われる(欧米の大学では、1989年の共産圏の崩壊当時、旧共産圏国家が選ぶべき産業政策として日本型産業政策が適しているとの論文があった)。しかし、企業のビジネスモデルは日本からの模倣とは異なっていた。これは韓国台湾とまったく異なっていた。
さて中国の発展を概括すると、貿易依存型でありGDPの50%程度が貿易によって生み出されている。また、輸出入の50%程度は、外資系企業に依存している。このことは、何を意味しているのか。実は、中国という場で、欧米日が勝手にビジネスを行っているのであって、中国は場所を提供しているに過ぎない、という状況が続いた。日本企業は、中国の日系企業とビジネスをしている。日本人対日本人である。同様に米国も、米国人と米国人がビジネスを中国という場で行ってきた。欧州も同様である。中国という場で、日本と欧米間のビジネスも起こる。社会のエリートが主体をなしてのビジネスというよりは、海外人材に依存するビジネスである。
日本と欧米のビジネスの違いは、欧米企業の場合は、企業内に中国人が多いので、ビジネスの主体が欧米人とはいっても実際は、中国系であることが多い点にある。この点で中国では日本企業より好意を持って欧米企業は迎えられる。しかし、基本的には中国しか知らない現地の中国人にとって、これらのビジネスは、極めて参入しがたい無縁のビジネスであることが多い。
例えば、中国で、米国企業の東アジア担当副社長が、米国留学した中国人または米国生まれの中国人を現地法人の社長にして、ドイツ企業、日本企業とビジネスを中国で行うとしよう。この企業は、中国の現地政府の中国人エリートと交渉をし、工場従業員、事務スタッフ、営業スタッフに現地の中国人を雇用するが、やりかたは米国流で、本国の米国で仕事をするのと同じ感覚で意思決定を行う。現地採用の従業員は単純労働に従事し、意思決定は委ねられない。米国に留学して学位をとり、仮想に米国人になって帰ってこなければ、意思決定の輪には入れない。
また、上海では日本企業が日系企業とビジネスをすることは日常で、日本企業が溢れ、日本語も溢れる。このビジネスモデルには、中国しか知らない素朴な中国人は単純労働者としての意味しかない。米国と異なり、日本に留学して学位をとっても仮想に日本人になることは出来ない。意思決定に入れないことで、不満は大きい。この状況は日本企業でのスト続発といった事件?も生んだ。
このビジネスモデルで、中国の多くの地域は成長している。これはカッコーが他の鳥に自分の子供を育てさせる「托卵」に似ている。それで清家は「托卵型経済発展」と定義している。
なぜ、このようなビジネスモデルにかつての韓国、台湾といった国はならないで、雁行経済を可能に出来たのであろうか。それは、雁行経済が実現できた1970年代1980年代の時期は、欧米企業、特に米国企業が弱体であり、そのためアジアへそのビジネスを拡大できず、また日本は欧米への進出にその大部分の経営資源を投入していた。そのため、経済的空白地帯がアジアに生じ、その結果としてNIES諸国の独立的成長がその空白を埋める形で可能になったとも考えられる。米欧の企業が強くなった1990年代2000年代、その空白はアジア、世界市場にはなく、その結果このようなビジネスモデルを余儀なくされているとも考えられる。そこからの脱却の鍵は、中国独自のビジネスモデルを作り上げることにある。
3.頑張れ!中国政府産業政策1970年代日本型 頑張れインド、インドネシア
現在、中国政府、広東、上海市の政府は、親として「企業」という子供を一生懸命育てている。しかし、実はこの子供は欧米日という親が産んだ卵が孵ったものであるのかもしれない。中国政府というウグイスはカッコーが産んだ卵を一生懸命育てているのかもしれない。この托卵型経済発展は、先進国が意思決定、発展途上国が単純労働・消費といったビジネスモデルによる国家発展モデルである。この状況を変える可能性があるのが中国政府の産業政策「工場の地方展開、海外進出、自国ブランド・技術創造」であり、これは日本の1970年代産業政策(田中角栄列島改造論)である。
ところで、中国政府は国家戦略が素晴らしく、中国人の駆け引きにはかなわないといったことをいう識者が多い。しかし、それは本当だろうか。かつて、アヘンを国内にばら撒かれて、2回のアヘン戦争で半植民地に陥った過去を考えれば、中国政府が国家戦略で巧みとはまだ歴史が証明するところではない。中国政府の失敗は歴史でいくらでも指摘できる。むしろ、国家戦略で多くの学習課題を抱えた政府とも思える。
この托卵型経済発展モデルはそのままインドに対しても応用が可能である。現地の中国人が単純労働・消費という部分を、現地のインド人が単純労働・消費と言い換えれば、概ねこのモデルによる国家発展がインドでも可能であることが、推測しうる。インド以外のインドネシア、パキスタン、バングラデシュ、アフリカでも托卵型経済発展モデルは成功しうる可能性があると思われる。また中国自身がアフリカ諸国などに対して托卵型経済発展を仕掛けているといったちょっと悲しい場にも出くわす。
4.欧米日政府の悲劇 法人移民?税収減の恐怖
托卵型経済発展は中国政府、インド政府から見てあまり気分の良いものではない。しかし、先進国にとってもこれは困り者である。一番困るのは、徴税である。企業が中国、インドへ行ってしまえば、税金を払ってくれない。企業を育てるまでに国民の税金は少なからず、使われたはずである。ところが、育ったと思ったら中国、インドへ行ってしまって、税金を払わなくなるのでは先進国の財務省は不愉快で、なおかつ国民に申し訳ない。
しかし、むやみに他国内の活動から税金を取れば、中国政府、インド政府に叱られる。さて、困った。既に金融危機後の経済政策は膨大な国債などを欧米政府乱発し、財政は急速に悪化している(1990年代日本の産業金融政策に欧米政府、有識者は一生懸命学んである。あんまり出来のいい学生では無い。おそらく大部分の国家は留年?)。やがて、先進国の財務、経済産業関係省庁は、海外徴税システムの構想課題を抱え、悩むことになる。2000年代の日本を学べ!2010年年代の日本政策は欧米の最先端実験場だね。
5.ロボット経済への模索
上記の構想課題を具体化する有力なヒントは、海外移民からの仕送り経済に依存している現在のフィリピン等、特に依存度が大きい太平洋の島国から得られる。これらの国々は、若者をオーストラリア、ニュージーランド等の先進国へ移民させる。彼らは2代くらいに亘って仕送りしてくる。ここから税金を取って、これら太平洋の島々は経済を維持しているのである。企業を法人と呼ぶ。海外進出を「法人移民」と言い換えれば、ここに徴税のヒントがあるのかもしれない。
托卵型経済発展モデルは、先進国が意思決定し、発展途上国が単純労働・消費するという仕組みであり、地球上を一巡し、現在の定義で言う発展途上国が消滅するまで続くと思われる。しかし、いつまでも続かない。発展途上国が主流でなくなる地球、その将来、その後の経済について構想してみよう。その時代は、単純労働・消費をする人的資源が消滅する、もしくは消滅しなくても、少なくとも経済的な意味が大きく減少している。その経済は20年後には到来するであろうと思われる。
それが移民代わりのロボット、ロボット経済を清家が日欧米に提唱する理由である。いままでブログで書いてきた「ロボット・・」を参照。
また日本人と米国人は太平洋という資源、環境面で地球の未来を担う巨大な地域を開発・管理する中心的な役割も負わなければならない。
現在、30歳代で、欧米、中国、そして日本の未来を担おうという人材にとっては、20年後はもっとも働き甲斐のある年齢に達する時代である。この時代の経済モデルとはなんであろうか。その転換、革命に備えなければならない。
新興国との共進化による成長モデルの研究
新興国との共進化による成長モデルの研究
キーワード
イノベーション,成長経済モデル,インド,インドネシア、中国,韓国,ロシア,共進化,仮想国家,擬制国家,インターネット
研究の意味
多くの国家・グローバル企業と連携し,イノベーション共進化していく環日本海経済、企業(特に富山県)の成長経済モデルを模索するためのプレ調査研究を行う。
新興国の成長に影響される先進国成熟経済の成長を「イノベーション共進化」で説明し,インド,東アジア、アフリカ他との連携へと拡張し,環日本海成長経済モデルの構築を試みる。成長阻害要因の金融危機、食品安全問題なども考慮する。
なお2年前より清家は富山を代表する企業の経営者調査は行っており、富山大学黒田講堂で2010年4月シンポジウムを行った。
社会的ニーズ
環日本海地域において,諸外国,グローバル企業との連携による成長モデルが求められている。環日本海地域,富山県はそれら成長地域,企業と物流で連携しており,引きずられて成長する可能性があるが,いま十分に成長の恩恵(余波)を受けていない。今後,物流(サプライチェーン)に加えて,情報通信(インターネット)、企業支援金融(金融危機で大きく変化すると考えられるが)で成長地域,企業との強力な連携が試みられると考えられる。
学生への影響
院生,学生に中国,インド,ロシアといった成長地域と地域経済が連携、共進化する意味と方法を教える。
1) 成長するグローバル企業と地域経済が連携する新しい産業モデルを教える。
2) 地方公務員上級を希望する学生に,本研究が導き出す地方経済の新しい課題と政策を教える。
学問分野
アジアにおける経済発展は欧米の影響を強く受けてきた。1980年代以降、韓国,台湾,マレーシアなどNIESは雁行経済を行った。この時期は欧米企業,特に米国企業が弱体であり,そのためアジアへそのビジネスを拡大できず,また日本は欧米への進出にその大部分の経営資源を投入していた。そのため,経済的空白地帯がアジアに生じ,その結果としてNIES諸国の独立的な雁行経済(雁行型成長)がその空白を埋める形で可能になったことも考えられる。1990年代から金融危機以前は米欧の企業が強く、日本+米欧の外資導入によるオープン経済,自由な経済(強い政府)により,国内の国際化(グローバルスタンダード化)で,中国,インドなどの多くの地域は急成長し、資源供給先としての中東、ロシア、ブラジルを牽引してきた。その成長を理解し,その成長との連携方法と金融危機後の企業支援機能の再構築などを通して共進化モデルを模索し、環日本海地域の今後の研究と政策立案へ活かすことができる。
【実施体制】
過去の海外との共同研究
過去中国国務院(政府)の研究官を富山大学客員教授として受け入れると共に、清家は中国国有企業などの訪日経営者教育を行ってきた。中国政府の国有企業の行政指導に関して清家は中国訪問指導、情報提供、共同研究などで協力を行った。また2009年3月は中国北京大学での日中情報経営系4学会共催の国際大会(実行委員長は清家教授)で日中政府、富山県を含めた日中産学官協力の場作りの成果を挙げた。
将来計画
日本,中国,インド,ロシア他の政策・企業経営の比較研究(将来的にはインターネットによる「国際連携大学院研究センター」的な機能を持たせる)
過去の日本の政治家,経営者のインタビュー、また財務省、経済産業省の歴代事務次官などの既存オーラル資料を英語、中国語で移転することも世界への貢献で考えるべきである。
これからの未来10年
欧米は1990年代の日本に学び
韓国、台湾は1980年代の日本に学び
中国は1970年代の日本に学び
インド、インドネシアは1960年代の日本に学ぶ
彼らの未来は日本の過去の中にある。日本が政治家、経営者、官僚のオーラルをし、英語、中国語などで世界発信する意味はそこにある。
大学教育における改善効果等
国際化人材へと学生を育てるための資料とネットワークを獲得する。政府,企業とその連携の事例からケーススタディを作りあげ,学生の講義における講義資料を作る。
公務員を目指す学生にとって,新しい分権国家における政策担当者のモデルを作りあげ,新しいテクノクラート教育を作りあげる。
2010年9月13日月曜日
2010年9月12日日曜日
2020年太平洋時代の日米中
2020年代
太平洋は地球表面の3分の1を占める。人類は地球に対して、経済的要請から開発・管理・持続的構造構築の3つのステップを繰り返してきた。その開発・管理の最後から2番目が太平洋開発・管理である。
ちなみに最後はおそらく膨大な地中に存在する微生物ワールドの開発である。その存在する生物の総重量は地上、海中の数倍、数十倍とも推定されている。
太平洋は、新興国の急成長による資源のひっ迫、メタンハイドレートの開発が2010年代の後半開始・・・の理由により、2020年から開発のスタートが始まる。その中で、日本は太平洋の西半分、米国は東半分、南太平洋はフランスが中心となり、そこに大陸から中国、ロシアなどが加わる構造となると思われる。太平洋が中心になる理由は資源以外に、環境問題がある。太平洋が汚染されれば人類はおそらく破滅への道しか残っていない可能性がある。
2010年代
2010年代は中国、インドの大陸国の成長が象徴され、世界の「生産中心中国」、「オフィスの中心インド」と、その大市場である大西洋国家群欧米と先端技術の日本が主役である。中国から製品が、インドから情報ソフトが欧米に向かう。それを補完するのが、ブラジル、インドネシア、アフリカ、中東の構図である。
単純化すると2010年代大西洋欧米と日本の知識・資本で中国が製品、インドが情報を生産し、資源は陸上、2020年代、太平洋日米+欧州の知識・資本で中国が製品、インドが情報を生産、資源は太平洋の海底が加わる構図である。
太平洋は地球表面の3分の1を占める。人類は地球に対して、経済的要請から開発・管理・持続的構造構築の3つのステップを繰り返してきた。その開発・管理の最後から2番目が太平洋開発・管理である。
ちなみに最後はおそらく膨大な地中に存在する微生物ワールドの開発である。その存在する生物の総重量は地上、海中の数倍、数十倍とも推定されている。
太平洋は、新興国の急成長による資源のひっ迫、メタンハイドレートの開発が2010年代の後半開始・・・の理由により、2020年から開発のスタートが始まる。その中で、日本は太平洋の西半分、米国は東半分、南太平洋はフランスが中心となり、そこに大陸から中国、ロシアなどが加わる構造となると思われる。太平洋が中心になる理由は資源以外に、環境問題がある。太平洋が汚染されれば人類はおそらく破滅への道しか残っていない可能性がある。
2010年代
2010年代は中国、インドの大陸国の成長が象徴され、世界の「生産中心中国」、「オフィスの中心インド」と、その大市場である大西洋国家群欧米と先端技術の日本が主役である。中国から製品が、インドから情報ソフトが欧米に向かう。それを補完するのが、ブラジル、インドネシア、アフリカ、中東の構図である。
単純化すると2010年代大西洋欧米と日本の知識・資本で中国が製品、インドが情報を生産し、資源は陸上、2020年代、太平洋日米+欧州の知識・資本で中国が製品、インドが情報を生産、資源は太平洋の海底が加わる構図である。
2010年9月8日水曜日
個人では世界一弱い日本人 戦争と経済の組織論
組織論を専攻していると、日本人が集団を作っているときの際立った強さに驚く
仮説を立ててみましょう。
1.日本人は集団としては無類の強さを発揮する
2.個人となると信じられないくらい弱い
この2つの仮説はあっているのでしょうか?
日本人向けの組織とは、どうあらねばならないのか、考えてみましょう。
明治以降、近現代史の日本の戦争の歴史をみると、集団での強さを表す記録が際立ちます。
第二次世界大戦のミャンマーにおけるインパール作戦を考えてみよう。戦線の帰結は別にして、その正誤、評価は別に集団としての日本人の強さという視点だけで考えてみよう。日本兵は、世界に名だたる至強のグルカ兵を相手に戦った。その際の驚異の強さは、戦陣訓・・・などの説明より、集団になったときの日本人の強さの現われとも思われる。
それに対して、一人なった、孤立させられた日本人はどのような表現がされているか?
特に虜囚となった際の、日本兵の表現は一人では何も決められず、何をしていいいか分からない、といった驚くほど個としては自立していない・・・
といった記述が見られる。
個としての日本人は弱い。集団としての日本人は強い。
その仮説が正しいならば
我々日本人はイチローのように強くは無く、イチローを目指しては行けないのではないか?
米国の経営学は個の自立が前提であるとよく語られる。
それであれば、米国の経営学が個の経営学と規定できるとすれば
日本の経営学は集団の経営学であり
米国がエリートを中心とした強者の経営学なら
日本は「個としての弱虫」を中心とした弱者の経営学でなければならないのではないか?
さて、以下の4つの前提は日本の企業の現状を正確に表しているでしょうか?
1.1990年代前半までは、熟練工と若手社員が二人一組で働くシステムであったが崩れた。
2.製造現場などで派遣労働者などが半数近く、正社員はその業務管理で手が一杯になっている。
3.小売現場では供給まで含めると24時間年中無休、正社員とパート社員は顔を合わせる時間も無い。
4.成果主義、職責給などにより、教えるより自分の成果を求める社員が増加。
仮説と前提が合っているとすれば
我々経営学者は米国の経営学の論文をどのように読めばよいのであろうか?
本日11時以降17時半まで大学にいます。来週木曜日は
清家です。
本日の予定 11時から清家研究室
12時から研究生と面談(途中割りこみOK
13時から教授会他(携帯メールしてください)
18時からホテルでお酒(^^)
来週は木曜日は絶対研究室などにいるよ
本日の予定 11時から清家研究室
12時から研究生と面談(途中割りこみOK
13時から教授会他(携帯メールしてください)
18時からホテルでお酒(^^)
来週は木曜日は絶対研究室などにいるよ
ロボット経済のスパコンによるシミュレーション
1.ロボットの2機能
ロボットには2つの機能がある。人間の支援と代替である。支援は人間の仮想年齢を低下させる機能があり、国民の平均年齢が下がれば、国民が仮想に若返り、生産、販売に励み、消費が増えることになりGDPが増加する。またロボットが人間に代わり、生産、販売、消費をすることになれば、これは移民と似た効果を持つことになり、移民経済的にはGDPが増加することになる。
しかし、ロボットに関わる制度や技術の経済的効果を定量的に把握した上で将来的なロボットの普及が経済に与える影響を分析評価し、ロボット技術が産業として発展していくための経済的課題を明らかにする取り組みについては、ほとんどなされていない。そのため、制度的課題や技術的課題の検討においても、経済効果について具体的に踏み込んだ比較評価を行うことは困難な状況となっている。
上述の背景を踏まえ、本事業では、①ソフトウェア的なロボットを含む経済主体としてのロボット(ロボット)によって生じる新たな経済効果の定量的なモデル化について研究を行うとともに、②このモデルに基づく経済効果算定シミュレータの実現可能性について、スーパーコンピュータの将来的利用も含めて調査研究を行うことが期待される。
2.ロボット移民
経済主体(economic agent、economic man、 economic unit)は、消費者と企業を一般に対象とする。これは、古典派経済論者、ロボット理論の学者、組織論者を問わず人間のみを対象としている。しかし、経済主体はプログラムの登場によって、人間だけではないと明確に認識できるようになってきた。このプログラムはインターネット上の生活、ビジネスではネットロボット(インターネット上で人間の機能を代替するソフトウェア)、現実社会では産業ロボット、ネット家電、インテリジェント自動車、民生ロボットと言った人間の機能の一部を代替、代行する「存在」に搭載される。
金融工学のプログラムの発展は、プログラム間の取引で、人間の介在を必要としなくなった。金融工学のプログラムは専門知識のない人間より、明らかに役に立つとも考えられる。本研究は、経済主体の定義や概念を人間以外に拡張する試みの一環である。「人間」のみを考える経済から「人間」と「プログラム(ネットロボット、ロボット等)」の2つの経済主体が形成する経済、それをロボット経済と規定する。この経済では、人間だけの社会へロボットが移民をしてくる。
日本の工場には産業用ロボットが導入されたが、これらは中国、ブラジルから労働者が移民してきたのと同じである。欧州では、工場以外にも、病院、介護施設、家庭、スーパーマーケット等へ移民が行われており、日本でもそれが期待されているが、ここにもロボットが移民してくると予想できる。
3.ロボット移民とGDP押し上げ効果
20世紀、産業ロボットが自動車産業、電機産業へ導入されたのに対して、21世紀におけるアルバイト労働、高齢者に頼る販売・流通・サービスといった産業、“癒し”産業ともいわれる高齢者慰安、観光・ペット産業へのロボット導入である。移民にGDP押し上げ効果があることはよく知られているが、移民と代替的なロボット導入にどの程度のGDP押し上げ効果があるかが、スーパーコンピュータによるロボット経済シミュレーションの狙いである。移民政策に国家、地方自治体が予算を使って、移民が増えればGDPが増加するのと同じように、ロボット開発に予算を使えば、ロボットが増えGDPが増加する。
各産業に与える影響では、電機業界、自動車業界、産業ロボット業界、その他が4分の1ずつのロボットを供給すると仮定してみよう。ロボットは平均的な労働者の労働期間を40年間と考え40年のレンタルを行うと仮定すると、それぞれ2010年には300億円程度の売上増が見込める。関連消費がその約4倍と見込まれるので、その供給の30%を供給産業が行えると考えると各産業の産業規模はそれぞれ700億円程度となる。
他の産業は情報サービス、情報通信産業、工作機業界、ファッション業界、玩具業界、ゲーム業界等がそれぞれ売上を享受することになり、500億円、300億円、300億円、200億円、200億円、200億円といった試算もできる。
ロボット系が電機、自動車、産業ロボット業界から供給されるのに対して、ロボットやネットネットロボット連携商品は主に家電業界、建設業界、玩具業界から供給され、これは2010年には100万セットの移民があると試算すると2010年には1兆円のGDP効果が考えられる。ネットロボット系はハードの負担が軽くゲーム業界、玩具業界、携帯電話業界、情報サービス業界といった技術保持産業からだけでなく、コンテンツ保持産業からの供給が主流になり、これは予測が難しい。介護コンテンツを持った企業が、同業者に先駆けてネットロボットを製品化し、競争企業を排除する可能性がある。
4.ロボット移民の活躍
現実社会では、家庭で掃除機、洗濯機は家庭の生産性を急上昇させ、家事労働時間は激減した。工場の機械、フォークリフト、産業ロボットは工場の生産性を高め、社員の何十人分の働きをする。工事現場では作業員がつるはしを振るう現場は無くなり、人間の30人分、100人分の能力といった重機が働く。人間以上に働く機械、ロボットは増加する一方である。人間を代替する内容も肉体から知能へシフトしてきている。
インターネットの場でも同様で、多くのロボット(プログラム)が人間以上の活躍をし、人間以上の活躍をするロボットは級数的に増加している。多くの種類の人間を代行するロボットが登場している。
これらのロボットはビジネス活動を人間と共同で行っているのである。また、ポータルサイトで販売を助けるロボットは販売能力でやがて人間を超えるかもしれない。人間の販売員は対応できる消費者の数で物理的に限界があるが、ロボットは無限の消費者を対象にできる。これらのロボットは人間と異なり、24時間働き、その能力は体調等で左右される事はなく安定している。
また、消費者側もプログラムによって助けられる。検索ロボットは知識生産活動を支援する有力なプログラムであるが、消費活動を支援する有力なロボットでもある。インターネットショッピングは、検索ロボットなしには成立できない。消費者の活動を支援するロボットが発展すれば、初期の指示と最終消費以外はすべてロボットが代行できるようになる。例えば、来年の誕生日のパーティーをフランス風に行うという指示をすれば、来年の誕生日(最終消費)までの間、ロボットが様々なお膳立てができる。ロボットは徐々に人間を助ける存在から、人間に代わる存在へと変化しつつある。
伝統的な経済学の完全競争のモデルでは個々の経済主体(消費者、企業)の意思決定は、他の経済主体に対して何らかの影響力をもたないし、他の経済主体の決定によって影響も受けない。
5.R to Rビジネスとロボットの進化
無数のロボットが生活の場でインターネットに支援されビジネスを行う未来を考えてみよう。ロボットの機能は人間の支援(機能代替)と代替である。人間の増加に比べてロボットプログラムの増加が大きければ、やがて我々はロボットプログラムがほとんどを占める経済の中で生きる事になるかもしれない。R to R ビジネス(ロボット ツウ ロボット)であるこれをロボット経済学と規定することができるかもしれない。
最終的にはR to R(ロボット ツウ ロボット)の部分が最も多くなるであろう。
検索ロボットは、多くの部分で人間の介在を必要としていたためR to H だったが、既にR to Rになりつつある。人間が知識を探索する場合、知識サイズ拡大に対する人間の探索能力に限界があるため、困難を要することとなる。
経済主体としてのロボットの進化に貢献するのはゲーム理論である。ゲーム理論では、各個人の決定は他の人々に影響をもたらし、他の人々の決定によっても自分の利得が左右され、ナッシュ均衡に達する。ゲーム理論における人間は、伝統的な経済学における人間像と比べると、他の人々へ影響を与え、他の人々から影響を受ける、より「社会的な」存在であるといえる。さらに知識や情報が共有されていない状況をもカバーし、知識・情報の交換、伝達を行う存在でもある。また、自ら利益のためにさまざまな策略を張り巡らす、機会主義的な人間でもある。そのような機会を見つけ出し利用するための情報処理・類推・計算能力の面では、ゲーム理論の人間は、伝統的な経済学における人間以上に高度な能力を備えているといえる。ロボットプログラムの経済主体としての進化はこの方向で起こっている。
人口の規模と市場規模の関係は断ち切れない。人口とは経済の基準原則である。経済=f(人口)である。例えば中国は人口が13億人、そして日本は1億2千万人程度である。人口が10倍ということは、市場規模は10倍にとどまらない。市場は人と人の間に成立するため、その規模は50倍にも100倍にも膨れ上がる。ネットワークの経済性である。これでは人口の数で日本は、中国には勝てない。従来、経済学とは「人口」をどう取り扱うかという考え方に立って展開される。しかし、ロボット経済学で説明される、来るべき世界において、人口の数が持つ意味はどんどん小さくなる。ロボットの創造を生産と消費において促進した国、企業、社会が世界の中心になるのであって、人口大国、政治大国が中心となる時代は終わりを告げるのである。
6.ロボット経済シミュレーションの国家的意味
本研究では、上記の議論を踏まえ、このような特徴を持ったロボットの経済効果について定量的なモデル化を試みてきた。経済主体は、生産、販売、購買、消費、賭博等の機能を持つが、ここでは簡単のために「販売(生産含む)」と「購買(消費含む)」機能のみの「売買行為」に限定してロボット支援・代替が起こるとしてシミュレーションを行うことが可能となる。
2010年9月7日火曜日
サービスビジネスとグローバル戦略
1.世界での成功とサービスビジネス
現在、世界の先進国の経済は成熟し、成長しているのは新興工業国が中心である。そのため、日米欧のグローバル企業は世界へ進出し、世界市場で覇権をめぐって競争を繰り広げている。発展途上国の成長を支援し共に繁栄する現地化経営の実現がトヨタ自動車、本田技研、日立製作所、パナソニック、ソニー、資生堂といったグローバル企業の使命である。その鍵はサービスである。
世界の新興国の多くの消費者にとって、サービスを受けることは新鮮な事であり、受けた側は大きな満足を得るが、逆にサービスを提供することは、苦手である。日本のように笑ってお客様に接することもなかなかできないようである。日本型の至れり尽くせりのサービス精神を現地の人に身につけさせ、組織として体制化できれば、世界の各地でのビジネスにおいて大きな武器となることは間違いない。
それは単なる接客テクニックを身につけ、販売量を上げることではない。顧客とのツーウェイコミュニケーションを行うことで、顧客のニーズ・ウォンツ情報を的確に把握できれば、彼らの欲求にフィットした製品開発につながる、つまりはヒット商品を産む機会が飛躍的に増加することになる。サービス発製品開発の仕組み作りにより、現地の中で自立して新製品を生み出すことが期待できる。
現地市場及び現地人のニーズ及びウォンツを現地人のサービス網がそれをキャッチし、現地人による製品開発及び基礎研究を行い、新製品を製造・販売するという一連の流れを作り出すことが戦略的重要である。以下の資生堂の海外事業での成功はそれを示唆している。
2.サービスからの製品開発戦略の重要性-
資生堂においては、美容アーチストによる店頭販売の強化が商品の機能性をクローズアップさせ、商品開発につながることが成功の要素となっている。日本企業が世界へ進出し市場を拓くにあたり、そこで成功するためには、ローカルなサービス分野が重要であり、さらに、そのサービス分野に技術要素を入り込ませ、研究開発分野と相互作用させることが重要である。
これは、市場との接点であるサービス分野において技術戦略の重要性が増しており、特に、サービス分野と研究開発分野の相互作用が商品開発にとって重要な位置付けを占めるようになっていることを示している。すなわち、「販売やアフターケア」、「商品開発における市場把握」といった点において技術要素の介在と研究開発との密な連携が、ヒット商品開発、顧客満足の向上、ブランドイメージ形成の観点から必須となっている。
日本は少子化、高齢化が進展し、技術開発を担える技術者の数が減少している。現地の教育レベルの向上への貢献、地元の知的エリートとの交流の視点からも現地でのR&D人材の積極的雇用に取り組む必要があることは明らかである。「サービス分野」と「研究開発分野」の相互作用をスムーズに行うためにも現地人材の活用が必須である。そのポイントは以下である。
3.現地人材とのコラボレーション 商品開発における市場把握
現地の優秀な人材を活用して開発された商品が、現地で大量に消費され、世界的にも競争力があれば、その低コストから、世界的なヒットになる可能性がある。世界中のあらゆる進出地域から世界標準の製品が生まれる可能性も高い。いかに、そのようなチャンスを増やすか、現地の人材を活用しない手はない現地人にどんどん働いてもらって、その良いところを日本と現地が折半する考え方である。このようなまとまりを生むのは何であろうか。人材教育、企業理念が根幹であると考える。
「販売やアフターケア」といった顧客との接点という点では、現地のチャネルを活用して販売ルートを確保するとともに、言葉、文化的背景といった点からも、現地の人材の雇用が必要であり、雇用した現地の人材に対する教育によって、必要な技術を習得させるとともに、企業の方針、風土を伝え国籍を超えた企業人、例えば「資生堂人」「トヨタ人」を世界に作っていくことが重要となる。そのポイントは以下である。企業哲学を浸透させた、言わば「資生堂人」、「トヨタ人」とでも形容するような、国の所属を超えた人材を育成するには、どのようなアクションが必要となるか、以下の3点を指摘したい。
第一に、ビジョンやベクトルを示すことである。しかもできるだけシンプルで、共鳴を呼ぶものでなければならない。資生堂の場合は「美」または「美の創造」となる。
第二に、行動原理を作り出すことである。
「美」という人類共通の価値観のもと、自分以外の人間(顧客)から学ぶという姿勢が、顧客や社会、ひいては人類に真に貢献するものが何かを考え、最高の価値を作り出すことにつながるのだということを人材にとっても、組織全体にとっても、最優先される行動原理として埋め込んでいくことである。
第三に、こうした価値観や行動原理を徹底し、進化させるためには、人材と組織全体の行動を引き出す仕掛け作りが必要である。資生堂のコア技術は「資生堂型美容部員を作り出すこと」といえる。そのための、教育スタッフが教育プログラムにより、まず、人材育成のために徹底して各人が学ぶための仕組みが整備された。思想、価値観、能力を学び、経験を広げ、単なる美容部員ではなく、「資生堂人」として進化するしくみが整備されている。
最後に、販売、製品、人材、思考を複合化する、組み合わせることで、お互いの知恵と能力を重ね合わせ、創造性と効率性を高めるという概念も重要である。個人主義から、会社全体を意識し、組織意識を醸成することが、組織の強さを規定する事の一つである。人材と組織が同じ方向を向いて、同じスピードで向上し続けていくことが重要ではないだろうか。
資生堂のように「美」の追求というシンプルさ、共通性が、所属する国を超えて人材と組織の共進化を起こし、現地発の世界標準製品を生み出すことを期待したい。この世界各地で展開するサービスビジネスをグローバルに連結し、経営支援を供給するにはサプライチェーンの整備が重要である。それは儲かる仕組みの構築でもある。
2010年9月4日土曜日
来週月曜日から北陸先端科学技術大学院大学で集中講義、木曜日まで
来週月曜日から木曜日まで、石川県で北陸先端科学技術大学院大学で集中講義(水曜日は富山大学)。
今回は名古屋大学大学院とやっているグリーンビジネス、大企業とやっているグローバルスピードビジネス研究、中国と共同研究の政府と企業の関係、日本政府財務省(大蔵省)、経済産業省(通産省)のオーラル・・・と盛りだくさんの講義になりますね(^^)。どこまでやれるかな?
今回は名古屋大学大学院とやっているグリーンビジネス、大企業とやっているグローバルスピードビジネス研究、中国と共同研究の政府と企業の関係、日本政府財務省(大蔵省)、経済産業省(通産省)のオーラル・・・と盛りだくさんの講義になりますね(^^)。どこまでやれるかな?
美の経済学と観光哲学の模索(1)
1.美の事業創造と観光地経営に関する3つの原理
美の事業創造、観光地経営を説明できる新たな3つの原理を提案する。それは「美の同質化」「美の完結性」「美の転写性」の3つの原理である。美の市場では、新たな美の創造、活用における成功モデルが登場し、支配的原理となり、そのモデルがまた3つの原理で変質していくことになる。
1) 美の同質化の原理
美の同質化は、社会のあらゆる組織、個人の行動において見られる。世界の放送局の映像には差がなくなりつつある。個性、差異が見つけられなくなったのは、日本だけではなく、欧米諸国にも共通の現象である。この現象は情報化と組織、個人の行動の関係のもっとも基本的なものとも考えうる。かつてはNHKとBBCは明確なコンセプトの違いをその映像に具現化していた。ところがその差は年々無くなっていっているようにも見える。
情報の共有化が進むと、例えば、NHKの組織構成員が何を考えているか、どのような美の戦略、技術、商品企画を持っているかが、BBCにもCNNにも即座に分かってしまう。それに対抗して競争企業は組織的に準備することが可能となる。したがって、1社が新しい美を発表しても他社はすぐに同じ美を創造することができる。このことは競争企業がNHK、BBCに対しても同じ対応を行うことができることを示している。美の創造、活用の組織は時間の経過とともに情報共有が進み組織的に美は同質化する。
これは、以下のメカニズムによっている。情報化が企業組織の同質化をすすめることについては一般に十分認識されていない。20世紀は情報の世紀であり、情報量の急増と情報の保存方法の飛躍的向上で説明された。個人の意思決定過程が類似してくるといった側面があるが、それよりも重要なのが組織に対する同質化の圧力である。情報化によって、美を創造する組織の構成員が情報の”海”に浸かることは、(1)些細な創造、販売の失敗についても長期的に記録、保存される、(2)保存された記録はいつ暴露の対象になるか分からない、(3)意図しない行動が自己組織的および計画、編集的に紡がれ、失敗に連座する可能性が常にある、といったことを意味している。21世紀における情報化は人間の社会から「忘却」という言葉を消しつつある。そのことは忘却の人間行動、組織行動における深い意味と機能が失われることの影響について問いかけるものである。これを「忘却のないシステム」と同質化の圧力と呼ぶことにする。
人間が忘却のないシステムのなかで、自己保身的行動を期するなら、ドラスティックな意思決定を避ける行動はとりわけ合理性を持つことになる。成功者に対するより、失敗者に対する報いがより大きく、1回の失敗が1回の成功で埋め合わせることができないことは世の東西を問わない。この結果、美の創造、活用の組織は、観光地だけでなく、その観光地を企画、運営する地方自治体、企業等も変質させる。成功するより失敗しない組織、「防衛型」組織へと観光地と観光地を支援する機関は変質していくことになり、新しいモデルの挑戦を受ける時まで同質化の傾向は合理性を持つことになる。この組織の同質化は美そのものを同質化させることになる。
2) 美の完結性の原理と観光地の進化
創造された美が、他の美の存在、特に、活用にどのような影響を与えるかを問題にする。美が創造されると他の美の完結性が低下する。美の創造行為はその美が係わるすべての美の”完結性”を低下させる。
例えば、「夕焼け」といった美が創られたとする。日没時を忘れる。その夜はテントの前で火を囲み、焼けたイワナをほおばりながら娘と夕焼け談義に時を忘れる。このとき、小さな幸せと娘と分かち合うささやかな美が創造、共有されている。この美に酔いながら、隣の都会的建物をみて、なんてこいつはデザインが悪いのだろうと感じる。このとき、都会的建物は美としての完結性が急激に低下したのである。
個人、組織は美を創造することで完結された自己を破壊し、再び新たな完結された自己を連続的かつ不連続に形成していく存在と規定しうる。また、社会的存在としての自己は環境との交互作用により、新たな完結すべき(統合すべき)美を内面化することによって破壊され、再び完結されなければならない。
このような美の完結性が問題にされるとき、その完結性の向上が観光地の進化の原理となる。
3)美の転写性の原理
創造された美における制限条件としての「美の転写性」という概念を規定することができる。ここでは美の転写性を媒体(商品・サービス)へ転写する効率と規定する。例えば、素材として紙は美の転写効率が良いものの一つである。デジタル化は美の転写効率を良化させる。
20世紀、多くの商品は美の転写性を上げることを放棄した。その理由は自動車、家電、住宅、家具といった商品は美の転写性が極めて悪かったからである。例えば、自動車は馬車の美を転写したものである。欧州の王侯貴族が創造、活用した馬車の美は転写する際、大変な才能と熟練が必要であり、転写性が悪かった。美の転写性が悪い結果はコスト増をもたらすことになる。ところが、大衆は安価な自動車を渇望した。そのために量産技術で生産コストを下げ、また美のコストを低価格に抑える必要があった。この結果、馬車のまがい物の美を創造し、それで美の転写コストを低減することになった。これが20世紀の自動車である。家電、住宅、食品と展開し、都会にあるすべての店が観光地にまで登場することになった。美の転写性の悪さは、観光地経営にまで及び、世界の観光地は類似し、特色を失うことになった。
大衆車とは、規模の経済の原理に従って勝者となるために、長年磨き上げた馬車の美を自動車に転写することを諦めた結果であり、まがい物の美を創造(工業デザイン)、活用(量産)した成功でもあった。このように美の転写性は経済、経営の原理を変え、成否を決めることがある。自動車、家電のデザインの場は、美の転写性が悪い商品において、規模の経済を発揮するための体系でもあった。
工業デザインは20世紀急速に発達し、企業は技術と美の転写性において合理性を持つ形に進化した。それがアメリカ生産方式、フォード方式を応用した商品へのまがい物の美の大量転写であった。20世紀末、科学技術の進歩、マルチメディア化の進展は美の転写性を向上させ、従来大放送局の大型設備でなければ困難であった映画制作、音楽製作、出版をコンパクトになった。この変化は21世紀すべての商品に及び、また影響は現実世界・仮想世界・個人の虚構世界へ急速に拡大していると考えられる。21世紀では、美の転写性が低いため諦められてきた自動車、家電、家庭生活へ、次々王侯貴族の洗練された美の転写が可能になりつつある。本物の美を家庭へと転写しうる時代が21世紀である。
美に関する原理の整理
「美」の「同質性」「完結性」「転写性」は美の事業、美の観光地経営を考える第1歩となる。
2.“美の連鎖”を形成する“観光”
観光とはその地域を旅することである。しかし、旅は空間(現在)を楽しむだけで無く、同時に時間(歴史)も楽しむ。各地域には歴史があり、その歴史と出会う場は、かつては美術館、博物館にしかなかった。しかし、文化は知識遺伝子として、地域に住むあらゆる人と社会の中に存在する。この人間、社会の知識遺伝子のなかにこそ実は歴史がある。この知識遺伝子は繋がりを持って地域独特の産業を創造した。その繋がる糸が美意識である。知識遺伝子と美意識で結ばれた集団がつくりあげた美の連鎖を考えてみよう。美意識を共有し、評価しあう集団が形成され、完結性が高まり、美の連鎖を形成する。このような美意識の連鎖は、科学者、技術者、産業人にも共通するもので、この評価の輪に参加できた人は、この美の連鎖からの人脈、知識、技術によって支えられ、観光地は美を創造し、進化し続ける、どの地域にもない独自性を持った存在となる。
大企業と小企業はどちらが有利?
泊ったホテルで
お写真を(^^)ときには気楽に
大企業と中小企業のどちらが有利か、考えてみよう。就職の際も参考になるかな?
企業組織が内部組織を維持していくには、環境との間の経営資源の交換が必要である。環境はミクロ経済学的には市場と中間組織(今井賢一他『内部組織の経済学』、1982)に大別できる。また経営資源の交換には投入(Input)と産出(Outoput)がある。投入の代表的なものは原材料であり、産出の代表的なものは商品・サービスである。産出された商品・サービスは環境において原材料となる。経営資源は6Mと一般に規定される。Man(人)、Machine(機械)、Material(原材料)、Method(技術・手法)、Money(資金)、Mension(情報・知識)が6Mである。なお、環境において負の価値を持つ経営資源を産出(排出)した場合、これを一般に公害と呼んでいる。
さて、生物における食物摂取と同様に企業組織は経営資源を投入”摂取”する。哺乳類の場合、体重と食物摂取が比例しないことが知られている。ゾウはネズミ(200g)より10万倍重いが食べる量は3000倍である。企業の場合も、企業規模と投入される経営資源の必要量が比例しないことが考えられる。大きいほど環境との接面(表面積)が体重の割には小さい。外気温が下がっても大型哺乳類は体が冷えにくいが、小型哺乳類のネズミは恒温性を維持することがすぐ困難になる。したがってネズミは頻繁に食べなければならない。ゾウはその必要が少ない。
大企業ほど環境との接面(表面積)が規模の割には小さい。企業が環境と接しているのは購買や営業である。これが相対的に小企業より少ない。ということは、環境が悪化しても企業の内部組織の多くは影響を受けにくい。全業務の中に占める営業活動が少なければ、営業の効率が低下しても、企業に与える程度が軽くなる。環境が悪化しても大企業はその活動のほとんどを変更せずにすむが、小企業の多くの活動は環境への対応行動を要求され、職務は変更される。本来業務、定常業務を維持することが困難になる。したがって、小企業は経営資源を頻繁に取り入れ、本来業務への環境の変更を少なくしようとする。大企業はその必要が少ない。大企業は、環境変化の影響を受けにくいので経営資源を頻繁に取り入れる必要が少ない。したがって大きくなるほど経営資源の必要量は減っていく。
小企業は小さいが、一般に考えられているほど簡単に倒産したりはしない。小さければ、意思決定は速い。現在、市場は細分化し、多くの小市場に分割されていく傾向が強い。したがって、小企業は容易にニッチ市場を探し参入することができる。小企業は、時間の回転が速い。小企業は環境の影響をまともに受ける。不景気がきても、技術が陳腐化しても、人材の供給が出来なくなってもすぐに倒産する。それでも特定業種といった”種”を残す上で小企業は有利である。企業の寿命が短く、環境の影響をまともに受けるので、新しい環境にあった新しい企業を、すぐにつくりだせる。
お写真を(^^)ときには気楽に
大企業と中小企業のどちらが有利か、考えてみよう。就職の際も参考になるかな?
企業組織が内部組織を維持していくには、環境との間の経営資源の交換が必要である。環境はミクロ経済学的には市場と中間組織(今井賢一他『内部組織の経済学』、1982)に大別できる。また経営資源の交換には投入(Input)と産出(Outoput)がある。投入の代表的なものは原材料であり、産出の代表的なものは商品・サービスである。産出された商品・サービスは環境において原材料となる。経営資源は6Mと一般に規定される。Man(人)、Machine(機械)、Material(原材料)、Method(技術・手法)、Money(資金)、Mension(情報・知識)が6Mである。なお、環境において負の価値を持つ経営資源を産出(排出)した場合、これを一般に公害と呼んでいる。
さて、生物における食物摂取と同様に企業組織は経営資源を投入”摂取”する。哺乳類の場合、体重と食物摂取が比例しないことが知られている。ゾウはネズミ(200g)より10万倍重いが食べる量は3000倍である。企業の場合も、企業規模と投入される経営資源の必要量が比例しないことが考えられる。大きいほど環境との接面(表面積)が体重の割には小さい。外気温が下がっても大型哺乳類は体が冷えにくいが、小型哺乳類のネズミは恒温性を維持することがすぐ困難になる。したがってネズミは頻繁に食べなければならない。ゾウはその必要が少ない。
大企業ほど環境との接面(表面積)が規模の割には小さい。企業が環境と接しているのは購買や営業である。これが相対的に小企業より少ない。ということは、環境が悪化しても企業の内部組織の多くは影響を受けにくい。全業務の中に占める営業活動が少なければ、営業の効率が低下しても、企業に与える程度が軽くなる。環境が悪化しても大企業はその活動のほとんどを変更せずにすむが、小企業の多くの活動は環境への対応行動を要求され、職務は変更される。本来業務、定常業務を維持することが困難になる。したがって、小企業は経営資源を頻繁に取り入れ、本来業務への環境の変更を少なくしようとする。大企業はその必要が少ない。大企業は、環境変化の影響を受けにくいので経営資源を頻繁に取り入れる必要が少ない。したがって大きくなるほど経営資源の必要量は減っていく。
小企業は小さいが、一般に考えられているほど簡単に倒産したりはしない。小さければ、意思決定は速い。現在、市場は細分化し、多くの小市場に分割されていく傾向が強い。したがって、小企業は容易にニッチ市場を探し参入することができる。小企業は、時間の回転が速い。小企業は環境の影響をまともに受ける。不景気がきても、技術が陳腐化しても、人材の供給が出来なくなってもすぐに倒産する。それでも特定業種といった”種”を残す上で小企業は有利である。企業の寿命が短く、環境の影響をまともに受けるので、新しい環境にあった新しい企業を、すぐにつくりだせる。
2010年9月3日金曜日
ロボットの製品化と企業(6) ロボット経済になぜ興味を持ったか?
経済の流れのなかで、私がなぜロボットに興味を持ったのか。
経済がだんだん落ち込んでいくのは消費をしなくなるからです。なぜ、消費をしないのかというと、歳をとると欲しいものがどんどん減っていく。若いころはやりたいこと、あるいは欲しいものがいっぱいあった。それが歳とともにだんだん減っていく。最近では糖尿病の心配とかで食べるものも控え目になっています。また、狭い家には物がいっぱいあって、もう置く場所がない。そんなことで人間自体が消費をしなくなっています。
では、どのようにして消費を高めたらいいのか。その方法は多岐にわたり、いろいろ工夫をします。その中でひとつ、欲しいという感覚を持たせるために流行をつくるということがあります。流行は非常に便利なもので、たとえば今年のカラーは黒だとすると、皆が黒の服を買う。次の年には白となると、黒はすべてリセットボタンが入ってしまい、白を買います。そのように黒、白、赤、とやっていけば常に欲しいものを喚起します。
流行というのはリセットボタンなんです。
消費をしなくなる層はリセットボタンを持たず、自分の誕生日が嬉しくない年齢になっている人たちです。
では、どうするか。若返ってもらうことです。「桃太郎ははどのようにして生まれたか」という話があります。ひとつの説として「桃太郎は桃から生まれたのではなく、おじいさん、おばあさんが若返った結果、桃太郎が生まれたのだ」というのがありました。
この「若返り」という感覚がキイワードです。
若返るといろいろと欲しがります。欲しがると、買いに行くという行動になります。それにロボットがお手伝いができないかと考えたわけです。つまりロボットが人間の若返りをお手伝いするんです。
歳をとって実際に買い物に出かけるのが億劫になったとき、代わりにロボットに買い物をしてもらう。そしてインターネット上のバーチャルな秘書のような存在が、その人の欲しがっている品物やバーゲンセールでの買い物を上手にチューニングして買ってくれる。ロボットがこのように人間の行動をお手伝いし、若返らせてくれたら、お年寄りに購買意欲が起きて経済が成長するだろうと考えたわけです。ロボットで平均年齢をバーチャルに引き下げ、その結果として欲しいものが生み出され、購買行動が増え、その結果、経済成長する、そういう考え方がまずひとつあります。その意味ではロボットはお手伝いです。
次に、ロボットはお手伝い以外にペットの代わりになります。ペットの飼育にはかなりお金がかかります。たとえばシベリアンハスキーなどという犬は購入維持総額がミニバンとほぼ同じです。そして毎日の食費がかかります。安い肉はまず食べません。豚のこま切れなぞを与えるとフン!という顔をします。肉代だけでも1年間に40万円、50万円とかかります。10年飼うと400万円です。それに犬の保険も、ガン保険もあります。どんどんお金がかかります。ちなみに日本では犬と猫のペットの数は15歳未満の子供の数より多いんです。2007年4月1日現在のこどもの数(15歳未満人口。以下同じ。)は1738万、2006年のペットフード工業会の調査では、国内の犬猫飼育数は、約2,168万頭です。おそらく現在は18歳未満よりワンちゃん、ネコちゃんの数が多いと思います。なお、外国人は犬と猫はちゃんがつくのか、熊はなずクマさんになるのか、使い方が分からないそうです。日本語は難しいですね。
それはさておき、コンパニオン・アニマル(伴侶動物)という言葉に象徴されるように、人間並みのペットサービスも加熱している。「ペット葬儀サービス」や「ペット保険」、「ペットシッター」、「ペットアロマテラピー」、「ペット用サプリメント」とペットブーム、愛玩動物から家族化が進行中です。
なぜ、ペットを飼うのか。子供のいちばん可愛い時期は、何もわからないころです。子供が「パパ…」と初めてしゃべったころがいちばん可愛い。その後はだんだん小憎らしくなってくる。頭脳の働きは、犬は1歳児とほぼ同じくらい、チンパンジーはほぼ3歳児といわれています。そうすると、チンパンジーを飼うと3歳児の経験が10年続き、犬を飼うと1歳児の経験を10年間できるということになります。人間であれば1年しか経験できないものが10年経験できる。そうするとペットというものは非常に意味があるわけです。ペットはミニバンとか子供並みに消費しますから、そうなるとペットにロボットが役に立つ。それがひとつあります。
では、なぜ、ペットが役に立つかということになります。
高齢者のホームではペットを飼いたくても飼えません。ペットは病気を持っているからです。ちなみにネコにかつて中国で猛威をふるったSARSのウイルスを感染させたところ、平気でした。それがなぜ、わかったかというと、実験で人間のSARSをネコに感染させたけれど、ネコはすべて元気だったからです。しかし、ネコのSARSが人間に感染するかどうかは実験ができませんからわかりませんでした。ネコにはそんな心配があります。そのほかにも病気をいっぱい持っています。ですから、高齢者の施設ではペットを飼うことはできないのです。
ちなみに日本の高齢者は世界で一番金持ちです。65歳以上の高齢者が持つ貯金は総額1000兆円です。その高齢者は一般に若い人の1/3しか消費しないとされています。経済的な意味からすると、高齢者3人と若い人1人ということになります。このお金持ちの高齢者がペットを飼いたいといっても飼えないんです。
もうひとつ、ペットをめぐってはこんな心理が働きます。自分より先にペットが死んでしまってはかわいそうという思いです。その一方では、自分の息子と喧嘩になったりすると、息子より長生きして息子には遺産相続をさせたくないという気持ち(笑)。そういう心理になるのがペットです。ところが、そのペットの代わりをロボットができますという話になります。
では、ペットはどのような経済効果を持つか。
ペットが増えると経済成長が起こります。そんなバカなと思われるかもしれませんが、ペットはミニバン並み、子供並みに消費します。現に上海や韓国の成長には、ペットブームがかなり貢献しているんです。上海でペットが飼えるのは「ステータスが高い」という証明です。だからこそ、税金が余分にかかるのにペットを飼っている。ペットを飼うということが経済成長につながるのです。
当然ながら、子供も経済成長につながります。要するに子供をたくさん生めばいいのですが、日本の場合はそれが難しい。そこでロボットが子供の代わりをしたら、どうなるか。
ここまでお話したことを整理すると、若返ると経済成長をするということ。次にペットが経済成長を助け、そのペットの代わりをロボットがするということ。3番目は、子供が増えれば経済成長をするので、これもロボットにやらせることが可能かどうか、そしてこれがどういう意味を持つかという話になります。
僕の話は、このあたりまでは何となくわかるが、それ以降はわけがわからなくなると、よく言われます。
そこでビデオを見ていただきながら、ロボットがどの程度、人間を支援するかを説明したいと思います。
〔ビデオ上映〕
ロボットがすごいのは学習することです。何度も試みているうちにどんどん進歩していきます。これは、歩くのを助けるロボットです。
いま、膝の痛みを訴える人が多くいます。買い物をするのも億劫になります。ですから、歩行を支援するロボットとか、買い物を代行するロボットがあればいい。たとえばスーパーにたくさんのロボットが置いてあって、そのロボットに自分の買い物を命令する。すると、そのロボットがスーパーを歩き回って買い物をし、宅急便で送ってくる。そういうシステムがいま研究されています。
ロボットが人間のいろいろな手伝いをして、バーチャルに平均年齢が10歳下がると、経済は5%ぐらい上がるとされています。つまり年間成長率の5%は平均年齢を10歳下げれば達成できるんです。これをバーチャルにやることができるのがロボットのひとつの意味です。
ペットのロボットは、ソニーのアイボが典型でした。アイボは世界中に広まりました。中国ではチャイナドレスを着て出てきました。アイボはカメラを持っていますから、特に女性がアイボと接するときは注意しないといけない、などと話題になりました。
ソニーがアイボの葬式ビジネスを考えたことがありました。アイボが壊れると修理するのに平均2万円かかります。それでも可愛いペットですから修理をします。それを3~4回やると完全に壊れてしまいます。そうなったらアイボの葬儀をだしたらどうかという話になったわけです。その際、アイボが撮った写真を飾ってはどうかということになり、調べてみましたが、ビジネスに使えるような写真がないことからダメになったという話です。
葬式を出したいと思うぐらい「可愛い」と思っている人が多くいたんです。このペットをどんどん本物に近づけるか、あるいは本物ではないにしても独特の可愛さを持たせることによって、その結果としてペットにお金を使ってもらう。ミニバン並みのお金となると年間40万円から50万円がかかります。たとえばラブラドールレトリバーは1年に39万円かかるそうです。10年で390万円です。たくさんの高齢者がペットを10年間飼えば、結果としてペットによる経済成長が起こります。
このペットにいろいろな機能を持たせていく。そのひとつが医療機能です。高齢者はペットを抱いたりして接します。それによって精神的なストレスのモニタリングを続けることができます。また、高齢者はテレビをよく見ます。話し相手がいないとテレビがその代わりをしますが、話し相手をペットにさせるようにすればいい。このようにペットにモニタリング機能や診断機能、コンサルタント機能を付けることができます。そうするとペットの機能がよくなるたびにソフトを買ってもらえます。それも経済成長につながっていきます。
次にペットが子供化しないかというおとぎ話です。子供というのは小さいころはペットです。逆にペットを大事にし、可愛がっていくとペットが子供になってしまうのではないか。そういうソフトをつくれば儲かるのではないかということです。つまり高齢者がペットを可愛がっているうちに、そのペットが「自分の代わりをやってくれたら…」と思うようになる。それが自分の後継者です。
そして自分の知識を後継者=子供に譲りたいと考え、少しずつペットロボットに移していく。そうすると、ペットを15年間も育てたら、自分がもう一人できてしまうのではないか。それが可能か、どうか。いま挑戦しています。
たとえば、司会のAさんの持っているノウハウはすごいと思います。言葉を活ける人、言葉を活け花のように扱える人ではないかと思います。しかし、このノウハウもAさんが亡くなれば、それで消えてしまいます。そこで自分の後継者にそのノウハウを伝えたいと思う。そこにペットロボットが登場し、そのノウハウを吸収してくれる。そしてペットロボットがどんどん学習して、子供になってきたら、ピノキオみたいにちゃんとした人間の体を持ったロボットにソフトを入れればいい。ペットが子供になって、自分の後継ぎになるのではないかというわけです。
さて、自分の後継ぎになるといっても、かつてのような肉体労働ばかりの時代では難しいですが、今はしゃべるだけで食っていける商売がけっこう多いです。
たとえば、大学で僕の代わりにかわいい女の子ロボットが講義をする。おっさん教授の大声よりかわいい声のほうがうっとり・・・・講義が終わって学生が質問したとします。すると、女の子ロボットは僕のケータイに電話をしてきて、質問の内容を伝えます。そして僕が彼女に代わって答えれば、僕はその教室にいなくてもいいんです。ロボットは僕の後継ぎが十分できます。そうなると、僕は複数の大学をかけ持ちで講義をすることができます。
さて、後継者といっても最初は応答もできないし、難しいです。営業マンが自分の代わりにロボットを出向かせて営業ができるか、これはなかなか難しいです。自分のロボットを宅急便で送る。相手先でロボットが「こんにちは」と、商品の説明をときどき冗談も交えてやる。そろそろお客さんの質問があるかなというころを見はからって、営業マンが顔を出せばいいんです。
ロボットを自分の後継ぎにするのは情報化時代になるほど簡単です。しかし、これが経済成長につながるか、どうかです。これまではホンダのオデッセィが売れると経済成長する、ペットが売れると経済成長するという例がありますが、ここになってくると例がなく、怪しくなってきます。
自分の後継ぎが子供的なイメージになるというのは、どういう感じかを説明したいと思います。
〔ビデオ上映〕
──アニメ「美女と野獣」──
こういう社会になればいいなというイメージです。
周りにいる種々な存在は、人間が魔法をかけられてこうなったという設定で、イメージ的にはペットと子供の中間みたいなものがたくさんいます。ロボット社会の未来をイメージするには、これが一番いいと思います。これが楽しいと感じるかどうかは、想像力の問題だろうと思います。
このもうひとつのロボットがペットでもあり、自分の相談相手でもあります。そして最後に魔法が解けるとすべて人間に戻る。そうすると子供が成長して人間になるかもしれない。その点では、現在はこのあたりまで進んでいます。
進んでいるといっても科学が進んでいるのではなく、人間の意識です。現在はどんなロボットでもつくれる時代になっていますが、いちばん変わらないのは人間です。自分のサポートをして欲しいとか、若返りをしたいという意識とか、そのときにどういうビジネスが始まるかといったイメージができないと科学が進んでもダメです。若返りたい、お手伝いのロボットが欲しいという意識のほうにいま、社会はなってきています。その点については皆の合意が得られます。そして、ここになってくると、「ペットが果して、どういう役割を自分たちの生活の中で持つことができるか」についてはまだ合意がないです。
ロボットに対する考え方がソニーとホンダでは違いました。ソニーは今はロボットから撤退して残念ですが、ソニーは、「ロボットは皆が楽しむものであり、ビジネス感覚がないものほどいいんだ」としていました。これに対してホンダは、「ロボットは人間の手伝いをするものだ」といいます。
アシモを受付ロボットとして人件費の評価をすると、現在の能力では年間で100万円程度しかないとされています。受付の人を採用すると年間400万円程度ですので、アシモは1/4の能力しか持っていないということになります。ただ宣伝効果を考えると、いろいろな意味がありますよという話になります。
このようにホンダは実用、ソニーは遊びと考えていましたが、まだまだどの会社もペットとロボットの社会的、未来的意味についてはまだ、はっきりした意識はありません。この意識は徐々に変わってくると思います。ペットがどういう機能を持っているか、高齢者にとってペットはどういう意味を持つかという話によって変わってくると思います。
いろいろなペットがロボットとして登場するようになると、そこには多様な機能が入ってきます。相談相手とか、話し相手とか。そうなってくると遺言状を残すより、自分のペットロボットに遺言を覚えさせたほうがいい。遺言状にああだ、こうだと書くより、仏壇をロボットにしてしまって、仏壇に自分のノウハウを全部入れてしまう。たとえば財産分与の際は必ず自分=仏壇ロボットが立ち合うことになります。そして作家だったら、自分の著作の著作権管理を息子にやらせるよりはロボットにやらせるほうがいい、ということになります。
有名人ロボットができれば、有名人は死んだ後も活躍できるんです。オードリー・ヘップバーンは亡くなりましたが、清純な女性というイメージから彼女の画像は今でも商品価値がものすごくあります。CMでは大活躍ができます。その彼女の画像をロボット機能を持ったものがコントロールすれば、ヘップバーンは生前と同じように活動できます。まさに、永遠の女性になれるのです。人間が死んだかどうかということは、身近な人以外には関係ないんです。
素晴らしい能力を持った俳優が自分の画像をロボットに管理させれば、自分は300年間でも俳優として機能できます。いまは優れたCGも使えます。自分の画像を最高に美しい状態に残すためのロボットをつくればいいんです。
僕の友人にもCGの研究をしている人が大勢います。以前、バーチャル・アイドルというのがありました。伊達杏子という名前でした。それをつくった人を知っていますが、どんなにうまくつくっても本物の女の子にはかないません。女の子にはその人特有のアンバランスの美があります。バーチャルで理想的な表情をつくり、理想的な会話をさせても可愛くない。もうひとつ、もう一歩可愛くない。そのもう一歩が実際の人間が持っている魅力なんです。
実際に持っている魅力を画像に残せるし、CGも残せます。それとロボット機能がうまく合体すれば、1,000年間女優をすることも可能です。自分は死ぬけれど、やったことを芸術として自分を残すことができます。
ここまでくると最後は、テレビやインターネットという2つの場で見ていると、誰が死んでいるのか、誰が生きているか、わからない時代がきます。そして、こちら側の世界がどんどん大きくなっています。インターネットと画像がくっつく時代になってくると、いま自分が画像の前で会話をしている相手が生きているか、死んでいるかは関係がなくなります。
場合によってはダーウィンやニュートンを再現することもできます。ダーウィンやニュートンを再現したような後継ぎロボットです。それができれば教育効果はすごく上がると思います。魅力のある、優れた経済学者の後継ぎをつくろうと思えばつくれます。つまり、ある一定の画像と一定の知識と一定のコンテンツがきちんと残っている人間ならば、それを再現することができます。
そして、リアルな世界からインターネットの世界が大きくなってくると、その境目がわからなくなってきます。
そうした時代に向かった場合、経済はどうなるのか。
日本はいま、子供の数がどんどん減っていますが、その時代になると子供が減っても関係ないかもしれません。
たとえばあなたを1万人コピーするのも可能です。そうすると世界中いたるところにあなたがが出てきます。これが数千万台のコピーとなってくると、あなたがビジネスマンだとすると、そのビジネスについてはあなたがグローバル・スタンダードになってしまう。そうするとあなたを輸出して儲けようという話になる。そのように考えてくると、輸出をして欲しいという「人間」が日本には意外といるんです。
新興国などは大歓迎です。団塊の世代にはそんな人は一杯います。かつて1980年代、90年代韓国、台湾の成長を日本人サラリーマンは助けました。現在の中国、未来のインドの高度成長を「定年後の日本のおじさんたち」は援けています。彼ら名もないおじさんたちは、中島みゆきさんの歌を背に、国を超えて今、中国、インドで戦っています。それは、新興国が欧米の経済支配から解放されるのを援けようとしているのかもしれません。もし、彼らをロボットにして輸出することができるといえば、世界は大歓迎でしょう。そんなの無理だといったある人がいます。無理ではありません。現在でも団塊の世代が現地工場を視察し、作った設備、機器、ソフト、データーベース、ノウハウは中国他で生きています。私も日本から来た経営学者として中国企業を指導してきました。現在は交通、情報通信が不十分だから日本人が行かないと駄目です。昔はもっと大変でした。現在はインターネット、テレビ電話などでずっとやりやすくなってきました。やりやすくなってきたということは、交通、情報通信で、一人が二人分、三人分、四人分・・・百人分の働きができるようになっていることを意味します。この延長上に「あなたを数千万台コピーして・・」世界のグローバルスタンダードにするがあるのです。
こんなことを含めて考えると、将来のビジネスはロボットをキーワードにした場合、今日本政府が考えている未来とは、なんとなく違うのではないかと思います。要するに経済成長する場合についていろいろなことを考えているけれども、人間が若返るための経済成長、ペットという可愛い対象をたくさん増やすための経済成長、そして最後には、つくることができるかもしれない自分の後継ぎがグローバル・スタンダードになれば、世界が変わってしまうかもしれません。そういう時代の経済成長のイメージがそろそろ必要かもしれません。
日本は世界で一番ロボット技術が進んでいます。世界にあるロボットの半分は日本製です。ペットロボットを売るためには可愛さが必要です。可愛さをつくるのはアニメであり、コミックです。日本にはアニメとコミックの進んだ文化があります。ポケモンが世界の子供たちに人気があるのは可愛いからです。ポケモンのいろいろなキャラクターがもし、本当の動物だったら世界中の子供が買うでしょう。日本はロボット技術においても、アニメにおいてもナンバーワンです。この2つで実現が可能ではないかと思います。
ロボットの世界となると、手塚治虫さんです。手塚さんがどういうイメージを持っていたかということを、ビデオを見ていただきながら説明します。
〔ビデオ上映〕
いまリアルな世界で鉄腕アトムが復活しようとしています。
ロボットはもう研究の時代から、ロボット経済の時代に入り、具体的には生活や未来を変える時代に入っているのではないかと思っています。
ロボット経済では、いくつかの原則があります。
ある意味で、自分のロボット、自分のクローンを残せない人は旧人類であり、自分のクローンをインターネットの中に大量につくっていく人が新人類です。新人類に入るか、どうか。これが1番目です。
次に、新人類というのはサイバースペースの中に生き、たくさんの自分のクローンと一体になって存在する存在であるということ。つまり、サイバースペースの中に、自分(自分のロボット、自分のクローン)がたくさんいて、それと自分が提携する。さきほど申し上げた、講義はロボットがやって、質問に僕が答えるという形です。
3番目は、サイバースペースの中にロボットが次々に登場します。その中はロボットが大量移民をする世界です。おそらくアメリカの西部開拓時代と同じような感覚になるのではないか。つまりアメリカ大陸に大量に移民が登場して、西部を開拓していったような時代になるのではないかと考えています。
そうすると4番目としては当然のことですが、サイバースペースの中では征服とか植民、場合によっては戦争という事態も起こりえます。
そして5番目に、サイバースペースがどんどん大きくなって、リアルな世界より大きくなってしまいます。イギリスの経済よりもアメリカの経済が大きくなったように、です。そのうちに我々がふだん生活している経済は、サイバースペースの経済の一部になりうるのではないか。
まだまだありますが、この先は皆さんも考えてください。
1970年代以降の財政、産業政策の証言は新興国にとって未来予測
1970年代以降の財政、産業政策の証言は新興国にとって未来予測
1990年代以降の歴代内閣、大蔵財務の証言は欧米の未来予測
これらをなんとしても現在世界に拡げ、後代に遺せればと中国、東南アジアなどの要人と会うたびに感じます。
1990年代以降の歴代内閣、大蔵財務の証言は欧米の未来予測
これらをなんとしても現在世界に拡げ、後代に遺せればと中国、東南アジアなどの要人と会うたびに感じます。
日本海と地中海 「海魂陸才」で世界に発信
中国は米国に行くとき対馬海峡から日本海を通って津軽海峡を抜けるのが一番近い
地球は丸いので、大圏コースで、中国、韓国船は日本海を通って燃料を節約する。5%以上節約になり、到着も1,2日早くなる。日本海は中国、韓国船ばかりが走るメインストリートである。太平洋側を走るのは日本がらみの船だけである。これからは、日本海時代になる理由の一つはこれである。
欧州にアジアから行くのは、
スエズ運河を通航するより北極海を通過するほうが日数3分の1で済む。10日以内。
これも日本海を通る。将来温暖化が進むとすると年の3分の1の夏季の期間、
北極海を砕氷船に導かれて、多くのコンテナ船などがベーリング海峡から太平洋に入ってきて、津軽海峡、対馬海峡を経て、韓国、中国へ向かう。
石油タンカーも津軽海峡から日本海に入ってくる。
日本海の危機
日本海を大型船が走り、事故でもあったら汚染は深刻である。石油タンカーは現在は少ないがタンカーが沈むと致命的になる。
日本海は対馬海峡、津軽海峡、宗谷海峡いずれも極めて浅い。汚染はすべて日本海へ溜まる。地中海がジブラルタル海峡が深いため汚染が大西洋に排出されるのと対照的である。
早急に沿海国で通過船の保険を義務付けるなどといった対策も考えられる。これは近い将来巨額の環境保険ビジネスを企画せざる得なくなる(どなたか、清家と一緒に企画をやりませんか?)。
さて、以上の危機意識・・・・から日本海と地中海、バルト海をキーワードに論じてみよう。
日本海周辺は巨大な経済圏である。環地中海と環日本海を比べてみよう。人口で環日本海が3億2千万人、環地中海は4億1千万人である。環日本海は米国の人口2億9千万人よりも多い。GDP750兆円も環日本海の方が上である。国家の数や百万都市の数は地中海の方が多い。軍事費は20兆円対12兆円で日本海が大きい。日本海は巨大な経済圏だ。
日本海と地中海、欧州は近いというと不思議な顔をされるだろうか。中国東北部、モンゴル、カザフスタン、カスピ海、トルコの東西通路は、もっとも馬の移動に適した地形が多い。気候変動でこの地形は「馬のハイウエー」といった草原地帯に変わるときがある。このとき、一気に地中海と日本海は近づく。人間の陸上での移動は、南北方向では徒歩が中心となる。それに対して、東西方向には馬が活用できる。一気に日本海から地中海まで駆け抜けるのである。フン族がかつて東から西へ一気に駆け抜けた。その名残が欧州の国名に残っている。フインランドはフン族のフンから来ている。ハンガリーは実はフンガリーである。彼らは東洋系の遺伝子を持っている(近年の遺伝子研究では歴史的にかなり民族は入れ替わって、フィンランドなども東洋系の遺伝子は現在は少ないとの報告もある)。
アレキサンドロス大王に滅ぼされた紀元前のペルシャは2400キロを早馬7日間で駆け抜ける連絡システムを持っていたといわれており、平均時速14キロの速度であり、この速度では日本海と地中海は1ヶ月以内の連絡システムで結ばれる。馬での移動の速さは、古代より馬が主体の東西の交通、通信を徒歩が主体の南北に対してはるかに優越させていた。モンゴル族は、この草原をもっとも強力な騎馬での移動を可能にした。
日本海は、緯度35度から45度に主要部が位置し、地中海は32度から43度に主要部が位置する。馬による移動は、草原の道(毛皮の道)で緯度40度の北京をスタートとし、モンゴルのカラコルムを経て、新疆ウイグルのイーニン、カザフスタンのアラル海、カスピ海、黒海沿岸のオデッサ(緯度46度)、ロストフ(緯度47度)を経て、トルコ、地中海、欧州へ達する。中心部の緯度が40度あたりの日本海を発した草原ルート(ハイウェー)は、40度から50度あたりを地中海へ向かい緯度37度あたりの地中海へ達する。
例えば、人間の移動速度に対して、馬が3倍であると、物理的な位置関係は人間の感覚の中では大きく変化することになる。東西が南北に対して3分の1の距離に縮小する。馬が5倍であると仮定して、東西を5分の1に縮小して世界地図を書いてみたことがあるが、地中海、欧州は他の地域よりはるかに近くなり、もっとも身近な異国のイメージになる。広東はもちろん上海よりも近いイメージとさえなる。
おそらく、草原の道が馬の走行に適していた多くの時代、日本海側の人間、地中海の人間は非常に近く感じ、この間を支配することが多かったトルコ系であるウイグル族他にとって、一体化した地域との意識は強かったと思われる。
歴史的に、日本海は馬でユーラシア大陸の東西方向への移動が頻繁に行われるときの東端に、地中海はその西端にあたる。したがって、ウイグル族といったトルコ系住民が日本海から地中海までをつなぐハイウエーの支配者となってきた。
そのように東西交流、民族の融合は頻繁に起こった。ロシア(中心モスクワ)とウクライナ(中心キエフ)は元はほぼ同じ民族であった。それがモンゴル帝国支配当時、モンゴル族の民族融合政策がモスクワを中心に行われたため、モスクワは東洋系の遺伝子が多くみられる。東西交流は「新幹線なみの馬パワー」が強力なパワーを発揮した。17世紀からの清帝国のアジア支配は世界最強の騎馬軍団の力を裏付けとした。この騎馬軍団は海から英国軍が近代兵器とともにやってくる19世紀初めまで世界最強であった。
日本海と北海・バルト海地域と比べると、人口はほぼ同じだが、先進国人口の比率とGDPは若干北海バルト海の方が多い。国家の数は日本海が五に対して北海・バルト海は十四もある。つまり地中海、北海という地域は国家が多いだけに、まとまるのがむずかしい。
日本海経済はプレイヤーが少ない「まとまりやすい可能性がある」=連係の経済である。北朝鮮は経済的に中国吉林省と融合が進んでる。
最大のキーは隣接する地域の人口で、日本海は中国が控え十億人の隣接人口をもっている。日本海周辺は地中海以上の可能性をもち、北海・バルト海を超える大きい経済圏だということになる。
さて、日本海は自然と文化の宝庫である。非常に自然に恵まれているということは、人口が少ないということを意味する。ところが、日本海の回りには外環日本海というのがあって、外環日本海というのはものすごい経済力がある。このように見ていくと、海の自然の心でもって、巨大な経済を通して世界に発信していくことができる。考え方としては、ハートは日本海の自然、文化で、外環日本海経済はそれを世界へ拡大するアンプということになる。「海魂陸才」すなわち海の魂で陸上の才能を発揮しようというのが日本海ということになる。
米国と上海は競争経済だ。これはものすごく資源を食う。CO2排出量とGDPで日本とアメリカを比べると、CO2当たりのGDPでは日本はアメリカの五倍である。つまりアメリカはCO2を日本の五倍出して、日本と同じGDPということだ。上海は米国の2倍のCO2を出す。米国、上海のように競争をあまりやりすぎると環境、そして人間の心の豊かさがどこかへへ行ってしまう。また、米国では一〇%の人がGDPの三分の二を占めている。上海の場合は一〇%の人がGDPの約九〇%を占めている。
これに対し、日本海地域では日本主導で貧富の差があまりなく、品質の高い商品を作り、勤勉さを美徳にして、高い教育水準をもつ人口三億二千万人の社会をつくりたい。中国東北部は国有企業、日系企業が多く、競争だけでなく、国民大衆(中国国民、北朝鮮国民)、顧客(日本と韓国の顧客志向はかなり異なるが、サムスンの顧客調査は世界でももっとも適格といわれている)を主役にした経済である。
日本海周辺地域では、米国、上海とは反対の原理の経済の国民貢献、顧客主導で世界へ輸出で貢献したい。そして勤勉で効率的な生産・販売を行う。
また高い水準の研究開発で世界に貢献したい。そのための社会政策モデルを立案し、日本海の自然と文化に科学をプラスし、経済でもって世界へ拡大発信する。ロシア、中国東北部というのは軍事地域で、かつての軍事技術者がいる。海岸部に軍事研究所はまずいというので、全部内陸に入ったため、中国の北はハイテク地域として発展してきた。現在、中国政府の渤海湾開発、東北3省発展計画で次々ハイテクをベースとした都市・産業開発が爆発的に起こっている。
こういった歴史、自然、人材を使って、自然と文化へ科学を加えることができる。これが日本海、海の魂である。
次に日本海、海の魂を拡大発信する経済は何を生産・消費するか。
具体的には、富山はロボット先進国だから、思い切ってロボットを輸出したらどうだろうか。工場用ロボットだけでなく、身長百二十センチぐらいのお手伝いさんロボットを量産して世界に輸出する。
あるいはインターネットの中にかわいい秘書のネットロボットを富山の女性が中心になって作ったらどうか。成功すればソフトでもって世界のグローバルスタンダードへと発展させていくことも可能だ。これが外環日本海経済、陸才である。
もう一つは医療とバイオの研究が考えられる。高齢化が進んでいる国では医者の世話になることが多い。北朝鮮の国民は健康状態が悪い。自然、文化と共生する科学という点でバイオや医学の研究が求められるし、それが三億二千万人の経済活動へ保障を与えるのでないか。
そういう意味で「海魂陸才」=海の魂でもって経済の才能を発揮するというのを日本海のキャッチフレーズにしたい。
2010年9月2日木曜日
世界鉄鋼覇権とインフラビジネス(1)
本研究は世界の新興国を中心に行われている巨大なインフラ投資の基礎素材となる鉄鋼をめぐる覇権のゆくえ、そしてその中で世界と競争を繰り広げる日本鉄鋼メーカーと総合商社の2タイプの日本型戦略について考察する。そして、その日本型戦略を統合する政略の可能性について論じる。
鉄鋼業は欧米、新興国では、急成長産業として政府、産業界、大学で注目されている産業である。日本の鉄鋼業は、かつて欧米を凌駕し、世界トップとなり、そして現在中国に大きく差をつけられ、インドに脅かされている。
日本の鉄鋼メーカーは自社だけの利益を追求せずに、組織間関係全体の最適化に配慮をしてきた。その理由は樺澤氏 の指摘する長期的な構造不況業種として、成長産業に貢献し、ウイン・ウインを実現するためである。また日本の鉄鋼メーカーは財務体質が弱く、また中韓のような政府の支援が無いので、資源確保をやりたくても出来ない。
総合商社は三菱商事も三井物産も鉄鉱石の権益確保を進めているが、実はこれは日本鉄鋼メーカーのためではなく、中国鉄鋼メーカー他の海外鉄鋼メーカーに販売するための権益確保が多くなってきている。鉄鋼メーカーの中には、こうした資源権益の確保に動く総合商社を「国賊」と呼ばわりする人もいる。しかし、総合商社も日本政府、日本の鉄鋼メーカーにかまって手をこまねいてはいられない。中国企業が次々資源権益をさらっているのである。
日本では、鉄鋼メーカー主導の組織間関係と総合商社主導の組織間関係の2つの日本型戦略が生まれ、世界の鉄鋼覇権をめぐり、鉄鋼メーカー、資源企業、各国政府と合従連衡をしている。本研究は2つの日本型戦略の相違とその競争力について史的に分析し、将来と政府の政略の可能性について予測する。
論文の構造及びプレイヤー
主要なプレイヤーは
鉄鋼メーカーは、新日本製鉄、JFEホールディング(JFEスチール)、神戸製鋼所である。
総合商社は、三菱商事、三井物産である。
構造は、前提と組織から戦略が構想される、と考えている。4前提のうちA、B、Cの3つは所与と規定し、前提D(仮説1)は本稿で検証する。組織は、組織Aは鉄鋼メーカーで所与、組織B(仮説2)は総合商社で検証する。戦略A、B、Cは本稿で導き出す。
前提
前提Aは「欧米企業は成長戦略としてトップダウンのM&Aを行い、戦略から組織を変革させる。日本企業はボトムアップで改善を行いインクリメンタルイノベーションで自己組織的に組織変革を行う」である。
前提B「日本型成長戦略は3つあり、1つは総合電機のようなR&D資源に恵まれた企業に見られる成長事業への進出であり、あと2つは単能企業であり、R&D資源が限られる鉄鋼メーカー、総合商社にそれぞれ見られる成長戦略である」をもとに論じる。
前提Cは「日本鉄鋼メーカーは組織間関係からの戦略を選択してきた」
前提D(仮説1)は「総合商社は組織間関係からの戦略を選択してきた」
組織
組織Aは「鉄鋼メーカーにみられる、成長産業、家電、自動車産業を選択し、パラサイトし成長し、次に顧客としての成長産業に貢献する形でウイン・ウインの共進化を遂げる。共進化はフォン・ヒッペルのユーザーサプライヤーインターラクションの理論で説明できる」である。成長産業の研究開発の支援、補完、分担、オーダーメード化として貢献し、基本的には取引コストの低下、売上増がその目的となる。売上増に利益配分は相関する。利益配分は投入工数、コストに応分なものとして、トヨタ自動車などは新日鉄に分配する。
組織B(仮説2)は「総合商社にみられる、連結の経済である。それは成長産業どうしを結びつけ、その口銭をとる。売上増が口銭増、利益増となる。その際、連結で両者がシナジー効果を出す形なれば、組織間関係として共進化を仲介したことになる」である。
組織A、Bから
戦略
戦略Aは「日本政府の政略が無いと日本はダウンストリームの競争力しかない」
戦略Bは「低品位鉱の活用による新技術開発は未来の戦略である」
戦略Cは「ジャパンイニシアティブは、総合商社の歴史から見てやがて日本鉄鋼メーカーの時代の先駆けとなる」
仮説は下記の2つとなる。
前提D(仮説1)は「総合商社は組織間関係からの戦略を選択してきた」
組織B(仮説2)は「総合商社にみられる、連結の経済である。それは成長産業どうしを結びつけ、その口銭をとる。売上増が口銭増、利益増となる。その際、連結で両者がシナジー効果を出す形なれば、組織間関係として共進化を仲介したことになる」である。
鉄鋼業におけるメーカーと総合商社の戦略は先行事例であり、今後多くの産業、特にインフラにおけるグローバル競争に適応できる可能性がある。インフラは新興国を中心に次々建設されている。日本メーカーと総合商社は、都市建設、新幹線、水ビジネス、原子力、スマートグリッド、新・省エネルギーなど膨大なインフラ市場へ進出している。日本が世界に誇る環境技術がそのビジネスの中核技術となっている 。このインフラ市場における先行事例が鉄鋼業である。また鉄鋼業の歴史は、世界で今後展開されるインフラビジネスの未来予測の資料である。鉄鋼研究の現在における意味はここにある。
2010年9月1日水曜日
ロボットの製品化と企業(5) ロボット経済の構造
インターネット上でソフト=ロボット(ネットロボット)の活動領域はどんどん広がっている。
金融工学ロボットを例にとってみよう。Mrヤマダという優れたディーラがいたとしよう。ヤマダ氏の投機の知識はロボットとして外部化され、彼のエージェント(代理人)として活動する。このエージェントは投機エージェントと規定でき、世界中の投機エージェントとビジネスを行う。
金融工学ロボットはディーラロボットで投機ビジネスを展開するが、インターネット上のビジネスモデルソフトの大部分は販売や価値生産などのロボット=エージェントである。
このような状況は、インターネットビジネスにおいて「人間が関わる時間(マンタイム=人間時間)が次々とプログラム(プログラムタイム・ロボットタイム=ロボット時間)に置き換えられている、という表現が適当である。そして、マンタイムをロボットタイムに置き換えていった企業が勝者になっていっている。
このもっとも有名な誰でも知っている事例はヤフーからグーグルへの覇権の劇的な交替である。
世界中でビジネスモデルに関するインターネット上の特許が実働、企画される。これは上記のマンタイムがプログラムタイムに替わる過程と言い換えることができる。この過程はかつて、工場で20世紀起こったマンタイムがマシンタイムに置き換えられてきた過程が21世紀再現されることを意味している。
消費ロボット研究投資はインターネットの未来を拓く
消費はインターネットにおけるロボット経済の中心である。学生がインターネットで遊んで、アマゾンで買い物をしているときの検索ロボットは消費を促進する販売ロボットとしてフル活用されている。インターネット上では今後、無数の販売・生産ロボットが生み出されるだろう。
将来、急増すると思われるのは消費ロボットである。その理由は、販売・生産ロボットは競争力を持った個人(専門化)の分身として創造されなければならない。それに対して、消費ロボットは消費者(素人)の分身である。販売・生産ロボットに比較して、消費ロボットは個性的、オンリーワンであるがゆえに競争力を要求されない。消費支援を行うディストリビューターとしての個人が自らの分身を切り出す(ロボット化)とき巨大な市場が生まれる。
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