2010年9月4日土曜日

大企業と小企業はどちらが有利?

泊ったホテルで

お写真を(^^)ときには気楽に

 大企業と中小企業のどちらが有利か、考えてみよう。就職の際も参考になるかな?

 企業組織が内部組織を維持していくには、環境との間の経営資源の交換が必要である。環境はミクロ経済学的には市場と中間組織(今井賢一他『内部組織の経済学』、1982)に大別できる。また経営資源の交換には投入(Input)と産出(Outoput)がある。投入の代表的なものは原材料であり、産出の代表的なものは商品・サービスである。産出された商品・サービスは環境において原材料となる。経営資源は6Mと一般に規定される。Man(人)、Machine(機械)、Material(原材料)、Method(技術・手法)、Money(資金)、Mension(情報・知識)が6Mである。なお、環境において負の価値を持つ経営資源を産出(排出)した場合、これを一般に公害と呼んでいる。

 さて、生物における食物摂取と同様に企業組織は経営資源を投入”摂取”する。哺乳類の場合、体重と食物摂取が比例しないことが知られている。ゾウはネズミ(200g)より10万倍重いが食べる量は3000倍である。企業の場合も、企業規模と投入される経営資源の必要量が比例しないことが考えられる。大きいほど環境との接面(表面積)が体重の割には小さい。外気温が下がっても大型哺乳類は体が冷えにくいが、小型哺乳類のネズミは恒温性を維持することがすぐ困難になる。したがってネズミは頻繁に食べなければならない。ゾウはその必要が少ない。
 大企業ほど環境との接面(表面積)が規模の割には小さい。企業が環境と接しているのは購買や営業である。これが相対的に小企業より少ない。ということは、環境が悪化しても企業の内部組織の多くは影響を受けにくい。全業務の中に占める営業活動が少なければ、営業の効率が低下しても、企業に与える程度が軽くなる。環境が悪化しても大企業はその活動のほとんどを変更せずにすむが、小企業の多くの活動は環境への対応行動を要求され、職務は変更される。本来業務、定常業務を維持することが困難になる。したがって、小企業は経営資源を頻繁に取り入れ、本来業務への環境の変更を少なくしようとする。大企業はその必要が少ない。大企業は、環境変化の影響を受けにくいので経営資源を頻繁に取り入れる必要が少ない。したがって大きくなるほど経営資源の必要量は減っていく。

 小企業は小さいが、一般に考えられているほど簡単に倒産したりはしない。小さければ、意思決定は速い。現在、市場は細分化し、多くの小市場に分割されていく傾向が強い。したがって、小企業は容易にニッチ市場を探し参入することができる。小企業は、時間の回転が速い。小企業は環境の影響をまともに受ける。不景気がきても、技術が陳腐化しても、人材の供給が出来なくなってもすぐに倒産する。それでも特定業種といった”種”を残す上で小企業は有利である。企業の寿命が短く、環境の影響をまともに受けるので、新しい環境にあった新しい企業を、すぐにつくりだせる。

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