2010年9月15日水曜日

新興国との共進化による成長モデルの研究


新興国との共進化による成長モデルの研究 
 

キーワード
イノベーション,成長経済モデル,インド,インドネシア、中国,韓国,ロシア,共進化,仮想国家,擬制国家,インターネット

研究の意味
 多くの国家・グローバル企業と連携し,イノベーション共進化していく環日本海経済、企業(特に富山県)の成長経済モデルを模索するためのプレ調査研究を行う。
 新興国の成長に影響される先進国成熟経済の成長を「イノベーション共進化」で説明し,インド,東アジア、アフリカ他との連携へと拡張し,環日本海成長経済モデルの構築を試みる。成長阻害要因の金融危機、食品安全問題なども考慮する。
 なお2年前より清家は富山を代表する企業の経営者調査は行っており、富山大学黒田講堂で2010年4月シンポジウムを行った。


 社会的ニーズ
   
 環日本海地域において,諸外国,グローバル企業との連携による成長モデルが求められている。環日本海地域,富山県はそれら成長地域,企業と物流で連携しており,引きずられて成長する可能性があるが,いま十分に成長の恩恵(余波)を受けていない。今後,物流(サプライチェーン)に加えて,情報通信(インターネット)、企業支援金融(金融危機で大きく変化すると考えられるが)で成長地域,企業との強力な連携が試みられると考えられる。

学生への影響
 院生,学生に中国,インド,ロシアといった成長地域と地域経済が連携、共進化する意味と方法を教える。
1) 成長するグローバル企業と地域経済が連携する新しい産業モデルを教える。
2) 地方公務員上級を希望する学生に,本研究が導き出す地方経済の新しい課題と政策を教える。

学問分野
 アジアにおける経済発展は欧米の影響を強く受けてきた。1980年代以降、韓国,台湾,マレーシアなどNIESは雁行経済を行った。この時期は欧米企業,特に米国企業が弱体であり,そのためアジアへそのビジネスを拡大できず,また日本は欧米への進出にその大部分の経営資源を投入していた。そのため,経済的空白地帯がアジアに生じ,その結果としてNIES諸国の独立的な雁行経済(雁行型成長)がその空白を埋める形で可能になったことも考えられる。1990年代から金融危機以前は米欧の企業が強く、日本+米欧の外資導入によるオープン経済,自由な経済(強い政府)により,国内の国際化(グローバルスタンダード化)で,中国,インドなどの多くの地域は急成長し、資源供給先としての中東、ロシア、ブラジルを牽引してきた。その成長を理解し,その成長との連携方法と金融危機後の企業支援機能の再構築などを通して共進化モデルを模索し、環日本海地域の今後の研究と政策立案へ活かすことができる。

【実施体制】
    
過去の海外との共同研究

 過去中国国務院(政府)の研究官を富山大学客員教授として受け入れると共に、清家は中国国有企業などの訪日経営者教育を行ってきた。中国政府の国有企業の行政指導に関して清家は中国訪問指導、情報提供、共同研究などで協力を行った。また2009年3月は中国北京大学での日中情報経営系4学会共催の国際大会(実行委員長は清家教授)で日中政府、富山県を含めた日中産学官協力の場作りの成果を挙げた。

将来計画
 日本,中国,インド,ロシア他の政策・企業経営の比較研究(将来的にはインターネットによる「国際連携大学院研究センター」的な機能を持たせる)
 過去の日本の政治家,経営者のインタビュー、また財務省、経済産業省の歴代事務次官などの既存オーラル資料を英語、中国語で移転することも世界への貢献で考えるべきである。

これからの未来10年

欧米は1990年代の日本に学び
韓国、台湾は1980年代の日本に学び
中国は1970年代の日本に学び
インド、インドネシアは1960年代の日本に学ぶ

 彼らの未来は日本の過去の中にある。日本が政治家、経営者、官僚のオーラルをし、英語、中国語などで世界発信する意味はそこにある。

大学教育における改善効果等
 国際化人材へと学生を育てるための資料とネットワークを獲得する。政府,企業とその連携の事例からケーススタディを作りあげ,学生の講義における講義資料を作る。
公務員を目指す学生にとって,新しい分権国家における政策担当者のモデルを作りあげ,新しいテクノクラート教育を作りあげる。

0 件のコメント:

コメントを投稿