中国にとって、交渉、取引などで「日本をオンリーワンにできない」3つの理由がある。
1.いつも相手を競争させる。
これは欧米に対しても同じなのだが、欧米人は競争させられるのに慣れているが、日本人は慣れていない。日本人は特に競争を不愉快に感じ、子供みたいに交渉を投げ出すことさえある。
中国のリーダーは海外、市場経済にいまだ不慣れとの意識がある場合がある。特に社会のリーダーである40代の人は、大学生まで配給制度で、国際情報が乏しい中で育った。
自らの「市場・ビジネスへの不慣れは、相手を競争させることで解消できる」というのは、経営学原理では合理的である。
日本は欧米と必ず競争させられている。また欧米との案件は失敗すると周囲も大変残念がることが多い。日本案件は失敗しても安心するときさえある。この点は後日論じましょう。
例えば「プラント・商品・部品・技術」取引を行うとしよう。リーダーは、日本を、欧米、韓国、台湾などと競争させ、各国の多面的な情報を獲得、比較し決定する。判断基準は、先端技術、環境安全、顧客志向、品質、納期、費用の6基準である。多くの場合日本案件は高い評価であるが、選ばれるとは限らない。
3回に1回か5回に1回日本が選ばれる(その理由は分かりますか?)。
2.欧米案件は現在ディスカウント
欧米は特に現在経済状況が悪い。「プラント・商品・部品・技術」取引、交渉でも?ディスカウント案件が多い。特に欧州は国家が多いこともあって競争させやすい。お買い得案件、交渉が溢れる。中国人リーダーが欧米はお買い得と考えるのは理にかなっている。
3.中国は国有企業の売り上げがGDPの半数を超える。
中国では、国家を抜きにした交渉・案件は少ないとも考えられる。
政治家、官僚は、国民の一人でも親族を日本人に殺された人がいる間は、日本案件は慎重にならざる得ない。リーダーの意思決定が「日本案件は触らぬ神にたたりなし」との行動パターンになることは合理性がある。
清家は国有企業への経営指導をしてきた。その経験ではリーダーの中で日本留学経験者は少ない。話題は欧米のことばかりである。さらに日本人に親族を戦時に殺されている人が組織内のどこにいるか分からない。日本と一緒に事業を行おうとする中国の方々は、大変な御苦労ご配慮をされてきたようでお気の毒である。
この3つの理由に立てば、今回の「某事件」が、「案件全面中止」を「日本を好きな中国人」が決定せざるをえなくなることを恐れる。
日本を好きな中国人の方々を
苦しい立場に追い込まないように、
彼らの過去の努力を無にしないような
「解決」が行われることを期待したい。
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