2010年9月3日金曜日
ロボットの製品化と企業(6) ロボット経済になぜ興味を持ったか?
経済の流れのなかで、私がなぜロボットに興味を持ったのか。
経済がだんだん落ち込んでいくのは消費をしなくなるからです。なぜ、消費をしないのかというと、歳をとると欲しいものがどんどん減っていく。若いころはやりたいこと、あるいは欲しいものがいっぱいあった。それが歳とともにだんだん減っていく。最近では糖尿病の心配とかで食べるものも控え目になっています。また、狭い家には物がいっぱいあって、もう置く場所がない。そんなことで人間自体が消費をしなくなっています。
では、どのようにして消費を高めたらいいのか。その方法は多岐にわたり、いろいろ工夫をします。その中でひとつ、欲しいという感覚を持たせるために流行をつくるということがあります。流行は非常に便利なもので、たとえば今年のカラーは黒だとすると、皆が黒の服を買う。次の年には白となると、黒はすべてリセットボタンが入ってしまい、白を買います。そのように黒、白、赤、とやっていけば常に欲しいものを喚起します。
流行というのはリセットボタンなんです。
消費をしなくなる層はリセットボタンを持たず、自分の誕生日が嬉しくない年齢になっている人たちです。
では、どうするか。若返ってもらうことです。「桃太郎ははどのようにして生まれたか」という話があります。ひとつの説として「桃太郎は桃から生まれたのではなく、おじいさん、おばあさんが若返った結果、桃太郎が生まれたのだ」というのがありました。
この「若返り」という感覚がキイワードです。
若返るといろいろと欲しがります。欲しがると、買いに行くという行動になります。それにロボットがお手伝いができないかと考えたわけです。つまりロボットが人間の若返りをお手伝いするんです。
歳をとって実際に買い物に出かけるのが億劫になったとき、代わりにロボットに買い物をしてもらう。そしてインターネット上のバーチャルな秘書のような存在が、その人の欲しがっている品物やバーゲンセールでの買い物を上手にチューニングして買ってくれる。ロボットがこのように人間の行動をお手伝いし、若返らせてくれたら、お年寄りに購買意欲が起きて経済が成長するだろうと考えたわけです。ロボットで平均年齢をバーチャルに引き下げ、その結果として欲しいものが生み出され、購買行動が増え、その結果、経済成長する、そういう考え方がまずひとつあります。その意味ではロボットはお手伝いです。
次に、ロボットはお手伝い以外にペットの代わりになります。ペットの飼育にはかなりお金がかかります。たとえばシベリアンハスキーなどという犬は購入維持総額がミニバンとほぼ同じです。そして毎日の食費がかかります。安い肉はまず食べません。豚のこま切れなぞを与えるとフン!という顔をします。肉代だけでも1年間に40万円、50万円とかかります。10年飼うと400万円です。それに犬の保険も、ガン保険もあります。どんどんお金がかかります。ちなみに日本では犬と猫のペットの数は15歳未満の子供の数より多いんです。2007年4月1日現在のこどもの数(15歳未満人口。以下同じ。)は1738万、2006年のペットフード工業会の調査では、国内の犬猫飼育数は、約2,168万頭です。おそらく現在は18歳未満よりワンちゃん、ネコちゃんの数が多いと思います。なお、外国人は犬と猫はちゃんがつくのか、熊はなずクマさんになるのか、使い方が分からないそうです。日本語は難しいですね。
それはさておき、コンパニオン・アニマル(伴侶動物)という言葉に象徴されるように、人間並みのペットサービスも加熱している。「ペット葬儀サービス」や「ペット保険」、「ペットシッター」、「ペットアロマテラピー」、「ペット用サプリメント」とペットブーム、愛玩動物から家族化が進行中です。
なぜ、ペットを飼うのか。子供のいちばん可愛い時期は、何もわからないころです。子供が「パパ…」と初めてしゃべったころがいちばん可愛い。その後はだんだん小憎らしくなってくる。頭脳の働きは、犬は1歳児とほぼ同じくらい、チンパンジーはほぼ3歳児といわれています。そうすると、チンパンジーを飼うと3歳児の経験が10年続き、犬を飼うと1歳児の経験を10年間できるということになります。人間であれば1年しか経験できないものが10年経験できる。そうするとペットというものは非常に意味があるわけです。ペットはミニバンとか子供並みに消費しますから、そうなるとペットにロボットが役に立つ。それがひとつあります。
では、なぜ、ペットが役に立つかということになります。
高齢者のホームではペットを飼いたくても飼えません。ペットは病気を持っているからです。ちなみにネコにかつて中国で猛威をふるったSARSのウイルスを感染させたところ、平気でした。それがなぜ、わかったかというと、実験で人間のSARSをネコに感染させたけれど、ネコはすべて元気だったからです。しかし、ネコのSARSが人間に感染するかどうかは実験ができませんからわかりませんでした。ネコにはそんな心配があります。そのほかにも病気をいっぱい持っています。ですから、高齢者の施設ではペットを飼うことはできないのです。
ちなみに日本の高齢者は世界で一番金持ちです。65歳以上の高齢者が持つ貯金は総額1000兆円です。その高齢者は一般に若い人の1/3しか消費しないとされています。経済的な意味からすると、高齢者3人と若い人1人ということになります。このお金持ちの高齢者がペットを飼いたいといっても飼えないんです。
もうひとつ、ペットをめぐってはこんな心理が働きます。自分より先にペットが死んでしまってはかわいそうという思いです。その一方では、自分の息子と喧嘩になったりすると、息子より長生きして息子には遺産相続をさせたくないという気持ち(笑)。そういう心理になるのがペットです。ところが、そのペットの代わりをロボットができますという話になります。
では、ペットはどのような経済効果を持つか。
ペットが増えると経済成長が起こります。そんなバカなと思われるかもしれませんが、ペットはミニバン並み、子供並みに消費します。現に上海や韓国の成長には、ペットブームがかなり貢献しているんです。上海でペットが飼えるのは「ステータスが高い」という証明です。だからこそ、税金が余分にかかるのにペットを飼っている。ペットを飼うということが経済成長につながるのです。
当然ながら、子供も経済成長につながります。要するに子供をたくさん生めばいいのですが、日本の場合はそれが難しい。そこでロボットが子供の代わりをしたら、どうなるか。
ここまでお話したことを整理すると、若返ると経済成長をするということ。次にペットが経済成長を助け、そのペットの代わりをロボットがするということ。3番目は、子供が増えれば経済成長をするので、これもロボットにやらせることが可能かどうか、そしてこれがどういう意味を持つかという話になります。
僕の話は、このあたりまでは何となくわかるが、それ以降はわけがわからなくなると、よく言われます。
そこでビデオを見ていただきながら、ロボットがどの程度、人間を支援するかを説明したいと思います。
〔ビデオ上映〕
ロボットがすごいのは学習することです。何度も試みているうちにどんどん進歩していきます。これは、歩くのを助けるロボットです。
いま、膝の痛みを訴える人が多くいます。買い物をするのも億劫になります。ですから、歩行を支援するロボットとか、買い物を代行するロボットがあればいい。たとえばスーパーにたくさんのロボットが置いてあって、そのロボットに自分の買い物を命令する。すると、そのロボットがスーパーを歩き回って買い物をし、宅急便で送ってくる。そういうシステムがいま研究されています。
ロボットが人間のいろいろな手伝いをして、バーチャルに平均年齢が10歳下がると、経済は5%ぐらい上がるとされています。つまり年間成長率の5%は平均年齢を10歳下げれば達成できるんです。これをバーチャルにやることができるのがロボットのひとつの意味です。
ペットのロボットは、ソニーのアイボが典型でした。アイボは世界中に広まりました。中国ではチャイナドレスを着て出てきました。アイボはカメラを持っていますから、特に女性がアイボと接するときは注意しないといけない、などと話題になりました。
ソニーがアイボの葬式ビジネスを考えたことがありました。アイボが壊れると修理するのに平均2万円かかります。それでも可愛いペットですから修理をします。それを3~4回やると完全に壊れてしまいます。そうなったらアイボの葬儀をだしたらどうかという話になったわけです。その際、アイボが撮った写真を飾ってはどうかということになり、調べてみましたが、ビジネスに使えるような写真がないことからダメになったという話です。
葬式を出したいと思うぐらい「可愛い」と思っている人が多くいたんです。このペットをどんどん本物に近づけるか、あるいは本物ではないにしても独特の可愛さを持たせることによって、その結果としてペットにお金を使ってもらう。ミニバン並みのお金となると年間40万円から50万円がかかります。たとえばラブラドールレトリバーは1年に39万円かかるそうです。10年で390万円です。たくさんの高齢者がペットを10年間飼えば、結果としてペットによる経済成長が起こります。
このペットにいろいろな機能を持たせていく。そのひとつが医療機能です。高齢者はペットを抱いたりして接します。それによって精神的なストレスのモニタリングを続けることができます。また、高齢者はテレビをよく見ます。話し相手がいないとテレビがその代わりをしますが、話し相手をペットにさせるようにすればいい。このようにペットにモニタリング機能や診断機能、コンサルタント機能を付けることができます。そうするとペットの機能がよくなるたびにソフトを買ってもらえます。それも経済成長につながっていきます。
次にペットが子供化しないかというおとぎ話です。子供というのは小さいころはペットです。逆にペットを大事にし、可愛がっていくとペットが子供になってしまうのではないか。そういうソフトをつくれば儲かるのではないかということです。つまり高齢者がペットを可愛がっているうちに、そのペットが「自分の代わりをやってくれたら…」と思うようになる。それが自分の後継者です。
そして自分の知識を後継者=子供に譲りたいと考え、少しずつペットロボットに移していく。そうすると、ペットを15年間も育てたら、自分がもう一人できてしまうのではないか。それが可能か、どうか。いま挑戦しています。
たとえば、司会のAさんの持っているノウハウはすごいと思います。言葉を活ける人、言葉を活け花のように扱える人ではないかと思います。しかし、このノウハウもAさんが亡くなれば、それで消えてしまいます。そこで自分の後継者にそのノウハウを伝えたいと思う。そこにペットロボットが登場し、そのノウハウを吸収してくれる。そしてペットロボットがどんどん学習して、子供になってきたら、ピノキオみたいにちゃんとした人間の体を持ったロボットにソフトを入れればいい。ペットが子供になって、自分の後継ぎになるのではないかというわけです。
さて、自分の後継ぎになるといっても、かつてのような肉体労働ばかりの時代では難しいですが、今はしゃべるだけで食っていける商売がけっこう多いです。
たとえば、大学で僕の代わりにかわいい女の子ロボットが講義をする。おっさん教授の大声よりかわいい声のほうがうっとり・・・・講義が終わって学生が質問したとします。すると、女の子ロボットは僕のケータイに電話をしてきて、質問の内容を伝えます。そして僕が彼女に代わって答えれば、僕はその教室にいなくてもいいんです。ロボットは僕の後継ぎが十分できます。そうなると、僕は複数の大学をかけ持ちで講義をすることができます。
さて、後継者といっても最初は応答もできないし、難しいです。営業マンが自分の代わりにロボットを出向かせて営業ができるか、これはなかなか難しいです。自分のロボットを宅急便で送る。相手先でロボットが「こんにちは」と、商品の説明をときどき冗談も交えてやる。そろそろお客さんの質問があるかなというころを見はからって、営業マンが顔を出せばいいんです。
ロボットを自分の後継ぎにするのは情報化時代になるほど簡単です。しかし、これが経済成長につながるか、どうかです。これまではホンダのオデッセィが売れると経済成長する、ペットが売れると経済成長するという例がありますが、ここになってくると例がなく、怪しくなってきます。
自分の後継ぎが子供的なイメージになるというのは、どういう感じかを説明したいと思います。
〔ビデオ上映〕
──アニメ「美女と野獣」──
こういう社会になればいいなというイメージです。
周りにいる種々な存在は、人間が魔法をかけられてこうなったという設定で、イメージ的にはペットと子供の中間みたいなものがたくさんいます。ロボット社会の未来をイメージするには、これが一番いいと思います。これが楽しいと感じるかどうかは、想像力の問題だろうと思います。
このもうひとつのロボットがペットでもあり、自分の相談相手でもあります。そして最後に魔法が解けるとすべて人間に戻る。そうすると子供が成長して人間になるかもしれない。その点では、現在はこのあたりまで進んでいます。
進んでいるといっても科学が進んでいるのではなく、人間の意識です。現在はどんなロボットでもつくれる時代になっていますが、いちばん変わらないのは人間です。自分のサポートをして欲しいとか、若返りをしたいという意識とか、そのときにどういうビジネスが始まるかといったイメージができないと科学が進んでもダメです。若返りたい、お手伝いのロボットが欲しいという意識のほうにいま、社会はなってきています。その点については皆の合意が得られます。そして、ここになってくると、「ペットが果して、どういう役割を自分たちの生活の中で持つことができるか」についてはまだ合意がないです。
ロボットに対する考え方がソニーとホンダでは違いました。ソニーは今はロボットから撤退して残念ですが、ソニーは、「ロボットは皆が楽しむものであり、ビジネス感覚がないものほどいいんだ」としていました。これに対してホンダは、「ロボットは人間の手伝いをするものだ」といいます。
アシモを受付ロボットとして人件費の評価をすると、現在の能力では年間で100万円程度しかないとされています。受付の人を採用すると年間400万円程度ですので、アシモは1/4の能力しか持っていないということになります。ただ宣伝効果を考えると、いろいろな意味がありますよという話になります。
このようにホンダは実用、ソニーは遊びと考えていましたが、まだまだどの会社もペットとロボットの社会的、未来的意味についてはまだ、はっきりした意識はありません。この意識は徐々に変わってくると思います。ペットがどういう機能を持っているか、高齢者にとってペットはどういう意味を持つかという話によって変わってくると思います。
いろいろなペットがロボットとして登場するようになると、そこには多様な機能が入ってきます。相談相手とか、話し相手とか。そうなってくると遺言状を残すより、自分のペットロボットに遺言を覚えさせたほうがいい。遺言状にああだ、こうだと書くより、仏壇をロボットにしてしまって、仏壇に自分のノウハウを全部入れてしまう。たとえば財産分与の際は必ず自分=仏壇ロボットが立ち合うことになります。そして作家だったら、自分の著作の著作権管理を息子にやらせるよりはロボットにやらせるほうがいい、ということになります。
有名人ロボットができれば、有名人は死んだ後も活躍できるんです。オードリー・ヘップバーンは亡くなりましたが、清純な女性というイメージから彼女の画像は今でも商品価値がものすごくあります。CMでは大活躍ができます。その彼女の画像をロボット機能を持ったものがコントロールすれば、ヘップバーンは生前と同じように活動できます。まさに、永遠の女性になれるのです。人間が死んだかどうかということは、身近な人以外には関係ないんです。
素晴らしい能力を持った俳優が自分の画像をロボットに管理させれば、自分は300年間でも俳優として機能できます。いまは優れたCGも使えます。自分の画像を最高に美しい状態に残すためのロボットをつくればいいんです。
僕の友人にもCGの研究をしている人が大勢います。以前、バーチャル・アイドルというのがありました。伊達杏子という名前でした。それをつくった人を知っていますが、どんなにうまくつくっても本物の女の子にはかないません。女の子にはその人特有のアンバランスの美があります。バーチャルで理想的な表情をつくり、理想的な会話をさせても可愛くない。もうひとつ、もう一歩可愛くない。そのもう一歩が実際の人間が持っている魅力なんです。
実際に持っている魅力を画像に残せるし、CGも残せます。それとロボット機能がうまく合体すれば、1,000年間女優をすることも可能です。自分は死ぬけれど、やったことを芸術として自分を残すことができます。
ここまでくると最後は、テレビやインターネットという2つの場で見ていると、誰が死んでいるのか、誰が生きているか、わからない時代がきます。そして、こちら側の世界がどんどん大きくなっています。インターネットと画像がくっつく時代になってくると、いま自分が画像の前で会話をしている相手が生きているか、死んでいるかは関係がなくなります。
場合によってはダーウィンやニュートンを再現することもできます。ダーウィンやニュートンを再現したような後継ぎロボットです。それができれば教育効果はすごく上がると思います。魅力のある、優れた経済学者の後継ぎをつくろうと思えばつくれます。つまり、ある一定の画像と一定の知識と一定のコンテンツがきちんと残っている人間ならば、それを再現することができます。
そして、リアルな世界からインターネットの世界が大きくなってくると、その境目がわからなくなってきます。
そうした時代に向かった場合、経済はどうなるのか。
日本はいま、子供の数がどんどん減っていますが、その時代になると子供が減っても関係ないかもしれません。
たとえばあなたを1万人コピーするのも可能です。そうすると世界中いたるところにあなたがが出てきます。これが数千万台のコピーとなってくると、あなたがビジネスマンだとすると、そのビジネスについてはあなたがグローバル・スタンダードになってしまう。そうするとあなたを輸出して儲けようという話になる。そのように考えてくると、輸出をして欲しいという「人間」が日本には意外といるんです。
新興国などは大歓迎です。団塊の世代にはそんな人は一杯います。かつて1980年代、90年代韓国、台湾の成長を日本人サラリーマンは助けました。現在の中国、未来のインドの高度成長を「定年後の日本のおじさんたち」は援けています。彼ら名もないおじさんたちは、中島みゆきさんの歌を背に、国を超えて今、中国、インドで戦っています。それは、新興国が欧米の経済支配から解放されるのを援けようとしているのかもしれません。もし、彼らをロボットにして輸出することができるといえば、世界は大歓迎でしょう。そんなの無理だといったある人がいます。無理ではありません。現在でも団塊の世代が現地工場を視察し、作った設備、機器、ソフト、データーベース、ノウハウは中国他で生きています。私も日本から来た経営学者として中国企業を指導してきました。現在は交通、情報通信が不十分だから日本人が行かないと駄目です。昔はもっと大変でした。現在はインターネット、テレビ電話などでずっとやりやすくなってきました。やりやすくなってきたということは、交通、情報通信で、一人が二人分、三人分、四人分・・・百人分の働きができるようになっていることを意味します。この延長上に「あなたを数千万台コピーして・・」世界のグローバルスタンダードにするがあるのです。
こんなことを含めて考えると、将来のビジネスはロボットをキーワードにした場合、今日本政府が考えている未来とは、なんとなく違うのではないかと思います。要するに経済成長する場合についていろいろなことを考えているけれども、人間が若返るための経済成長、ペットという可愛い対象をたくさん増やすための経済成長、そして最後には、つくることができるかもしれない自分の後継ぎがグローバル・スタンダードになれば、世界が変わってしまうかもしれません。そういう時代の経済成長のイメージがそろそろ必要かもしれません。
日本は世界で一番ロボット技術が進んでいます。世界にあるロボットの半分は日本製です。ペットロボットを売るためには可愛さが必要です。可愛さをつくるのはアニメであり、コミックです。日本にはアニメとコミックの進んだ文化があります。ポケモンが世界の子供たちに人気があるのは可愛いからです。ポケモンのいろいろなキャラクターがもし、本当の動物だったら世界中の子供が買うでしょう。日本はロボット技術においても、アニメにおいてもナンバーワンです。この2つで実現が可能ではないかと思います。
ロボットの世界となると、手塚治虫さんです。手塚さんがどういうイメージを持っていたかということを、ビデオを見ていただきながら説明します。
〔ビデオ上映〕
いまリアルな世界で鉄腕アトムが復活しようとしています。
ロボットはもう研究の時代から、ロボット経済の時代に入り、具体的には生活や未来を変える時代に入っているのではないかと思っています。
ロボット経済では、いくつかの原則があります。
ある意味で、自分のロボット、自分のクローンを残せない人は旧人類であり、自分のクローンをインターネットの中に大量につくっていく人が新人類です。新人類に入るか、どうか。これが1番目です。
次に、新人類というのはサイバースペースの中に生き、たくさんの自分のクローンと一体になって存在する存在であるということ。つまり、サイバースペースの中に、自分(自分のロボット、自分のクローン)がたくさんいて、それと自分が提携する。さきほど申し上げた、講義はロボットがやって、質問に僕が答えるという形です。
3番目は、サイバースペースの中にロボットが次々に登場します。その中はロボットが大量移民をする世界です。おそらくアメリカの西部開拓時代と同じような感覚になるのではないか。つまりアメリカ大陸に大量に移民が登場して、西部を開拓していったような時代になるのではないかと考えています。
そうすると4番目としては当然のことですが、サイバースペースの中では征服とか植民、場合によっては戦争という事態も起こりえます。
そして5番目に、サイバースペースがどんどん大きくなって、リアルな世界より大きくなってしまいます。イギリスの経済よりもアメリカの経済が大きくなったように、です。そのうちに我々がふだん生活している経済は、サイバースペースの経済の一部になりうるのではないか。
まだまだありますが、この先は皆さんも考えてください。
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